JPH0696908A - 電圧非直線抵抗体の製造方法 - Google Patents

電圧非直線抵抗体の製造方法

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JPH0696908A
JPH0696908A JP4243499A JP24349992A JPH0696908A JP H0696908 A JPH0696908 A JP H0696908A JP 4243499 A JP4243499 A JP 4243499A JP 24349992 A JP24349992 A JP 24349992A JP H0696908 A JPH0696908 A JP H0696908A
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JP
Japan
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bismuth
sintered body
sample
zinc oxide
atmosphere
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JP4243499A
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English (en)
Inventor
Kaori Takahashi
香里 高橋
Kouichi Umemoto
鍠一 梅本
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NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な非直線特性を示す抵抗体を安定して得
ることのできる電圧非直線抵抗体の製造方法を提供す
る。 【構成】 最大で5体積パーセントの酸素を含む雰囲気
中で一次焼成した酸化亜鉛焼結体にビスマスを含む物質
を接触させて二次焼成を行うか、同様の一次焼成した酸
化亜鉛焼結体をビスマスを含む雰囲気中で二次焼成し、
ビスマス成分を拡散させる。あるいは、最大で5体積パ
ーセントの酸素を含む雰囲気中で酸化亜鉛成形体にビス
マスを含む物質を接触させるか、または最大で5体積パ
ーセントの酸素を含みかつビスマスを含む雰囲気中で、
酸化亜鉛成形体にビスマス成分を拡散させながら焼成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビスマス成分および必
要に応じてそれ以外の一種類以上の添加剤を含む電圧非
直線抵抗体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】酸化亜鉛を主成分とする電圧非直線抵抗
体は、その優れた非直線電圧−電流特性から電圧安定化
あるいはサージ吸収を目的として避雷器やサージアブソ
ーバに広く利用されている。この酸化亜鉛を主成分とす
る電圧非直線抵抗体は、比抵抗の小さい酸化亜鉛粒子の
粒界に高抵抗層を形成するビスマス成分が一様に存在す
なわち均一に分散しているという基本構造が、上記優れ
た非直線電圧−電流特性を得るために必要であった。
【0003】電圧非直線抵抗体の製造方法としては、各
原料粉体を機械的に混合し、造粒、成形、焼成を行うの
が一般的であるが、より均一な構造とする目的で、高温
で焼結させた酸化亜鉛焼結体の表面にビスマスを含む物
質を塗布して熱処理拡散させる技術が特公昭46−21
347号公報及び特開平3−159101号公報に、ま
たビスマスを含まない成形体をビスマス含有雰囲気中で
焼成する技術が特開昭51−83199号公報にそれぞ
れ開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たビスマス成分を酸化亜鉛焼結体の表面に塗布し拡散さ
せる製造方法やビスマスを含まない成形体をビスマス雰
囲気中で焼成する製造方法では、ビスマス成分を混合し
ておいて成形、焼成する従来の製造方法と比較して同程
度の均一性をもつ焼成体が得られるが、電圧非直線性は
改善されない問題があった。
【0005】本発明の目的は上述した課題を解消して、
良好な非直線特性を示す抵抗体を安定して得ることので
