JPS6246827Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主として小形船舶に装備される船外機
用内燃機関として使用される垂直軸形内燃機関の
ガバナ装置に関するものである。

クランク軸が立軸になつた垂直軸形内燃機関
は、一般に船外機用内燃機関として使用される
が、第１図の概略側面図によつてその一例につい
て説明すると、小形船舶の船尾１に装着された船
外機は、内燃機関２及びドライブユニツト３から
なり、この内燃機関２によつてドライブユニツト
３の下部に設けられたプロペラスクリユウ４を回
転させ、この小形船舶を矢印Ａの進行方向に推進
させると共に、この船外機の前方に突出した操舵
ハンドル５を船上にて左右に動かすことにより操
舵するようになつている。

この内燃機関では、クランク軸６が垂直軸にな
つており、従つてピストン７は水平に滑動し、そ
のピストン７の頂部側の燃焼室に対向してユニツ
トインジエクタ８がシリンダヘツド９に装着さ
れ、このユニツトインジエクタ８からの燃料噴射
による燃焼によりピストン７を水平方向に往復動
させ、垂直方向に設けられたクランク軸６を回転
させるようになつている。

また、この内燃機関２の各ユニツトインジエク
タ８には、第１図の−方向の拡大正面図であ
る第２図に示すユニツトインジエクタ８の図示さ
れていないプランジヤに固着された燃料噴射量制
御用のレバー１１が設けられており、これらレバ
ー１１は、クランク軸６と平行に上下に移動する
コントロールロツド１２に固着されたフオーク１
３により回動され、矢印Ｅの燃料噴射量増及び矢
印Ｄの燃料噴射量減のごとく操作されるようにな
つている。

次に、この内燃機関２の上部には、このクラン
ク軸６により、第１図を裏側から見た要部の拡大
側断面図である第３図に示すタイミングベルト１
０を介して回転されるガバナプーリ１４が軸受１
５により回転自在に支持されており、このガバナ
プーリ１４と共に回転されるガバナ軸１９の下部
に、ガバナウエイト１６及びガバナスピンドル１
７からなる遠心式のガバナ装置１８が設けられて
いる。

この内燃機関２の回転に伴つて、ガバナ装置１
８が作動してガバナウエイト１６が開くと、ガバ
ナスピンドル１７が下方に移動し、そのため、軸
２０を支点に回動するフローテイングレバー２１
が回動し、更にこのフローテイングレバー２１の
一端に回動自在に連結されたリンク部材２２を介
して第３図の左側の弁腕室２７に設けられ、かつ
軸２４を支点に回動するコントロールレバー２３
を通じて上記ガバナスピンドル１７の動きがコン
トロールロツド１２の燃料噴射量減の方向Ｄに変
えられるようになつている。

ここで、第３図のシリンダヘツド９の左側に積
み重ねられた弁腕室２７の要部の−方向の正
面図を第４図に示しているが、矢印Ｄ−Ｅに移動
するコントロールロツド１２には、ユニツトイン
ジエクタ８の燃料噴射量制御用のレバー１１を回
動させるフオーク１３が取り付けられている他、
この内燃機関２のアイドリング状態の時に作動す
るスプリング２５が取付けられており、コントロ
ールロツド１２に取り付けられたこれらの部品の
重量は相当に重くなり、ガバナ装置１８側の重量
に対し、その連結部分のレバー比の関係上コント
ロールロツド１２側の重量がはるかに重くなり、
そのため、作動がスムースに行なわれないという
問題がある。

特に、内燃機関２に振動が加わつた場合、上記
コントロールロツド１２側と、ガバナ装置１８側
との重量差が不釣合力となつて、ガバナ装置１８
側に悪影響を及ぼすことになる。

そこで本考案は、前記のごときコントロールロ
ツド側とガバナ装置側との重量の不釣合による問
題を解消するためになされたものであり、それら
両者の重量を釣合わせ、内燃機関に振動が加わつ
た時においても、ガバナ系の装置に悪影響を及ぼ
さないガバナ装置を提供することを目的としたも
のである。

