JPS6240106B2 - - Google Patents
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- JPS6240106B2 JPS6240106B2 JP17635083A JP17635083A JPS6240106B2 JP S6240106 B2 JPS6240106 B2 JP S6240106B2 JP 17635083 A JP17635083 A JP 17635083A JP 17635083 A JP17635083 A JP 17635083A JP S6240106 B2 JPS6240106 B2 JP S6240106B2
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22D—CASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
- B22D11/00—Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
- B22D11/06—Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into moulds with travelling walls, e.g. with rolls, plates, belts, caterpillars
- B22D11/0637—Accessories therefor
- B22D11/064—Accessories therefor for supplying molten metal
- B22D11/0642—Nozzles
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Continuous Casting (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は溶融金属を冷却体表面に噴出供給し、
非晶質金属を製造する場合に用いるノズルチツプ
及びノズルホルダーの構造に関し、溶融金属の噴
出供給時におけるノズルチツプの巾方向の変形を
抑制し非晶質金属薄帯の板厚を均一にすることを
目的とするものである。 (従来技術) 近年、ある種の合金材料を溶融状態から極めて
急速に凝固させることによつて得られる非晶質金
属は、強度、耐食性に優れ、また良好な磁気特性
を持つものとしても注目されている。 そして、このような非晶質金属を製造する方法
としては、溶融金属をノズルチツプの微小間隙ス
リツトより高速回転する冷却ロール等の冷却体表
面に連続的に噴出供給し、これを105℃/sec程度
以上の速度で急速凝固する方式のものが一般的に
知られている。 この方式においては、第1図に示すようにノズ
ルチツプ1はノズルホルダー2に挿入され両者の
間に目地モルタル3を充填し、更に耐火性のピン
4で固定されるようになつているが、この固定状
態で鋳造すなわち溶融金属をこのノズルチツプ1
に形成されたスリツトから噴出供給する際には、
次のような現象を生じノズルチツプが変形し所定
のスリツト形状が得られなくなる可能性がある。
すなわちノズルチツプの材質の熱膨張係数及び鋳
造時の温度をそれぞれ※α2,t2とすると、α1t1
>α2t2の場合ノズルチツプの膨張がノズルホル
ダーの膨張より大きいためノズルチツプに圧縮応
力が作用する。この圧縮応力が増加すると、ノズ
ルチツプは座屈によるたわみを生じるようにな
る。この状況を第2図に示す。 第2図において点線はたわむ前のノズルチツプ
の形状、実線はたわんだ状態におけるノズルチツ
プの形状を示す。第1図に示すごとくノズルチツ
プは目地モルタルを介して外周をノズルホルダー
で覆われているため、座屈でたわむ場合は、第2
図のように内側へたわむようになる。このような
状態で鋳造を行うと、中央が薄く両端が厚い非晶
質金属薄帯になつてしまう。このような薄帯は中
央と両端の磁気特性が異なつたり、あるいは所定
の占積率が得られないなどの問題を有する。した
がつてノズルチツプに作用する圧縮応力を緩和し
てノズルチツプのたわみを極力抑制するようにし
なければならない。一方α1t1≦α2t2では逆にノ
ズルチツプの膨張よりノズルホルダーの膨張が大