きる電圧非直線抵抗体の製造方法を提供しようとするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の電圧非直線抵抗
体の製造方法の第1および第2の発明は、最大で5体積
パーセントの酸素を含む雰囲気中で一次焼成した酸化亜
鉛焼結体にビスマスを含む物質を接触させて二次焼成を
行うか、同様の一次焼成した酸化亜鉛焼結体をビスマス
を含む雰囲気中で二次焼成し、ビスマス成分を拡散させ
た焼結体を得ることを特徴とし、さらに得られた酸化亜
鉛抵抗体を酸化性雰囲気中で熱処理することを特徴とす
るものである。
【0007】本発明の電圧非直線抵抗体の製造方法の第
3および第4の発明は、最大で5体積パーセントの酸素
を含む雰囲気中で酸化亜鉛成形体にビスマスを含む物質
を接触させるか、または最大で5体積パーセントの酸素
を含みかつビスマスを含む雰囲気中で、酸化亜鉛成形体
にビスマス成分を拡散させながら焼成し、焼結体を得る
ことを特徴とし、さらに得られた酸化亜鉛抵抗体に酸化
性雰囲気中で熱処理することを特徴とするものである。
【0008】
【作用】上述した第1および第2の発明の構成におい
て、酸素を含まない、あるいは少量含む雰囲気中で一次
焼成することにより、酸化亜鉛結晶粒子の酸素欠陥を増
し粒子抵抗を低下させることができるとともに、このよ
うな一次焼成後の酸化亜鉛焼結体に二次焼成においてビ
スマス成分を拡散させることで、均一な組織を持ち非直
線性に優れた電圧非直線抵抗体を得ることができる。ま
た、更に酸化性雰囲気中で熱処理した場合は、さらに非
直線性を向上させることができる。
【0009】また、上述した第3および第4の発明の構
成において、酸素を含まない、あるいは少量含む雰囲気
中で酸化亜鉛成形体にビスマス成分を拡散させながら焼
成することにより、均一な組織を持ち非直線性に優れた
電圧非直線抵抗体を得ることができる。また、更に酸化
性雰囲気中で熱処理した場合は、さらに非直線性を向上
させることができる。
【0010】
【実施例】まず、本発明の第1発明であるビスマスを含
む物質を一次焼成体に接触させて二次焼成を行う電圧非
直線抵抗体の製造方法について説明する。主成分となる
酸化亜鉛と、必要に応じて添加する酸化コバルト、酸化
マンガン、酸化ニッケル等のビスマス成分を除いた添加
剤の所定量からなる原料粉体を準備する。次に、準備し
た原料粉体をボールミル等で湿式混合し、乾燥、造粒
後、所定の形状に成形し、得られた成形体を脱脂して脱
脂体を得る。その後、得られた脱脂体を所定の焼成スケ
ジュールで酸素含有量5体積パーセント以下の雰囲気、
例えば窒素ガス中で950℃で一次焼成して、例えば厚
さ5mm、直径30mmの円板形状の焼結体を得る。
【0011】次に、円板形状の焼結体に接触する形でビ
スマスを含む物質、例えば酸化ビスマス粉体を置き、こ
の状態で二次焼成を行う。このとき、ビスマス成分の重
量は酸化ビスマスに換算して酸化亜鉛焼結体の1〜10
重量パーセント程度であることが好ましく、また二次焼
成は大気中あるいは中性雰囲気中で800℃以上の温度
で行うことが好ましい。その後、酸化雰囲気中で好まし
くは500℃以上の温度で熱処理を行うことが、更に非
直線特性を向上させるために望ましい。最後に、焼結体
の両端面を好ましくは研磨し、アルミニウムメタリコン
溶射または銀焼き付け等の方法で電極を形成して、電圧
非直線抵抗体を得ている。以下、実際の例について説明
する。
【0012】実施例1−1 上述した製造方法に従って、酸化亜鉛成形体を以下の表
1に示す雰囲気で950℃で一次焼成した。得られた焼
結体の端面に、焼結体の4重量パーセントの酸化ビスマ
ス粉体を接触させ、表1に示す温度で二次焼成を行い、
本発明例試料No.1〜8 及び比較例試料No.9〜11を準備し
た。また酸化ビスマス粉体を設置せずに二次焼成したビ
スマス成分無添加の比較例試料No.12 および酸化亜鉛粉
体と酸化ビスマス粉体を予め機械的に混合しておき、焼
成時に酸化ビスマス粉体を設置しなかった比較例試料N
o.13 も準備した。各試料について、10mA/cm2と1mA/cm2
の電流が流れたとき、および1A/cm2と100mA/cm2 の電
流が流れたときの電圧から非直線指数αを求めた。結果
を表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】表1の結果から、酸化亜鉛粉体の成形体を
