JPS6242813B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はシートフイルム移送装置に関し、特に
多数枚のＸ線シートフイルムを一度にマガジンへ
装填し、該フイルムを順次１枚ずつ撮影ステージ
より退去させるＸ線フイルム撮影装置にに適用可
能なシートフイルム移送装置に関する。

近年、省力化の視点より多数枚のＸ線シートフ
イルムを一度にマガジンへ装填し、該フイルムを
順次１枚ずつ撮影ステージに移送し、Ｘ線写真撮
影後、該フイルムを撮影ステージより退去させる
Ｘ線フイルムチエンジヤーが普及してきた。現状
に於ては、装置の機構上、使用フイルムのサイズ
や撮影ステージにおけるフイルムの位置等に後述
のような種々の制約がある。

しかるにこの種の装置の普及が進むにつれて、
より使い易い装置の開発が望まれている。ここで
はまず従来例を説明した後、本発明を説明する。

従来用いられている胸部撮影用のフイルムチエ
ンジヤーの一例を図面によつて説明する。

第１図はこの装置を使つたシステムを示す図で
１はＸ線管球、２は被検者、３はフイルムチエン
ジヤー、４はフイルムチエンジヤーを支持する架
台である。

第２図はフイルムチエンジヤー３の断面図で、
５は第１のサイズのフイルムで、６は第１サイズ
のフイルムに対し、巾の異なる第２のサイズのフ
イルムである。７は第１のサイズの未撮影フイル
ムを収容するサプライマガジン、８は第２のサイ
ズの未撮影フイルムを収容する別のサプライマガ
ジン、９は撮影済みのフイルムを回収するレシー
ブマガジン、１０は撮影済みのフイルムである。
なお、各マガジンの側面にはフイルムの出入れに
適した矩形の開口を備える。次に１１，１１′は
吸盤で、不図示の吸引ポンプにつながり、また移
動機構に依り、図示の位置とマガジン内部との間
を往復するものとする。１２ａ〜１２ｅは、回転
するローラーで、その間にフイルムを挟んで移動
させる機能を有する。１３はフイルムを移送径路
に沿つて案内する案内板である。１４は前面増感
紙でＸ線透過性の固定板に固定される。１５は後
面増感紙で、前後に移動可能な固定板に固定され
る。１６はフイルムのストツパーでシートフイル
ムの下端を支持する。１７はフイルムをかき出す
レバーで撮影後のシートフイルムをかき落す機能
を持つ。１８は回転するローラー、１９は案内板
である。

次に作用を簡単に述べる。

吸盤１１，１１′は不図示のポンプによつて吸
引されており、未撮影フイルム５又は６を１枚づ
つ吸着してローラー１２ａ，１２ｂにはさみ込ま
せる。ローラー１２は回転しフイルムを増感紙１
４，１５の間に移送する。ついでフイルムはスト
ツパ１６によつて止められしかる後に、不図示の
手段により増感紙１４，１５はフイルムをはさん
だまま密着され、この状態で撮影が行われる。

撮影終了後、増感紙は再び開き、フイルムスト
ツパ１６は図の矢印方向に退く。次でかき落とし
レバー１７が図の矢印方向へ移動し、フイルムを
ローラー１８にはさみ込ませる。ローラー１８は
回転しておりフイルムをレシーブマガジン９内へ
移送する。以上は縦型のフイルムチエンジヤーで
あるが第３図は寝台用のフイルムチエンジヤーを
用いたシステムの例で第４図はこのフイルムチエ
ンジヤーの断面図である。

なお第３図、第４図で第１図、第２図と同機能
のものには同じ番号を付してある。第３図で１９
は寝台である。吸盤１１は不図示のポンプによつ
て吸引されていて未撮影フイルム８を１枚ずつ吸
着してローラー１２ａにはさみ込ませる。ローラ
ー１２は回転し、フイルムを増感紙１４，１５の
間に移送する。フイルムはストツパー１６によつ
て止められる。次で増感紙１４，１５はフイルム
を挟み込んだまま密着され、この状態で撮影が行
われる。

撮影終了後増感紙は再び開きフイルムストツパ
ー１６が図の矢印の方向にフイルムを押しながら
移動し、フイルムをローラー１２に挟み込ませ
る。

このチエンジヤーでは、ローラー１２は逆に回
転し、フイルムをレシーブマガジン９内へ送り込
む。

第２図の装置において第１のサイズのフイルム
５と第２のサイズのフイルム６の縦方向の長さが
異なる場合には、撮影ステージにおいて第５図に
示すようにフイルムの下端が一致する位置にフイ
ルムがセツトされる。

