JPS6240126Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は液体ポンプに関し、さらに詳細には圧
力空気の脈流によつて動作する液体ポンプに関す
る。

従来、切削機等により使われた後回収皿に回収
された切削油を貯油槽に環流回収する場合、電動
ポンプ等を使用せざるを得ず、小型で低コストの
ポンプを得ることは不可能であつた。

電動ポンプ以外のものとしては圧縮空気等を動
力として作動するものもあるが、従来のこれらポ
ンプでは、エアシリンダ等の空気圧作動装置と同
じように空気圧源からの空気圧を直接使用して使
用後の圧力空気を大気中に排出してしまう構造に
なつているためエネルギを浪費する問題、更には
高い騒音を発生するという問題があつた。

本考案が解決しようとする問題は、液体ポンプ
において、空気圧機器から間欠的に送られる圧力
空気を利用して動作させ、それによつてポンプの
構造の簡素化を図ることである。

上記問題を解決するため、本考案は、空気圧機
器から間欠的に送られる圧力空気により動作する
液体ポンプにおいて、シリンダとプランジヤ室と
を直列に形成して該シリンダの該プランジヤ室側
端部を該空気圧機器と通じる入口ポートにかつ反
対側の端部を排気ポートに連通し、該シリンダ内
にはピストンを移動可能に挿入して該ピストンに
は該シリンダの両端部間を通じるオリフイスを形
成し、該シリンダ内には該ピストンを該プランジ
ヤ室側に弾圧するばねを設け、該排気ポートの位
置および該ピストンの軸方向長さを該ピストンが
該排気ポート側に所定距離移動したとき該排気ポ
ートと該シリンダの入口ポート側端部とが通じる
ように定め、該プランジヤ室内にはプランジヤを
移動可能に設けて該プランジヤを該ピストンに連
結し、該プランジヤ室と通じる吸入ポートおよび
吐出しポートにそれぞれ吸入弁および吐出し弁を
設けて構成してある。

上記構成において、空気圧機器から送られる空
気圧は入口ポートを介してシリンダ室内には入り
ピストンを押して移動させる。するとプランジヤ
も同時に移動して吸入ポートを介してプランジヤ
室内に液体を吸い込む。ピストンが所定の距離移
動した後空気圧が続いて送られているとその空気
圧は排気ポートから排出される。空気圧の送りが
止むと入口ポート側の空気圧はオリフイスを介し
て排気ポート側に徐々に流れ、入口ポート側の圧
力が低下する。するとピストンはばねによりプラ
ンジヤ室側に押されることによつてプランジヤも
同じ方向に押されて徐々に移動しプランジヤ室内
の液体が吐出しポートから吐き出される。

以下図面を参照して本考案による液体ポンプの
一実施例について説明する。

図において本考案による液体ポンプの一実施例
が１で示されている。同図において、２は本体、
３は本体配設固定されたカバーである。

本体２にはプランジヤ室Ｃを画定する段付き穴
２０と、穴２０から本体の下面に貫通形成された
吸入ポート２１と、穴２０から本体の側面に貫通
形成された吐出しポート２２とが設けられてい
る。

カバー３には、本体のプランジヤ室Ｃと直列に
すなわち軸方向に並ぶシリンダ３０と、シリンダ
の上端部に通じる排気ポート３２と、シリンダの
下端部に本体２の穴２０の大径部分とカバー３と
によつて画定される通路３３を介して通じる入口
ポート３１とが形成されている。

シリンダ３０内にはピストン４が移動可能に装
着され、そのピストンは、シリンダ内に設けられ
たばね５によつて常時下方に弾圧されている。ピ
ストン４にはピストンの上側と下側すなわちシリ
ンダの排気ポートに通じる端部と入口ポート側に
通じる端部とを連通して入口ポート側の圧力空気
を排気ポート側に徐々に流すオリフイス４１が、
形成されている。

