JPS6245784Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はプレス材料のプレス装置に関し、特に
プレス材料の自動プレス装置に関する。

従来、プレス材料の自動プレス装置ではプレス
材料がプレス機の危険限界内で移送されている。
従つて被プレス材料の下金型上への載置、プレス
済材料の下金型からの取り出しを可能とすべくプ
レス材料はオープンハイトの1/3以下に保たれな
ければならず、場合によつては、十分なオープン
ハイトを有するプレス機を用いるべく、必要以上
のパワーを有するプレス機の導入を余儀なくされ
る。

加えて、各プレス材料に対して二段階以上のプ
レスを連続的に行なう場合、プレス材料の各段階
への送給をスムーズに行なうべく金型サイズ、形
状に応じて下金型の高さ、プレス材料送給径路を
調整する必要があり、下金型、送給径路をプレス
工程に応じて準備する必要がある。複数のプレス
機を用いて二段階以上のプレスを連続的に行なう
場合、前記のスムーズな送給径路を実現するため
に、実際上、最大のオープンハイトを有する最も
パワーの大きいプレス機に統一されており、プレ
ス機が高価なものとなる恐れがある。更に下金型
の位置、送給径路等の微調整がプレス機械の危険
限界内で行なわれる必要があり、操作者が誤つて
ケガをする恐れもある。

本考案は前記諸点に鑑み成されたものであり、
その目的とするところは、オープンハイトの1/2
の高さを有するプレス材料のプレス処理、自動移
送を容易に行ない得、汎用プレス機に適用され
得、且つパワーの異なる汎用プレス機を並置して
多段階連続プレス処理を行ない得るプレス材料の
プレス装置を提供することにある。

本考案によれば、前記目的は、水平面内の一方
向に移動自在に支持枠の上に載せられたボルスタ
と、このボルスタの上に設けられた金台と、前記
一方向に直交した方向に沿つて前記金台から所定
間隔だけ離れた位置において前記ボルスタの上に
設けられた第１の下金型と、前記直交した方向に
沿つて前記第１の下金型から前記所定間隔だけ離
れた位置において前記ボルスタの上に設けられた
第２の下金型と、前記ボルスタを前記一方向に沿
つて第１の位置と第２の位置との間で往復移動さ
せる第１の移動手段と、前記ボルスタが前記第１
の位置にある時に前記金台と協働して帯状材料か
らプレス材料の夫々を打ち抜くべく前記支持枠の
上に設けられた打ち抜きプレス機と、前記ボルス
タが前記第１の位置にある時に前記第１の下金型
と協働して前記打ち抜かれた材料に第１段階のプ
レスを施すべく前記支持枠の上に設けられた第１
のプレス機と、前記ボルスタが前記第１の位置に
ある時に前記第２の下金型と協働して前記第１段
階のプレスが施された材料に第２段階のプレスを
施すべく前記支持枠の上に設けられた第２のプレ
ス機と、前記直交した方向に沿つて移動自在に前
記支持枠に取り付けられた移動部材と、前記ボル
スタが前記第２の位置にある時に前記金台の上に
載つた前記プレス材料の一つを前記第１の金型に
向けて押すべく前記移動部材に固定された押し部
材と、前記ボルスタが前記第２の位置にある時に
前記第１の金型の上に載つた前記第１段階のプレ
スが施された材料を保持する第１の保持手段と、
この第１の保持手段を昇降させるべく前記移動部
材に設けられた第１の昇降手段と、前記ボルスタ
が前記第２の位置にある時に第２の金型の上に載
つた前記第２段階のプレスが施された材料を保持
する第２の保持手段と、この第２の保持手段を昇
降させるべく前記移動部材に設けられた第２の昇
降手段と、前記移動部材を前記直交した方向に沿
つて前記所定間隔だけ移動させる第２の移動手段
とからなるプレス装置によつて達成される。

本考案の装置によれば、帯状材料からプレス材
料を打ち抜き且つこの打ち抜かれたプレス材料に
複数段階のプレスを施すのをシーケンス的に且つ
連続的に行ない得、さらにプレス材料を金型に載
置し且つプレスされた材料を金型から取り出すの
に人手を煩わすのをなくし得る。加えて、プレス
材料のプレス機間の移送をプレス機の領域外の第
２の位置で行ない得るが故に、移動部材，押し部
材，第１の保持手段，第１の昇降手段，第２の保
持手段及び第２の昇降手段の寸法的制限を無くし
得、従つて、これらの手段を所望の構成で形成し
得る。