しかるに、胸部撮影の場合には、被検者のアゴ
が邪魔になり第６図の様に被検者の胸とフイルム
との距離が離れてしまい鮮鋭な写真が得られな
い。従つてこのような場合には第７図の様にフイ
ルムの上端が一致する位置にフイルムをセツトす
るのが望ましい。また第４図の装置においてサイ
ズの異なる２種のフイルムを使用した場合、サイ
ズの小さい方のフイルムは、縦型と違つてフイル
ムの一端を重力で揃えるわけにはいかないので撮
影ステージにおいて一定の位置にセツトすること
ができない。

あるいは第２図のチエンジヤーでは撮影フイル
ムを収容するマガジンが下側にあるため、装置が
下方に長くなるため被検者が座つたまま撮影する
際ひざがぶつかる様な難点もある。

本発明の目的はシートフイルムの新規な移送手
段の提供にあり、ことにフイルムチエンジヤーに
於て、フイルムのサイズが変わつても撮影ステー
ジにおいてフイルムを所望の位置に設定できるよ
うにすることである。

以下図面を使つて本発明の実施例を説明する。
第８図、第９図は本発明を第１図に示した様なフ
イルムチエンジヤーに実施した例で第８図は外観
斜視図、第９図は断面図である。第８図で３１は
胸部用フイルムチエンジヤー本体である。３２は
マガジン収納部の扉で、本体３１に取付けられて
おり、シートフイルムを充填したマガジンを挿
入、搬出する際に開閉される。

３３はフイルムに写し込む患者番号等の情報を
記載したＩ、Ｄ、カードを挿入するスリツト、３
４は本体３１の前カバー、３５は被検者のアゴを
載せるアゴ当てである。３６は胸当て板でＸ線を
透過しやすい材料の部材で製作されている。

３７は撮影準備が完了すると点灯するランプ、
３８，３９，４０は各々マガジンが挿入されると
点灯するランプで、順に第１サイズのフイルム用
のサプライマガジン、第２サイズのフイルム用の
サプライマガジン、そしてレシーブマガジンに対
応する。４１，４２は各々第１のサイズ、第２の
サイズのフイルムの給送を開始させるスイツチ、
４３は挿入したマガジン（不図示）の蓋を閉じる
為のスイツチである。

第９図中、５１は第１のサイズの未撮影フイル
ムを収容するサプライマガジン、５２は第２のサ
イズの未撮影フイルムを収容するサプライマガジ
ン、５３は撮影済フイルムを収容するレシーブマ
ガジンである。そしてそれらマガジンは図示の如
く蓋とケージングが一方で開口する型式で、保持
レール５０〜５０″で保持される。また５４は第
１のサイズの未撮影フイルム、５５は第２のサイ
ズの未撮影フイルムで第１のサイズのフイルムに
対して縦の長さもしくは幅あるいは両方を異にす
る。

５６は撮影済のフイルム。５７と５７′はフイ
ルムを１枚ずつ吸着する吸盤で不図示の機構によ
り図の矢印のような運動をする。即ち、移送径路
中に進入した後、マガジン内に下降し、フイルム
方向へ進んでフイルムを吸着し、今の動作を逆行
する。５８は回動可能な軸で歯車列Ｇを介してパ
ルスモーターＭにより駆動を与えられる。該パル
スモーターは正逆転可能であり、かつ、あらかじ
め設定した回転角だけ回転して止まるように不図
示の制御回路で制御される。

５９は軸５８に固定されたドラム、６０はドラ
ム５９に巻きつけられ且つフイルムを保持するク
リツパ６１を先端に取付けた腰の強い可撓性移送
シートで、例えば合成樹脂の厚めの膜を使用す
る。クリツパー６１はシート６０の両端から等間
隔で、例えば２個設けられており、またその先端
にはフイルムが抜け落ちるのを防止するため針状
の突起を具える。なお、このクリツパはバネの力
で夾撃片を加圧しているが、電磁マグネツトで加
圧することも可能である。

６２，６２′，６２″は、クリツパ６１の夾撃片
を両側から押付けて開閉する部材で各マガジン近
傍に配され、不図示の機構により矢印の如き運動
する。

６５は回動自在のローラー、６６，６６′，６
６″はフイルム及び移送シート６０を案内する案
内板、６７，６８，６９は誘導板でそれぞれ一端
が回転自在に支持され、他端は不図示の機構によ
つて移動するもので、フイルム及び移送シート６
０を所定径路へ誘導する。

７１は中央部が抜けている固定部材でＸ線透過
性の増感紙支持部材を取りつけられている。７３
は前面増感紙で増感紙支持部材７２に貼付け支持
されている。７４は後面増感紙、７５はスポンジ
で増感紙とフイルムを密着させるために全面一様
に加圧する機能を持つ。７６は押付板で後面増感
紙７４とスポンジ７５が順に貼付けられている。

