JPS6245053B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動車バンパー用芯材の型内成型方法
に関する。

近年、自動車のバンパーは軽量化が要望され、
金属製バンパーから合成樹脂製バンパーに移行し
つつある。この合成樹脂製バンパーとは例えば合
成樹脂製表皮体内部にバンパー用芯材として合成
樹脂の発泡体を内蔵したものである（例えば実開
昭53―26044号）。

しかし、このバンパー用芯材が型内成型体例え
ば合成樹脂予備発泡粒子から得られる型内成型体
である場合、バンパー用芯材に発生したバリがバ
ンパーの組立て工程時に弊害をもたらすことがあ
つた。すなわち、成型金型が精密さに欠けたもの
であると、第１図に示すコア型２とキヤビテイ型
３の相互当接部５に間隙が生じることとなり、こ
の間隙に発泡粒子が入り込むため、成型後に第２
図に示すバリ７となつてあらわれた。しかも、従
来の成型金型は、第１図に示すように、コア型２
とキヤビテイ型３を組み合わせた際、コア型２と
キヤビテイ型３との相互当接部５が成型体４の背
面８より後方に位置するため、バリ７は第２図に
示すように、型内成型したバンパー用芯材６の背
面８周縁及び背面開口部２１周縁に、バンパー用
芯材６の背面８より突出した状態となつてあらわ
れた。

そして、合成樹脂製表皮体内部に合成樹脂の型
内成型体であるバンパー用芯材を挿入し、該芯材
に押え板を取付ける際、バリがバンパー用芯材の
背面周縁及び背面開口部周縁より突出している為
邪魔になり、押え板によるバンパー用芯材の固定
が出来なかつたり、或いは固定が出来たとしても
不完全であつたりした。その結果、バリを取り除
いてから芯材に押え板を固定する作業を必要と
し、組立て工程の作業能率がはなはだ悪いもので
あつた。

本発明は以上の点に鑑み、なされたもので、バ
リが生じても、芯材に押え板を完全に固定できる
自動車バンパー用芯材の型内成型方法を提供する
ことを目的とするものである。

即ち、本発明は成型金型のコア型とキヤビテイ
型を組み合わせた成型室内に合成樹脂素材を充填
し、型どおりの成型体を得る自動車バンパー用芯
材の型内成型方法において、コア型とキヤビテイ
型との相互当接部のうち、上記成型体と接する相
互当接部を該成型体の背面よりも前方に設定して
成型を行なうことを特徴とする自動車バンパー用
芯材の型内成型方法を要旨とする。

以下、本発明の実施例として合成樹脂予備発泡
粒子を型内成型にして自動車バンパー用芯材を得
る方法を図面に基き説明する。

第３図において、１は成型金型で、該成型金型
１はコア型２とキヤビテイ型３とから成る。該キ
ヤビテイ型３は上方の天板部１６と下方の底板部
１７と左右両側の左右側板部とから成り、該キヤ
ビテイ型３の内部には成型体４の開口部（第２図
及び第４図で１５で図示する）を形成するための
突出部１９が任意数設けられている。

コア型２の前面部９には凸部１０，２０が設け
られている。凸部１０は上記キヤビテイ型３の天
板部１６の下面、底板部１７の上面及び左右側板
部の内面に当接するようにコア型２の前面部９よ
り突出して囲繞状に連続形成されている。

凸部２０はキヤビテイ型３の突出部１９の上下
左右周面に当接するようにコア型２の前面部９よ
り突出し囲繞状に連続形成されている。

上記実施例では凸部１０，２０には段部２２を
設けたが、本発明の他の実施例として第６図に示
すように上記凸部１０，２０にはテーパー面２３
を形成するように構成してもよい。

又、成型体４と接する相互当接部５の設け方に
ついては、本発明の更に他の実施例である第７図
のように設けることもできる。すなわち、コア型
２において、凸部１０はキヤビテイ型３の天板部
１６の下面、底板部１７の上面及び左右側板部の
内面に当接するようにコア型２の前面部９より突
出して囲繞状に連続形成される。更に、キヤビテ
イ型においては、成型体４の開口部を形成するた
めの突出部１９を成型体４の背面８よりも前方に
設け、コア型においては、該突出部１９と接する
コア型２の前面部１８を成型体４の背面８よりも
前方に設けるのである。

以上のように構成されたコア型２とキヤビテイ
型３と組み合わせたとき、コア型２とキヤビテイ
型３の相互当接部のうち、成型体４と接する相互
当接部５は、該成型体の背面８よりも前方に設け
られることとなる。