次に本考案によるプレス装置の参考例を第１図
〜第３図に基づいて説明する。

図中、１はプレス機本体２のボルスタであり、
ボルスタ１は一端で本体２に固定されていると共
に、プレス機の危険限界Ａの外部Ｂまでプレス機
前方に延設されている。ボルスタ１上には下金型
３，４を保持している可動ダイセツトボルスタ５
がＣ，Ｄ方向に摺動自在に設けられている。ボル
スタ５は本体２に装着された第１の移動手段とし
ての油圧シリンダ（図示しない）から突出したロ
ツド６に連結されており、油圧シリンダの作動に
よりボルスタ５はＣ，Ｄ方向に変位される。

油圧シリンダはボルスタ１，５の間に設けても
よく、また油圧シリンダとロツド６とに変えて他
の公知のボルスタ５の平行移動手段を用いてもよ
い。尚、ボルスタ５は必ずしも平行移動される必
要はなく、例えば所望の軸のまわりで回動変位さ
れるようにしてもよい。

ボルスタ５がＣ方向に変位された際、金型３，
４は第１の位置としてのプレス位置Ｅに位置し、
ボルスタ５がＤ方向に変位された際、金型３，４
は危険限界外Ｂの第２の位置としての所定位置Ｆ
に位置する。金型３，４の位置Ｅへの位置決め
は、ボルスタ５，１の孔７，８中へのロツド９の
嵌合により行なわれ、金型３，４の位置Ｆへの位
置決めはボルスタ５の所望部材への当接により行
なわれる、ロツド９は鉛直方向に移動自在であ
り、１１はロツド９のガイドブツシユである。

ボルスタ１の右左には支持枠１２，１３が設け
られており、支持枠１２，１３の間のボルスタ１
上方には、プツシヤプレート１４，プレス材料送
給兼取出器１５，プレス材料取出器１６が設けら
れている。プレート１４、送給兼取出器１５及び
取出器１６は第２の移動手段としての水平送りシ
リンダ１８のロツド１９に移動部材２０，２１，
２２を介して連結されており、シリンダ１８の作
動によりＨ，Ｊ方向に変位される。２３，２４は
支持枠１２，１３に両端部で固定された案内棒で
あり、２５は棒２３のガイドである。部材２２も
棒２３のガイドとして機能している。プレート１
４，取出器１５，１６のＨ方向への変位位置は一
端が部材２２に螺合されていると共に支持枠１２
のサイドプレート２６をＨ，Ｊ方向に移動自在に
貫通しているボルト２７，２８夫々に螺合された
ナツト２９，３０のサイドプレート２６への当接
により規定されており、一方Ｊ方向への変位はボ
ルト２７，２８に夫々螺合されたナツト３１，３
２のサイドプレート２６への当接により規定され
ている。尚、Ｈ，Ｊ方向への変位及び位置決め手
段は公知の他の方法で代替されてもよい。３３は
吸音プレートである。

３４は、プツシヤプレート１４のＨ，Ｊ方向へ
の移動を案内する案内部材である。送給兼取出器
１５は第１の保持手段としてのチヤツク３５と、
チヤツク３５をＫ，Ｌ方向に変位させる、第１の
昇降手段としてのシリンダ３６及びロツド１７
と、シリンダ３６をボルト等により部材２１に固
定する固定部材３７とからなる。

シリンダ３６の部材２１に対するＨ，Ｔ方向の
固定位置を変更可能とすべく、部材２１には孔３
８，３９が設けられている。取出器１６もまた第
２の保持手段としてのチヤツク４０，第２の昇降
手段としてのシリンダ４１及びロツド４２，固定
部材４３からなる。チヤツク３５，４０のＫ，Ｌ
方向への昇降手段をシリンダ装置に変えて公知の
他の方法で代替してもよい。また保持手段はプレ
ス材料の材質、形状、サイズ等に応じて他の公知
手段で代替してもよく、例えば、吸盤、電磁石等
を用いてもよい。