８１は固定軸、８２は固定軸８１に回転可能に
取付けられたレバーで不図示の手段により矢印方
向に揺動運動し、押付板７６を増感紙支持部材７
２の方向へ押付け、あるいは引離す。８３はレバ
ー８２に取付けられたベアリングである。一方、
８５はレンズを取付けた鏡筒、８６，８６′はミ
ラーであり、両者はスリツト３３に挿入された
Ｉ、Ｄ、カードの情報をフイルム上に写し込む為
のものである。

なお、１００は引込み径路で、一番長いシート
フイルムが収容されるだけの長さを備えるものと
する。なお引込み径路１００は後述するように繰
り出し径路にも用いられる。

次に作用を説明する。サプライマガジン５１、
及び５２にそれぞれシートフイルムを収容し、扉
３２を開けてフイルムチエンジヤー本体３１に差
し込み、扉３２を閉める。このときクリツパ６
１、吸盤５７と５７′は図の実線の位置、誘導板
６７は２点鎖線の位置、誘導板６８，６９は実線
の位置にある。給送スイツチ４１を押すと誘導板
６９が二点鎖線の位置に移動する一方不図示の運
動手段によつてマガジン５１，５２，５３が開
く。

続いてドラム５９が時計方向に回転して移送シ
ート６０は巻戻されて繰出され、クリツパー６１
は誘導板６８と６９によつて構成された径路に従
つて二点鎖線ａの位置に移動する。次で第１のサ
イズの供給マガジン５２側の吸盤５７が図の矢印
にそつて順次運動する。

この時開閉部材６２はクリツパー６１を押して
いて、クリツパの先端は開いている。吸盤５７は
不図示のポンプによつて吸引されておりフイルム
を一枚吸着して実線の位置に戻り、フイルムの先
端を開いているクリツパーの間に差し込む。ここ
で開閉部材６２はクリツパー６１より離れ、クリ
ツパの先端はフイルムをつまんで閉じる。

次で吸盤５７の吸引が停止し、フイルムは吸盤
より離れ、同時に吸盤はフイルムから離れる方向
に移動する。また仮に給送スイツチ４１を押すか
わりに給送スイツチ４２を押した場合は、誘導板
６８が二点鎖線の位置に移動する、一方、図示さ
れていない手段によつてマガジン５１，５２，５
３が開く。続いてドラム５９が時計方向に回転
し、クリツパーは二点鎖線ｂの位置に移動する。
次で第２のサイズの供給マガジン側の吸盤５７′
が図の矢印にそつて順次運動し、以下給送スイツ
チ４１を押した時と同じ運動をする。この様にし
てクリツパー６１はフイルムを１枚保持するが続
いてドラム５９が反時計方向に回転して、移送シ
ート６０を巻込み、クリツパはフイルムをはさん
だまま図の実線の位置へ移動し、フイルムを引込
み径路１００へ引込む。続いて誘導板６７が実線
の位置に移動し、次いでドラム５９が時計方向に
回転するとクリツパ６１はフイルムを押して二点
鎖線ｄの位置に移動する。

従つてフイルムは増感紙７３，７４の間に入
り、かつフイルム上端を規定位置に維持する。次
でレバー８２が反時計方向に回転し、増感紙７
３，７４をフイルムをはさんで密着させる。その
時クリツパ６１はフイルムを保持した状態であ
る。

続いてＸ線を被写体に照射して撮影を行い撮影
が終了するとレバー８２が時計方向に回転し、再
び増感紙７３，７４を開く。次でドラム５９が反
時計方向に回転しクリツパー６１はフイルムをは
さんだまま、図の実線の位置に移動し、フイルム
を引込み径路１００へ引込む。

ここで不図示のランプが点灯し、Ｉ、Ｄ、カー
ドに記載された情報がフイルムに写し込まれる。

次で、誘導板６７が二点鎖線の位置、誘導板６
８，６９が図の実線の位置に移動し、ドラム５９
が時計方向に回転してクリツパーはフイルムを押
して二点鎖線Ｃの位置へ移動する。次で開閉部材
６２″がクリツパ６１の夾撃片を押し、クリツパ
の先端が開きフイルムはレシーブマガジン５３内
に落下する。

次で開閉部材６２″はクリツパより離れ、ドラ
ム５９は反時計方向に回転し、クリツパは実線の
位置へ移動して一回の撮影を完了する。またもし
続いて撮影する場合は、再び給送スイツチ４１又
は４２を押せば前述の動作を繰り返す。但し、マ
ガジンは開いたままである。

撮影を終了したとき又は途中で撮影済みのフイ
ルムを現像したい時は、スイツチ４３を押すと不
図示の手段によりまず各マガジンの蓋が閉じ次で
不図示の機構により扉３２が開く。この状態でマ
ガジンが取り出せる。

