JPH08273905A - 電圧非直線抵抗体の製造方法 - Google Patents

電圧非直線抵抗体の製造方法

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JPH08273905A
JPH08273905A JP7073006A JP7300695A JPH08273905A JP H08273905 A JPH08273905 A JP H08273905A JP 7073006 A JP7073006 A JP 7073006A JP 7300695 A JP7300695 A JP 7300695A JP H08273905 A JPH08273905 A JP H08273905A
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JP
Japan
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atmosphere
firing
gas
oxygen
temperature
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Pending
Application number
JP7073006A
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English (en)
Inventor
Tadashi Ito
忠 伊藤
Kaori Takahashi
香里 高橋
Kouichi Umemoto
鍠一 梅本
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NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】気孔率が少なく高密度の電圧非直線抵抗体を得
ることができる電圧非直線抵抗体の製造方法を提供す
る。 【構成】酸化亜鉛を主成分として少なくとも酸化ビスマ
スを含む添加剤を添加混合し、成形、焼成してなる電圧
非直線抵抗体の製造方法において、実質的に100%酸素ガ
スからなる酸素雰囲気中で成形体を焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化亜鉛を主成分とし
て少なくとも酸化ビスマスを含む添加剤を添加混合し、
成形、焼成してなる電圧非直線抵抗体の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】酸化亜鉛を主成分とする電圧非直線抵抗
体は、その優れた非直線電圧−電流特性から電圧安定化
あるいはサージ吸収を目的として避雷器やサージアブソ
ーバに広く利用されている。この電圧非直線抵抗体は、
主成分の酸化亜鉛に酸化物を添加して成形、焼成、好ま
しくは側面高抵抗層を形成するための無機物質を塗布し
た後再度焼成し、その焼結体に電極を取り付けることに
より作製することができる。
【0003】上述した従来の電圧非直線抵抗体の製造方
法において、焼成工程の雰囲気は通常大気雰囲気であっ
た。また、焼成工程の雰囲気が大気雰囲気以外の例とし
て、特開平2−219203号公報において、40%以上
の酸素を含む酸化性雰囲気中において焼成を行うことで
酸化亜鉛粒子を巨大化し、低電圧回路に使用可能な電圧
非直線抵抗体を得る技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本発明者が
電圧非直線抵抗体の製造方法における焼成工程を研究し
た過程で、以下の事実を見い出した。すなわち、まず、
焼成雰囲気のガスは焼成すべき試料の開気孔中に充満す
る。試料の開気孔は、焼結が進むにつれて閉気孔とな
り、開気孔中のガスすなわち焼成雰囲気ガスは閉気孔に
閉じ込められる。ここで、閉気孔中のガスがこの閉気孔
を取り巻く試料中のいずれかの材料にも溶解することが
できない場合、焼結が進行してもこの閉気孔はなくなら
ず残留する。この閉気孔は巨大気孔にはならず破壊開始
点等にはならないが、材料の特性を低下させ焼成物本来
の特性を十分に発揮できない原因となる。
【0005】そのため、従来の電圧非直線抵抗体の製造
方法のように、大気またはそれより若干酸化性の雰囲気
中での焼成では、気孔率特に閉気孔率が低下せず、本発
明で目標とする閉気孔率2.0 %以下の電圧非直線抵抗体
を得ることができない問題があった。
【0006】本発明の目的は上述した課題を解消して、
気孔率が少なく高密度の電圧非直線抵抗体を得ることが
