JPS6245683Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内視鏡の挿通用チヤンネルに、鉗子や
カテーテルなど細径の柔軟で長尺な処置具を差し
込むときに案内する内視鏡の処置具挿入補助具の
改良に関する。

従来、この種の処置具挿入補助具は挿通用チヤ
ンネルの挿入口部に、筒状のガイド部材を取付け
固定し、上記ガイド部材には処置具を挿入させる
筒状のスライド部材を嵌め込んでなり、そのスラ
イド部材で処置具を把持して押し込み処置具を解
放してスライド部材を戻すことを繰り返すことに
より処置具を差込み案内するようになつている。

しかしながら、上記処置具を出し入れする際、
その処置具に付着していた、主に体腔内の粘液、
血液、分秘物、汚物などが上記往復操作に伴つて
ガイド部材とスライド部材との間に入り込み不潔
になりやすい。しかし、このガイド部材とスライ
ド部材との間隙はがたつきを少なくするため、密
接するようになつており、いわば閉鎖状態にある
（たとえば実開昭53−101490号公報参照）。そこ
で、この間隙に汚物等が一旦入り込むと、内視鏡
を通常に洗浄する程度ではその汚物等まで完全に
除去することは困難であつた。ところで、この汚
物等には感染病の病原体を含む種々のウイルスや
菌が存在していることが多く、きわめて不潔であ
るばかりでなく、これを放置すると、上記菌類が
繁殖しより以上に危険な状態になる。また、これ
が乾燥固化して処置具挿入補助具の作動に支障を
きたしたり操作不能となつたりする。

したがつて、使用後は早急かつ確実に上記隙間
の中へ入り込んだ汚物等を洗浄消毒する必要があ
るが、このいわば閉鎖状態にある隙間中の汚物等
を洗浄消毒するためにはその補助具全体を洗浄液
あるいは消毒液中に浸漬させて液中でガイド部材
とスライド部材を往復動させながら濯がなければ
落ちず、多大な手間と時間を要していた。

本考案は上記事情に着目してなされたもので、
その目的とするところはガイド部材とスライド部
材との間の隙間に汚物等が侵入付着して不潔な状
態になつても、それを容易かつ確実に洗浄できる
ようにした内視鏡の処置具挿入補助具を提供する
ことにある。

以下、本考案の各実施例をそれぞれ図面を参照
にして説明する。

第１図は本考案の第１の実施例を示すものであ
る。すなわち、第１図中１は内視鏡の操作部本体
であり、これには処置具の挿通用チヤンネル２に
連通するチヤンネル口部３が突出して設けられて
いる。このチヤンネル口部３には円筒状のガイド
部材４がねじ込み方式により着脱自在に取付け固
定されている。また、ガイド部材４はその中心軸
を上記挿通用チヤンネル２の中心軸と一致するよ
うに配置されている。さらに、ガイド部材４の内
部にはスライド部材５の筒状の内挿部６がスライ
ド自在に嵌挿されており、この内挿部６の外端に
はラツパ状に拡がり弾性をもつチヤツク部材７の
小径基端が一体に連設されている。そして、この
スライド部材５の中に柔軟かつ細長い処置具８を
挿通させるとともに、そのチヤツク部材７を指で
押し潰して処置具８を挾み、このスライド部材５
と処置具８とを一体にして押し込むことにより、
上記処置具８を挿通用チヤンネル２内へ挿入させ
るものである。したがつて、処置具８がチヤンネ
ル口部３付近で座屈することなく容易かつ確実に
挿入させられる。

また、上記ガイド部材４の外端開口と内挿部６
の内方端開口とには全周にわたつてそれぞれ他方
の部材４，５の周面に向つて突き出す突起１１，
１２が形成されている。そして、ガイド部材４の
突起１１はスライド部材５における内挿部６の外
周面に密に摺接し、また、スライド部材５の突起
１２はガイド部材４の内周面に密に摺接すること
によりがたつきなくスライド部材５をスライドさ
せるようになつている。

さらに、ガイド部材４の先端付近の壁部には上
記ガイド部材４とスライド部材５との間の隙間１
３に連通する洗浄口１４が形成されている。そし
て、この洗浄口１４には送液チユーブや注射器等
の洗浄液用注入器具１５の口部１６を接続できる
ようになつている。

しかして、上記実施例の処置具挿入補助具にあ
つては挿通用チヤンネル２を介して体腔内へ挿入
された処置具８が使用後抜き去るとき、その処置
具８に付着した汚物等がガイド部材４とスライド
部材５との各内周面に付着する。さらに、スライ
ド部材５の往復動により拡がるとともに、突起１
１，１２との間のわずかな空隙を通つて上記両部
材４，５間の隙間１３内に侵入付着して汚れる。
このような場合、その隙間１３内も洗浄するにあ
つては操作部本体１からガイド部材４ごと全体を
取り外したのち、洗浄口１４に洗浄液用注入器具
１５を接続し、洗浄液を強制的に強力に送り込
み、汚物等を洗浄除去する。また、同様にして消
毒液を注入すれば、消毒をすることができる。

