JPS6245539Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 植付伝動ケースの側壁面から横外側方へ突出さ
せてクランクアーム駆動用の回転軸と、揺動アー
ム枢支用の枢支軸とを設け、前記回転軸にクラン
クアームを固着し、前記枢支軸に揺動アームを固
着するとともに、先端に植付爪を装着した植付ア
ームの中間部を前記クランクアームに枢支し、こ
の植付アームの爪装着側とは反対側の端部を前記
揺動アームに枢支して、前記クランクアームの回
転運動と揺動アームの揺動運動との合成運動によ
つて前記植付爪を上下に循環作動すべく構成した
苗植付装置における植付爪駆動構造に関する。

上記構造の苗植付装置における植付爪駆動構造
においては、植付爪が、クランクアームの回転運
動と揺動アームの揺動運動との合成運動によつて
楕円軌跡を描いて上下に循環駆動されることか
ら、その上死点、下死点における方向転換に起因
して苗植付装置が加振されると言う欠点があつ
た。

本考案は、上記欠点を解消するとともに、上記
欠点を解消する為の装置を既存の苗植付装置にお
ける植付爪駆動構造に対しても容易に適用するこ
とができるようにせんとするものである。

上記目的を達成する為の本考案の特徴構成は、
クランクアームの前記回転軸への取付け基部に、
このクランクアームに対する取付位相を180度又
は略180度異ならせてバランスウエイトを一体に
連設し、そのバランスウエイトを、前記回転軸を
支承する植付伝動ケースのボス部よりも半径方向
外方側部分が、前記回転軸の軸芯方向で前記揺動
アームの揺動軌跡よりも植付伝動ケースの側壁面
側へ変位する屈曲形状に形成した点にあり、斯か
る構成から次の作用効果を奏する。

すなわち、クランクアームに対して180度の位
相差をもつてバランスウエイトを設けてあるか
ら、植付爪上死点、下死点における方向転換時の
振動を打ち消すようにバランスウエイトが作用す
る。

これによつて、植付爪の循環作動による振動を
抑制して苗植付装置の加振を抑制し得る。

そして、前記バランスウエイトを設けるに当た
つて、揺動アームの振動軌跡を避けた形状に構成
して設けてあるから、例えば、バランスウエイト
をクランクアームに対して180度の位相差をもつ
て反対側方向に真直ぐに設けて、そのバランスウ
エイトを避けるように、揺動アームを、回転軸軸
芯方向で位置をズラせる場合に比して、既存の苗
植付装置における植付爪駆動構造に対してコンパ
クトに、且つ、安価に設けることができる利点が
ある。

以下本考案の実施例を例示図に基づいて詳述す
る。

第１図は、乗用型田植機の側面を示し、向き変
更操作可能な左右前輪１，１、左右後輪２，２、
諸装置駆動用エンジン３、運転席４、ステアリン
グハンドル５等を備えた乗用走行機体６の後方
に、複数条植えの苗植付装置７が配備されてい
る。

そして、進行に伴い、順次圃場面に複数条の苗
を植付けるべく構成されている。

前記苗植付装置７について、第１図乃至第３図
に基づいて詳述する。

一定ストロークで横往復移動される傾斜苗のせ
台８に、複数枚のマツト状苗Ｗ…が横方向に並置
された状態で載置されるとともに、横方向一定間
隔おきに並置され、且つ、前記苗のせ台８の下端
部と泥中とに亘つて上下に循環作動される複数個
の植付爪９…が設けられている。

そして、植付爪９…にて、前記マツト状苗Ｗ…
の下端部列に沿つて１株分づつの苗を分離させて
取出し、引続き圃場に持ち込んで順次植付けるべ
く構成されている。

次に、前記複数の植付爪９…の駆動構造につい
て説明する。尚、各植付爪９…の駆動構造は、同
様に構成されるものであつて、以下１つについて
説明すると、植付伝動ケース１０の側壁から突設
させた軸受支状用ボス部１０ａに片持状に突出さ
せる状態で支承させた回転軸１１に、植付爪９の
駆動用クランクアーム１２が取付けられるととも
に、植付爪９を取付けた植付アームの中間部が、
前記クランクアーム１２の先端に枢支され、且
つ、この植付アーム１３の後端部が、前記伝動ケ
ース１０枢支軸１４Ａを介してに前後揺動可能に
枢着した揺動アーム１４に枢支連結されている。
そして、クランクアーム１２の回転に伴い植付爪
９を上下に循環作動させるべく構成されている。
尚、図中１５は、前記回転軸１１に対するクラン
クアーム１２の取付位置を軸心方向に調節するた
めに組込まれたシムであつて、このシム調節によ
り、植付アーム１３を揺動アーム１４との連結点
を中心に左右に揺動調節させて、植付爪９先端の
苗のせ台８に対する横方向位置を最適位置に調節
できるようになつている。

又、前記クランクアーム１２の基部に、このア
ーム１２に対する取付位相を180度又は略180度異
ならせ、且つ、前記ボス部１０ａに軸心方向に重
複させる状態でバランスウエイト１６が一体形成
されて取付けられている。前記バランスウエイト
１６の外周部は、前記揺動アーム１４との接当回
避のために段付状に形成されている。つまり、前
記ボス部１０ａに重複する部分が回転軸１１の軸
心を中心とした円弧状の大径に形成され、この大
径部分の軸心方向外方に、周方向中央部ほど小径
となる部分が位置されるようになつている。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る苗植付装置における植付爪
駆動構造の実施例を例示し、第１図は乗用型田植
機の側面図、第２図は植付爪駆動構造の側面図、
第３図は同構造の一部切欠き平面図である。 ９……植付爪、１０……植付伝動ケース、１０
ａ……ボス部、１１……クランクアーム駆動用回
転軸、１２……クランクアーム、１３……植付ア
ーム、１４……揺動アーム、１４Ａ……揺動アー
ム枢支軸、１６……バランスウエイト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 植付伝動ケース１０の側壁面から横外側方へ突
   出させてクランクアーム１２駆動用の回転軸１１
   と、揺動アーム１４枢支用の枢支軸１４Ａとを設
   け、前記回転軸１１にクランクアーム１２を固着
   し、前記枢支軸１４Ａに揺動アーム１４を固着す
   るとともに、先端に植付爪９を装着した植付アー
   ム１３の中間部を前記クランクアーム１２に枢支
   し、この植付アーム１３の爪装着側とは反対側の
   端部を前記揺動アーム１４に枢支して、前記クラ
   ンクアーム１２の回転運動と揺動アーム１４の揺
   動運動との合成運動によつて前記植付爪９を上下
   に循環作動すべく構成した苗植付装置における植
   付爪駆動構造において、前記クランクアーム１２
   の前記回転軸１１への取付け基部に、このクラン
   クアーム１２に対する取付位相を180度又は略180
   度異ならせてバランスウエイト１６を一体に連設
   し、そのバランスウエイト１６を、前記回転軸１
   １を支承する植付伝動ケース１０のボス部１０ａ
   よりも半径方向外方側部分が、前記回転軸１１の
   軸芯方向で前記揺動アーム１４の揺動軌跡よりも
   植付の伝動ケース１０の側壁面側へ変位する屈曲
   形状に形成してあることを特徴とする苗植付装置
   における植付爪駆動構造。