JPS6246972Y2

JPS6246972Y2 -

Info

Publication number: JPS6246972Y2
Application number: JP1981188611U
Authority: JP
Priority date: 1981-12-16
Filing date: 1981-12-16
Publication date: 1987-12-23
Also published as: JPS5893626U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野本考案は主として室内の暖房器に供し、灯油等
の液体燃料を強制的に気化ガスとして燃焼させる
室内開放型の燃焼装置に関するものである。

従来の技術従来のこの種燃焼装置を第１図に示す。この種
の燃焼方式はガス燃料を使用する形態のものが主
流であり、環状のガス整流室１の一端下部には、
ガス通路２とガバナ３と燃料コツク４を介して燃
料源が連通している。ガス整流室１の上部には多
数のガス噴出口５を設けている。ガス整流室１の
上部内側に接して、周側壁に多数の小孔を有する
上部閉塞の内炎筒６が配され、またガス整流室１
の上部外側に接して、周側壁に多数の小孔を有す
る外炎筒７が配され、さらに外炎筒７を包囲して
ガラス等よりなる外筒８を設けている。また、外
炎筒８下部には、外炎筒用空気口９、内炎筒下部
には内炎筒用空気口１０を形成している。なお、
１１は火炎を示す。

この場合、燃焼源からのガス燃料は、燃料コツ
ク４を開放することによりガバナ３に導かれ、圧
力調整されたガスはガス通路２を通過し、ガス整
流室１に導かれ、ガス噴出口５より噴出する。ま
た内炎筒６と外炎筒７の下部に設けられた外炎筒
用空気口９と内炎筒用空気口１０より自然ドラフ
ト力により吸引された燃焼用空気は前記内炎筒６
と外炎筒７の多数の小孔より流入するので、着火
すると前記の噴出ガスと反応して火炎１１を内炎
筒６と外炎筒７の間に形成し燃焼を行うものであ
る。

考案が解決しようとする問題点この場合、着火に際して、ガス整流室１のガス
噴出口５からのガス燃料はガス成分のみで噴出速
度が非常に小さく、内、外炎筒６，７からの空気
流との接触に時間を要し、ミス着火をおこした
り、着火時に臭気やスス、COが発生したりする
等の問題がある。また、定常燃焼時においても、
噴出速度が小さいためにガス噴出口からの噴出ガ
ス量にバラツキが生じ火炎１１が均一に形成でき
ないために、内、外炎筒６，７の赤熱状態にアン
バランスを生じ、外観上も見ばえが悪くなると共
に燃焼特性を著しく悪くしているものであつた。

またこの種燃焼装置において、内炎筒、外炎筒
の小孔から空気が流入し、これにガス又は気化ガ
スが混合して小孔部分に気孔燃焼火炎が形成され
る。この時、内炎筒、外炎筒およびこれらの小孔
から流入する空気の温度が低いと気孔燃焼火炎が
小孔部分に形成されたり、消滅したりし、きわめ
て不安定な燃焼状態となる。このため未燃焼ガス
が上部より放散し、CO、臭気を多量に発生する
ことになる。

従来の燃焼器において前記の現象は点火初期に
起しやすい。すなわち内炎筒と外炎筒の温度、お
よび小孔より流入する空気の温度が常温レベルと
低く気孔燃焼火炎の形成が不安定となる。点火後
４〜５分で温度上昇し安定燃焼に入るがこの間多
量の未燃ガス、CO、臭気が室内に放散してしま
う。

さらにポツト式バーナと称される燃焼装置にお
いても前記と同様の問題点を有している。

本考案は定常時のNO_x（窒素酸化物）の発生を
抑制するとともにかかる従来の問題を解消するも
ので電熱ヒータで気化体、気化体の上部開放端に
装着した噴出口を有する整流体を十分に予熱する
とともに、点火時、気化ガスに混合する空気の量
を制御して、点火初期の燃焼を安定化し、未燃ガ
ス、CO、臭気を大巾に削減すると同時に定常燃
焼中においても気化ガスが均一に安定して噴出す
るようにし燃焼特性の向上を図ること、および簡
単な手段によつて温風を発生せしめ暖房効果を向
上させることを目的とする。