きいかあるいは両者が等しいため、ノズルチツプ
に圧縮応力は作用しないが、ノズルチツプとノズ
ルホルダーの間の目地が開いてこの目地から湯洩
れする可能性がある。この問題を解消するために
はノズルチツプに圧縮応力が作用している状態
で、この圧縮応力によるノズルチツプのたわみが
原因となる板厚の不均一性を許容値以下に抑える
必要がある。 (発明の目的) 本発明はこのような条件を満足し均一性の極め
て高い板厚を有する非晶質金属薄帯の製造を可能
にするためになされたものである。 (発明の構成作用) 本発明は溶融金属を冷却体表面に噴出供給する
スリツトを有するノズルチツプとこのノズルチツ
プを保持するノズルホルダーの構造において、溶
融金属噴出時におけるノズルチツプのオイラー座
屈荷重PK、ノズルホルダーの熱膨張差に起因し
てノズルチツプに作用する圧縮荷重P、この圧縮
荷重Pが作用する前のノズルチツプの最大たわみ
aとの関係式 で求められる値とスリツト巾Cとの比が製品板厚
の許容変動値の2分の1以下になるように、ノズ
ルチツプ及びノズルホルダーの熱膨張係数、弾性
率、温度、形状因子、ノズルチツプとノズルホル
ダー間の目地厚、ノズルチツプ及び目地モルタル
の熱伝導率を設定することを特徴とする非晶質金
属製造用ノズルチツプの変形抑制方法に係わるも
のである。 以下本発明の詳細について説明する。 まず本発明において問題として取り上げたノズ
ルチツプの変形を近似的に第3図イに示すような
組合せ棒を用いて考察する。また第3図ロはノズ
ルチツプ及びノズルホルダーのノズルチツプスリ
ツトにおける正面図、第3図ハは第3図ロにおけ
る―X′線断面図を示す。第3図ロにおいて、
lはノズルチツプスリツト長さ、d1はノズルチツ
プのスリツト部厚さを示す。また第3図ハにおい
てA1はノズルチツプの断面積、A2はノズルホル
ダーとノズルチツプが重なつている部分における
ノズルホルダーの断面積を示す。更に第3図イに
おいて5及び5′はノズルチツプと同材質で断面
形状及び断面積も等しい長さlの棒であり、6及
び6′はノズルホルダーと同材質でノズルチツプ
と重なつている部分の断面形状も等しく断面積
A2長さlの棒である。5,6と5′,6′は中心
線8について対称であり、これら4本の棒は剛体
7,7′に固定されている。このような状態で棒
5,5′、6及び6′が加熱された場合5及び5′
の弾性率、熱膨張係数、温度をそれぞれE1、α
1、t1、また6及び6′の弾性率、熱膨張係数、
温度をそれぞれE2、α2、t2とすると5及び5′
の各々に作用する圧縮荷重Pは次式で表わされ
る。 第4図に示すように5及び5′は一端を原点と
し長手方向をx座標とする両端回転端の長柱であ
るとする。この時6及び6′により圧縮荷重Pが
作用する前の5及び5′のたわみV0(これを以下
で元たわみと呼ぶ)を次式で近似する。 V0=a sinπx/l ……(2) ここでaは圧縮荷重Pが作用する前の最大たわ
みである。また圧縮荷重Pが作用している時のた
わみvは次式で表される。 ここでPKは5及び5′のオイラー座屈荷重を示
す。(3)式で圧縮荷重Pが作用している時の最大た
わみVnaxは棒の中央で発生しその値は次式で表
わされる。 従つて(4)式よりノズルチツプのたわみを抑制す
るためには をできる限り小さくすればよいことがわかる。更
に以下においてノズルチツプ及びノズルホルダー
の熱膨張係数、弾性率、温度、形状因子、ノズル
チツプとノズルホルダー間の目地厚、ノズルチツ
プ及び目地モルタルの熱伝導率とVnaxの関連を
求める。 第4図のように5及び5′が両端回転端の長柱
である場合、そのオイラー座屈荷重PKは次式で
表される。 PK=π2E1I1/l2 ……(5) ここでI1は第3図ハにおけるノズルチツプの断
面二次モーメントを示す。(1)式と(5)式より またノズルチツプの元たわみはノズルチツプ内
外面の温度差による反りと考えられる。第5図に
ノズルチツプ内外面に温度差がある場合のノズル
チツプ1の反りの状態を示す。ここで近似的に ρω=l …(7) また内外面の温度差を△
θとすると (ρ+d1)ω=(1+α1△θ)l
…(8) (7)式と(8)式より ρ=d1/α1△θ ……(9) ノズルチツプの反りによる元たわみの最大値a
は △θは次のようにして求められる。すなわち第
6図において1,2,3をそれぞれノズルチツ
