JPS6244818Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、デイフアレンシヤル装置の両側に最
終減速装置であるプラネタリギヤ減速装置が組込
まれ、かつホイールがアクスルシヤフトに取付け
られる半浮動式の車両用フロントアクスルに関す
る。

従来のこの種のフロントアクスルは、第３図に
示すようにアクスルシヤフト１を、デイフアレン
シヤル装置４によつて回転されるインナアクスル
シヤフト２と、ホイール５を支持するアウタアク
スルシヤフト３とから構成するとともに、両シヤ
フト２，３を最終減速装置であるプラネタリギヤ
装置６を介して接続し、またアウタアクスルシヤ
フト３と、これの内端部にスプライン嵌合された
プラネットギヤキヤリヤ１２とを、アウタアクス
ルシヤフト３のネジ部３ｂにワツシヤ１８を介し
てナツト２２を締着せしめることによつて結合す
るとともに、アウタアクスルシヤフト３の外端部
とプラネットギヤキヤリヤ１２とをテーパローラ
ベアリング１５を介してアクスルハウジング９に
支持する構造となつている。そのため、アクスル
ハウジング９、アウタアクスルシヤフト３および
プラネットギヤキヤリヤ１２を１セツトにして予
め組付けたのち、これを車両に組付ける形式であ
り、従つて車両への組付け後においてアウタアク
スルシヤフト３ならびにその周辺機器であるオイ
ルシール１７の交換あるいは保守点検をする場合
には、アクスルハウジング９ごと車両から外さな
ければならずサービス性に劣る欠点があつた。

本考案の目的は、上述した従来の欠点に鑑み、
アクスルハウジングを車両に組付けたままの状態
で、オイルシールの交換あるいは保守点検を行い
得るようにした車両用フロントアクスルを提供す
ることにある。

以下、本考案を図示の実施例に基づいて具体的
に説明する。第１図は本実施例のフオークリフト
用のフロントアクスルを示しており、アクスルシ
ヤフト１はデイフアレンシヤル装置４によつて回
転されるインナアクスルシヤフト２と、該インナ
アクスルシヤフト２と同心的に配置されかつホイ
ール５を支持するためのアウタアクスルシヤフト
３とからなり、両シヤフト２，３は最終減速装置
であるプラネタリギヤ減速装置６を介して接合さ
れている。プラネタリギヤ減速装置６は、インナ
アクスルシヤフト２の外端部に形成されたサンギ
ヤ７と、デイフアレンシヤルケース８にアクスル
ハウジング９とボルト１０にて共締め固定された
インターナルギヤ１１と、前記アウタアクスルシ
ヤフト３にスプライン嵌合されたプラネットギヤ
キヤリヤ１２（以下、単にキヤリヤと略称する）
にピン１３にて回転可能に支持されるとともに、
前記両ギヤ７，１１間で噛み合つてキヤリヤ１２
と共に周回するプラネツトギヤ１４とにより構成
されており、インナアクスルシヤフト２の回転を
同一回転方向に減速してアウタアクスルシヤフト
３に伝達する。

また、アウタアクスルシヤフト３の外端部およ
びキヤリヤ１２のボス部はそれぞれテーパローラ
ベアリング１５を介してアクスルハウジング９に
回転可能に支持されており、またアウタアクスル
シヤフト３は、アクスルハウジング９から外側へ
引き抜き得るようにその軸径が、少なくとも該ア
ウタアクスルシヤフト側のテーパローラベアリン
グ１５による支持点からプラネットギヤキヤリヤ
側端部にかけてアクスルハウジング９の内径より
小径に形成されている。そして、アウタアクスル
シヤフト３とキヤリヤ１２とは通しボルト１６に
よつて結合され、その結合に際し前記テーパロー
ラベアリング１５に予圧が与えられるようになつ
ている。すなわち、通しボルト１６はアウタアク
スルシヤフト３の軸心部に貫設された通し孔３ａ
に挿通されるとともに、その先端に形成したネジ
部１６ａを、前記キヤリヤ１２に形成されたナツ
ト部１２ａに締着せしめることにより、アウタア
クスルシヤフト３にキヤリヤ１２を結合するとと
もに、両テーパローラベアリング１５に予圧を付
加している。なお、アウタアクスルシヤフト３の
内端面とこれに対向するキヤリヤ１２のナツト部
１２ａとの間には、通しボルト１６の締着状態に
おいて僅かの隙間が保有されるように設定され
る。１７はアクスルハウジング９の外端内周面と
アウタアクスルシヤフト３の外周面との間に介装
されたオイルシール、１８は通しボルト１６用の
ワツシヤ、７ａはキヤリヤ１２のナツト部１２ａ
および通しボルト１６のネジ部１６ａとの干渉を
避けるべくサンギヤ７に形成された逃し凹部であ
り、また１９はフオークリフトのフレーム、２０
はマスト、２１はリフトシリンダである。