できる電圧非直線抵抗体の製造方法を提供しようとする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の電圧非直線抵抗
体の製造方法は、酸化亜鉛を主成分として少なくとも酸
化ビスマスを含む添加剤を添加混合し、成形、焼成して
なる電圧非直線抵抗体の製造方法において、実質的に10
0%酸素ガスからなる酸素雰囲気中で成形体を焼成するこ
とを特徴とするものである。なお、ここで「実質的に10
0%の酸素ガス」としたのは、若干の不可避的不純物の存
在を許容する趣旨である。
【0008】
【作用】本発明は、酸化ビスマスが酸素のキャリヤとな
ることを利用して達成されたものである。すなわち、実
質的に100%酸素ガスからなる酸素雰囲気中で少なくとも
酸化ビスマスを含む酸化亜鉛を主成分とする成形体を焼
成している。そのため、焼結過程において、閉気孔中に
雰囲気ガスとしての酸素が閉じ込められても、酸化ビス
マスにより成形体の外部へ運ばれ、閉気孔を少なくする
ことができる。その結果、閉気孔率2.0%以下という高密
度の電圧非直線抵抗体を得ることができる。
【0009】なお、上記酸化ビスマスの作用は、焼成工
程のうち特に昇温工程で顕著であるため、昇温工程だけ
を100%酸素ガスからなる酸素雰囲気とすることでも、す
べての焼成工程を上記酸素雰囲気とした場合に比べれば
若干劣るが、十分高密度の電圧非直線抵抗体を得ること
ができる。この場合は、焼成工程のうち昇温工程以外の
工程を例えば大気雰囲気とすることができるため、より
実用的となり好ましい。
【0010】
【実施例】本発明の電圧非直線抵抗体の製造方法は、ま
ず、主成分となる酸化亜鉛と、少なくとも酸化ビスマス
を含む添加剤の所定量とからなる原料粉末、例えばBi2O
3 1.0 mol%、Sb2O3 1.0 mol%、Cr2O3 0.5 mol%、MnO2
0.5 mol% 、CoO 1.0 mol%、SiO2 1.5 mol% 、NiO 1.0 m
ol%、Al2O3 0.005 mol%、残部 ZnOからなる原料粉末を
準備する。次ぎに、準備した原料粉末をボールミル等で
湿式混合し、乾燥、造粒後、所定の形状に成形し、得ら
れた成形体を脱脂してバインダーを除去する。
【0011】次ぎに、脱脂した成形体を焼成して焼結体
を得る。本発明では、昇温過程、保持過程、降温過程か
らなる焼成工程の全体の雰囲気を実質的に100%酸素ガス
からなる酸素雰囲気にするか、そのうち昇温過程のみを
実質的に100%酸素ガスからなる酸素雰囲気にしている。
昇温過程のみ実質的に100%酸素ガスからなる酸素雰囲気
にした場合は、全体を上記酸素雰囲気にした場合と比較
して、酸素雰囲気を維持する手間を少なくすることがで
き、より実用的となり好ましい。昇温スケジュールは、
従来から知られている昇温スケジュールを用いることが
できる。
【0012】最後に、焼結体の両端面を好ましくは研磨
し、アルミニウムメタリコン溶射または銀焼き付け等の
方法で電極を形成し、側面に樹脂モールドを施して、例
えば直径47mm、電極径46mm、厚さ20mmの電圧非直線抵抗
体を得ている。
【0013】以下、実際の例について説明する。実施例1 ZnO粉末に Bi2O3粉末を2 mol%添加し、ボールミルで3
時間粉砕混合を行い、乾燥後、直径20mm、高さ5mmの円
板形状に成形した。そして、以下の表1に示す雰囲気ガ
スを7L/minで流した状態で、得られた成形体をそれぞれ
100℃/hr で昇温し、表1に示す焼成温度で5分間保持
した後、 100℃/hr で室温まで降温して焼結体を得た。
得られた焼結体の開気孔率および閉気孔率を測定した。
測定結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】表1の結果から、O2ガス雰囲気で焼成した
本発明例は、N2ガス雰囲気または大気雰囲気で焼成した
比較例に比べて、焼成温度にかかわらず開気孔率閉気孔
率とも小さい値をとることがわかる。また、本発明例の
なかでも、閉気孔率を2.0%以下にするには、焼成温度を
1200℃以上とすることが好ましいことがわかる。さら
に、比較例では、焼成温度を変化させても、閉気孔率を
2.0%以下にできないことがわかる。
【0016】また、得られた成形体の一部を、昇温、保
持、降温のいずれかの過程のみO2ガス雰囲気として焼成
して焼結体を得た。すなわち、O2雰囲気以外はN2雰囲気
を導入してN2雰囲気にして、焼成温度1200℃でそれ以外
は上述した例と同様の焼成スケジュールで焼成した。得
られた焼結体の開気孔率および閉気孔率を測定した。測
定結果を表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】表2の結果から、昇温過程のみO2ガス雰囲