尚、４４はプレスラム、４５は上金型ホルダ、
４６，４７，４８はプレス材料である。

以上の様に構成されたプレス材料移送装置４９
を二段階プレスに用いたプレス機５０では、以下
の順に自動プレス処理が行なわれる。

(1) ボルスタ５がＤ方向に変位されて、下金型
３，４が位置Ｆに位置設定される。

(2) シリンダ３６，４１及びチヤツク３５，４０
が作動されて、下金型３，４上の第一段階プレ
ス済材料４７及び第二段階プレス済材料４８が
取出される。取出しが領域Ｂで行なわれるた
め、プレス済材料４７，４８は任意の高さまで
Ｌ方向に変位され得る。

(3) シリンダ１８が作動されて、プツシヤ１４，
送給器１５，取出器１６がＨ方向に変位され
る。このとき、第一段階被プレス材料４６が下
金型３に送給される。

(4) シリンダ３６，チヤツク３５が作動されて第
一段階プレス済材料４７が第二段階被プレス材
料として下金型４に送給されると共にシリンダ
４１が作動されて第二段階プレス済材料４８が
所望の搬送手段（図示しない）に送られる。

(5) シリンダ１８が作動されてプレート１４，送
給器１５，取出器１６がＪ方向に変位されても
との位置に復帰する。

(6) ボルスタ５がＣ方向に変位されて下金型３，
４がプレス位置Ｅに変位され（下金型が位置Ｅ
に設定されたかどうかは図示しない位置検出手
段により検出される）、ラム４４が作動されて
第一段階及び第二段階のプレスが同時に行なわ
れる。

(7) プレス後、ボルスタ５はＤ方向に変位されて
下金型３，４が再び位置Ｆに位置設定される。
尚、プレート１４はマガジン等と併用されても
よく、またプレート１４によつてプレス材料４
６を下金型３に送給するかわりに、取出器１５
と同様に構成された送給器を用いてもよい。

送給乃至取出器１５，１６の数、下金型３，４
の数は所望プレス段階数、プレス機の能力、サイ
ズ等に応じて選択される。数台のプレス機を並置
し、一台の左右に十分長い移送装置を複数のプレ
ス機に適用するようにしてもよい。この場合にも
プレス材料の移送が広い領域Ｂで行なわれるため
移送が容易となる。また最終段階のプレス済材料
は手で取り出してもよい。

前記の如く構成されたプレス材料移送装置４９
ではボルスタ５が危険限界外域Ｂに変位された状
態でプレス材料４７，４８の下金型３，４からの
取り出し及び送給が行なわれるので、プレス材料
４６，４７，４８の移送空間は所望に応じて広く
採られ得、下金型のサイズ、形状に限定されるこ
となく大きいプレス材料４６，４７，４８の自動
移送が容易に行なわれ得るのみならず、オープン
ハイトの1/2の高さのプレス材料４６，４７，４
８のプレス処理が行なわれ得（換言すればオープ
ンハイトが実質的にダイハイトとして利用され
得）、摩擦式のみならず確動式プレス機にも汎用
的に適用され得る。

更に、移送装置４９では、パワーの異なる複数
の移送装置に対してもプレス材料の自動移送が容
易に行なわれ得る。

加えて、装置の微調整等を行なう際、ボルスタ
５を危険限界外域Ｂに位置設定することにより、
操作者がケガをする恐れが少ない。

加えて、大きい移送空間を採り得るためチヤツ
ク等保持手段も所望構成で形成され得る。

尚、ロツド９、ガイドブツシユ１１を組合せる
ことにより、下金型３，４の位置を15/1000以下
の高精度で設定し得る。

次に左右に十分な長さを有する移送装置５１を
並列に設置された三台のプレス機５２，５３，５
４に適用した本考案の好ましい具体例の多段プレ
ス装置５５を、第４図及び第５図に基づいて説明
する。尚第４図及び第５図において、第１図〜第
３図と同一の部材には同一の符号が付されてい
る。

