JPS6241822Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は無転記式帳票に関する。

従来、金融機関等において振込の依頼があたつ
た場合、依頼人から提出された所定の振込依頼書
に基づき、振込先銀行名、支点名、預金種目、口
座番号、受取人名、金額等を振込伝票に転記し、
その振込伝票を振込先銀行又は支店へ提出して会
計上の処理を行なつているが、いちいち手書きで
転記したのでは時間がかかり、転記誤りの発生も
防止しがたいので、電子複写による振込伝票の作
成が行なわれており、しかも、その場合、伝票作
成機が高価で、全店舗に導入することは困難であ
るので、伝票作成処理専問の処理センターを各銀
行ごとに設置し、振込依頼書をそれを受理した店
舗から処理センターへ持ち込み、処理センターで
集中的に振込伝票への複写処理を行ない、処理し
た振込伝票を前記店舗へ返送し、前記店舗から振
込先銀行等へ提出する方法が一般に取られてい
る。

しかしながら、この方法においては帳票を受理
店舗から処理センターへ転送しなければならない
故、事務処理時間が帳票の転送に要する時間だけ
長くかかり、迅速に事務処理することができない
欠点があつた。

本考案は叙上の欠点を解消すべく研究の結果完
成したもので、その要旨は「連記式原票用紙の裏
側に綴代辺に対して直角方向の辺の長さが順次一
定長さずつ異なつている複数枚の伝票用紙が綴代
辺を揃えて重層され、前記連記式原票用紙及び前
記伝票用紙相互は綴代辺に沿つた領域において接
着され、前記各伝票用紙には複数の綴代辺に平行
な切取ミシン目が綴代辺に対向する辺から一定距
離おきに刻設されて複数の伝票紙葉が形成され、
各伝票紙葉上の相互に重畳しないように選択され
た領域にそれぞれ発色剤層が設けられると共に前
記選択された領域内に複写情報記載欄が設けら
れ、且つ連記式原票用紙上の前記複写情報記載欄
と対応する位置に被複写情報記載欄が設けられて
おり、更に前記連記式原票用紙及び前記伝票用紙
の裏面の少なくとも前記発色剤層面と対向する領
域に顕色剤層が設けられていることを特徴とする
無転記式帳票。」である。

以下、本考案につき図面を参照しながら詳細に
説明する。

本考案に係る無転記式帳票は総合振込依頼書な
どの連記式原票と複数の振込票などの伝票よりな
るものであり、第１図及び第２図は連記式原票を
構成する連記式原票用紙１を示し、第１図は正面
図、第２図は背面図である。

連記式原票用紙１の表面１ａには複数行の被複
写情報記載欄（この欄に記載される情報は同等時
に伝票上にも複写される。）８と連記式原票固有
情報記載欄９とが印刷形成されており、一方、裏
面１ｂには綴代７を除いてそれ以外の領域に顕色
剤層１０が設けられている。

次に伝票は綴代辺に対して直角方向の辺の長さ
が順次一定長さずつ異なつている複数枚の伝票用
紙に綴代辺に平行な複数の切取ミシン目を綴代辺
に対向する辺から一定距離おきに刻設することに
よつて形成された複数の伝票紙葉からなり、第３
図及び第４図は第１伝票用紙２を示し、第３図は
正面図、第４図は背面図であり、第５図及び第６
図は第２伝票用紙３を示し、第５図は正面図、第
６図は背面図である。

第１伝票用紙２の綴代辺４に対して直角方向の
辺５の長さl₁は第２伝票用紙３の綴代辺４に対し
て直角方向の辺５の長さl₂よりも連記式原票用紙
１上の被複写情報記載欄８の配設ピツチｍに相当
する距離だけ短くなつている。

そして、伝票用紙２及び３には綴代辺４に平行
な５本の切取ミシン目１１が綴代辺４に対向する
辺６から前記配設ピツチｍの２倍の距離ｎおきに
刻設されて５つの伝票紙葉１２が形成されてい
る。尚１３はつなぎ片である。

各伝票紙葉の表面１２ａの相互に重畳しないよ
うに選択された領域に発色剤層１４が設けられる
と共に発色剤層１４上に複写情報記載欄１５が設
けられており、更に伝票固有情報記載欄１６が設
けられている。

又、第１伝票用紙２の裏面２ｂには綴代７を除
いてそれ以外の領域に顕色剤層１０が設けられて
いる。

上記の連記式原票用紙１の裏側に第１伝票用紙
２及び第２伝票用紙３を順次綴代辺を揃えて重層
し、第７図示の如く綴代辺に沿つた領域において
相互に接着することにより本考案に係る無転記式
帳票は得られる。

上記の本考案に係る無転記式帳票は次のように
して使用することができる。

先ず、連記式原票用紙の被複写情報記載欄に所
要事項を記入すると、伝票用紙上にも被複写情報
記載欄に記入した内容と同一の内容のことが記入
される。そして全ての被複写情報記載欄に記入し
たのち、順次伝票を切取ミシン目から分離して連
記式原票と複数の伝票を一度に作成することがで
きる。尚、連記式原票固有情報記載欄には連記式
原票にのみ関連する情報を記入し、又、伝票固有
情報記載欄には伝票にのみ関連する情報を記入す
る。

