JPS6241305Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、特にカメラを小型化にするのに有
用な巻戻し装置に関する。

一般に、カメラの巻戻し装置においては、その
巻戻しノブをカメラ本体の外面より突出させて設
けている。しかし、最近のようにカメラの小型化
が望まれるようになつてくると、このノブの突出
部も邪魔になり、このノブをカメラ本体の外面よ
り突出させないようにすることが望まれている。

したがつて、この考案は上記事情にもとずいて
案出され、その目的は、巻戻しノブを、これの不
用時にはカメラ本体の外面より突出させず、必要
な時に、簡単な操作で突出させて、巻戻し操作を
容易におこなえるカメラの巻戻し装置を提供する
ことである。

以下、この考案の一実施例に係るカメラの巻戻
し装置を添付図面を参照して説明する。

図中符号１はカメラ本体を示し、この上には上
板２が取着されている。この上板２のパトローネ
収容室３上には凹所４が形成されており、ここに
巻戻し装置５が取容されている。この巻戻し装置
５は、巻戻しノブ６とこの下方より延出しノブ６
と共に回転並びに上下移動可能な回転シヤフト７
と、このシヤフト７を囲繞するように設けられフ
イルム巻戻しのための回転と上下移動が可能な巻
戻しスリーブ８とを具備している。このスリーブ
８の下端はパトローネ収容室３中に延出し、パト
ローネを係合してこれを回転させる係合部８ａが
設けられている。

前記巻戻しノブ６はノブ本体９と、このノブ本
体９にピン１０により基端が回動可能に枢支され
た巻戻しレバー１１とを有している。また、この
レバー１１の基端とノブ本体９との間には、レバ
ー１１が約180゜回動された時にその状態を弾性
的に保持する板ばね１２が設けられている。一方
このレバー１１の先端には巻戻しノブ６を回転さ
せてフイルの巻戻し操作をおこなう手動摘子１３
が取着されている。このような巻戻しノブ６は、
これの上面、即ち巻戻しレバー１１の上面が上板
２より通常時は突出しないように、凹所４内に収
容されている。

前記回転シヤフト７は、その上端がノブ本体９
に螺着されており、そのほぼ中央部から下端に渡
つて周側には台形の螺線溝１４が形成されてい
る。一方、前記巻戻しスリーブ８の周壁一部には
開孔が形成されており、この中には第１図に示す
ように前記回転シヤフト７の螺線溝１４と係合す
る鋼球１５が収容されている。この巻戻しスリー
ブ８はカメラ本体１に設けられた軸受１６により
本体１に対して回転かつ上下方向移動可能に支承
されている。なお、第１図中符号１７は回転シヤ
フト７の下面に螺合されたストツパ、符号１８は
回転スリーブ８の落下を防止するように軸受け１
６上に設けられたＣ−リング、そして符号１９は
パトローネに巻回されるフイルムの弾性力によつ
て回転スリーブ８が逆方向に回転されるのを防止
するスプリングである。

以上のような構成の巻戻し装置５において、フ
イルム巻戻し時には、先ず巻戻しノブ６をフイル
ムの巻戻し方向、即ち第１図中矢印ａ方向に指で
回動させる。この回動は、例えば巻戻しレバー１
１の上面を指の腹で押圧しながら矢印の方向にト
ルクを与えることにより容易におこなわれ得る。
この巻戻しノブ６の回転により、回転シヤフト７
も一諸に回転し、その時に、これの周側に形成さ
れた螺線溝１４が鋼球１５に沿つて滑ることによ
り、回転シヤフト７は巻戻しスリーブ８に対して
回転しながら上方に移動する。この結果巻戻しノ
ブ６は上板２より突出するので、次に仮想線で示
すように巻戻しレバー１１を矢印ｂ方向へ約180
゜回動して、通常の巻戻しレバーと同様に手動摘
子１３を矢印ａ方向に回動することによりフイル
ム巻戻しがおこなわれる。即ち、前述したように
回転シヤフト７を巻戻しスリーブ８に対して回動
させると、すぐに鋼球１５は第２図に示すよう
に、螺線溝１４の下端に来、シヤフト７とスリー
ブ８との間にくさび結合するので、シヤフト７の
回転は鋼球１５を介してスリーブ８に伝達され、
フイルムの巻戻し操作がおこなわれる。

なお、上記実施例では、回転シヤフトと巻戻し
スリーブとを、鋼球が台形の螺線溝に嵌入するく
さび結合させて回転伝達をおこなわせるようにし
たが、接触面を小さくしてこの結合の解除を容易
にするためには第３Ａ図並びに第３Ｂ図に示すよ
うにワツシヤーを設けても良いし、また第４図に
示すように別の鋼球を付加しても良い。

即ち、第３Ａ図並びに第３Ｂ図に示すものは、
立上り片２０ａを有するワツシヤー２０をストツ
パ１７により回転シヤフト７の下端に装着したも
のであり、鋼球１５が螺線溝１４の下端に来た時
に、このワツシヤー２０の立上り片２０ａと当接
して、回転シヤフト７の回転力を巻戻しスリーブ
８に伝達するようになつている。また、第４図に
示すものは、鋼球１５とは別に螺線溝１４中に設
けられた小型の鋼球と当接することにより回転伝
達がおこなわれるようになつている。

なお、上記実施例では、いずれも鋼球と螺線溝
の組合せによつて巻戻しノブの上方への移動並び
に回転伝達を果すようにしたが、他の機構、例え
ばねじ係合、摩擦係合など他の手段によつておこ
なわせても良い。

以上説明したように、この考案に係るカメラの
巻戻し装装置は、フイルムの巻戻し方向に巻戻し
ノブを回転させることにより、このノブをカメラ
本体から突出させるようにしたので、ノブはカメ
ラ本体に対してあらかじめ突出させていなくても
その巻戻し操作が容易におこなわれ得る。またも
ちろん、巻戻しノブをカメラ本体から突出しない
ように設計できるので、カメラの外形のシンプル
化並びに小型化が計れる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係るカメラの巻
戻し装置を示す断面図、第２図は同装置の一部の
異つた状態を示す断面図、第３Ａ図は鋼球の接触
部分の変形例を示す断面図、第３Ｂ図はその一部
を断面して示す平面図、そして第４図はさらに他
の変形例を示す断面図である。 １……カメラ本体、５……巻戻し装置、６……
巻戻しノブ、７……回転シヤフト、８……巻戻し
スリーブ、１１……巻戻しレバー、１４……螺線
溝、１５……鋼球。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フイルムパトローネと係合する巻戻しスリーブ
   と、このスリーブに内嵌される回転シヤフトと、
   この回転シヤフトと一体に設けられカメラ外面で
   回動操作される巻戻しノブとを備え、上記巻戻し
   スリーブの内周面に内周方向に突出する係合部材
   を設け、上記回転シヤフトの外周面に上記係合部
   材が嵌入するとともに、その端部において該係合
   部材と当接して回転シヤフトの回転を巻戻しスリ
   ーブに伝達する螺線溝を設けたことを特徴とする
   カメラの巻戻し装置。