JPS6240127Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は液体ポンプに関し、さらに詳細には圧
力空気の脈流によつて動作する液体ポンプに関す
る。

従来、切削機等により使われた後回収皿に回収
された切削油を貯油槽に環流回収する場合、電動
ポンプ等を使用せざるを得ず、小型で低コストの
ポンプを得ることは不可能であつた。

電動ポンプ以外のものとしては圧縮空気等を動
力として作動するものもあるが、従来のこれらポ
ンプでは、エアシリンダ等の空気圧作動装置と同
じように空気圧源からの空気圧を直接使用して使
用後の圧力空気を大気中に排出してしまう構造に
なつているためエネルギを浪費する問題、更には
高い騒音を発生するという問題があつた。

本考案が解決しようとする問題は、液体ポンプ
において、空気圧機器から間欠的に送られる圧力
空気を利用して動作させ、それによつてポンプの
構造の簡素化を図ることである。

上記問題を解決するため、本考案は、空気圧機
器から間欠的に送られる圧力空気により動作する
液体ポンプにおいて、シリンダとプランジヤ室と
を直列に形成して該シリンダの該プランジヤ室と
反対側の端面に該空気圧機器と通じる入口ポート
をかつ該反対側の周辺部に排気ポートを形成し、
該シリンダ内にはピストンを移動可能に挿入し、
該シリンダの反対側の端面には該ピストン内に延
びるボスを形成して該ピストン内周面と該ボス外
周面との間には空気を僅かに通す隙間を形成し、
該プランジヤ室内には吐出しポートが形成された
プランジヤを移動可能に設けて該プランジヤをば
ねにより該ピストン側に弾圧し、該プランジヤ室
の該ピストン室と反対側の端部に吸入ポートを接
続しかつ該プランジヤ室の該ピストン室側端部に
ポートを接続し、吸入ポートおよび吐出しポート
にそれぞれ吸入弁および吐出し弁を設けて構成し
てある。

上記構成において、空気圧機器から空気圧が間
欠的に送られるとその空気圧は入口ポートを介し
てシリンダ室内には入りピストンを押して移動さ
せる。するとプランジヤも同時に移動してプラン
ジヤ室内の液体が吐出しポートを介してプランジ
ヤ室内に吐き出され、そこからポートを介して外
部に吐き出される。空気の送りが止むとシリンダ
内の空気圧は隙間を介して排気ポート側に徐々に
流れ、入口ポート側の圧力が徐々に低下する。す
るとプランジヤはばねによりピストン室側に押さ
れて徐々に移動し、液体が吸入ポートを介してプ
ランジヤ室内に吸い込まれる。

以下図面を参照して本考案による液体ポンプの
一実施例について説明する。

第１図において本考案による液体ポンプの一実
施例が１で示されている。同図において、２は本
体、３は本体に配設固定されたカバーである。

本体２には、プランジヤ室Ｃを画定する穴２０
と、穴２０から本体の下面に貫通形成された吸入
ポート２１と、本体上部に形成された段抜き穴２
２から、本体の側面に貫通形成されたポート２３
とが設けられている。カバー３には、本体のプラ
ンジヤー室と直列に、すなわち軸方向に並ぶシリ
ンダ３０と、シリンダ上端部に通じる入口ポート
３１と、シリンダ上端部に設けられたかんごう部
４１及び段抜き穴３３を介して通じる排気ポート
３２とが形成されている。シリンダ３０内にはピ
ストン４が移動可能に装着され、そのピストン
は、プランジヤ内に設けられた、ばね５によつて
プランジヤ６を介して常時上方に弾圧されてい
る。

ピストン４には、シリンダの排気ポート３２に
通じる端部と入口ポート側３１に通じる端部とを
連通して入口ポート側の圧力空気を排気ポート側
３２に除々に流す微少のすきま４１が例えばピス
トン内周に溝を設けることにより或は内径をカバ
ーのボス３５の外径よりやや大きくすることによ
つて、形成されている。プランジヤ室Ｃにはプラ
ンジヤ６が移動可能に装着され、そのプランジヤ
６には、吐出ポート６１が設けられている。プラ
ンジヤ６はピストン４が下方へ下がることによつ
て押し下げられピストン４上端部の圧力が下がる
と、プランジヤ室Ｃに設けられたスプリング５に
よつて押し上げられる。したがつてピストン４が
上下動することによつてプランジヤ６も上下動す
る。

