JPS6249498B2

JPS6249498B2 -

Info

Publication number: JPS6249498B2
Application number: JP7110080A
Authority: JP
Inventors: Tadashi Jo
Original assignee: Kayaba Industry Co Ltd
Current assignee: KYB Corp
Priority date: 1980-05-28
Filing date: 1980-05-28
Publication date: 1987-10-20
Also published as: JPS56167941A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は自動車等のバツクドアの開閉等に用い
られるガススプリングの錠止装置に関する。

一般に、自動車等のバツクドアを開閉する際そ
の重量負荷を軽減するためにガススプリングが使
用される。そして、このガススプリングは前記バ
ツクドアを開放した位置に保持するために、ガス
スプリング自ずからが伸長後収縮方向へは作動し
ないような錠止装置を有している。

従来、この種の装置として、例えば特開昭50−
54775号公報に開示されているように、機械的手
段によるものが知られている。

即ち、シリンダ側に設けられたカムドラムとピ
ストン棒側に設けられたカムスリーブとのカムに
よる係合等により、ガススプリングが錠止されて
いる。

しかし、このような錠止装置はカム等の複雑な
形状による加工工数の増大を招き、自ずとコスト
アツプにつながり、加えて構造が煩雑で作動の信
頼性に欠けるという欠点があつた。

本発明はかかる点に鑑み提案されたもので、伸
切位置で自動的に確実にロツクすることができ、
しかも構造が簡略でコストの安価なガススプリン
グの錠止装置を提供することを目的とする。

以下、本発明の実施例を添附図面に基づいて説
明する。

第１図は本発明の錠止装置を有するガススプリ
ングの縦断面図で、１は作動油液で満たされたシ
リンダ、２はシリンダ１内を油室Ａ，Ｂに隔成す
るピストン、３はピストン２に一端が固着し、他
端がシリンダ１外へ突出するピストンロツド、４
はシール部材を備えたピストンロツド案内部、５
はシリンダ１内に更にガス室Ｃを隔成するフリー
ピストンである。

そして、シリンダ１内のロツド案内部４に近接
した位置には環状の固定ストツパー６がカシメ等
により固着されている。

この固定ストツパー６はガススプリングの最大
伸長時の衝撃等からロツド案内部４等を保護する
ために設けられるのみではなく、ガススプリング
の錠止装置の一部を構成している。

即ち、第２図に明らかなように、固定ストツパ
ー６の内面には、後述する可動ストツパー７の突
起状の係止部７ａが係合する環状溝６ａが形成さ
れると共に、この環状溝６ａから図中下方に向け
て内径が拡がるテーパ面６ｂを有している。

一方、ピストンロツド３の段付小径部３ａに
は、前記係止部７ａを先端に有する可動ストツパ
ー７と、この可動ストツパー７と固定ストツパー
６との係合を解く機能を有する弾性カラー８とが
ピストンロツド３の段部とピストン２と間で摺動
自在に嵌装される。

可動ストツパー７は、第３図Ａ，Ｂに示すよう
に全体が弾性材により環（筒）状に形成され、ピ
ストンロツド３の段付小径部３ａ外周に摺接する
支持部７ｃとこの支持部７ｃから上方に向けてラ
ツパ状に拡がる傘部７ｂとを有している。

傘部７ｂには、円周方向に所定の間隔をおいて
軸方向に延びるスリツト９が形成される。従つ
て、この可動ストツパー７は傘部７ｂにおいて軸
心と直角方向に伸縮する。

更に、この傘部７ｂ先端に前記係止部７ａが形
成され、通常（伸切り前）はこの係止部７ａ外径
が固定ストツパー６のテーパ面６ｂの最小内径
（図中イ部）及び環状溝６ａの最小内径（図中ロ
部）よりも大きくなるように設定される。

弾性カラー８は、第４図Ａ，Ｂに示すように全
体が一部切割りされた断面がＬ字形の環状体で形
成され、可動ストツパー７と同じように支持部８
ａと筒部８ｂとを有している。

