JPS6246282B2

JPS6246282B2 -

Info

Publication number: JPS6246282B2
Application number: JP58080766A
Authority: JP
Inventors: Tetsuo Takahashi; Kenji Tsuno
Original assignee: Tsugami Corp
Current assignee: Tsugami Corp
Priority date: 1983-05-11
Filing date: 1983-05-11
Publication date: 1987-10-01
Also published as: JPS59209702A

Description

【発明の詳細な説明】本発明はカセツトビデオレコーダの録画再生用
シリンダの如く高精度（通常、数ミクロン以内）
なリード面と円筒面を有する加工物を加工するリ
ード加工装置に関する。

従来のリード加工装置は特開昭58−4341及び特
開昭58−4342に開示されている如く、主軸の前端
にマスターカムを取付け、該マスターカムに、カ
ムフオロワスライダを倣わせ、スライダに保持し
た刃物をＸ軸方向（主軸に直角方向）に送ること
によりリード面の加工を行つている。このような
構造では、主軸端に形状が均一でないマスターカ
ムを取付けているため、主軸を高速回転させると
振動が生じる。そのため、加工物のリード面以外
の加工時、例えば、ベアリング挿入用穴の内径の
加工時の如く、主軸を高速回転させて高速で加工
を行うことが望ましい場合にも、十分高速にする
ことが精度上できなかつた。また、従来の機構で
はカムフオロワの往復による衝撃がマスターカム
を通して主軸に伝わるため、主軸が高い回転精度
で回転することができなかつた。更に、従来装置
では加工物の円筒面の加工は、スライダをマスタ
ーカムに衝接させ、倣わせた状態で、スライダに
保持されている刃物をＺ軸方向（主軸軸線方向）
に油圧を用いて送ることにより行われている。と
ころで、円筒面には規則正しい送り目が望まれて
いるが、油圧による送り速度は主軸回転数に直接
関係がなく、従つて、主軸回転数を変更した場合
には、その都度その主軸回転数に対応する送り速
度が得られるよう、油圧回路の流量調整弁を調整
する必要があつた。この調整は極めて面倒で時間
のかかるものである。刃物の送りをNC制御され
る刃物台により行うようにすれば、送り速度の調
整は極めて容易であるが、従来の如く、主軸に取
付けたマスターカムにスライダを倣わせた状態で
刃物をＺ軸方向に送る構造では、刃物をNC制御
される刃物台で送ることは不可能である。

本発明はかかる従来技術の欠点を是正せんとす
るもので、主軸を従来よりも高精度で高速回転さ
せることを可能となし、かつ加工物の円筒面加工
時の刃物の送りにNC制御を使用しうるリード加
工装置を提供することを目的とする。

本発明になるリード加工装置は、従来主軸先端
に取付けられていたマスターカム（以下リードカ
ムという）をＺ軸スライド上に設け、このリード
カムに刃物を保持したガイドバーを倣わせた状態
でリード面の加工及び円筒面の加工を行うように
構成したことを特徴とする。

以下添付図面を示す本発明の実施例を詳細に説
明する。

第１図、第２図において、１は主軸台、２は主
軸、３はチヤツク、４は加工物、５はベツドであ
る。ベツド５には主軸軸線に平行方向に滑動可能
にＺ軸スライド６が保持され、Ｚ軸スライド６は
ボールねじ７で往復動させられるようになつてい
る。ボールねじ７は数値制御されるサーボモータ
（図示せず）に連結されている。Ｚ軸スライド６
には主軸に対して直角方向に滑動可能なＸ軸スラ
イド８が保持され、Ｘ軸スライド８は、ボールね
じ９（第３図参照）で往復動させられるようにな
つている。ボールねじ９も数値制御されるサーボ
モータ（図示せず）に連結されている。

