JPS6244403Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、タツプ切換器の転換器用間欠駆動
装置、特に、負荷時タツプ切換変圧器に用いられ
る抵抗式タツプ選択開閉器（以下、単に選択開閉
器という）の駆動側と転換器とを接続する間欠駆
動装置に関するものである。

周知であるように、この種変圧器のタツプ巻線
の調整範囲を広げる目的で設けられている転換器
は、タツプ選択開閉器がある特定の位置にある時
にだけ、転換器の可動接点の動作が許容されるよ
うになつている。

また、選択開閉器の一例を示すと、添付図面第
１図に示すような構成を有しており、一端に通称
早切り機構といわれる装置の駆動源であるウオー
ムホイール１が固定され且つタツプ選択開閉器２
を貫通している転換器駆動軸３が設けられてい
る。また、これらは、絶縁容器４に収納されると
共に、転換器駆動軸３の他端部は、継手５、転換
器入力軸６、間欠駆動装置７及び出力軸８を介し
て転換器９内の図示されていない可動接点に接続
されている。

このような構成において、転換器駆動軸３は、
タツプ切換動作のすべての位置で動作するが、転
換器９の可動接点は、それにもかかわらず、間欠
駆動させなければならず、また、タツプ選択開閉
器２の１タツプの動作時間よりも短い時間で作動
させなければならないという制約を有している。

また、一般的に転換器の電圧責務は、タツプ選
択開閉器より重いために、その動作角度はタツプ
選択開閉器の動作角度と同時若しくは大きくしな
ければならず、また、転換器９は、タツプ選択開
閉器２と同一絶縁容器４内の下部に配置されるこ
とが装置全体のコンパクト化のために必要であ
り、従つて、転換器入力軸６と出力軸８とは同一
軸心上に配置することが必要となる。更にまた、
転換器９は、この種変圧器の全寿命期間中ほとん
ど保守点検が期待できないという制約も合わせ有
している。

このように、選択開閉器の転換器は、その構造
及び作動上において、多くの制約を有している。

本考案は、上記のような諸制約をすべて克服
し、構造が簡単且つ経済的であり、しかも、変圧
器の全寿命期間にわたつて正しく転換器を作動さ
せる非常に信頼度の高い間欠駆動装置を得ること
を、その目的とするものである。

本考案は、この目的を達成するために、間欠駆
動装置は、入力側が早切り機構の駆動側に連結さ
れたピン歯車装置形式の増倍間欠駆動装置と、入
力側がこの増倍間欠駆動装置の出力側と一体に設
けられ且つ出力側が転換器の可動接触子に連結さ
れたゼネバ歯車装置とから構成され、増倍間欠駆
動装置には、その出力側が駆動されない間この出
力側の遊転を阻止する停止装置が設けられ、ゼネ
バ歯車装置の出力側の軸心は早切り機構の駆動側
の軸心と合致するように構成されていることを特
徴とするものである。

以下、本考案をその一実施例を示す添付図面に
基づいて説明する。

第２及び３図において、転換器入力軸６は、転
換器駆動軸３に継手５を介して結合されている
が、その先端近くにおいて、タツプ選択開閉器２
と間欠駆動装置７及び転換器９とを離隔する絶縁
容器４の一部である支持フレーム１０に、軸受１
０ａ及びオイルシール１０ｂを介して支持されて
おり、その先端側には、ピン歯車形式の増倍用間
欠駆動装置の一構成要素である駆動レバー１１ａ
が形成された駆動部材１１が固着されると共に更
にその先端側には軸受１５ａを介してゼネバ歯車
装置の一構成要素である従動車１５が転換器入力
軸６に対して、回転自在に支承されている。

また、駆動レバー１１ａの先端近くの転換器９
側には、支持フレーム１０又は絶縁容器４から突
出した同様の支持フレーム１０ｄに、軸受１０ｃ
を介して支承された連動部材１３が回転自在に支
承されており、この連動部材１３には、駆動レバ
ー１１ａ側に増倍用間欠駆動装置の他の構成要素
である、転換器入力軸６と所定の軸間距離を有し
且つ所定のピツチ円直径のスプロケツト歯車１３
ａが形成され、また、転換器９側にはゼネバ歯車
装置の他の構成要素である駆動ピン１４が設けら
れ、更にそれらの中間にはスプロケツト歯車１３
ａの遊転を制止するための停止装置の一構成要素
である欠円部１３ｂを有する停止部材１３ｃが形
成されて設けられている。