第１０図は本発明を寝台用フイルムチエンジヤ
ーに実施した別の実施例である。第１０図で第９
図と同じ機能のものには同じ番号を付してある。
９０は寝台用のフイルムチエンジヤー本体、９１
は不図示の駆動源により回転する軸、９２は軸９
１に取り付けられたカム、９３はカム９２のフオ
ロアーで、押付板７６に回転自在に取付けられて
いる。９４は矢印のように揺動運動をするフイル
ム送り込みレバーである。この装置の動作は、上
述の実施例と概略図であるが第９図のレバー８２
が揺動運動して増感紙７３，７４を密着させたの
に対し、本装置では軸９１や回転しカム９２がフ
オロアー９３を押し上げることによつて増感紙７
３，７４を密着させている。

また上述の実施例では、フイルムをレシーブマ
ガジン５３に収納する際、クリツパ６１を開け
ば、フイルムが重力で落下し、レシーブマガジン
内に入つたが本装置においては重力が使えない為
クリツパ６１が開くと同時にレバー９４が時計方
向に揺動し、フイルムをレシーブマガジン内に押
し込むようになつている。

本発明によればフイルムの非撮影部分は、クリ
ツパーの如き保持部材にはさまれる微小な部分だ
けにすることが可能であるのに対し、従来のロー
ラーでフイルムを送る方法では、増感紙の間から
フイルムを出すために増感紙の一部を切り欠いて
フイルムを押し出したり又は引つぱり出す必要が
ある為、この切り欠きの部分が非撮影部分になつ
てしまつていた。

またローラーでフイルムを送る方法では、フイ
ルムをスリツプなく送る為に、ローラーでフイル
ムをある程度押しつけている為、フイルムの感度
に影響を及ぼすことがある。これに対し、本発明
によればフイルムを移動する間フイルムが押圧を
受けることがないのでフイルムの感度に影響がな
い。

更に、撮影ステージにおいて所定の位置にフイ
ルムの端を合わせることができ、特にシートフイ
ルムの一端を保持部材で保持し、共用径路への引
込み及び共用径路からの繰り出しにより前記保持
されたシートフイルム端部を移動方向の後端とし
てシートフイルムを所定位置へ移送できサイズの
異なるフイルムの端を複雑な制御機構を用いるこ
となく簡便に同一の位置に位置合わせすることが
できる効果があり、あるいは幅の異なるフイルム
を移送することができる効果もある。又、腰の強
い可撓性移送シートを用いてシートフイルムを第
１の位置から異なる第３の位置へ装置全体が如何
に傾いても安定して移送することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来用いられている胸部撮影用のフイ
ルムチエンジヤーを使つたシステムを示す図。第
２図は第１図のフイルムチエンジヤーの断面図。
第３図は従来用いられている寝台用のフイルムチ
エンジヤーを使つたシステムを示す図で第４図は
このフイルムチエンジヤーの断面図である。第５
図〜第７図は本発明の目的を示す為の説明図。第
８図は実施例の斜視図で、第９図はその断面図で
ある。第１０図は別の実施例の断面図である。 図中１はＸ線管球、２は被検者、３は従来のフ
イルムチエンジヤー、３１は本発明による胸部撮
影用フイルムチエンジヤー本体、５９はドラム、
６０は移送シート、６１はフイルムをはさんで移
動させるクリツパ、６２〜６２″はクリツパを開
閉する部材、６７，６８，６９は誘導板、７３，
７４は増感紙、９０は寝台用フイルムチエンジヤ
ー本体、１００は引込み径路である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ シートフイルムの一端を保持する保持部材
   と、該保持部材を一端に有する腰の強い可撓性移
   送シートを備え、前記保持部材で保持されたシー
   トフイルム端部が第１の位置から異なる第２の位
   置へ移送されるための第１の移送径路と、前記第
   ２の位置から更に異なる第３の位置へ移送される
   ための第２の移送径路とが一部共用径路を形成
   し、前記シートフイルムを前記移送径路へ誘導す
   る誘導手段と、前記第１の移送径路内で前記保持
   部材で保持されたシートフイルム端部を移動方向
   シートフイルムの先端とするように前記可撓性移
   送シートを前記共用径路へ引込み且つ前記第２の
   移送経路内で前記保持部材で保持されたシートフ
   イルム端部を移動方向シートフイルムの後端とす
   るように前記可撓性移送シートを前記共用径路か
   ら繰り出す駆動手段を有することを特徴とするシ
   ートフイルム移送装置。 ２ 前記保持部材はクリツパである特許請求の範
   囲第１項記載のシートフイルム移送装置。 ３ 前記駆動手段は引込み、繰出しのため正逆回
   転可能なドラムを有し、前記可撓性移送シートの
   他端は該ドラムに結合される特許請求の範囲第１
   項記載のシートフイルム移送装置。 ４ 前記駆動手段は更にパルスモータを有し、前
   記ドラムはこのパルスモーターに結合されている
   特許請求の範囲第３項記載のシートフイルム移送
   装置。