JPS624166Y2

JPS624166Y2 -

Info

Publication number: JPS624166Y2
Application number: JP1980160409U
Authority: JP
Priority date: 1980-11-10
Filing date: 1980-11-10
Publication date: 1987-01-30
Also published as: JPS5781608U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、皮靴等の靴底に敷く敷がわに関する
ものである。

（従来装置とその問題点）一般に皮靴等の靴底に敷く敷がわは、一枚の皮
を靴底と略々同一形状に切断して、該皮を敷くも
のであつた。

しかしながら、前記敷がわは、足から発生する
汗、あるいは匂を吸収することができないため、
長時間使用すると、靴の中から悪臭を発生するば
かりか、水虫等の病気の原因になる等の欠点があ
つた。また皮は摩擦抵抗が少ないので、使用中敷
がわが靴の内部を移動して使用感が悪いという欠
点もあつた。

さらに、多孔質状の柔軟な板状のものを積層
し、これらのうちの一部または全部に殺菌剤など
の薬品を添加したものも見受けられるが、これら
のものは殺菌力はあるものの、汗など水分の吸湿
性に難点があつた。

（考案の目的）本考案は、叙上の点に鑑みなされたもので、そ
の目的は、悪臭を発生せず、衛生的でかつ使用感
が良い敷がわを提供しようとするものである。

（考案の概要）本考案は、靴底の形状と略々同一の形状の上板
と下板との間に、高吸水性のポリアクリル酸塩系
の樹脂を含ませた層と、この層に前記樹脂が飽和
しない程度に含浸される液状の脱臭剤とを介在せ
しめることにより前記欠点を解消し、汗および悪
臭の吸着性に優れた敷がわを提供する。また下板
の下面に複数の突起を形成したので、使用中敷が
わが移動するようなことがない敷がわを提供す
る。

（実施例）以下本考案の一実施例を、図面を用いて詳細に
説明する。

第１図は本考案の敷がわ１の斜視図、第２図は
第１図Ａ−A′線側断面図、第３図は製造途中を
示す平面図である。図において、２は靴内部の底
の形状と略々同一形状の上板で、上板２は厚紙、
布、多孔ポリウレタン樹脂板などの通気性良好の
多孔質材より成る。３はプラスチツク材等より成
り、前記上板２と同様、靴底と略々同一形状の下
板であり、上板２のように通気性ではない。な
お、下板３には、靴底に敷いた時、滑るのを防止
するための複数個の突起４……が設けてある。

５はフエルト等の不織布であり、該不織布には
ポリアクリル酸塩系の高吸水性樹脂６、例えば
「商品名・テゴー51」、「商品名・アクアキープ」
等を含ませ、さらにこの高吸水性樹脂６には、殺
菌性、脱臭性に優れた脱臭剤７が含浸せしめてあ
る。なお、不織布５に脱臭剤を含浸せしめた高吸
水性樹脂６を含有せしめるには、例えば第３図に
示すように、下板３の上に不織布５を積層し、該
不織布５上に粉末状の高吸水性樹脂６を適当に散
布し、その後、スプレー等により液状の脱臭剤を
噴霧すればよい。

この時、高吸水性樹脂６に対し脱臭剤７が飽和
状態にならないようにすることが肝心である。す
なわち、例えば高吸水性樹脂６は、それ自身の重
量の200倍程度吸水すると飽和状態になるとする
ならば、脱臭剤７はその重量の10倍程度吸着させ
ておく。従つて、高吸水性樹脂６ののこりの吸水
能力は、それ自身の重量の190倍程度となるもの
である。

こうした不織布５上に上板２を積層し、周囲に
布、テープ等の保護材８を設け、且つ熱圧着等に
より第１図に示すように格子状に上板２、下板３
を接着すればよいものである。なお、格子状にし
たのは、高吸水性樹脂６が移動するのを防止する
ためである。

そして、前記完成した敷がわ１を靴底に敷いて
使用すれば、足より発生した汗は高吸水性樹脂６
に吸着され、また、アンモニア臭などの悪臭は脱
臭材に吸収されるものである。

なお、前記実施例においては、不織布５上に高
吸水性樹脂６、脱臭材７を含有させたが、必ずし
も不織布５を用いる必要はなく、直接下板３上に
高吸水性樹脂６を散布積層し、その後脱臭材７を
噴霧してこれに吸着させ、上板２を下板３に格子
状に熱圧着し、周囲を第２図に明瞭に示すように
保護材８にてめばりすればよい。

（考案の効果）以上詳細に説明したように、本考案は靴内部の
底の形状と略々同一の形状の上板と下板のうち、
上板を多孔質材とするとともに、上板と下板との
間には脱臭剤を吸着せしめた高吸水性樹脂を含む
不織布などの層を介在せしめたので、足から発生
した汗は高吸水性樹脂に確実に吸着されるととも
に、悪臭は脱臭剤に吸収され、長時間の使用に耐
え、靴の中から悪臭が発生しないばかりか、靴の
内部の湿気が少ないので履き心地もよく、衛生的
で水虫などの皮膚病を防止できるという効果を有
する。その上、下板には複数の突起を設けている
ので、高吸水性樹脂を含む不織布などの層での吸
水が進んだのちでも、使用中、敷がわが靴の内部
を移動して使用感を害するようなこともなく、安
定に使用できるという効果もある。

【図面の簡単な説明】

図面は何れも本考案の一実施例を示し、第１図
は敷がわ１の斜視図、第２図は第１図のＡ−
A′線側断面図、第３図は上板２を取り付ける前
を示す平面図である。１……敷がわ、２……上板、３……下板、４…
…突起、５……不織布、６……高吸水性樹脂、７
……脱臭材。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 靴内部の底とほぼ同一の形状を有し通気性で
多孔質材からなる上板と、該上板とほぼ同一形
状であり下面に滑り留め用の複数個の突起を形
成した下板と、前記上板と下板との間に介在す
る高吸水性のポリアクリル酸塩系の樹脂を含ま
せた層と、この層に前記樹脂が飽和しない程度
に含浸される液状の脱臭剤とを有し、上板と下
板の周縁を互いに接着して該層を上板と下板と
で挟持せしめたことを特徴とする敷がわ。 (2) 前記液状の脱臭材を胞和しない程度に含浸せ
しめた高吸水性の樹脂を含ませた層は、液状の
脱臭材を飽和しない程度に含浸せしめた高吸水
性樹脂を含ませた不織布からなる層であること
を特徴とする実用新案登録請求の範囲第(1)項記
載の敷がわ。