第２図は本考案の第２の実施例を示す。これは
上記第１の実施例における洗浄口１４をテーパ状
に形成し、洗浄液用注入器具１５の口部１６を差
し込みやすくしたものである。

第３図は本考案の第３の実施例を示す。この実
施例では第１の実施例のものに加えて洗浄口１４
とは別にガイド部材４に排液口２１を設け、隙間
１３内に注入された洗浄液をこれを通じて排出で
きるようにしたものである。また、この排液口２
１は上記洗浄口１４から遠く位置するとともに裏
側つまり洗浄口１４とは反対側に位置する壁部に
形成されている。

しかして、この実施例の場合、洗浄口１４から
注入された洗浄液あるいは消毒液は隙間１３内に
侵入付着した汚物等を洗浄除去しあるいは消毒し
たのち主として上記排液口２１を通つて外へ排出
される。このため、洗浄液あるいは消毒液の流れ
がよくなり、洗浄効果または消毒効果を高めるこ
とができる。

第４図は本考案の第４の実施例を示す。この実
施例は洗浄口１４の開口部を閉塞できる着脱容易
な蓋用部材２２を設けたものである。そして、洗
浄時あるいは消毒時にはその蓋用部材２２を取り
外して洗浄口１４を開口するが、通常はその蓋用
部材２２で洗浄口１４を閉じておくようにする。

第５図は本考案の第５の実施例を示す。この実
施例は洗浄液用注入器具１５の口部１６を押し込
むことにより容易に開口する切込み２３を有する
弾性を有する弁用部材２４を上記洗浄口１４に取
り付けたものである。これによれば洗浄液用注入
器具１５の口部１６の先端を上記切込み２３に押
し込むだけで洗浄口１４を開くことができる。

第６図は本考案の第６の実施例を示す。この実
施例は第３の実施例における排液口２１の開口部
に外側から弾性的に押し当りその開口部を閉塞す
る弁用部材２５を設けたものである。この弁用部
材２５は隙間１３内へ圧入された洗浄液あるいは
消毒液の液圧により容易に開き、排液口２１から
容易に流出させることができる。そして、通常は
閉じている。

上記第４，５，６の実施例では洗浄口１４また
は排液口２１を開閉する蓋用部材２２または弁用
部材２４，２５を設けたので、洗浄および消毒以
外は洗浄口１４または排液口２１を閉じておける
ので、通常時、たとえば処置具挿通操作時におい
て汚物等が流れ出して使用者に不快感を与えるの
で防止できる。

第７図は本考案の第７の実施例を示す。この実
施例はスライド部材５の形状が上記実施例と異な
る。すなわち、ガイド部材４の内部に嵌入する内
筒部３１とガイド部材４の外部に被嵌する外筒部
３２との外端部相互を連結して２重筒状部３３を
構成し、この２重筒状部３３に上記同様のチヤツ
ク部材７を連結したものである。つまり、内筒部
３１と外筒部３２とでガイド部材４を内外から挾
み込むようになつている。また、ガイド部材４側
の突起１１はその外周側へ設けて外筒部３２の内
周面に摺接するようにする。また、スライド部材
５側の突起１２は外筒部３２の開放端内周に形成
し、ガイド部材４の外周面に摺接するようにす
る。そして、洗浄口１４と排液口２１はスライド
部材５の外筒部３２におけるその開放端側に位置
させて設けてある。なお、洗浄口１４については
第２の実施例のものが用いられている。

また、この実施例ではチヤツク部材７に至る前
の処置具８の部分を挿通させて誘導する誘導部材
３４を設けてある。この誘導部材３４はガイド部
材４に保持されたアーム３５によつて定位置に支
持されている。

以上説明したように本考案は処置具挿入補助具
のガイド部材とスライド部材との間の隙間に連通
する洗浄口を設け、その隙間内に汚物等が侵入付
着したようなときには注入器具を用いて洗浄液を
注入し洗浄できるようにしたから、その隙間内を
容易かつ確実に洗浄できる。したがつて、衛生的
であるとともに、作動に支障を与えて操作不能と
なることもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１の実施例の側断面図、第２図は第
２の実施例における洗浄口付近の側断面図、第３
図は第３の実施例の側断面図、第４図は第４の実
施例における洗浄口付近の側断面図、第５図は第
５の実施例における洗浄口付近の側断面図、第６
図は第６の実施例における排液口付近の側断面
図、第７図は第７の実施例における側断面図であ
る。 ２……挿通用チヤンネル、３……チヤンネル口
部、４……ガイド部材、５……スライド部材、７
……チヤツク部材、８……処置具、１３……隙
間、１４……洗浄口、１５……洗浄液用注入器
具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内視鏡における挿通用チヤンネルのチヤンネル
   口部に着脱自在に設けられたガイド部材と、この
   ガイド部材に摺接して往復自在であるとともに処
   置具を挿通させて保持し上記挿通用チヤンネルに
   差し込むためのスライド部材と、これら上記両部
   材の隙間に連通しその隙間へ洗浄液を注入するた
   めの注入器具を接続する洗浄口とを具備したこと
   を特徴とする内視鏡の処置具挿入補助具。