問題点を解決するための手段問題点を解決するために本考案の燃焼装置は、
予熱用の電極ヒータを有し、アルミニユーム等の
熱良導材からなるドーナツ状の気化体と、この気
化体に設けられた気化室と前記気化体の上端に連
設し多数の小孔を有する内炎筒および外炎筒と、
外炎筒の外側に位置し外側空気通路を形成する外
筒と、気化室内に開口する燃料細管および１次送
風通路と、燃料細管に連設した燃料ポンプと、１
次送風通路と接続した送風フアンと、１次空気通
路と分岐し外筒の近傍に開口した２次送風通路
と、気化体の上部の開放端に装着し気化室に連通
した多数の噴出口を有する整流板と、この噴出口
の上部で内炎筒と外炎筒の間に形成された燃焼室
と、着火により前記噴出口に生じていた火炎を消
滅させ、内、外炎筒の小孔に火炎が生じるように
定常燃焼時の一次空気量を着火時より少なくする
空気量調節ダンパーとを備えたものである。

作用本考案は上記した構成によつて、気化体および
この気化体の上部開放端に装着した噴出口を有す
る整流板が十分に予熱されるとともに、点火時、
予め気化室で気化ガスに空気比（完全燃焼に必要
な理論空気量／供給空気量）を0.8〜1.0の空気量
を供給し、この混合ガスの整流板の噴出口で燃焼
させ、スムーズな点火と安定燃焼化を図り、内炎
筒と外炎筒、燃焼室を300〜500℃の高温に予熱し
た後、気化室で気化ガスに混合する空気量を空気
比0.2〜0.4程度まで減少させる。これによつて整
流板の噴出口に形成された火炎が消滅し、同時に
内炎筒、外炎筒の小孔にNO_xの発生量の少ない安
定した多段状の気孔燃焼火炎が形成される。この
ように点火から定常燃焼まで安定した気化および
点火と燃焼が得られ、未燃ガス、CO、臭気の室
内放散を防止することができ、さらに定常燃焼中
は一つの送風フアンで温風も発生させ暖房効果を
一層向上させることができる。

実施例以下、本考案の実施例を添付図面にもとづいて
説明する。

第２図、第３図において、１２はドーナツ状の
気化体で、内部に電熱ヒータ１３を装着してい
る。前記気化体１２のドーナツ状の部分には、リ
ング状で上部に開放した気化室１４が設けられ、
側壁を貫通して１次送風通路１５と空気量調節ダ
ンパ１６を介して送風フアン１７が接続されてい
る。また空気量調節ダンパ１６から分岐して２次
送風通路１８を連結している。１次送風通路１５
の中軸上にはノズルを構成してなる燃料細管１９
を気化室１４内に臨ませて設けており、この燃料
細管１９には燃料ポンプ２０を介して燃料タンク
２１が連通されている。気化室１４上部で気化体
１２の開放端にはリング状で多数の噴出口２２を
有する整流板２３を装着している。前記噴出口２
２を中間に位置させて、内部側には円筒状で多数
の小孔を有する内炎筒２４を配し、この内炎筒２
４の上部は閉塞している。また、気化体１２のリ
ング状の内側に内側空気通路２５を設け内炎筒２
４に連通している。外側には円筒状で多数の小孔
を有する外炎筒２６を配し、内炎筒２４と外炎筒
２６の間隙部には気化体１２に連通する燃焼室２
７を形成しその上部は開放している。外炎筒２６
の外側に外側空気通路２８を形成するように外筒
２９を設け、外炎筒２６の上部は閉塞し、下部に
空気口を設けている。前記２次送風通路１８の開
放端を外筒２９の側周壁に臨ませてある。また、
噴出口２２には着火火炎３０を、内、外炎筒２
４，２５の小孔には安定火炎３１を形成してい
る。