装置５５では、打ち抜きプレス機５２の可動ボ
ルスタ５２ａがＤ方向に変位されている際、帯状
材料としてのフープ材料５６が素材送り器５７に
よつてプレス機５２のプレス位置にフイードされ
る。５８は打抜かれた残りの材料の巻取器であ
る。ボルスタ５２ａがＣ方向に変位された際、ボ
ルスタ５２ａ上の金台としてのブランキング下金
型５９はフープ材料５６の直下（例えば上下方向
に約１〜２mm離間されている）に位置設定され
る。下金型５９上の打ち抜かれたプレス済材料６
０は、ボルスタ５２ａがＤ方向に変位復帰された
際、押し部材としてのプレート１４によつて第一
段階プレス機５３の可動ボルスタ５３ａ（このと
きボルスタ５３ａもＤ方向に変位されて位置設定
されている）上の下金型に送給される。第一段階
以降のプレス処理及びプレス材料移送は第１図〜
第３図に示したものと同様に行なわれる。

尚、前記した参考例及び具体例において、移送
装置の各部材のＣ，Ｄ，Ｈ，Ｊ，Ｋ，Ｌ方向への
変位位置及びチヤツクのチヤツク位置等は図示し
ない位置検出制御手段により制御され、異常時に
は図示しないプレス機本体の非常停止回路、可動
ボルスタ安全回路等により、装置全体が安全側に
設定されるべく制御され、安全に無人運転が行な
われるように構成される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による装置の参考例の平面図、
第２図は第１図の装置の正面図、第３図は第２図
の装置の断面説明図（プレスラム等は想像線で示
してある）、第４図及び第５図は本考案による好
ましい具体例のプレス装置の説明図である。 ３，４，５９……下金型、５，５２ａ，５３ａ
……可動ボルスタ、１４……プツシヤプレート、
１５……送給兼取出器、１６……取出器、１８，
３６，４１……シリンダ、３５，４０……チヤツ
ク、４９，５１……プレス材料移送装置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 水平面内の一方向に移動自在に支持枠の上に
   載せられたボルスタと、このボルスタの上に設
   けられた金台と、前記一方向に直交した方向に
   沿つて前記金台から所定間隔だけ離れた位置に
   おいて前記ボルスタの上に設けられた第１の下
   金型と、前記直交した方向に沿つて前記第１の
   下金型から前記所定間隔だけ離れた位置におい
   て前記ボルスタの上に設けられた第２の下金型
   と、前記ボルスタを前記一方向に沿つて第１の
   位置と第２の位置との間で往復移動させる第１
   の移動手段と、前記ボルスタが前記第１の位置
   にある時に前記金台と協働して帯状材料からプ
   レス材料の夫々を打ち抜くべく前記支持枠の上
   に設けられた打ち抜きプレス機と、前記ボルス
   タが前記第１の位置にある時に前記第１の下金
   型と協働して前記打ち抜かれた材料に第１段階
   のプレスを施すべく前記支持枠の上に設けられ
   た第１のプレス機と、前記ボルスタが前記第１
   の位置にある時に前記第２の下金型と協働して
   前記第１段階のプレスが施された材料に第２段
   階のプレスを施すべく前記支持枠の上に設けら
   れた第２のプレス機と、前記直交した方向に沿
   つて移動自在に前記支持枠に取り付けられた移
   動部材と、前記ボルスタが前記第２の位置にあ
   る時に前記金台の上に載つた前記プレス材料の
   一つを前記第１の金型に向けて押すべく前記移
   動部材に固定された押し部材と、前記ボルスタ
   が前記第２の位置にある時に前記第１の金型の
   上に載つた前記第１段階のプレスが施された材
   料を保持する第１の保持手段と、この第１の保
   持手段を昇降させるべく前記移動部材に設けら
   れた第１の昇降手段と、前記ボルスタが前記第
   ２の位置にある時に第２の金型の上に載つた前
   記第２段階のプレスが施された材料を保持する
   第２の保持手段と、この第２の保持手段を昇降
   させるべく前記移動部材に設けられた第２の昇
   降手段と、前記移動部材を前記直交した方向に
   沿つて前記所定間隔だけ移動させる第２の移動
   手段とからなるプレス装置。 (2) 前記保持手段がチヤツクからなることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項に記載の
   装置。 (3) 前記保持手段が吸盤からなることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項に記載の装
   置。 (4) 前記保持手段が電磁石からなることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載の装
   置。