JPS5917524Y2 - 旋盤 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はサドルおよび横送り台の各々に選択的に固定可
能な刃物台を設けた旋盤に関する。

従来横送り台上に主軸軸線を挾んで対向する第１と第２
の刃物台を設けた旋盤は加工径能力を大きくするため前
記刃物台取付間隔を広げ各刃物台が横送り台上でその送
り方向の両端に固着されていた。

そして第１図に示すように小径な加工物を切削する際第
１刃物台を主軸軸線近くにすべく横送り台を移動させる
と第２刃物台はサドルから飛出し片持ちの状態になる。

この状態における切削は第２刃物台の重量モーメントに
起因する作用力がベッドとサドル間およびサドルと横送
り台間の各摺動面間に加えられサドルおよび横送り台の
送りを不円滑にし、また切削時の振動を倍加されるため
安定した切削を行なえず精度に悪影響を及ぼしていた。

そこで本考案は上記にかんがみ前記第２刃物台を使用時
には横送り台の適宜位置に固定し、不使用時にはサドル
に保持するよう構成し、切削時における前記第２刃物台
のサドルからの飛出しをなくした旋盤を提供するもので
ある。

本考案の実施態様を第２図ないし第４図により説明する
。

１はベッドで上面に第２図紙面上垂直方向に２列の平行
な摺動案内面２，２′が刻設されている。

３は主軸台で主軸軸線を摺動案内面２，２′に平行にし
てベッド１の上面端に固着されている。

４はサドルで摺動案内面２，２′に案内されながらベッ
ド１上を摺動自在に装架されている。

５はサドル用送りねじでベッド１の前側（第２図におけ
る左側を前側と記し右側を後側と記す。

）で摺動案内面２．２′に平行にして両端をベッド１に
軸承され中央ねし部をサドル４の雌ねじと螺合されてい
る。

サドル用送りねじ５は図示せぬサーボモータにより回転
され、これによりサドル４がベッド１上を移動される。

６はあり形の第１案内面でサドル４の上面に主軸軸線に
直交して曲設されている。

７は横送り台で第１案内面６に案内されながらサドル４
上を摺動自在に装架されている。

８は横送り台用送りねじで第１案内面６と平行にしてサ
ドル４に両端を軸承され軸間に横送り台７の下部の雌ね
じが螺合されている。

９はサーボモータでサドル４の後面に固着されその出力
軸が横送り台用送りねじ８と連結されており該サーボモ
ータ９の回転により横送り台７がサドル上を移動させら
れる。

１０は横送り台７上の前部に固着された第１刃物台でそ
の上部は複数の工具を保持して旋回位置決め可能な工具
保持体１０ ａである。

該工具保持体１０ ａは側面に配設された流体モータ１
２により旋回され又聞示せぬ流体シリンダにより緊定さ
れる。

１３は第２案内面で第１案内面６に平行で主軸台側をあ
り１３ ａに反対側を垂直面１３ｂに形成し横送り台７
上面の後側路半分に曲設されている。

１４は第２刃物台で下面には第２案内面１３と僅かの隙
間を有する溝を刻設され横送り台７上を移動可能に第１
刃物台１０に対向するように載置されている。

そして第２刃物台１４は第１刃物台１０と同様にその上
部が複数の工具を保持して旋回位置決め可能な工具保持
体１４ ａである。

該工具保持体１４ ａは主軸軸線を挾んで第１の刃物台
１０と対称に配設された流体モータ１５により旋回され
又聞示せぬ流体シリンダにより緊定される。

さらに第２刃物台１４はその下部に横送り台７に対する
固定装置が設けられている。

即ち１６はラックピストンで後端には大径のピストン１
７前端には小径のピストンを形成された円筒状をなし中
央外周にはラック歯１８が刻設されておりピストン１７
を後側にして第２刃物台１４内を前後方向摺動可能に嵌
装されている。

ラックピストン１６を摺動させるため第２刃物台１４に
穿設された穴とラックピストン１６の両側端面との間に
は小径の前シリンダ１９と大径の後シリンダ２０とが形
成されそれぞれ圧力流体を供給可能にされている。

