JPS6314181Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、金網で形成した燃焼筒の燃焼面で表
面燃焼を行なう燃焼装置に関する。

従来のこの種の燃焼装置は、燃焼面を形成する
金網及び整流体が熱応力により変形しやすく、ま
た表面燃焼を行なうため火炎を形成す炎孔面積を
従来のバーナに比べて極端に増大していることで
均一な燃焼火炎が得られない。このために火炎が
不均一になり局部的な過熱や冷却により熱分布が
悪くなり膨脹や収縮のために熱変形を生じて部分
的に燃焼火炎が形成されない部分ができ、生ガス
による一酸化炭素や臭気を発生したり、局部的な
高温火炎により窒素酸化物が増大する等の燃焼特
性に悪影響を及ぼしていた。また、燃焼面の変形
により火炎層にアンバランスを生じ燃焼速度が不
均一になり燃料の噴出速度との均衡を保持できな
くなり逆火燃焼を生じる。また燃焼面から十分な
輻射が得られないとともに気化筒への熱フイード
バツクが図れない等の問題を有していた。

本考案はこのような従来の欠点を除去するもの
で、燃焼面を構成する金網筒及び整流筒の熱変形
を防止し、燃焼面全体にわたつて均等な燃焼を行
わせ、かつ逆火燃焼を抑制して良好な燃焼性能を
得るとともに高輻射特性と気化筒への排気ガス熱
の効果的なフイードバツクを図り省電力化を図る
ことを目的とする。

この目的を達成するために本考案は、燃焼面を
形成する金網等の燃焼筒の内側に近接して多数の
細孔を有した整流筒を同軸上に配設し、この整流
筒と一体に複数の金網ガイドを突出して燃焼筒に
接触し、かつ燃焼筒と整流筒の間に整流空間を形
成せしめ、さらに燃焼筒の外側に燃焼空間を介し
て熱透過性の材質からなる外筒を設けるとともに
燃焼空間の一端を閉塞筒で閉塞し、前記気化筒の
外側には前記外筒に連設した排気ガス筒を設けて
この排気ガス筒の排気ガス噴出口から排気するよ
うにしたものである。

この構成によつて、整流筒に設けられた多数の
細孔の開口面積は燃焼筒の燃焼面の開口面積より
小さく設定されるために整流筒内部圧力は高くな
り十分に充満した状態で細孔より燃料ガスを噴出
して燃焼面全体に均一に供給され燃焼噴出速度も
高くなるため、燃焼面の火炎はほぼ均一状態で燃
焼でき、したがつて、均一な温度分布を保持する
と共に燃焼面と整流筒の間隙を常に一定に保て、
また燃焼筒の変形も防止されるために安定した燃
料の噴出速度と燃焼速度の均衡を維持できること
となる。さらに燃焼面が均一に高温に赤熱し、外
筒を通して高輻射特性が得られ、また気化筒へ排
気ガス熱が伝わり加熱ヒータへの通電が常時必要
なく省電力化が図れることとなる。

以下、本考案の一実施例を第１図、第２図を用
いて説明する。

図において、１は気化筒で内部に加熱ヒータ２
を理設して水平方向に位置させ、後面の一部に送
風口３を介してフアン４を連結している。送風口
の同心状にはノズルを構成してなる燃料細管５を
気化筒１内に臨ませ、燃料ポンプ６を介して燃料
タンク７に連結している。気化筒１内の送風口３
の開口部で燃料細管５が臨むところにはフアン４
からの燃焼空気を拡散させる拡散板８を保持して
いる。また、気化筒１の後面より気化筒１を包含
する形で排気ガス円筒９を配し排気ガス噴出口１
０を開口させている。気化筒１の前面には、気化
筒１の径より小径絞り状の金網保持筒１１を密着
させてその端面付近に円筒状で多数の細孔を有し
て内部に整流混合室１２を構成した整流筒１３を
配し、その同心軸状の外側に整流空間１４を介し
て金網で燃焼面１５を構成した燃焼筒１６を配
し、その端面には閉塞キヤツプ１７で接合させて
いる。燃焼筒１６の外周囲には燃焼空間１８を設
けてガラスや熱透過性の良い材料からなる外筒１
９を配し、閉塞キヤツプ１７側に同じく閉塞筒２
０を接合させ、前記排気ガス円筒９との間で外筒
１９を装着し連結棒２１を固定ビス２２により固
定している。なお、第２図に示す如く整流筒１３
の外周囲全体にはこの整流筒と一体に凸部状の金
網ガイド２３を突出させ金網の燃焼面１５に接触
している。