次に、上記構成による動作を説明すると、気化
体１２の内部に具備した電熱ヒータ１３により気
化体１２、整流板２３を約280℃に加熱後、燃料
ポンプ２０を駆動させ燃料タンク２１からの液体
燃料をノズルを構成してなる燃料細管１９に供給
し、気化室１４内に噴出する。噴射された燃料液
滴は気化室１４の壁が加熱されているためにガス
化され気化ガスを発生する。ここで、送風フアン
１７を駆動させ、空気量調節ダンパ１６へ送り込
まれた空気の一部は１次送風通路１５を通り気化
室１４内に導かれ、前記気化ガスと混合し、空気
比0.8〜1.0の予混合ガスとなつて上部に導かれ
る。一方、大半の残りの空気は２次送風通路１８
に分岐されて放出される。前記予混合ガスは気化
室１４上部に設けられた整流板２３の噴出口２２
より整流されて噴出し、着火源（図示せず）によ
り着火されるものである。着火に際しては、１次
送風通路１５への空気量を増加させ空気比0.8〜
1.0と酸素成分を含んだ予混合ガスが整流された
状態で噴出口２２より噴出し、着火されるために
噴出口２２上部に第２図に示す初期１次炎である
火炎３０を形成する。これは予混合火炎と整流板
が気化体とほぼ同一温度に予熱されていることか
らミス着火の心配もなく、また、ススやCOの発
生の少ない安定した火炎となるものである。ここ
で、液体燃料を気化室１４で気化させた気化ガス
のみでは吐出圧力を持たないために、噴出口２２
からの噴出ガスが円滑でなく、火炎が不均一に形
成したり、一部未燃ガスとして噴出したりして不
完全な火炎を発生することになるが、搬送用空気
として１次送風通路１５から空気を導入し予混合
ガスとすることにより、安定した噴出圧力を得ら
れるものである。そして、初期１次炎の火炎３０
を形成後燃焼熱により、内炎筒２４と外炎筒２６
が300〜500℃に加熱され、且つ小孔には自然ドラ
フト力のアツプによる吸引作用で内側空気通路２
５と外側空気通路２８を通り空気が十分供給され
るため１次送風通路１５からの搬送用空気を空気
比0.2〜0.4の微量に低下せる。この時整流板の小
孔での火炎３０は消滅する。そして、自然ドラフ
トによる空気流により微量空気による予混合ガス
成分は内炎筒２４と外炎筒２６の多数の小孔で燃
焼室２７内に対向した形で気孔燃焼の火炎を形成
するものである。噴出口２２からの予混合ガスは
一定圧力をもつために、搬送用空気である１次送
風通路１５からの空気供給により、安定した気化
ガスを上部に供給できるために、均一性のよい良
好な火炎を形成できるものである。前記２次送風
通路１８に送入された空気は、先端が外筒２９の
側周壁近傍に開放しており、燃焼熱の放散により
外筒２９が加熱されており、そこに送風させるこ
とにより、熱交換させ温風を得ることができるも
のである。

考案の効果以上のように本考案の燃焼装置によれば次の効
果が得られる。

(1) 電熱ヒータによつて気化体および噴出口を有
する整流板を十分に予熱すること、さらに気化
体に形成した気化室に空気比0.8〜1.0相当の空
気を供給してこの予混合ガスを前記整流板の噴
出口上で点火燃焼させることによつて点火初期
の安定した気化と予混合ガスの均一な噴出が得
られるとともに、整流板が十分に予熱されてい
ることから噴出口でスムーズな点火が得られ
る。

(2) この噴出口での安定した火炎によつて内炎
筒、外炎筒、燃焼室を300〜500℃の高温に加熱
した後、気化室への空気量を空気比0.2〜0.4に
減じることによつて内炎筒、外炎筒の小孔で火
炎の吹飛び等のない安定した気孔燃焼に移行さ
せることができるとともにNO_x発生量を抑制す
ることができる。

(3) これらから点火時において未燃ガス、CO、
臭気の発生を防止でき且つ定常燃焼へ短時間に
移行できる。

(4) 気化室に常に予混合のための空気を供給する
ことによつて脈動気化等のない安定した気化状
態と整流板の小孔からの均一な予混合ガスの噴
出が得られ燃焼特性の向上が図れる。

(5) 送風フアンからの空気を分岐して気化室とと
もに外筒の近傍にも供給することによつて温風
を発生させ暖房効果の向上を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のガス燃焼装置の要部断面図、第
２図ａ，ｂは本考案の一実施例による燃焼装置の
着火時の状態を示す要部断面図と特性図、第３図
ａ，ｂは同装置の定常時の要部断面図と特性図で
ある。１２……気化体、１３……電熱ヒータ、１５…
…１次送風通路、１６……空気量調節ダンパー、
１７……送風フアン、１８……２次送風通路、２
４……内炎筒、２６……外炎筒、２９……外筒。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

予熱用の電熱ヒータを有し、アルミニユーム等
の熱良導材からなるドーナツ状の気化体と、この
気化体に設けられた気化室と前記気化体の上端に
連設し多数の小孔を有する内炎筒および外炎筒
と、外炎筒の外側に位置し外側空気通路を形成す
る外筒と、気化室内に開口する燃料細管および１
次送風通路と、燃料細管に連設した燃料ポンプ
と、１次送風通路と接続した送風フアンと、１次
送風通路と分岐し外筒の近傍に開口した２次送風
通路と、気化体の上部の開放端に装着し気化室に
連通した多数の噴出口を有する整流板と、この噴
出口の上部で内炎筒と外炎筒の間に形成された燃
焼室と、着火により前記噴出口に生じていた火炎
を消滅させ、内、外炎筒の小孔に火炎が生じるよ
うに定常燃焼時の１次空気量を着火時より少なく
する空気量調節ダンパーとを備えた燃焼装置。