予め酸素含有量5体積パーセント以下の雰囲気中で一次
焼成した後に二次焼成でビスマス成分を拡散させた本発
明例試料No.1〜8 は、比較例試料No.9〜13に比べて非直
線性に優れることがわかる。また本発明例試料No.1〜4
に注目すると、二次焼成温度が800℃以上の試料No.2
〜4 がより低温で二次焼成した試料No.1よりも非直線性
が良好であることから、二次焼成温度は800℃以上が
好ましいことがわかる。
【0015】実施例1−2 実施例1−1の本発明例中でも特に非直線性の良好な試
料No.4と同条件で作製した焼結体を更に表2に示す条件
で熱処理し、本発明例試料No.14, 15 および比較例No.1
7, 18 を準備した。参考のため、表1中の本発明例試料
No.4のデータをNo.16 として示した。各試料について実
施例1−1と同様に非直線指数αを求めた。結果を表2
に示す。
【0016】
【表2】
【0017】表2の結果から、焼結体を酸化雰囲気中で
熱処理した場合は、熱処理しない場合に比べて非直線性
が向上し、また非酸化性雰囲気中で熱処理すると非直線
性が悪化することがわかる。
【0018】実施例1−3 酸化亜鉛粉体に表3に示す添加元素の酸化物粉体を1重
量パーセント添加した原料粉体を成形し、実施例1−1
の本発明例試料No.4と同条件で本発明試料No.19 〜21
を、また酸化亜鉛粉体と表3に示す添加元素の酸化物粉
体1重量パーセントと酸化ビスマス粉体4重量パーセン
トとを予め機械的に混合しておく実施例1−1の比較例
試料No.13 と同じ作製法で得た比較例試料No.23 〜25を
それぞれ準備し、実施例1−1と同様に非直線指数αを
測定した。結果を表3に示す。なお、参考のため、表1
中の本発明例試料No.4のデータを試料No.22 として、ま
た比較例試料No.13 のデータを試料No.26 として示し
た。
【0019】
【表3】
【0020】表3の結果から、上記添加元素を加えた場
合非直線性が向上するとともに、本発明の成形体を酸素
含有量5体積パーセント以下の雰囲気中で一次焼成した
後に二次焼成でビスマス成分を拡散させる製造方法が優
れていることがわかる。
【0021】次に、本発明の第2発明である一次焼成体
をビスマス雰囲気中で二次焼成する電圧非直線抵抗体の
製造方法について説明する。まず、主成分となる酸化亜
鉛と、必要に応じて添加する酸化コバルト、酸化マンガ
ン、酸化ニッケル等のビスマス成分を除いた添加剤の所
定量からなる原料粉体を準備する。次に、準備した原料
粉体をボールミル等で湿式混合し、乾燥、造粒後、所定
の形状に成形し、得られた成形体を脱脂して脱脂体を得
る。その後、得られた脱脂体を所定の焼成スケジュール
で酸素含有量5体積パーセント以下の雰囲気、例えば窒
素ガス中で950℃で一次焼成して、例えば厚さ5m
m、直径30mmの円板形状の焼結体を得る。
【0022】次に、円板形状の焼結体を、ビスマスを含
む物質、例えば酸化ビスマス粉体を焼結体に接触しない
ように設置した焼成容器に入れて二次焼成を行う。この
とき、ビスマス成分の重量は、酸化ビスマスに換算して
酸化亜鉛焼結体の5重量パーセント以上であることが好
ましく、また二次焼成は大気中あるいは中性雰囲気中
で、800℃以上の温度で行うことが好ましい。その
後、酸化性雰囲気中で好ましくは500℃以上の温度で
熱処理を行うことが、更に非直線特性を向上させるため
に望ましい。最後に焼結体の両端面を好ましくは研磨
し、アルミニウムメタリコン溶射または銀焼き付け等の
方法で電極を形成して、電圧非直線抵抗体を得ている。
以下、実際の例について説明する。
【0023】実施例2−1 上述した製造方法に従って、酸化亜鉛原料粉体を成形
し、表4に示す雰囲気で950℃で一次焼成した。得ら
れた焼結体を、焼結体の8重量パーセントの酸化ビスマ
ス粉体を設置した焼成容器に入れ、表4に示す温度で二
次焼成を行い、本発明例試料No.27 〜34及び比較例試料
No.35 〜37を準備した。また、酸化ビスマス粉体を焼成
容器に入れずに二次焼成したビスマス成分無添加の比較
例試料No.38 および酸化亜鉛粉体に酸化ビスマス粉体2
重量パーセントを予め混合しておき、焼成時には酸化ビ
スマス粉体を設置しなかった比較例試料No.39 も準備し