このように構成されている駆動部材１１には、
前記した駆動レバー１１ａがタツプ選択開閉器２
側に設けられており、この駆動レバー１１ａには
転換器入力軸６の軸心と同心であつてスプロケツ
ト歯車１３ａのピツチ円に接する所定直径のピツ
チ円上に植接されてスプロケツト歯車とかみ合う
ピン１２が所要本数、例えば、本実施例において
は４本設けられており、また、転換器９側には連
動部材１３の停止部材１３ｃの回転に干渉しない
ように欠円部１１ｂが形成され且つ連動部材１３
の停止時にはその欠円部１３ｂに外径の一部が嵌
合して連動部材１３の遊転を阻止し駆動部材１１
自身は自由に回転可能に形成された、停止装置の
一構成要素である円板状の制止部材１１ｃが固着
又は一体に設けられている。

次にゼネバ歯車装置の従動車１５には、その駆
動ピン１４が係合して従動車１５を回転させるた
めのみぞ１５ｂが設けられていると共に、出力軸
８が、転換器入力軸６と同心に設けられており、
この出力軸８が、第１図に示すように、転換器９
の可動接点を駆動する。

本考案はこのように構成されているが、次にそ
の動作を、増倍用間欠駆動装置の動作を示す第４
図、及び、ゼネバ歯車装置の動作を示す第５図に
基づいて説明する。なお、第４図及び第５図共そ
れぞれＡは動作開始前の状態であり、Ｂは動作途
中、Ｃは動作終了後の状態を示し、当然ながら、
第４図Ａと第５図Ａ、第４図Ｂと第５図Ｂ、第４
図Ｃと第５図Ｃとは、それぞれ同時に生じている
状態である。

まず、駆動レバー１１ａのピン１２がスプロケ
ツト歯車１３ａにかみ合わない状態においては、
第６図に示すように、連動部材１３の停止部材１
３ｃの欠円部１３ｂに制止部材１１ｃの円板の外
径が嵌合することによつて、連動部材１３の遊転
を阻止しており、且つ、駆動部材１１は自由に回
転し得る状態に置かれている。

このような状態から、転換器入力軸６の回転に
よつて、これに結合されている駆動部材１１すな
わち駆動レバー１１ａが、矢印×に示すように、
反時計方向に回転すると、駆動レバー１１ａに装
着の４本のピン１２はスプロケツト歯車１３ａに
かみ合い始め、第４図Ａに示す状態となるが、ゼ
ネバ歯車装置は第５図Ａに示すように、未だ、か
み合いの状態とはならない。この時、制止部材１
１ｃは回転して、欠円部１３ｂから停止部材１１
ｃの円板の外周は離脱し且つその欠円部１１ｂが
停止部材１３ｃに対応しているために、駆動レバ
ー１１ａすなわちピン１２の回転に伴つてスプロ
ケツト歯車１３ａも回転可能となる。

このような状態から駆動部材１１すなわち駆動
レバー１１ａが引き続き回転すると、駆動レバー
１１ａに装着のピン１２の回転によるスプロケツ
ト歯車１３ａの引き続く回転と共に、その途中に
おいて、駆動ピン１４は、第５図Ａにおいて示す
駆動ピン１４′の位置まできて、ここから、従動
車１５のみぞ１５ｂにかみ合い、従動車１５すな
わちこれが結合されている出力軸８を回転させ、
転換器９の可動接点を回動させ始める。

このような回転の継続から、各部は第４図Ｂ、
第５図Ｂの状態となり、引き続き回転して、第５
図Ｃに示す駆動ピン１４が１４″の位置までくる
と、駆動ピン１４とみぞ１５ｂとのかみ合いが外
れ、従動車１５の回転は停止すると共に従動車１
５は、連動部材１３の軸と従動車１５の外周部に
形成の円弧との嵌合によつて、その遊転が阻止さ
れる。しかしこの状態においても、従動車１５が
固定されている出力軸８と転換器入力軸６との間
の断絶等によつて、駆動レバー１１ａ、連動部材
１３は引き続き回転し第４図Ｃ及び第５図Ｃの状
態となり、ここで始めて駆動レバー１１ａのピン
１２とスプロケツト歯車１３ａとのかみ合いが外
れて、引き続く駆動部材１１の回転にもかかわら
ず、連動部材１３は停止すると共に停止部材１１
ｃの外周部と欠円部１３ｂとが嵌合して連動部材
１３の遊転を制止する。