プランジヤ室Ｃ内にはプランジヤ６が移動可能
に装着され、そのプランジヤ６はピストン４に一
体的に連結されている。したがつてピストン４が
上下動することによつてプランジヤ６も上下動す
る。

吸入ポート２１のプランジヤ室側開口端には吸
入弁７が設けられている。この吸入弁はゴム等の
弾性体で円板状につくられていて、プランジヤ６
が上方に移動するときプランジヤ室内の負圧によ
り周辺部が上に曲つて吸入ポート２１を開き、プ
ランジヤが下降するときは吸入ポートを閉じる逆
止弁である。

吐出しポート２２の外側開口端には吐出し弁８
が設けられている。この吐出し弁は吸入弁と同じ
構造であるが、プランジヤ６が降下するときのみ
吐出しポート２２を開いてプランジヤ室内の液体
をポート２３に通す逆止弁である。

上記構成の液体ポンプ１は、例えば回収皿１０
０内に図示のようにして置かれるとともに、入口
ポート３１がシリンダ１０１の動作を制御する切
換弁１０２の排気ポートに接続されかつ排気ポー
ト３２が大気中に開放されて、使用される。

次にこの液体ポンプの動作を説明する。

今切換弁１０２が切り換えられてシリンダ１０
１からの排気が入口ポート３１を通して流入し、
ピストン４の下面に作用すると、ピストン４はば
ね５の押下げ力に抗して上昇して入口ポート３１
と排気ポートとを連通してシリンダからの排気を
排気ポート３２から大気中に排出する。

一方ピストン４が上昇するときプランジヤ６も
上昇し、これによつて回収皿１００内の液体を吸
入ポート２１および吸入弁７を通してプランジヤ
室Ｃ内に吸い込む。

次にシリンダからの排気が終ると、ピストン４
の下面に作用する空気圧はオリフイス４１を介し
て排気ポート側に徐々に逃がされるためピストン
下面に作用する空気圧も徐々に大気圧に戻り、ピ
ストン４はばね５により押し下げられて図示の状
態になる。そしてピストン４が降下するときプラ
ンジヤ６も降下し、プランジヤ室Ｃ内の液体を吐
出しポート２２、吐出し弁８を通して吐出する。

なお、この液体ポンプは、スプレーガンと空気
圧源との間に設置して、スプレーガンを間欠的に
操作させることによりその都度ポンプを駆動する
ようにしてもよい。

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
は、空気圧機器からの排気圧や流動圧により作動
できるので、簡素な構造にも拘らず低コストで耐
久性に優れたポンプが提供される。しかも消費済
の排気圧や流動圧を使用できるのでエネルギの節
約にもなる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案による液体ポンプの断面図である。 １：液体ポンプ、２：本体、２１：吸入ポー
ト、２２：吐出しポート、３：カバー、３１：入
口ポート、３２：排気ポート、４：ピストン、
６：プランジヤ、７：吸入弁、８：吐出し弁、
Ｃ：プランジヤ室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 空気圧機器から間欠的に送られる圧力空気によ
   り動作する液体ポンプにおいて、シリンダとプラ
   ンジヤ室とを直列に形成して該シリンダの該プラ
   ンジヤ室側端部を該空気圧機器と通じる入口ポー
   トにかつ反対側の端部を排気ポートに連通し、該
   シリンダ内にはピストンを移動可能に挿入して該
   ピストンには該シリンダの両端部間を通じるオリ
   フイスを形成し、該シリンダ内には該ピストンを
   該プランジヤ室側に弾圧するばねを設け、該排気
   ポートの位置および該ピストンの軸方向長さを該
   ピストンが該排気ポート側に所定距離移動したと
   き該排気ポートと該シリンダの入口ポート側端部
   とが通じるように定め、該プランジヤ室内にはプ
   ランジヤを移動可能に設けて該プランジヤを該ピ
   ストンに連結し、該プランジヤ室と通じる吸入ポ
   ートおよび吐出しポートにそれぞれ吸入弁および
   吐出し弁を設けたことを特徴とする液体ポンプ。