た。各試料について、10mA/cm2と1mA/cm2 の電流が流れ
たとき、および1A/cm2と100mA/cm2 の電流が流れたとき
の電圧から非直線指数αを求めた。結果を表4に示す。
【0024】
【表4】
【0025】表4の結果から、酸化亜鉛粉体の成形体を
予め酸素含有量5体積パーセント以下の雰囲気中で一次
焼成した後に二次焼成でビスマス成分を拡散させた本発
明例試料No.27 〜34は、比較例試料No.35 〜39に比べて
非直線性に優れることがわかる。また、本発明例試料N
o.27 〜30に注目すると二次焼成温度が800℃以上の
試料No.28 〜30がより低温で二次焼成した試料No.27 よ
りも非直線性が良好であることから、二次焼成温度は8
00℃以上が好ましいことがわかる。
【0026】実施例2−2 実施例2−1の本発明例中でも特に非直線性の良好な試
料No.30 と同条件で作製した焼結体を更に表5に示す条
件で熱処理し、本発明例試料No.40, 41 および比較例試
料No.43, 44 を準備した。参考のため、表4中の本発明
例試料No.30 のデータをNo.42 として示した。各試料に
ついて実施例2−1と同様に非直線指数αを求めた。結
果を表5に示す。
【0027】
【表5】
【0028】表5の結果から、焼結体を酸化性雰囲気中
で熱処理した場合、熱処理しない場合に比べて非直線性
が向上し、また非酸化性雰囲気で熱処理すると非直線性
が悪化することがわかる。
【0029】実施例2−3 酸化亜鉛粉体に表6に示す添加元素の酸化物粉体を1重
量パーセント添加した原料粉体を成形し、実施例2−1
の本発明例試料No. 30と同条件で本発明試料No.45 〜
47を、また酸化亜鉛粉体と表6に示す添加元素の酸化物
粉体1重量パーセントと酸化ビスマス粉体4重量パーセ
ントをあらかじめ機械的に混合しておく実施例2−1の
比較例試料No.39 と同作製法で得た比較例試料No.49 〜
51をそれぞれ準備し、実施例2−1と同様に非直線指数
αを測定した。結果を表6に示す。尚、参考のため、表
4中の本発明例試料No.30 のデータを試料No.48 とし
て、また比較例試料No.39 のデータを試料No.52 として
示した。
【0030】
【表6】
【0031】表6の結果から、上記添加元素を加えた場
合非直線性が向上するとともに、本発明の成形体を酸素
含有量5体積パーセント以下の雰囲気中で一次焼成した
後に二次焼成でビスマス成分を拡散させる製造方法がす
ぐれていることがわかる。
【0032】さらに、本発明の第3発明であるビスマス
を含む物質を接触させて焼成を行う電圧非直線抵抗体の
製造方法について説明する。主成分となる酸化亜鉛と、
必要に応じて添加する酸化コバルト、酸化マンガン、酸
化ニッケル等のビスマス成分を除いた添加剤の所定量か
らなる原料粉体を準備する。次に、準備した原料粉体を
ボールミル等で湿式混合し、乾燥、造粒後、所定の形状
に成形し、得られた成形体を脱脂して脱脂体を得る。そ
の後、得られた脱脂体に接触する形でビスマスを含む物
質、例えば酸化ビスマス粉体を置き、所定の焼成スケジ
ュールで酸素量5体積パーセント以下の雰囲気、例えば
窒素ガス中で焼成し、例えば厚さ5mm、直径30mm
の円板形状の焼結体を得る。
【0033】このとき、ビスマス成分の重量は、酸化ビ
スマスに換算して酸化亜鉛焼結体の1〜10重量パーセ
ント程度であることが好ましい。その後、酸化性雰囲気
中で好ましくは500℃以上の温度で熱処理を行うこと
が更に非直線特性を向上させるために望ましい。最後
に、焼結体の両端面を好ましくは研磨し、アルミニウム
メタリコン溶射または銀焼き付け等の方法で電極を形成
して、電圧非直線抵抗体を得ている。以下、実際の例に
ついて説明する。
【0034】実施例3−1 上述した製造方法に従って、酸化亜鉛成形体を得、この
成形体に4重量パーセントの酸化ビスマス粉体を接触さ
せ、表7に示す雰囲気で1100℃で焼成し、本発明例
試料 No.61〜63及び比較例試料 No.64, 65 を準備し
た。また、酸化ビスマス粉体を設置せずに焼成したビス
マス成分無添加の比較例試料 No.66および酸化亜鉛粉体
に酸化ビスマス粉体をあらかじめ混合して得た成形体を
酸化ビスマス粉体を設置せずに焼成した比較例試料 No.