２１は圧縮ばねで前シリンダ１９内に介装されラックピ
ストン１６を後方へ付勢している。

２２は歯車で第２刃物台の前後中央上下方向に軸承され
た軸２３にキーで止着されラック歯１８と噛合されてい
る。

２４は円板状の駒で歯車２２の下側で軸２３に偏心して
キーで止着され該軸２３の回転によりその外周面が垂直
面１３ｂを押圧して第２の刃物台１４を横送り台７に固
定するようになされている。

そして駒２４の外周が垂直面１３ｂに接したときその回
転中心の軸２３の軸心から垂直面１３ｂとの接点に向か
う線Ａが軸２３の軸心を通り主軸軸線に平行な線Ｂに対
し後側に開きその角度αが喰い付き角度以下となる関係
にされている。

また第２刃物台１４は後記するサドル４に対する保持装
置との保合のため主軸台側ならびに民主軸側の各側面中
はどに横向きの■形溝２５．２６を水平に刻設されてい
る。

２７は受具で上部に前記■形溝２５に対向し保合可能な
山形突起２７ ａを横向きに形成され横送り台７の主軸
台側側方サドル４上後部に固着されている。

２８は締付台で上部にシリンダ２９を形成され該シリン
ダ２９内に嵌装されたピストン３０のピストンロッド先
端に前記■形溝２６に対向し係合可能なテーパ面３０
ａを形成されて横送り台７を挾んで受具２７と対向して
サドル４上後部に固着されている。

シリンダ２９内でピストン３０の両側には前室３１およ
び後室３２が形成されそれぞれ圧力流体を供給可能にさ
れている。

前記山形突起２７ ａとテーパ面３０ ａとは■形溝２
５．２６より僅かに高い同一水平位置にあり第２刃物台
１４が保持されたときは横送り台７より僅かに浮かされ
る。

以上記載した各可動部材の制御は図示せぬ制御装置によ
り行なわれる。

次に作用について説明する。

大径加工物を切削する場合は横送り台７が極端に後側に
送られることがないため第２刃物台１４は横送り台７の
後部に固着されている。

この状態は前シリンダ１９に圧力流体が供給されており
、ラックピストン１６は後方に付勢され噛合した歯車２
２より軸２３を介して駒２４が第４図上反時計方向に回
転される。

そのため駒２４の外周は垂直面１３ｂに押圧され垂直面
１３ｂと喰い付き状態にされて第２刃物台１４が横送り
台７に固着されている。

このとき締付台２８のピストン３０は後退されている。

そして第２刃物台１４にて切削をしたとき発生する切削
抵抗の背分力により第２刃物台１４は横送り台７に対し
相対的に後方へ移動される力を受けるが駒２４と垂直面
１３ ｂとの係合点が喰い付き状態のため前記係合点に
はすべりが起らず前記背分力は前記角度αを減少させる
方向に作用する。

このため第２刃物台１４の第２案内面１３への固定は駒
２４が垂直面１３ｂに更に喰い込み勝手となり一層強固
にされる。

小径加工物を切削する場合で切削に多数の工具を要しな
いときは第１刃物台１０のみにより切削が行なわれ第２
刃物台１４はサドル４側に保持される。

このための操作はまず横送り台７が横送り台用送りねじ
８を介してサーボモータ９により移動されその上面に固
定された第２刃物台１４を受具２７と締付台２８との間
に到達させて停止される。

次いで第２刃物台１４の前シリンダ１９を排出側に又後
シリンダ２０を圧力側に連通されてラックピストン１６
が大径ピストン１７に作用する大きな推力にて前進され
る。

このため歯車２２軸２３を介して駒２４は第４図上時計
方向に回転されその外周が垂直面１３ｂから離脱して第
２刃物台１４の横送り台７への固定が解除される。

続いて締付台２８のシリンダ２９は前室３１を排出側に
又後室３２を圧力側に連通される。

このためピストン３０は第２刃物台１４に向かって前進
され先端テーパ面３０ａを■形溝２６に係合させながら
第２刃物台１４を押圧し反対側のＶ形溝２５と山形突起
２７ ａとを係合させる。

■形溝２５と山形突起２７ ａならびに■形溝２６とテ
ーパ面３０ ａとのそれぞれが完全に係合されたとき第
２の刃物台１４は横送り台７がら僅かに浮き上った状態
に保持される。