次に動作について説明すると、気化筒１内の加
熱ヒータ２を通電させることにより気化筒１を高
温状態に加熱させ、次にフアン４を駆動させ燃焼
用空気を送風口３より気化筒１内に送入させる。
フアン４の駆動と同じく燃料ポンプ６を駆動させ
て燃料タンク７から燃料を吸引し燃料細管５の先
端ノズル部より燃料を噴出させ、拡散板８により
空気流を気化壁に当てる状態で燃料粒子と燃料空
気を送出する。気化筒１内は高温状態であるため
に燃料粒子は瞬時に気化されて気化ガスとなり燃
焼空気と混合されながら予混合気として前方の混
合整流室１２に導かれる。整流筒１３に設けた多
数の細孔は燃焼筒１６の燃焼面の開口面積より小
さく設定することにより混合整流室１２内部圧力
は高くなり十分に充満した状態となつて細孔から
は均一した予混合気が噴出することになる。そし
て、整流空間１４でより整流された予混合気を形
成して金網の燃焼面１５に導かれ点火器（図示な
し）により着火し燃焼火炎を燃焼面１５に形成
し、外筒１９と閉塞筒２０で仕切られた燃焼空間
１８を排気ガスは流れ、気化筒１の外周囲に設け
た排気ガス筒９の排気ガス噴出口１０より外部へ
放出されるものである。ここで、整流筒１３と燃
焼面１５の間の整流空間１４を一定距離に保つ手
段として金網ガイド２３を設け、燃焼面に接触さ
せることにより、整流筒１３の細孔から噴出する
予混合気の噴出速度を一定にすると共に整流筒内
は内部圧力が増すために燃焼面全体に均一な予混
合気量を提供できるために、均衡の良い燃料の噴
出速度と燃焼速度が得られる。また、燃焼面の温
度分布が均一なために部分的な熱膨脹や収縮が殆
んどなくなる。さらに排気ガスが気化筒１の外周
を通る際にその熱が気化筒に吸収される。

以上のように本考案の燃焼装置によれば、整流
筒の外周囲にこれと一体に形成した凸部状の金網
ガイドを設け燃焼面に接触させて、整流空間を常
に一定距離に保つとともに整流筒自体の変形も防
止されることにより、燃焼速度と噴出速度を全燃
焼面に対して均衡した状態をつくり逆火燃焼を防
止すると共に燃焼面での火炎を均一にし燃焼面の
温度分布の差異を極力小さくして燃焼性能として
一酸化炭素や臭気、窒素酸化物の発生を抑制でき
るという効果が得られる。

また、燃焼筒の外側に一定間隙をおいて耐熱性
透明ガラス等からなる外筒を設け、かつ排気ガス
を前記外筒に沿つて一方向へ導びき気化筒に接触
させてから排出するので、均一で良好な燃焼の得
られる燃焼面の輻射熱を効果的に放散でき、そし
て風等の外乱にも悪影響をうけず安定した燃焼を
維持できる。さらに排気ガスの熱も気化筒に回収
でき、省電力化が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す燃焼装置の断
面図、第２図は第１図の部分拡大断面図である。 １３……整流筒、１４……整流空間、１５……
燃焼面、１６……燃焼筒、２３……金網ガイド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加熱ヒータを有する気化筒と、これに連設し、
   多数の細孔を有した整流筒と、この整流筒の外側
   に整流空間を介して設け、前記細孔の総開口面積
   より大なる開口面積を有する金網等からなる燃焼
   筒と、整流筒と一体に設け、整流空間に突出して
   前記燃焼筒に接触した複数の金網ガイドと、前記
   燃焼筒の外側に燃焼空間を介して位置させた熱透
   過性の材質からなる外筒と、前記燃焼空間の一端
   を閉そくする閉塞筒と、前記気化筒の外側に間隙
   をおいて位置し、前記外筒と連設する排気ガス筒
   と、この排気ガス筒に設けた排気ガス噴出口とか
   らなる燃焼装置。