67も準備した。各試料について、10mA/cm2と1mA/cm2
電流が流れたとき、および1A/cm2と100mA/cm2 の電流が
流れたときの電圧から非直線指数αを求めた。結果を表
7に示す。
【0035】
【表7】
【0036】表7の結果から、酸化亜鉛粉体の成形体を
酸素含有量5体積パーセント以下の雰囲気中で酸化ビス
マスを拡散させながら焼成を行った本発明例試料 No.61
〜63は、比較例試料 No.64〜67に比べて非直線性に優れ
ることがわかる。
【0037】実施例3−2 実施例3−1の本発明例中でも特に非直線性の良好な試
料 No.62と同条件で作製した焼結体を更に表8に示す条
件で熱処理し、本発明例試料 No.68, 69および比較例試
料 No.71, 72を準備した。参考のため、表7中の本発明
例試料 No.62のデータを No.70として示した。各試料に
ついて、実施例3−1と同様に非直線指数αを求めた。
結果を表8に示す。
【0038】
【表8】
【0039】表8の結果から、焼結体を酸化性雰囲気中
で熱処理した場合、熱処理しない場合に比べて非直線性
が向上し、また非酸化性雰囲気で熱処理すると非直線性
が悪化することがわかる。
【0040】実施例3−3 酸化亜鉛粉体に表9に示す添加元素の酸化物粉体を1重
量パーセント添加した原料粉体を成形し、実施例3−1
の本発明例試料 No.62と同条件で本発明例試料No.73 〜
75を、また酸化亜鉛粉体と表9に示す添加元素の酸化物
粉体1重量パーセントと酸化ビスマス粉体4重量パーセ
ントをあらかじめ機械的に混合しておく実施例3−1の
比較例試料 No.67と同作製法(但し焼成時の雰囲気中酸
素量は2体積パーセント)で得た比較例試料 No.77〜80
をそれぞれ準備し、実施例3−1と同様に非直線指数α
を測定した。結果を表9に示す。なお、参考のため、表
9において表7中の本発明例試料 No.62のデータを試料
No.76として示した。
【0041】
【表9】
【0042】表9の結果から、上記添加元素を加えた場
合非直線性が向上するとともに、本発明の成形体を酸素
含有量5体積パーセント以下の雰囲気中でビスマス成分
を拡散させながら焼成する製造方法が優れていることが
わかる。
【0043】次に、本発明の第4発明であるビスマス雰
囲気中で焼成する電圧非直線抵抗体の製造方法について
説明する。まず、主成分となる酸化亜鉛と、必要に応じ
て添加する酸化コバルト、酸化マンガン、酸化ニッケル
等のビスマス成分と除いた添加剤の所定量からなる原料
粉体を準備する。次に、準備した原料粉体をボールミル
等で湿式混合し、乾燥、造粒後、所定の形状に成形し、
得られた成形体を脱脂して脱脂体を得る。その後、得ら
れた脱脂体に接触しない形でビスマスを含む物質、例え
ば酸化ビスマス粉体を焼成容器内に設置し、所定の焼成
スケジュールで酸素量5体積パーセント以下の雰囲気例
えば窒素ガス中で焼成し、例えば厚さ5mm、直径30
mmの円板形状の焼結体を得る。このときビスマス成分
の重量は、酸化ビスマスに換算して酸化亜鉛成形体の5
重量パーセント以下であることが望ましい。最後に焼結
体の両端面を好ましくは研磨し、アルミニウムメタリコ
ン溶射または銀焼き付け等の方法で電極を形成して、電
圧非直線抵抗体を得ている。以下、実際の例について説
明する。
【0044】実施例4−1 上述した製造方法に従って、酸化亜鉛成形体を得、この
成形体を、成形体に対し8重量パーセントの酸化ビスマ
ス粉体を成形体と接触しない形で設置した焼成容器に入
れ、以下の表10に示す雰囲気で1100℃で焼成し、
本発明例試料No.81 〜83及び比較例試料 No.84, 85を準
備した。また、酸化ビスマス粉体を設置せずに焼成した
ビスマス成分無添加の比較例試料 No.86および酸化亜鉛
粉体に酸化ビスマス粉体2重量パーセントをあらかじめ
混合して得た成形体を酸化ビスマス粉体を設置せずに焼
成した比較例試料 No.87も準備した。各試料について、
10mA/cm2と1mA/cm2 の電流が流れたとき、および1A/cm2
と100mA/cm2 の電流が流れたときの電圧から非直線指数
αを求めた。結果を表10に示す。
【0045】
【表10】
【0046】表10の結果から、酸化亜鉛粉体の成形体
を酸素含有量5体積パーセント以下の雰囲気中で酸化ビ
スマスを拡散させながら焼成を行った本発明例試料 No.