Ｘ軸スライド８上にはリード加工用刃物台１０
が固定保持されている。刃物台１０は第４図、第
５図、第６図に示すように、リード刃物台本体１
１と、該リード刃物台本体１１に、主軸軸線に対
してほぼ平行に移動可能に保持されたガイドバー
１２と、ガイドバー１２に固定されたバイトホル
ダーベース１３と、２本のバイト１４，１５を保
持し、かつバイトホルダーベース１３に固定され
たバイトホルダー１６と、プツシユ１７と、ガイ
ドプレート１８と、カバー１９等を有している。
第５図において、リード刃物台本体１１の右端に
はピストン室２０が形成され、ガイドバー１２と
一体のピストン２１とともに空圧シリンダを構成
している。ピストン２１の左側のポート２２は空
気溜２３を備えた空気供給管２４に接続し、右側
のポート２５はサイレンサー２６に接続してい
る。空気供給管２４は圧力調整弁及び切換弁を備
えているが図面では省略している。ピストン２１
とシリンダ室のカバー２７との間には圧縮ばね２
８が配置され、ピストン２１を左方に押してい
る。ガイドバー１２の左端にはカムフオロワ２９
が保持され、後述するリードカムに接触するよう
になつている。リード刃物台本体１１はＸ軸スラ
イド８に固定されたキー３０に保持されたピン３
１に対して枢動可能であり、かつキー３０に衝合
する調整ねじ３２を有している。この調整ねじ３
２はガイドバー１２の中心軸線の主軸軸線に対す
る傾斜角度を調整するためのものであり、これに
よつて、加工物４の円筒面のテーパの調整が行わ
れる。

第１図〜第３図を参照するに、Ｚ軸スライド６
の後端にはハウジング４０が取付られ、ハウジン
グ４０は軸受４１を介してカム軸４２を保持して
いる。カム軸４２の端部には間隔片４３及びリー
ドカム４４が保持されている。リードカム４４の
回転軸線即ちカム軸４２の中心軸線は主軸軸線に
対して直角方向である。リードカム４４には主軸
の回転が駆動機構４５を介して伝達される。駆動
機構４５は主軸に設けられた駆動歯車４６、これ
とかみ合う被駆動歯車４７、ブラケツト４８に回
転自在に保持されかつスプライン雌穴を有する中
空軸４９、被駆動歯車４７の回転を中空軸４９に
伝達するようかみ合うシングルポジシヨン電磁ク
ラツチ５０、中空軸４９のスプライン雌穴に貫通
し軸方向に滑動可能なスプライン駆動軸５１、フ
レキシブル接手５２、ハウジング４０に軸受５３
を介して保持された歯車軸５４、この歯車軸５４
に保持された45度ねじれ歯車５５、カム軸４２に
保持され、かつねじれ歯車５５にかみ合う45度ね
じれ歯車５６を有している。互にかみ合うねじれ
歯車５５，５６は同一の歯数を有し、かつ駆動歯
車４６と被駆動歯車４７も同一の歯車を有してお
り、従つて主軸２の回転は１対１の関係でリード
カム４４に伝達される。シングルポジシヨン電磁
クラツチ５０は、噛合を解消して二つのトルク伝
達部材を解放し、相対的に回転させた後再び噛合
状態にした場合、二つのトルク伝達部材が必ず同
一位相で噛合う構造のものであり、これにより、
主軸２とリードカム４４とは常に同一位相で連結
される。スプライン駆動軸５１は中空軸４９に回
転は伝達するが軸方向には滑動可能であり、これ
によりＺ軸スライド６及びそれに保持したハウジ
ング４０がＺ軸方向に支障なく移動しうる。

第２図に示される如く、カム軸４２の後端には
エアモータ５７が連結され、エアモータ５７には
空気溜５８を備えた空気供給管５９が接続されて
いる。エアモータ５７はカム軸４２に主軸２から
駆動機構４５を介して伝達される回転とは反対方
向のトルクを与え、駆動系のバツクラツシユを除
去している。空気供給管５９はトルク調整用の圧
力調整弁を備えているが、図示は省略している。
空気溜５８は作動中の空気圧の変動を少くしてい
る。