本考案装置はこのように動作するが、本実施例
においては、ピン１２を４本とし、ピン１２とス
プロケツト歯車１３ａとのかみ合う期間の駆動レ
バー１１ａの回転角をタツプ選択開閉器２の１タ
ツプ作動角度と同一角度の36゜とし、スプロケツ
ト歯車１３ａの回転角を180゜となるように各部
を設定したために、スプロケツト歯車１３ａの回
転は駆動レバー１１ａに対して増倍されて広くな
り、しかも、ゼネバ歯車装置によつて従動車１５
すなわちこれに固定の出力軸８すなわち転換器９
の可動接点の可動を、駆動ピン１４の空転角度、
すなわち、第５図Ｃに示す角αだけ、換言すれ
ば、従動部材１３の全回動角度の約1/5だけ前後
において短くし、余裕を持たせ得たことになる。
なお、転換器９の可動接触子の動作角度は、ゼネ
バ歯車装置の従動車１５に許容される動作角度範
囲内で任意にとることができ、また、従動車１５
自体の動作角度大きさ、及び、スプロケツト歯車
１３ａの作動角度範囲に対する従動車１５の作動
角度、例えば、従動車１５の作動始めを、スプロ
ケツト歯車の作動始めに近付けるとか、あるいは
遅らすとかは、ゼネバ歯車装置の駆動ピン１４の
設定位置により、調整することが可能である。

また、本考案においては、駆動間欠機構を、ピ
ン歯車装置からなる駆動レバー１１とスプロケツ
ト歯車１３ａ及びゼネバ歯車装置からなる駆動ピ
ン１４と従動車１５の２段に組み合わせているた
めに、転換器入力軸６と出力軸８との同軸心配置
が可能となり、抵抗式タツプ選択開閉器全体とし
て、第１図に示すように、単純な外形形状とする
こともできる。

このように、本考案装置は、電気的、機械的に
極めて信頼度及び自由度が高く、しかも、形状的
にも変圧器への適用及び製作が容易で単純形状を
有する転換器付設の抵抗式タツプ選択開閉器用転
換器を実現することができ、きわめて有益である
という効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案装置を備えた抵抗式タツプ選
択開閉器全体の概略縦断面図、第２図は、その本
考案による間欠駆動装置の１実施例を示す部分縦
断面図、第３図は、その−線による断面図、
第４図は、第２図に示された間欠駆動装置の増倍
用間欠駆動装置の各時点における動作状態説明
図、第５図は、第２図に示された間欠駆動装置の
ゼネバ歯車装置の動作説明図、第６図は、第２図
に示された間欠駆動装置の増倍用間欠駆動装置に
設けられた停止部材が作動して連動部材を停止さ
せた状態の説明図である。 １……ウオーム歯車、２……タツプ選択開閉
器、３……転換器駆動軸、４……絶縁容器、５…
…継手、６……転換器入力軸、７……間欠駆動装
置、８……出力軸、９……転換器、１０，１０ｄ
……支持フレーム、１０ａ，１０ｃ，１５ａ……
軸受、１０ｂ……オイルシール、１１……駆動部
材、１１ａ……駆動レバー、１１ｂ，１３ｂ……
欠円部、１１ｃ，１３ｃ……停止部材、１２……
ピン、１３……連動部材、１３ａ……スプロケツ
ト歯車、１４……駆動ピン、１５……従動車、１
５ｂ……みぞ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 タツプ切換器を構成するタツプ選択開閉器の早
   切り機構を駆動する回転軸と同一軸心上に連結さ
   れた転換器入力軸によつて駆動され、上記タツプ
   切換器を構成する転換器の可動接触子に連結され
   上記転換器入力軸と同一軸心上に配設された出力
   軸を所定の範囲で間欠駆動するものにおいて、 上記転換器入力軸に固定され、上記転換器入力
   軸と同軸の円弧上に所定本数のピンを形成した駆
   動レバーと一部に第１の欠円部を有する略円板状
   の第１の停止部材とからなる駆動部材と、 所定位置に回転可能に配設され、上記ピンと所
   定の範囲でかみ合うスプロケツト歯車と上記ピン
   とスプロケツト歯車とがかみ合わない間上記第１
   の停止部材と嵌合することにより遊転を阻止する
   第２の欠円部を一部に有する略円板状の第２の停
   止部材とからなり、上記ピンとスプロケツト歯車
   とがかみ合うことにより上記転換器入力軸の回転
   角を増倍して従動回転する連動部材と、 この連動部材に設けられた駆動ピンと、 上記出力軸に固定され、上記駆動ピンに所定の
   範囲でかみ合うゼネバ歯車のみぞを有し上記連動
   部材の回転に応じて従動回転する従動車とを備え
   たことを特徴とするタツプ切換器の転換器用間欠
   駆動装置。