81〜83は、比較例試料 No.84〜87に比べて非直線性に優
れることがわかる。
【0047】実施例4−2 実施例4−1の本発明例中でも、特に非直線性の良好な
試料 No.82と同条件で作製した焼結体を更に以下の表1
1に示す条件で熱処理し、本発明例試料No.88,89および
比較例試料 No.91, 92を準備した。参考のため、表11
において表10中の本発明例試料 No.82のデータをNo.9
0 として示した。各試料について実施例4−1と同様に
非直線指数αを求めた。結果を表11に示す。
【0048】
【表11】
【0049】表11の結果から、焼結体を酸化性雰囲気
中で熱処理した場合、夏処理しない場合に比べて非直線
性が向上し、また非酸化性雰囲気で熱処理すると非直線
性が悪化することがわかる。
【0050】実施例4−3 酸化亜鉛粉体に以下の表12に示す添加元素の酸化物粉
体を1重量パーセント添加した原料粉体を成形し、実施
例4−1の本発明例試料 No.82と同条件で本発明例試料
No.93〜95を、また酸化亜鉛粉体と表12に示す添加元
素の酸化物粉体1重量パーセントと酸化ビスマス粉体2
重量パーセントをあらかじめ機械的に混合しておく実施
例4−1の比較例試料 No.87と同一の作製法(但し焼成
時の雰囲気中酸素量は2体積パーセント)で得た比較例
試料 No.97〜100 をそれぞれ準備し、実施例4−1と同
様に非直線指数αを求めた。結果を表12に示す。な
お、参考のため、表10中の本発明例試料 No.82のデー
タを試料 No.96として示した。
【0051】
【表12】
【0052】表12の結果から、上記添加元素を加えた
場合非直線性が向上するとともに、本発明の成形体を酸
素含有量5体積パーセント以下の雰囲気中でビスマス成
分を拡散させながら焼成する製造方法が優れていること
がわかる。
【0053】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の第1および第2発明によれば、酸素を含まない、ある
いは少量含む雰囲気中で一次焼成した酸化亜鉛焼結体
に、二次焼成においてビスマス成分を拡散させること
で、均一な組織を持ち非直線性に優れた電圧非直線抵抗
体を得ることができる。また、更に酸化性雰囲気中で熱
処理することにより、非直線性をより向上させた電圧非
直線抵抗体を得ることができる。
【0054】さらに、本発明の第3および第4発明によ
れば、酸素を含まない、あるいは少量含む雰囲気中で酸
化亜鉛成形体にビスマス成分を拡散させながら焼成する
ことにより、均一な組織を持ち非直線性に優れた電圧非
直線抵抗体を得ることができる。また、更に酸化性雰囲
気中で熱処理した場合は、さらに非直線性を向上させる
ことができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最大で5体積パーセントの酸素を含む雰
    囲気中で一次焼成した酸化亜鉛焼結体にビスマスを含む
    物質を接触させて二次焼成を行い、ビスマス成分を拡散
    させた焼結体を得ることを特徴とする電圧非直線抵抗体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 最大で5体積パーセントの酸素を含む雰
    囲気中で一次焼成した酸化亜鉛焼結体を、ビスマスを含
    む雰囲気中で二次焼成し、ビスマス成分を拡散させた焼
    結体を得ることを特徴とする電圧非直線抵抗体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 最大で5体積パーセントの酸素を含む雰
    囲気中で、酸化亜鉛成形体にビスマスを含む物質を接触
    させて、ビスマス成分を拡散させながら焼成し、焼結体
    を得ることを特徴とする電圧非直線抵抗体の製造方法。
  4. 【請求項4】 最大で5体積パーセントの酸素を含みか
    つビスマスを含む雰囲気中で、酸化亜鉛成形体にビスマ
    ス成分を拡散させながら焼成し、焼結体を得ることを特
    徴とする電圧非直線抵抗体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項で得られた
    焼結体を酸化性雰囲気中で熱処理することを特徴とする
    電圧非直線抵抗体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記焼結体が、酸化コバルト、酸化マン
    ガン、酸化ニッケルのうち少なくとも一種以上を含む請
    求項1〜5のいずれか1項に記載の電圧非直線抵抗体の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016225404A (ja) * 2015-05-28 2016-12-28 日立金属株式会社 酸化亜鉛系バリスタ用焼結体およびこれを用いた多層基板、ならびにそれらの製造方法

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