そして筒部８ｂの先端外径は固定ストツパー６
のテーパ面６ｂの最大内径（図中ハ部）と同等か
それ以下に設定される。

これら、可動ストツパー７と弾性カラー８との
間にはスプリング１０が介装され、通常は間隙Ｓ
寸法だけ軸方向に離間される。

このスプリング１０の反撥力は、伸切り係合時
に可動ストツパー７が撓んで縮径する時に必要な
力よりも大きく設定される。

次に、このように構成された本発明の作用につ
いて説明する。

ガススプリングが圧縮された状態（即ち、バツ
クドア等を閉じている状態）から解放されると、
ピストン２及びピストンロツド３がガス室Ｃ内の
ガス圧力により伸び方向に作動し始める。

そして、ピストンロツド３の外部への突出長さ
が最大長近くになると、第５図のように可動スト
ツパー７の傘部７ｂが固定ストツパー６のテーパ
面６ｂにならつて内方へ撓められ、やがて環状溝
６ａに係止部７ａが係合する。

従つて、この後バツクドアの自重等でガススプ
リングを収縮させようとする力が作用した場合、
ピストンロツド３側の可動ストツパー７とシリン
ダ１側の固定ストツパー６とが機械的に係合して
いるため、ピストンロツド３は下降せず、いわゆ
るガススプリングは錠止された状態となる。

そして、この錠止状態を解除する時は、ドアを
手で僅かに押し上げるようにしてピストンロツド
３を距離Ｓだけ引張り上げる。

すると、可動ストツパー７はその係止部７ａが
環状溝６ａの上壁に当接するため上方へは移動し
ないが、弾性カラー８がピストンロツド３と共に
スプリング１０力に抗して上昇し、その筒部８ｂ
の先端がテーパ面６Ｂにならつて内方に撓めら
れ、可動ストツパー７を内方に縮径させて係止部
７ａと環状溝６ａとの係合を解く（第６図の状
態）。

この後、一旦押し上げたドアをガス反力に抗し
て押し下げると、ピストンロツド３の距離Ｓのス
トロークの間は、可動ストツパー７と弾性カラー
８とは固定ストツパー６のテーパ面６ｂに対する
摩擦力により、第７図のようにスプリング１０を
圧縮保持している。そして、ピストンロツド３の
段部に可動ストツパー７が係止されてからは、弾
性カラー８とともに固定ストツパー６から抜け出
すが、いつたん係止部７ａが環状溝６ａから外れ
れば、その後のストロークにより第２図の状態に
戻る。

このように、ガススプリングは簡単な機械的手
段により錠止されるため、装置全体が簡略化され
ると共に、その錠止力も確実に得られる。

そして、可動ストツパー７や弾性カラー８等は
プラスチツク成形あるいはプレス成形等により簡
単に製作でき、構造的にも軽量である。

尚、第８図のように可動ストツパー７に対する
弾性カラー８の嵌合状態を係合解除時により良く
保持させるために、可動ストツパー７の外周にカ
ラー８先端に対する係合用溝７ｄを設けても良
い。

以上説明したように本発明によれば、より確実
な保持力を得ることができると共に、製作が容易
となり加工工数が削減できるのでコストダウンが
はかれる。また、装置全体が簡略化し装置に対す
る信頼性が向上するという利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のガススプリングの全体を示す
断面図、第２図はその要部断面図、第３図Ａ，Ｂ
は可動ストツパーの正面及び半断面図、第４図
Ａ，Ｂは弾性カラーの正面及び断面図、第５図乃
至第７図は作動状態を示す各々の要部断面図、第
８図は本発明の他の実施例を示す要部断面図であ
る。１…シリンダ、２…ピストン、３…ピストンロ
ツド、４…ピストンロツド案内部、６…固定スト
ツパー、３ａ…ピストンロツドの段付小径部、７
…可動ストツパー、８…弾性カラー、１０…スプ
リング。

Claims

【特許請求の範囲】１圧力ガスを充填したシリンダと、このシリン
ダに摺動自由に挿入したピストンと、このシリン
ダ端部のピストンロツド案内部を有するガススプ
リングにおいて、前記シリンダの内部に環状の固定ストツパーを
設ける一方、ピストンに連結したピストンロツド
に、弾性的に縮径して固定ストツパーに係合しう
るとともに所定ストローク変位可能な環状の可動
ストツパーを嵌装すると共に、両ストツパー間に
押入されて両ストツパー相互の係合解除を行なう
弾性カラーを可動ストツパーとの間にスプリング
を介在させて摺動自由に嵌装したことを特徴とす
るガススプリングの錠止装置。