次に上記装置による加工動作を説明する。まず
リード面加工をするにはシングルポジシヨン電磁
クラツチ５０を噛み合せ主軸２とリードカム４４
を駆動連結し、かつエアモータ５７を作動させて
駆動系のバツクラツシユを除去する。同時にリー
ド刃物台本体１１のポート２２からピストン室２
１内に空圧を供給しピストン２１を右方に押して
カムフオロワ２９をリードカム４４に押し付け
る。次にＺ軸スライド６をＺ軸方向に移動させリ
ード面加工位置まで前進させる。この状態ではバ
イト１４，１５は第７Ａ図に示す位置となり、リ
ード面加工用のバイト１４が加工開始の状態とな
る。なお、バイト１５は円筒面加工用のものであ
り図面に誇張して示すようにバイト１４に対し間
隔ａ、突出し量の差ｂをもつようにバイトホルダ
ー１６に取付けられている。

次にＺ軸スライド６を停止させた状態で主軸２
を起動して加工物４及びリードカム４４を回転駆
動し、かつNC制御によりＸ軸スライド８を前進
させてリード面加工用のバイト１４によつてリー
ド面加工を行う（第７Ｂ図）。このさい、バイト
１４を保持したガイドバー１２はリードカム４４
に倣つて、主軸１回転当りＺ軸方向に１往復する
が、ガイドバー１２はピストン室２０及びピスト
ン２１からなる空圧シリンダによつてリードカム
に押付けられており、かつ空気溜２４からなるエ
アダンパーが設けられているので追従性は極めて
よい。即ちピストン室２０の容積は20cm³程度であ
り、空気溜２４のそれは1000cm³と大きいため、空
気圧変動がこれに吸収され、カム曲線の変化によ
るカムフオロワ２９の押付け力の変化がほとんど
なくほぼ一定の押付け力となり、ガイドバー１
２、従つてバイト１４はリードカム４４に倣つて
精度よく加工物４にリード面加工する。なお、第
７Ｂ図からも分るようにリード面加工時において
は円筒面加工用のバイト１５は加工物４に接触す
ることはない。

リード面加工終了後、NC制御によりＸ軸スラ
イド８を後退させてバイト１４，１５を第７Ｃ図
の実線で示す状態の如くしてから円筒面加工を開
示する。即ち、主軸２とリードカム４４とを同期
回転させ、かつガイドバー１２のカムフオロワ２
９のリードカム４４のカム面に押付けた状態で、
Ｚ軸スライド６をＺ軸方向にNCで主軸回転数に
対応して決められたピツチで送り、バイト１５に
より円筒面加工を行う。なお、リード面加工用の
バイト１４はバイト１５に比べて距離ｂだけ引込
んでいるので、円筒面加工中に加工物４に接触す
ることはない。

かくして円筒面加工が終了すると、シングルポ
ジシヨン電磁クラツチの噛み合いを外し、主軸と
リードカムとの駆動連結を外す。同時に、ピスト
ン室２０への空圧の供給を止め内部の圧力を解放
すると、圧縮ばね２８の作用によりガイドバー１
２が第５図で左方に押されリードカム４４とカム
フオロワ２９の接触状態が外れる。この状態でＸ
軸スライド、Ｚ軸スライドを後退させる。次に主
軸とリードカムとの駆動連結を外した状態で、加
工物４の他の加工、例えば内径加工が行われる。

次の加工物のリード加工を行うには、再びシン
グルポジシヨン電磁クラツチ５０を噛み合せ、主
軸とリードカム４４とを駆動連結する。この場
合、前記したように、シングルポジシヨン電磁ク
ラツチの使用により、主軸とリードカムとは常に
同じ位相で連結される。以下、同様の操作が繰り
返され、リード加工及び円筒面加工が行われる。

