JPS6242778Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、容器等に取り付けられ乳液等の内容
液を射出する小形の液体射出装置に係り、特に噴
射ヘツドの押下げストロークを可変して射出液量
を可変できるようにした液体射出装置を提供する
ことを目的とする。

以下添付図面を参照して本考案実施例を説明す
る。図において、１は乳液等の液状体を収容した
容器、２はこの容器１の口部に螺着若しくは嵌着
により液密に嵌合されたキヤツプ等の装着部材
で、この装着部材２上端は小径に開口してある。
該装着部材２内にはその上端を装着部材内壁部に
固定した縦長の円筒状のシリンダー３が垂設して
あり、該シリンダー３下端の小径底部４は液中に
垂下されている吸上げ管５を連通固定しており、
該吸上げ管５上端部には吸込み弁が設けてある。

一方、前記装着部材２の開口には、上端にノズ
ル管６を持つ噴射ヘツド７を固定したステム８を
上下動及び回動可能に挿通している。該ステム８
の装着部材２内の下端部には、上端開口部に吐出
弁９を有して前記シリンダー３内を摺動するピス
トンがあり、該ピストンと前記吸込み弁間にはコ
イルバネが介挿され、このバネがピストンを介し
前記ステム８、噴射ヘツド７を常時上方に押し上
げている。尚、ステム８の装着部材２内の一部が
拡径され、この拡径部により装着部材２から抜け
出さないようにしてあり、また吐出弁９上方のス
テム８には狭径部１０があり、吐出弁９はこの狭
径部１０を越えて上方に移動しないようになつて
いる。

この種液体射出装置はよく知られているので、
簡単にその作用を説明すると、定常時において
は、吸込み弁を介し吸上げられた液体はシリンダ
ー３内に略充満している。この状態で、噴射ヘツ
ド７によりステム８を介しピストンをバネに抗し
て下方に押し下げると、該ピストンは上端開口が
吐出弁９で封止されていることから当該下降動作
でシリンダー３内の液圧が高まり、この液圧が予
定値に達すると吐出弁９を上方に押し上げ、シリ
ンダー３内の液体は該吐出弁９とステム８間の間
隙を通しノズル管６から外方に射出される。シリ
ンダー３内の液体が略射出された時点で押下げ動
作を停止すると噴射ヘツド７、ステム８、ピスト
ンはバネにより原状態に復帰するが、一方前記液
体射出が終了するとシリンダー３内が負圧化する
ので、容器１内の液体は吸上げ管５及び吸込み弁
を通しシリンダー３内に流入し、射出動作の１サ
イクルが終る。

ここで本考案では、ステム８が挿通する装着部
材２の開口部を、第２図に示すように、その周縁
が対称的な位置で60゜弱の間隔の係止部１１，１
１となるように残余の部分を拡径して形成し、ま
たステム８に筒状の押下げストローク調整部材１
２を一体に包着する。即ち、ステム８は対向する
係止部１１，１１で案内されて昇降する。

また前記押下げストローク調整部材１２は、第
３図ａ，ｂに示すように、180゜の各半周部を略
60゜ずつの長尺部イ、短尺部ロそして欠落部ハに
形成した対称構成のもので、第１図のようにステ
ム８が上方に押し上げられた状態で長尺部イの下
端と装着部材２の頂面との間に間隔l₃が形成され
るようにステム８に包着する。尚、装着部材２の
開口の拡径部の径ｌは、ステム８に包着したスト
ローク調整部材１２を挿通できる寸法に整定され
ている。

上記構成とすれば、ステム８を回動してストロ
ーク調整部材１２の欠落部ハが装着部材２の開口
の係止部１１，１１に位置させた場合は、ストロ
ーク調整部材１２の長、短尺部イ，ロは係止部１
１，１１から外れ拡径部に位置するので、従来同
様に噴射ヘツド７を定常のストロークl₁迄押下げ
ることができる。次にステム８を60゜回動させる
と、短尺部ロが係止部１１，１１に位置するの
で、この場合の噴射ヘツド７の押下げストローク
はl₁より小さいl₂となり、さらにステム８の回動
を60゜進めると、長尺部イが係止部１１，１１に
位置するので、この場合の噴射ヘツド７の押下げ
ストロークは最も小さいl₃となる。即ち、噴射ヘ
ツド７の押下げストロークが変化すれば、液射出
のための射出圧が変化するので、射出する液量が
可変できる。

上記で、押下げストローク調整部材１２は、こ
れを別途作製してステム８に包着固定してもよい
が、ステム８をストローク調整部材１２を包着し
た形状となるように一体に成形製作するのが好ま
しい。また上記では、ストローク調整部材１２及
び装着部材２の開口部を、各半周構成の対称形と
したが、これらは半周又は全周構成の１組のみの
ものであつてもよい。また、押下げストローク調
整のためのステム８の回動位置は、適宜の目印を
付すようにすればよい。また前記例ではl₁，l₂，
l₃と３段に押下げストロークを調整する例を示し
たが、これは２段でも３段以上でもよい。

以上記載の如く本考案では、ステム８外表面の
周方向の一部に押下げストローク調整部１２を隆
設し、一方該ステム８を挿通する装着部材２の開
口に前記押下げストローク調整部１２の降下を阻
止する係止部１１を設け、ステム８の回動位置に
より噴射ヘツド７の押下げストロークを可変でき
るようにしたので、噴射圧力を可変して噴射液量
が可変でき、従つて必要に応じた液量を射出でき
るので液を無駄なく使用でき便利である。しかも
そのための操作は、単にステム８を回動するのみ
なので極く簡便である。また構造的には、ステム
８に単純な形状の押下げストローク調整部１２
を、装着部材２の開口部に係止部１１を設けるの
みであり、これらは成形製作により容易に一体に
形成できるので、従来品に比べ殆んどコスト増な
しに製作できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案液体射出装置の一部を断面して
示す正面図、第２図は同液体射出装置の装着部材
の平面図、第３図ａ，ｂは同液体射出装置の押下
げストローク調整部材を拡大して示した平面図と
正面図である。 １……容器、２……装着部材、７……噴射ヘツ
ド、８……ステム、１１……係止部、１２……押
下げストローク調整部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器１口部に嵌合可能に設けた装着部材２の内
   面からシリンダー３を垂設し、該シリンダー３内
   に装着部材２の頂部開口を回動且つ昇降自在に貫
   通させた円筒状のステム８下端に付設したピスト
   ンを嵌合し、またステム８上端にノズル６付き噴
   射ヘツド７を装着し、前記シリンダー底部４には
   吸込み弁を、またステム８或いはピストン内には
   吐出弁９を設け、さらにバネにより前記ピストン
   を介しステム８及び噴射ヘツド７部を装着部材２
   より上方に突出させた液体射出装置において、前
   記ステム８の周方向外表面の一部に、噴射ヘツド
   ７の押下げストロークl₁より短かい寸法の押下げ
   ストローク調整部１２を母線方向に隆設し、且つ
   前記装着部材２の頂部開口に、該押下げストロー
   ク調整部１２の降下を阻止する係止部１１を形成
   して、ステム８の回動位置により噴射ヘツド７の
   押下げストロークを可変できるようにした液体射
   出装置。