本実施例のフロントアクスルは上述したよう
に、キヤリヤ１２自体にナツト部１２ａを形成す
るとともに、このナツト部１２ａに対し、アウタ
アクスルシヤフト３に挿通した通しボルト１６の
ネジ部１６ａを締着せしめることによつてアウタ
アクスルシヤフト３にスプライン嵌合されたキヤ
リヤ１２を該シヤフト３に結合し、かつテーパロ
ーラベアリング１５に予圧を付加する構成とした
ものであり、従つてアクスルハウジング９をデイ
フアレンシヤルケース８に結合した状態、すなわ
ち車両のフレーム１９に組付けたままの状態にお
いて、通しボルト１６を介してアウタアクスルシ
ヤフト３およびオイルシール１７を脱着し、該オ
イルシール１７を交換することができる。

なお、この場合外側のテーパローラベアリング
１５も同様に脱着できるものであつて、一般に外
側配置のテーパローラベアリング１５が内側配置
のものに比較して傷み易く外側のみを交換する場
合が往々にして生じており、このような場合に有
効である。

以上詳述したように、本考案は車両用フロント
アクスルにおいて、アクスルハウジングを車両に
装着したままの状態でアクスルシヤフトおよびオ
イルシールを脱着できるようにしたことにより、
オイルシールの交換や保守点検作業さらにはテー
パローラベアリングの予圧調整作業を迅速かつ容
易に実施でき、サービス性の向上を図る上できわ
めて有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のフロントアクスルの一実施例
を示す平断面図、第２図は要部の拡大断面図、第
３図は従来のフロントアクスルを示す平断面図で
ある。 １……アクスルシヤフト、２……インナアクス
ルシヤフト、３……アウタアクスルシヤフト、３
ａ……通し孔、６……プラネタリギヤ減速装置、
９……アクスルハウジング、１２……プラネット
ギヤキヤリヤ、１５……テーパローラベアリン
グ、１２ａ……ナツト部、１７……オイルシー
ル、１６……通しボルト、１６ａ……ネジ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アクスルシヤフトが、デイフアレンシヤル装置
   によつて回転されるインナアクスルシヤフトと、
   ホイールを支持するアウタアクスルシヤフトとか
   らなり、それら両シヤフトをプラネタリギヤ減速
   装置を介して接合するとともに、アウタアクスル
   シヤフトの外端部と、該アウタアクスルシヤフト
   の内端部にスプライン結合された前記プラネタリ
   ギヤ減速装置におけるプラネツトギヤキヤリヤの
   ボス部とをそれぞれテーパローラベアリングを介
   してアクスルハウジングに支持し、さらにアウタ
   アクスルシヤフトは、アクスルハウジングから外
   側へ引き抜き得るようにその軸径が、少なくとも
   該アウタアクスルシヤフト側のテーパローラベア
   リングによる支持点からプラネツトギヤキヤリヤ
   側端部にかけてアクスルハウジングの内径より小
   径に形成された車両用フロントアクスルであつ
   て、前記アウタアクスルシヤフトに外側から内側
   へ向けて締着用の通しボルトを挿通するととも
   に、該通しボルトの先端部に形成したネジ部を、
   前記プラネットギヤキヤリヤに形成されたナツト
   部に締着せしめて前記テーパローラベアリングに
   予圧を付加する構成とした車両用フロントアクス
   ル。