吸入ポート２１のプランジヤ室側開口端には吸
入弁７が設けられている。この吸入弁はゴム等の
弾性体で円板状につくられていて、プランジヤ６
が上方に移動するときプランジヤ室内の負圧によ
り周辺部が上に曲つて吸入ポート２１を開き、プ
ランジヤが下降するときは、吸入ポートを閉じる
逆止弁である。

プランジヤ６の上端部に設けられた吐出しポー
ト６１の上側開口端には吐出し弁８が設けられて
いる。この吐出し弁は吸入弁と同じ構造である
が、プランジヤ６が下降するときのみ吐出しポー
ト６１を開いて、プランジヤ室内の液体をポート
２３に通す逆止弁である。

上記構成の液体ポンプ１は、例えば回収皿１０
０内に図示のようにして置かれるとともに、入口
ポート３１がシリンダ１０１の動作を制御する切
換弁１０２の排気ポートに接続され、かつ排気ポ
ートが大気中に開放されて、使用される。

次にこの液体ポンプの動作を説明する。

今切換弁１０２が切り換えられてシリンダ１０
１からの排気が入口ポート３１を通して流入し、
ピストン４の上面に作用すると、ピストン４はば
ね５の押し上げ力に抗して下降して、入口ポート
３１と排気ポートとを連通してシリンダからの排
気を排気ポート３２から大気中に排出する。

一方ピストン４が下降するときプランジヤ６も
下降し、これによつてプランジヤ室内の液体を吐
出ポート６１および吐出し弁８を通してポート２
３へ吐出する。

次にシリンダからの排気が終ると、ピストン４
の上面に作用する空気圧は、微少のすきま４１を
介して排気ポンプ側に徐々に逃がされるためピス
トン上面に作用する空気圧も徐々に大気圧に戻
り、ピストン４はばね５により押し上げられて図
示の状態になる。そしてピストン４が上昇すると
きプランジヤ６も上昇し、これによつて回収皿１
００内の液体を吸入ポート２１および吸入弁７を
通してプランジヤ室Ｃ内に吸い込む。

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、空気圧機器からの排気圧により作動できるの
で、特に切換弁も必要とせず、簡素な構造にも拘
らず低コストで耐久性に優れたポンプが提供され
る。しかも消費済みの排気圧を使用できるのでエ
ネルギの節約にもなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による液体ポンプの断面図であ
る。 １：液体ポンプ、２：本体、２１：吸入ポー
ト、３：カバー、３１：入口ポート、３２：排気
ポート、４：ピストン、６：プランジヤ、６１：
吐出しポート、７：吸入弁、８：吐出し弁、Ｃ：
プランジヤ室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 空気圧機器から間欠的に送られる圧力空気によ
   り動作する液体ポンプにおいて、シリンダとプラ
   ンジヤ室とを直列に形成して該シリンダの該プラ
   ンジヤ室と反対側の端面に該空気圧機器と通じる
   入口ポートをかつ該反対側の周辺部に排気ポート
   を形成し、該シリンダ内にはピストンを移動可能
   に挿入し、該シリンダの反対側の端面には該ピス
   トン内に延びるボスを形成して該ピストン内周面
   と該ボス外周面との間には空気を僅かに通す隙間
   を形成し、該プランジヤ室内には吐出しポートが
   形成されたプランジヤを移動可能に設けて該プラ
   ンジヤをばねにより該ピストン側に弾圧し、該プ
   ランジヤ室の該ピストン室と反対側の端部に吸入
   ポートを接続しかつ該プランジヤ室の該ピストン
   室側端部にポートを接続し、吸入ポートおよび吐
   出しポートにそれぞれ吸入弁および吐出し弁を設
   けたことを特徴とする液体ポンプ。