JPS6244519B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、高温の乾燥空気と低温の冷却空気を
送風する機能と、両空気間で熱交換の機能をあわ
せもつ熱交換型送風機を有する衣類乾燥機に関す
るものである。

第１図〜第４図は発明者らがこれまで提案して
きた衣類乾燥機を示す。第１図において従来にお
ける衣類乾燥機を示し、１は乾燥機本体、２は本
体１内に回転自在に設けられ、モータ３によりベ
ルト駆動される回転ドラム、４は本体１の前面に
設けられた衣類投入口、５は回転ドラム２内に送
りこまれる乾燥空気を加熱するヒータ、６は本体
１の背面に設けられた熱交換型送風機のインペラ
で、モータ３によりベルト駆動される。７は熱交
換型送風機の乾燥空気側ケーシングで、回転ドラ
ム２の後部に面して設けられており、中空部には
乾燥空気側吸気口８を有している。９は冷却空気
側ケーシングで、乾燥空気側ケーシング７と同様
に中央部に冷却空気側吸気口１０を有しており、
インペラ６の回転軸１１を支持する機能をも有し
ている。１２は乾燥空気側ケーシング７と冷却空
気側ケーシング９との間に挾まれた形で構成され
た仕切板で、インペラ６との間に摺動部を有し、
熱交換型送風機の乾燥空気側と冷却空気側とを気
密的に分離する機能をそなえている。１３は循環
ダクトで、乾燥空気側ケーシング７の排気口とヒ
ータ５の吸気口とをつなぐ通風路の役目を果し、
前記熱交換型送風機とヒータ５と循環ダクト１３
と回転ドラム２とにより乾燥空気が循環する乾燥
空気経路を形成している。１４はインペラ６の部
分で熱交換されて凝縮した水を排出するドレイ
ン、１５は本体１の背面を覆う裏板である。矢印
Ａは乾燥空気の流れ、矢印Ｂは冷却空気の流れで
ある。

第２図において、１６は本体１の外の冷気を冷
却空気側ケーシング９の中央部に導く冷却空気側
吸気用通風路、１７はインペラ６を通過して熱交
換された冷気を本体１から排出するための排気用
通風路、１８はケーシング７，９を本体１に固定
するための保持板、１９はモータ３の回転をイン
ペラ６に伝達するベルト、２０はモータ３の回転
をドラム２に伝達するベルトである。

第３図において、２１は波形薄板により構成さ
れるブレード、２２はブレード２１を内側から支
持し、中央部にはボスを設けた主板、２３はブレ
ード２１を外周から支持する外周板で、矢印の方
向にこのインペラ６は回転する。

第４図において、２４は主板２２の外周両側に
上下方向に交互に突出させた内側櫛歯状突起でブ
レード２１の内端部に嵌合してブレード２１を支
持するとともにインペラ６の両面中央部から流れ
こんでくる二種の空気の混流を阻止している。２
５は外周板２３の両面に、内側櫛歯状突起２４と
同じように交互に突出させた外側櫛歯状突起であ
る。

いまインペラ６の両面に流入した空気は、混流
することなくブレード２１の両面の溝を隣りあつ
て流れ、ブレード２１の壁面を介して熱交換され
る。

そこで電源が投入されると、モータ３が駆動さ
れて衣類を収納した回転ドラム２が回転し、同時
にインペラ６も回転する。

回転ドラム２内の高温多湿の空気は乾燥空気側
吸気口８を通つてインペラ６に吸入され、インペ
ラ６のブレード２１の表面で熱交換されて凝縮が
おこり、凝縮によつて生じた水はドレイン１４を
通つて機外へ排水される。凝縮によつて水分が除
去された空気は、循環ダクト１３を通つてヒータ
５に送りこまれ、再び加熱されて回転ドラム２内
へ循環される。

またインペラ６の回転によつて乾燥空気が流れ
ると同時に冷却空気側ケーシング９内においても
空気の流れが生じ、この空気の流れは矢印Ｂで示
したように乾燥機の機外から冷却空気側吸気口１
０を通つてインペラ６に導かれ、乾燥空気から熱
を奪つたのち機外へ排出される。

この場合、本体１内は回転ドラム２の熱気、モ
ータ３の発熱等によつて外気よりも20℃程度高い
温度となつており、本体１内に内蔵されている冷
却空気側ケーシング９はこの温度環境内にさらさ
れることになるので、機外から吸入された冷却空
気は、ケーシング壁面を介して加熱され、その結
果温度が高まつてインペラ６での熱交換効率が低
下し、除湿能力が低下する欠点があつた。

さらに、冷却空気側吸気用通風路１６を設ける
ため本体１の奥行が増大し本体寸法が大きくなる
欠点があつた。また構成部品としての点数も多く
なつて製品コストが増大する欠点もあつた。