以後第２刃物台は横送り台７との関係を絶たれ第１刃物
台１０による切削中サドル４上の後測定位置に固定され
る。

小径加工物を切削する場合で多数の工具を要するときは
第１および第２刃物台１０．１４を使用するため第２刃
物台１４は第１刃物台１０に近づけて固定される。

このための操作は、まず横送り台７が移動され第２刃物
台１４を固定しようとする位置を第２刃物台１４の直下
にして停止される。

次いで締付台２８のシリンダ２９は前室３１を圧力側に
又後室３２を排出側に連通されピストン３０が後退され
て第２刃物台１４が横送り台７上に載置される。

続いて第２刃物台１４の前シリンダ１９を圧力側に又後
シリンダ２０を排出側に連通されてラックピストン１６
が後退される。

このため歯車２２軸２３を介して駒２４が第４図上反時
計方向に回転されその外周が垂直面１３ｂに係合押圧さ
れて第２刃物台１４は横送り台７に固定される。

以後第２刃物台１４は横送り台７の移動制御により切削
可能にされる。

圧縮ばね２１は第２刃物台１４にて切削中圧力流体の供
給を停電等により遮断されても第２刃物台１４の位置か
゛ずれないようラックピストンに付勢力を与えておき駒
２４による第２刃物台１４の横送り台への固定を維持さ
せるためのものである。

上記実施態様に記載した第２刃物台１４の横送り台７に
対する固定方法はこれに限るものでなく、横送り台７上
に該横送り台７の移動方向適宜位置に複数個の位置決め
基準部材を設けておき、第２刃物台１４にて切削すると
きは加工物径に合わせ第２刃物台１４を位置決め基準部
材の１つに係合させて横送り台７に固定することもでき
る。

また第２刃物台の横送り台７およびサドル４に対する固
定装置はねじ部材を使った締付機構等の各種緊定手段が
考えられる。

更に第２刃物台１４のサドル４への固定は強力に行う必
要はなくサドル４に流体シリンダを設は保合部材を使用
して第２刃物台１４を持上げるような保持装置でもよい
。

上記の通り本考案の旋盤は第１刃物台を横送り台に固定
しこれに対向する第２刃物台を横送り台およびサドルの
それぞれに選択的に固定あるいは保持可能に構成し、切
削に際し第２刃物台をサドルに保持したり、あるいは加
工物径に合わせて第２刃物台を第１刃物台に接近して固
定したりできるためサドルから外方に飛出した横送り台
にかかる片持ち重量がなくなり切削が円滑に且高精度に
行える。

また、加工物径に合わせて第２刃物台を第１刃物台に可
能なかぎり接近して固定すれば切削が他方の刃物台へ移
行するときの横送り台の動き量が少なくサイクルタイム
の短縮ができる等の特徴を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の旋盤を心神側より見たベッド途中の断面
図、第２図は本考案の実施態様を心神側より見たベッド
途中の断面図、第３図は第２図のＩＩＩ−ＩＩＩ断面部
分拡大図、第４図は第３図のＩＶ−ＩＶ断面図である。 １・・・・・・ベッド、２，２′・・・・・・摺動案内
面、３・・・・・・主軸台、４・・・・・・サドル、７
・・・・・・横送り台、１０・・・・・・第１刃物台、
１３・・・・・・第２案内面、１４・・・・・・第２刃
物台、１６・・・・・・ラックピストン、２４・・・・
・・駒、２７・・・・・・受具、２８・・・・・・締付
台。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 主軸軸線に平行に移動可能なサドルと、該サドル上を主
   軸軸線に直交して移動可能な横送り台とを有する旋盤に
   おいて、前記横送り台の移動方向の一方の端部上面に固
   着された第１刃物台と、前記横送り台に設けられた位置
   決め基準部材と、前記横送り台上に前記第１刃物台と対
   向して載置された第２刃物台と、該第２刃物台を前記位
   置決め基準部材に倣わせて前記横送り台に選択的に固定
   する固定装置と、前記第２刃物台を前記サドルに選択的
   に保持する保持装置とを設け、前記第２刃物台を前記固
   定装置により前記横送り台に固定して前記第１刃物台又
   は第２刃物台による切削を行い、あるいは前記第２刃物
   台を前記保持装置により前記サドルに保持して前記第１
   刃物台による切削を行うことを特徴とする旋盤。