上記コア型２とキヤビテイ型３を組み合わせて
形成される成形室内に合成樹脂予備発泡粒子を充
填し、加熱発泡して型どおりの成型体４を得、以
つてバンパー用芯材６を得る。

該バンパー用芯材６は、上記のように、成型体
４と接する相互当接部５と該成型体の背面８より
も前方に設けたので、第４図及び第５図に示すよ
うにバンパー用芯材６の背面８周縁及び背面開口
部２１周縁に凹欠帯１１が生じる。該凹欠帯１１
は上記背面８周縁及び背面開口部２１周縁に沿つ
て連続的に形成されている。

以上のように、バンパー用芯材の成型体４を得
る場合、コア型２とキヤビテイ型３との相互当接
部のうち、成型体４と接する相互当接部５にバリ
７が生じ、該バリ７は凹欠帯１１に臨んで位置す
るか、あるいは成型体４の開口部内に位置し、そ
のため該バリ７は成型体４の背面８より後方に突
出することはない。

このようにして得られた成型体４は第４図に示
すように、合成樹脂製表皮体１３に嵌合し、成型
体４の背面８に押え板１４をネジ等により取付け
る。

成型体４の背面８周縁及び背面開口部２１周縁
には上記のように凹欠帯１１を設けて、該凹欠帯
１１内にバリ７が生じるように構成したから、該
バリ７は成型体４の背面８の後方に突出すること
がないので、該成型体４の背面８に押え板１４を
取付ける際、バリは邪魔にならず、成型体４の背
面８に押え板１４を密着して取付けることができ
る。更に成型体４の開口部内に生じたバリも押え
板１４を取付ける際、邪魔にならない。

また、本発明は型内成型方法に関するものであ
り該バンパー用芯材の合成樹脂素材については特
定をするものではない。しかし、ポリスチレン系
樹脂からなるバンパー用芯材は脆性があるため
に、バリを取り除いたり、潰したりするのは比較
的容易であるが、ポリオレフイン系樹脂から成る
バンパー用芯材の場合は、弾性と柔軟性を合せ持
つため、バリの取り除きは困難であるといえる。
従つて、本発明はバンパー用芯材がポリオレフイ
ン系樹脂からなる場合は特に有益であるといえ
る。

以上説明したように本発明の自動車バンパー用
芯材の型内成型方法は、コア型とキヤビテイ型と
の相互当接部のうち、成型体と接する相互当接部
を、該成型体の背面よりも前方に設定するようコ
ア型とキヤビテイ型を組み合わせて型内成型を行
なうので、該成型体にはその背面に凹欠帯が生じ
る。その結果、成型時にコア型とキヤビテイ型と
の相互当接部の間隙に合成樹脂素材が入り込ん
で、バリが生じたとしてもバリは凹欠帯に臨んで
生じ、成型体の背面より後方に突出することはな
い。

また、成型体の開口部内に生じたバリも成型体
の背面より後方に突出することはあり得ない。

従つて、合成樹脂製表皮体内部に上記バンパー
用芯材の成型体を嵌合して、該芯材に押え板を取
付ける際、成型体の背面の後方よりバリは突出し
ないから該バリは邪魔にならず、成型体の背面に
押え板を密着して取付けることができる効果を有
し、バンパーの組立て工程の作業能率が良いとい
う利点を有する。

上述の如く本発明は種々の利点を有するが、特
に合成樹脂予備発泡粒子を型内成型して自動車バ
ンパー用芯材を得る場合において、如何なくその
効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
従来の成型方法で成型を行なう状態を示す縦断面
図、第２図は、従来の成型方法で得られた成型体
の縦断面図、第３図は本発明の成型方法で成型を
行なう状態の成型金型の一構成例を示す縦断面
図、第４図は本発明の成型方法で得られたバンパ
ー用芯材を用いたバンパーの縦断面図、第５図は
本発明の成型方法で得られたバンパー芯材を用い
たバンパーの分解斜視図、第６図及び第７図は本
発明に用いる成型金型の他の構成例を示す縦断面
図である。 １…成型金型、２…コア型、３…キヤビテイ
型、４…型内成型体、５…相互当接部、６…バン
パー用芯材、１１…凹欠帯、２４…マスターフレ
ーム。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 成型金型のコア型とキヤビテイ型を組み合わ
   せた成型室内に合成樹脂素材を充填し、型どおり
   の成型体を得る自動車バンパー用芯材の型内成型
   方法において、コア型とキヤビテイ型との相互当
   接部のうち、上記成型体と接する相互当接部を、
   該成型体の背面よりも前方に設定して成型をおこ
   なうことを特徴とする自動車バンパー用芯材の型
   内成型方法。