上記の本考案に係る無転記式帳票において、伝
票用紙の枚数は２枚に限定されず、本考案に係る
無転記式帳票は第８図示のように綴代辺に対して
直角方向の辺の長さが順次連記式原票用紙上の複
写情報記載欄の配設ピツチに相当する距離だけ短
くなつている３枚の伝票用紙２１，２２，２３よ
りなり、各伝票用紙２１，２２，２３に綴代辺に
平行な切取ミシン目１１を綴代辺に対向する辺か
ら前記配設ピツチの３倍の距離おきに刻設されて
おり、各伝票紙葉の表面の相互に重畳しないよう
に選択された領域に発色剤層１４が設けられたも
のであつても良い。

又、上記の本考案に係る無転記式帳票におい
て、発色剤層１４は伝票紙葉１２の下半分の領域
内に設けられているが、発色剤層１４は第１０図
示の如く伝票紙葉１２の中央に位置させても良
く、或いは第９図示の如く伝票紙葉１２の上方に
位置させても良い。

更に又、上記の本考案に係る無転記式帳票にお
いて、綴代が帳票の上辺に沿つて位置する場合に
は原票への記載順序と伝票をむしりとる順序が、
前者は原票の上方から下方であるのに対して、後
者は下方から上方と相反するので、原票へ記入し
た順に伝票をむしりとつて使用する用途には、第
１１図ないし第１３図示のような綴代辺４が帳票
の下方に位置する連記式原票用紙１及び伝票用紙
２，３を重層し、第１４図示の如く帳票の下方に
て貼綴したものを適用することができる。

次に本考案に係る無転記式帳票の製造方法につ
いて図面を用いて説明し、本考案に係る無転記式
帳票が如何に作りやすいかを説明する。

第１５図に正面図を示し、第１６図に背面図を
示すような横向きに位置する多数の連記式原票用
紙が横ミシン目１８を介して連続しており、且つ
一定間隔おきに送り穴１７が設けられている連続
連記式原票用紙３１と第１７図に正面図を示し、
第１８図に背面図を示すような横向きに位置する
多数の第１伝票用紙が横ミシン目１８を介して連
続しており、且つ一定間隔おきに送り穴１７が設
けられている連続第１伝票用紙３２と第１９図に
正面図を示すような横向きに位置する多数の第２
伝票用紙が横ミシン目１８を介して連続してお
り、且つ一定間隔おきに送り穴１７が設けられて
いる連続第２伝票用紙３３を送り穴１７によつて
位置を整合させて重ね合せ、綴代に相当する領域
において相互に糊付けしたのち、横ミシンから切
断分離することにより本考案に係る無転記式帳票
を能率良く量産することができる。

以上、詳記した通り、本考案に係る無転記式帳
票によれば連記式原票の被複写情報記載欄にボー
ルペンなどで所要事項を書込むことにより、被複
写情報記載欄に書込んだ内容と同一内容が複写さ
れた伝票を同時に得ることができ、原票から伝票
へ転記する必要性がなくなるので、内国為替業務
の能率を高めることができる。

又、本考案に係る無転記式帳票は上記の利点を
有するのみならず連続紙を用いて高能率で量産し
うる構成を具えている利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図は本考案の無転記式帳票の
第１実施態様の構成要素をあらわしており、第１
図及び第２図は連記式原票用紙を示し、第１図は
正面図、第２図は背面図、第３図及び第４図は第
１伝票用紙を示し、第３図は正面図、第４図は背
面図、第５図及び第６図は第２伝票用紙を示し、
第５図は正面図、第６図は背面図、第７図は本考
案の無転記式帳票の第１実施態様の断面図、第８
図ないし第１０図はそれぞれ本考案の無転記式帳
票の第２、第３、及び第４実施態様の断面図、第
１１図ないし第１３図はそれぞれ本考案の無転記
式帳票の第５実施態様の構成要素を示す正面図で
あり、第１４図は本考案の無転記式帳票の第５実
施態様の断面図であり、第１５図及び第１６図は
連続連記式原票用紙を示し、第１５図は正面図、
第１６図は背面図であり、第１７図及び１８図は
連続第１伝票用紙を示し、第１７図は正面図、第
１８図は背面図、第１９図は連続第２伝票用紙の
正面図、第２０図は前記３種の連続用紙を重ね合
せた状態の断面図である。 １……連記式原票用紙、２……第１伝票用紙、
３……第２伝票用紙、４……綴代辺、５……綴代
辺に対して直角方向の辺、６……綴代辺と対向す
る辺、７……綴代となる領域、８……被複写情報
記載欄、１０……顕色剤層、１１……切取ミシン
目、１２……伝票紙葉、１４……発色剤層、１５
……複写情報記載欄。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 連記式原票用紙の裏側に綴代辺に対して直角方
   向の辺の長さが順次一定長さづつ異なつている複
   数枚の伝票用紙が綴代辺を揃えて重層され、前記
   連記式原票用紙及び前記伝票用紙相互は綴代辺に
   沿つた領域において接着され、前記各伝票用紙に
   は複数の綴代辺に平行な切取ミシン目が綴代辺に
   対向する辺から一定距離おきに刻設されて複数の
   伝票紙葉が形成され、各伝票紙葉上の相互に重畳
   しないように選択された領域にそれぞれ発色剤層
   が設けられると共に前記選択された領域内に複写
   情報記載欄が設けられ、且つ連記式原票用紙上の
   前記各伝票紙葉上に設けられた複写情報記載欄と
   対応する位置に被複写情報記載欄が設けられてお
   り、更に前記連記式原票用紙及び前記伝票用紙の
   裏面の少なくとも前記発色剤層面と対向する領域
   に顕色剤層が設けられていることを特徴とする無
   転記式帳票。