即ち、本考案はガバナ装置のガバナスピンドル
の移動により回動支点を中心に回動するフローテ
イングレバー及びそのフローテイングレバーに回
動自在に連結されたリンク部材を介してユニツト
インジエクタの燃料噴射量の制御用のコントロー
ルロツドを移動させている垂直軸形内燃機関のガ
バナ装置において、該フローテイングレバーにお
ける回動支点を挾んだ該リンク部材との連結側の
反対側にバランスウエイトを取り付けることによ
り構成される。

以下図面を参照して本考案の一実施例を説明す
るが、第５図に示す本実施例におけるガバナ装置
１８は、第１図から第４図までに説明した内燃機
関２とほぼ同様の構成及び機能を有する垂直軸形
の内燃機関２に適用されるものであり、同じ部品
は同じ部品番号で示している。

第５図に示すガバナ装置１８も、前記第３図と
ほぼ同様の構成及び機能を有するものであり、タ
イミングベルト１０を介してこの内燃機関２のク
ランク軸６により回転されるガバナプーリ１４が
軸受１５により回転自在に支持されており、ガバ
ナ軸１９が、回転することにより、ガバナウエイ
ト１６が開き、ガバナスピンドル１７が下方に移
動し、そのためフローテイングレバー２１が軸２
０を支点にして回動し、更にフローテイングレバ
ー２１に連結されたリンク部材２２を介してコン
トロールレバー２３を回動させると同時に、コン
トロールロツド１２をクランク軸６と平行な方向
に移動させて、ユニツトインジエクタ８の燃料噴
射量制御用のレバー１１を回動させるようになつ
ている。

そこで本考案では、フローテイングレバー２１
の形状を一部変更し、その回動支点である軸２０
を挾んだリンク部材２２との連結側の反対側の端
部にバランスウエイト２６を取りつけている。

このバランスウエイト２６は軸２０を回動支点
としたフローテイングレバー２１の腕の長さの長
い部分に取付けてあるため、比較的小さいバラン
スウエイト２６でもガバナスピンドル１７上に加
わる重力と充分釣合わせることができる。

従つて、本考案のガバナ装置をユニツトインジ
エクタを有する垂直軸形内燃機関に適用すれば、
そのユニツトインジエクタの燃料噴射量を制御す
るコントロールロツド側の重量とガバナ装置側と
の重量との不釣合を解消することができ、それら
両者の重量を釣合わせることにより、内燃機関に
振動が加わつた時でも、ガバナ装置に悪影響を及
ぼすことがないという利点がある。

なお、本考案はユニツトインジエクタを装備し
た垂直軸形内燃機関、特に船外機用内燃機関に対
して有効に適用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の船外機用内燃機関を示す概略側
面図、第２図は第１図の−方向の要部拡大の
正面図、第３図は第１図の裏側から見たガバナ装
置要部拡大の側断面図、第４図は第３図の−
方向の正面図、第５図は本考案の一実施例におけ
る内燃機関のガバナ装置の要部側断面図である。 ２……内燃機関、８……ユニツトインジエク
タ、１１……レバー、１２……コントロールロツ
ド、１７……ガバナスピンドル、１８……ガバナ
装置、２０……軸、２１……フローテイングレバ
ー、２２……リンク部材、２６……バランスウエ
イト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガバナ装置のガバナスピンドルの移動により回
   動支点を中心に回動するフローテイングレバー及
   びそのフローテイングレバーに回動自在に連結さ
   れたリンク部材を介して、ユニツトインジエクタ
   の燃料噴射量の制御用のコントロールロツドを移
   動させている垂直軸形内燃機関のガバナ装置にお
   いて、該フローテイングレバーにおける回動支点
   を挾んだ該リンク部材との連結側の反対側にバラ
   ンスウエイトを取り付けたことを特徴とする垂直
   軸形内燃機関のガバナ装置。