以上の如く、本発明は、リードカムをＺ軸スラ
イドに保持させ、このリードカムを、主軸の回転
を１対１の速度比で伝達する駆動機構によつて主
軸に同期して回転駆動するように構成したので、
バイトをこのリードカムに倣わせることにより、
正確なリード面加工を行うことができる。ここ
で、リードカムは主軸軸線に平行方向にのみ移動
するＺ軸スライドに保持させ、且つ、主軸とリー
ドカムとを連結する駆動機構に、主軸に平行な中
空軸及びスプライン駆動軸を設けたので、Ｚ軸ス
ライドが移動しても支障なく回転伝達が可能であ
る。また、リードカムにエアモータを連結してト
ルクを付与しているので、主軸からリードカムに
到る駆動系における歯車等の回転伝達機構のバツ
クラツシユを除去することができ、常に、リード
カムを主軸に正確に同期させることができる。こ
のように本発明では主軸端に形状が均一でないマ
スターカムを取付けていないため、主軸を高速度
で振動を生じることなく回転させることができ、
リード加工部以外の特に高精度を必要とするベア
リングの入る内径を加工する時に高精度で振動な
く加工し、加工能率を上げることができる。ま
た、カムフオロワの往復による衝撃がマスターカ
ムを通じて主軸に伝わらず、このため主軸が高い
回転精度で回転することができる。更に本発明で
はリードカムをＺ軸スライドに保持させ、バイト
を保持したガイドバーをリードカムに倣わせた状
態でＺ軸スライドをＺ軸方向に送つて円筒面加工
を行うものであるので、バイトの送り速度はＺ軸
スライドの送り速度であり、NC制御を利用する
ことができる。このため、従来の油圧式のものの
ように、バイトの送りピツチの調整に面倒な作業
を必要としない。また、本発明ではリードカムを
主軸軸線に対して直角方向の軸線のまわりに回転
可能とし、リードカムの円筒面をカム面としてい
る。この構造は面カムに比べて剛性が高く、従つ
て精度が高い。更にリードカムの軸線を主軸軸線
に対して直角方向としているため、第４図に示す
ようにリードカムの主軸軸線に対するＸ軸方向の
距離Ｌはリードカムの外径に関係なく任意に設定
でき、このため、バイト刃先とカムフオロワ２９
中心とのＸ軸方向の距離Ｄを極めて小さくするこ
とができる。この距離Ｄは小さい程、いわゆるア
ツベの誤差が入りにくい構造となるので、加工精
度が高くなる。かくして、本発明によれば、従来
よりも高精度かつ高能率のリード加工装置が提供
される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のリード加工装置の
要部側面図、第２図は第１図のＡ−Ａ矢視断面
図、第３図は第２図のＢ−Ｂ矢視断面図、第４図
は第１図の装置のリード刃物台及びその近傍の上
面図、第５図は第４図のリード刃物台の垂直断面
図、第６図は第４図のＣ−Ｃ断面図、第７Ａ図、
第７Ｂ図、第７Ｃ図は加工時の加工物とバイトと
の関係を示す図である。２……主軸、４……加工物、６……Ｚ軸スライ
ド、８……Ｘ軸スライド、１０……リード刃物
台、１１……リード刃物台本体、１２……ガイド
バー、２９……カムフオロワ、４４……リードカ
ム、４５……駆動機構。

Claims

【特許請求の範囲】

１加工物を保持して回転する主軸と、主軸軸線
に対して平行方向に移動可能なＺ軸スライドと、
該Ｚ軸スライドに主軸軸線に対して直角方向の中
心軸線のまわりに回転するように設けられたリー
ドカムと、前記主軸の回転を前記リードカムに１
対１の速度比で伝達する駆動機構であつて、主軸
軸線に平行に配置され回転は伝達するが軸方向に
は相対的に移動可能な中空軸及びスプライン駆動
軸と、前記主軸の回転を前記中空軸及びスプライ
ン駆動軸に伝達する回転伝達機構及び前記中空軸
及びスプライン駆動軸の回転を前記リードカムに
伝達する回転伝達機構と、前記リードカムにトル
クを与えるよう連結されたエアモータとを有する
前記駆動機構と、前記Ｚ軸スライド上に主軸軸線
に対して直角方向に移動可能に保持されたＸ軸ス
ライドと、該Ｘ軸スライドに保持されたリード刃
物台本体と、該リード刃物台本体に前記主軸軸線
に対してほぼ平行に移動可能に保持され、一端に
前記リードカムに接触するカムフオロワを保持し
たガイドバーと、該ガイドバーに保持されたバイ
トを有することを特徴とするリード加工装置。