JPS624272Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は湯の沸騰をリードの吹鳴により報知す
る湯沸器の注口蓋開閉装置に関する。

この種の湯沸器にあつては、沸騰報知のリード
の吹鳴効果を左右するのは沸騰蒸気圧の漏れであ
り、特に注口蓋の不完全な閉塞状態或いは蒸気圧
による注口蓋の押し上げ等により注ぎ口の閉塞が
不完全になつた場合には十分な吹鳴効果が得られ
ない。

本考案は、上記の点に鑑み、注ぎ口の閉塞時に
は注口蓋を注ぎ口に押し付ける如く付勢し、また
注ぎ口の開放時には注口蓋が不用意に閉塞方向に
回動しない如く規制することを技術的課題とした
湯沸器の注口蓋開閉装置にある。

次に、本考案を図示の実施例により説明する。

第１図において、１は湯沸器の容器本体で、前
方には注ぎ口２が水密に取付けられると共に、後
方上部には把手３がリベツト等により固着されて
いる。

４は容器本体１に着脱可能な蓋で、中央部にリ
ード５を備えた吹鳴装置６（詳細は省略する）が
収納されると共につまみ部７が設けられている。

８は容器本体１と注ぎ口２に両端が夫々リベツ
ト止めされた支持板で、該支持板８に軸受板９を
介して板バネ１０が螺子１１により取付けられて
いる。

而して、上記軸受板９は上方部分（図面よみ
て）が二叉状に形成され、該二叉部分の中間に上
記板バネ１０が延在し、かつ上記支持板８、軸受
板９及び板バネ１０の部分にはほぼＵ字状のカバ
ー１２が着脱可能に嵌着されている。

１３は注ぎ口２を開閉する注口蓋で、開閉部１
３ａ、回動支持部１３ｂ及び可動支持部１３ｃと
から成る。

而して、上記回動支持部１３ｂは半円形をな
し、上記軸受板９の二叉部に挿入され、枢支ピン
１４により回動自由に取付けられると共に、上記
半円形の外周面には第２図に示すように、閉蓋時
と開蓋時に上記板バネ１０と択一的に係合する切
欠き段部１３b₁と切込み溝１３b₂が形成されてい
る。

また、上記可動支持部１３ｃは二叉状に形成さ
れ、操作アーム１５の一端部が挿入され、連結ピ
ン１６により回動自由に連結している。

そして、上記切欠き段部１３b₁は、閉蓋時にお
ける連結ピン１６が切欠き段部１３b₁と枢支ピン
１４とを結ぶデツトポイントより左方にある如く
設定されると共に、開蓋時における連結ピン１６
が切込み溝１３b₂と枢支ピン１４とを結ぶデツト
ポイントより下方にある如く設定されている。

操作アーム１５は上記把手３の前方（注ぎ口
側）傾斜部３ａの下面に凹設したＵ状孔３ｂ内に
挿入され、上端に形成した把持部１５ａは把手３
の外部に露出している。

なお、１７は注水制限板である。

次に、上記構成の注口蓋の開閉作用について説
明する。

操作アーム１５を押し下げ、注口蓋の開閉作用
について説明する。

操作アーム１５を押し下げ、注口蓋１３が連結
ピン１６により押され、枢支ピン１４を支点とし
て反時計方向に回動して注ぎ口２を閉塞した第１
図の実線状態では、注口蓋１３の回動支持部１３
ｂに形成されている切欠き段部１３b₁に板バネ１
０の先端部が係合し、該板バネ１０の時計方向の
弾発力により注口蓋１３は閉蓋方向に付勢される
と同時に、操作アーム１５との連結ピン１６が切
欠き段部１３b₁と枢支ピン１４とを結ぶデツトポ
イントより左方に偏位することから、注口蓋１３
は注ぎ口２に対して押しつけられ、完全な閉塞が
行われる。

そして、第１図の閉蓋状態より開蓋するには、
操作アーム１５を引き上げ、注口蓋１３を連結ピ
ン１６を介して枢支ピン１４を支点として時計方
向に回動させる（二点鎖線）。

この際、注口蓋１３の回動に伴い回動支持部１
３ｂも同方向に回動し、切欠き段部１３b₁と板バ
ネ１０との係合は解かれ、切込み溝１３b₂に板バ
ネ１０の先端部が係合し、連結ピン１６が切込み
溝１３b₂と枢支ピン１４とを結ぶデツトポイント
より下方に位置することから、操作アーム１５の
把持を解いても注口蓋１３は開蓋状態を保持す
る。

以上のように、本考案は、注口蓋に形成した切
欠き段部と切込み溝に板バネを択一的に係合さ
せ、かつこれら切欠き段部及び切込み溝と注口蓋
の枢支ピンとを結ぶ開蓋時と閉蓋時とのデツトポ
イントを越えた位置に連結ピンがある如く構成し
たので、閉蓋時には注口蓋を注ぎ口に押圧付勢し
て完全な閉塞状態を保ち、リードの吹鳴効果を十
分に発揮させることができるとともに開蓋時にあ
つてはその位置を規制するので、不用意に閉塞す
ることがない。

また、容器本体が倒れたりした場合にも、注口
蓋が開くことがないので、湯が多量に流れ出る心
配がない。

さらに、板バネの弾性が低下したり、折損した
場合にも、カバーう取外して簡単に交換をするこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部断面側面
図、第２図は要部の拡大図である。 １……容器本体、２……注ぎ口、３……把手、
１０……板バネ、１３……注口蓋、１３b₁……切
欠き段部、１３b₂……切込み溝、１４……枢支ピ
ン、１５……操作アーム、１６……連結ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蒸気圧吹鳴蓋を備えた容器本体の把手前方部の
   下面に凹設したＵ状孔に遊挿された操作アーム
   と、該操作アームの一端に連結ピンにより可動的
   に連結され、かつ容器本体に設けた軸受板に枢支
   ピンにより回動自由に支承された注口蓋と、該注
   口蓋の枢支部外周面に設けた切欠き段部及び切込
   み溝に択一的に係合する上記軸受板に設けられた
   板バネとから成り、上記切欠き段部及び切込み溝
   は、上記枢支ピンと結ぶデツトポイントを越えた
   位置に開蓋時及び閉蓋時の上記連結ピンがある如
   く設定されていることを特徴とする湯沸器の注口
   蓋開閉装置。