本発明は、衣類乾燥機における除湿機構の簡素
化を図り、低価格により高品質の製品が提供でき
るようにして上記の衣類乾燥機の欠点を除去した
ものである。

以下本発明の一実施例を第５図および第６図に
より詳述する。

第１図〜第４図と同一部分は同一符号を付して
詳細な説明を省略し相違点を中心に説明する。２
６は乾燥機本体１の背面の一部あるいは全部を覆
う仕切板で、インペラ６の外周に接近して位置し
ており、このインペラと共同して、熱交換型送風
機の乾燥空気と冷却空気とを気密に分離する機能
を有すると同時に乾燥機本体１内と冷却空気側を
も分離する機能を有している。２７は仕切板２６
の前方をインペラ６を収納する間隔を設けて覆う
乾燥空気側ケーシング、１５は仕切板２６の後方
をインペラ６を収納する間隔を設けて覆う裏板
で、乾燥機本体１の後方に突出した形状をしてお
り冷却空気側ケーシングも兼ねている。２８は裏
板１５に設けた冷却空気側吸気口、２９は裏板１
５に設けた排気口で、冷却空気を排気する。３０
は仕切板２６およびインペラ６の軸受を本体１に
固定する保持板である。以上の構成であきらかな
ように、乾燥用空気経路は、ヒータ５、回転ドラ
ム２、循環ダクト１３および熱交換型送風機のイ
ンペラ６の乾燥側とで構成され、乾燥用空気経路
内の乾燥空気を冷却する冷却用空気経路は、裏板
１５、仕切板２６で構成され、熱交換型送風機の
冷却側が位置している。いま電源が投入される
と、モータ３が駆動されて衣類を収納した回転ド
ラム２が回転し、同時にインペラ６も回転する。

これによつて回転ドラム２内の高温多湿の空気
は、乾燥空気側吸気口８を通つてインペラ６に吸
入され、インペラ６のブレード２１の表面におい
て熱交換されて凝縮がおこり、凝縮によつて生じ
た水がドレイン１４を通つて機外に排水される。

凝縮によつて水分が除去された空気は、循環ダ
クト１３を通つてヒータ５へ送りこまれ、ここで
再び加熱されて回転ドラム２内へ循環される。

またインペラ６の回転によつて乾燥空気が流れ
ると裏板１５内においても空気の流れが生じ、矢
印Ｂで示したように冷却空気が乾燥機の機外から
冷却空気側吸気口２８を通つてインペラ６に導か
れ、矢印Ａで示される乾燥空気から熱を奪つたの
ち排気口２９より機外へ排出される。

この場合、冷却空気側ケーシングを兼ねている
裏板１５は、本体１の外部に面して直接外気にさ
らされているので、冷却空気は暖められることも
なく、その上、本体１内の空気は冷却されること
がなくなつて熱交換効率は大巾に向上する。さら
に従来のように冷却空気側ケーシングおよび冷却
空気の吸気用風胴が必要でなくなり、本体の奥行
を薄くすることができるとともに、部品点数が少
なくなり大巾なコスト低減をはかることができ
る。

以上のように、本発明は乾燥用空気経路と冷却
用空気経路を備え、とくに冷却用空気経路を仕切
板と裏板により形成し、ここに熱交換型送風機の
インペラの冷却側を位置させているため、乾燥用
空気経路とは確実に分離され、独立した冷却用空
気経路が簡易に構成でき、かつ冷却空気は直接外
気にさらされ、しかも乾燥機本体内との熱の移動
がなくなるため熱交換効率が高く、除湿能力の増
大ならびに乾燥時間の短縮をはかることができ
る。

さらにこれまで必要とした冷却空気側ケーシン
グおよび冷却空気の吸気用風胴が不用となり、し
かも冷却用空気経路を構成する裏板が本体より後
方に突出した構成となつていて、乾燥機本体の奥
行を薄くできるため、本体寸法をコンパクト化で
き軽量化できる等工業的価値の大なるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、これまで提案してきた衣類乾燥機の
側断面図、第２図は同衣類乾燥機の一部欠載背面
図、第３図は同衣類乾燥機に使用した熱交換型送
風機のインペラの斜視図、第４図は同インペラの
要部断面図、第５図は本発明の一実施例における
衣類乾燥機の側断面図、第６図は同衣類乾燥機の
分解斜視図である。 １……乾燥機本体、２……回転ドラム、６……
インペラ、２７……乾燥空気側ケーシング、２６
……仕切板、１５……裏板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 乾燥空気と冷却空気の２種類の空気をブレー
   ドの両面に流して送風するとともに両空気をブレ
   ードを介して熱交換する熱交換型送風機のインペ
   ラと、ヒータ、回転ドラム、循環ダクトおよび前
   記インペラの乾燥空気側とで構成される乾燥用空
   気経路と、この乾燥用空気経路内の乾燥用空気を
   インペラのブレードを介して外気で冷却する冷却
   用空気経路とを備え、この冷却用空気経路は、乾
   燥用空気経路と冷却用空気経路を前記インペラと
   共同して分離する仕切板と、乾燥機本体の後面を
   覆いかつ乾燥機本体より後方に突出した裏板とに
   より形成し、この裏板と仕切板により形成される
   冷却用空気経路内にインペラの冷却空気側を位置
   させてなる衣類乾燥機。