気とした例が、他の保持過程または降温過程のみをO2
ス雰囲気とした例と比較して、開気孔率および閉気孔率
とも小さい値を示すことがわかる。また、昇温過程のみ
をO2ガス雰囲気とした例だけでなく保持過程のみをO2
ス雰囲気とした例も、閉気孔率を2.0%以下にすることが
できることがわかる。
【0019】実施例2 酸化亜鉛と、少なくとも酸化ビスマスを含む添加剤の所
定量とからなる原料粉末として、Bi2O3 1.0 mol%、Sb2O
3 1.0 mol%、Cr2O3 0.5 mol%、MnO2 0.5 mol%、CoO 1.0
mol%、SiO2 1.5 mol% 、NiO 1.0 mol%、Al2O3 0.005 m
ol%、残部 ZnOからなる原料粉末を乾燥、成形し、直径2
0mm、高さ5mmの円板形状の成形体を得た。そして、以
下の表3に示す雰囲気ガスを7L/minで流した状態で、得
られた成形体をそれぞれ 100℃/hr で昇温し、表1に示
す焼成温度で5分間保持した後、100℃/hr で室温まで
降温して焼結体を得た。得られた焼結体の開気孔率およ
び閉気孔率を測定した。測定結果を表3に示す。
【0020】
【表3】
【0021】表3の結果から、O2ガス雰囲気で焼成した
本発明例は、N2ガス雰囲気または大気雰囲気で焼成した
比較例に比べて、焼成温度にかかわらず開気孔率閉気孔
率とも小さい値をとることがわかる。また、本発明例の
なかでも、閉気孔率を2.0%以下にするには、焼成温度を
1100℃以上とすることが好ましいことがわかる。さら
に、比較例では、焼成温度を変化させても、閉気孔率を
2.0%以下にできないことがわかる。
【0022】また、得られた成形体の一部を、昇温、保
持、降温のいずれかの過程のみO2ガス雰囲気として焼成
して焼結体を得た。すなわち、O2雰囲気以外はN2雰囲気
を導入してN2雰囲気にして、焼成温度1200℃でそれ以外
は上述した例と同様の焼成スケジュールで焼成した。得
られた焼結体の開気孔率および閉気孔率を測定した。測
定結果を表4に示す。
【0023】
【表4】
【0024】表4の結果から、昇温過程のみO2ガス雰囲
気とした例が、他の保持過程または降温過程のみをO2
ス雰囲気とした例と比較して、開気孔率および閉気孔率
とも小さい値を示すことがわかる。また、昇温過程のみ
をO2ガス雰囲気とした例だけでなく保持過程または降温
過程のみをO2ガス雰囲気とした例も、閉気孔率を2.0%以
下にすることができることがわかる。
【0025】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、実質的に100%酸素ガスからなる酸素雰囲気中
で少なくとも酸化ビスマスを含む酸化亜鉛を主成分とす
る成形体を焼成しているため、焼結過程において、閉気
孔中に雰囲気ガスとしての酸素が閉じ込められても、酸
化ビスマスにより成形体の外部へ運ばれ、閉気孔を少な
くすることができる。その結果、閉気孔率2.0%以下とい
う高密度の電圧非直線抵抗体を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化亜鉛を主成分として少なくとも酸化ビ
    スマスを含む添加剤を添加混合し、成形、焼成してなる
    電圧非直線抵抗体の製造方法において、実質的に100%酸
    素ガスからなる酸素雰囲気中で成形体を焼成することを
    特徴とする電圧非直線抵抗体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記焼成工程のうち昇温工程のみを実質的
    に100%酸素ガスからなる酸素雰囲気中で成形体を焼成す
    る請求項1記載の電圧非直線抵抗体の製造方法。
JP7073006A 1995-03-30 1995-03-30 電圧非直線抵抗体の製造方法 Pending JPH08273905A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010103440A (ja) * 2008-10-27 2010-05-06 Toshiba Corp 電流−電圧非直線抵抗体およびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010103440A (ja) * 2008-10-27 2010-05-06 Toshiba Corp 電流−電圧非直線抵抗体およびその製造方法

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20021105