プ、ノズルホルダー、目地モルタルとし、d1,d3
をそれぞれノズルチツプのスリツト部厚さ及び目
地厚、更にノズルチツプ及び目地モルタルの熱伝
導率をそれぞれk1,k3とすると定常状態ではフー
リエの法則より次式が成立する。 従つて△θは次式で表される (4),(6),(10)及び(12)式より 従つて(13)式を基にしてノズルチツプ及びノズ
ルホルダーの熱膨張係数、弾性率、温度、形状因
子、ノズルチツプとノズルホルダー間の目地厚、
ノズルチツプ及び目地モルタルの熱伝導率を設定
することにより、ノズルチツプの変形を許容値以
下にすることが出来る。すなわちノズルチツプの
変形前のスリツト巾をC、変形物のスリツト中央
のスリツト巾、つまり最小スリツト巾をC′とす
る。また非晶質金属薄帯の端の板厚をD、中央の
板厚をD′とするとC―C′/C〓D―D′/Dと考え
られる。 D―D′/Dは板厚の変動割合であるが、ここで許容変 動値をβとするとC―C′/C≦βでなければならな い。ところでC―C′=2Vnaxより2Vnax/C≦β。
従 つてVnax/C≦β/2を満足するように(13)式にお
いてVnax の値を設定すればよい。 次に本発明の実施例を比較例とともに説明す
る。 (比較例) ノズルチツプ材質としてアルミナ、ノズルホル
ダー材質として黒鉛を用いて非晶質金属薄帯を製
造したところD―D′/Dが目標のβ=0.1を超えるも のがほとんどであつた。そこでVnax/Cを計算した
と ころVnax/C=0.27となり、β/2すなわち0.05よ
りはる かに大きな値であつた。 (実施例) 前記比較例における各条件の中、ノズルチツプ
およびノズルホルダーの材質因子のみを変更し
て、Vnax/C≦β/2を満足する条件を検討したと
ころ、 一例としてノズルチツプの材質を窒化ホウ素、ノ
ズルホルダーの材質をアルミナ―黒鉛とした場合
において、Vnax/C=0.043となり、Vnax/C
≦β/2を満足 することがわかつた。 そこで窒化ホウ素によるノズルチツプとアルミ
ナ―黒鉛によるノズルホルダーを用いて、比較例
と同様の操業条件により非晶質金属薄帯を製造し
たところ、D―D′/Dが目標のβ=0.1を超えるもの はほとんどなくなり、均一性の極めて高い板厚を
有する非晶質金属薄帯を得ることができた。 なお、比較例および実施例においてVnax値算
定のために用いたノズルチツプ、ノズルホルダ
ー、及び目地の材質、形状、温度等に関する各因
子の数値は次のとおりである。
非晶質金属を製造する場合に用いるノズルチツプ
及びノズルホルダーの構造に関し、溶融金属の噴
出供給時におけるノズルチツプの巾方向の変形を
抑制し非晶質金属薄帯の板厚を均一にすることを
目的とするものである。 (従来技術) 近年、ある種の合金材料を溶融状態から極めて
急速に凝固させることによつて得られる非晶質金
属は、強度、耐食性に優れ、また良好な磁気特性
を持つものとしても注目されている。 そして、このような非晶質金属を製造する方法
としては、溶融金属をノズルチツプの微小間隙ス
リツトより高速回転する冷却ロール等の冷却体表
面に連続的に噴出供給し、これを105℃/sec程度
以上の速度で急速凝固する方式のものが一般的に
知られている。 この方式においては、第1図に示すようにノズ
ルチツプ1はノズルホルダー2に挿入され両者の
間に目地モルタル3を充填し、更に耐火性のピン
4で固定されるようになつているが、この固定状
態で鋳造すなわち溶融金属をこのノズルチツプ1
に形成されたスリツトから噴出供給する際には、
次のような現象を生じノズルチツプが変形し所定
のスリツト形状が得られなくなる可能性がある。
すなわちノズルチツプの材質の熱膨張係数及び鋳
造時の温度をそれぞれ※α2,t2とすると、α1t1
>α2t2の場合ノズルチツプの膨張がノズルホル
ダーの膨張より大きいためノズルチツプに圧縮応
力が作用する。この圧縮応力が増加すると、ノズ
ルチツプは座屈によるたわみを生じるようにな
る。この状況を第2図に示す。 第2図において点線はたわむ前のノズルチツプ
の形状、実線はたわんだ状態におけるノズルチツ
プの形状を示す。第1図に示すごとくノズルチツ
プは目地モルタルを介して外周をノズルホルダー
で覆われているため、座屈でたわむ場合は、第2
図のように内側へたわむようになる。このような
状態で鋳造を行うと、中央が薄く両端が厚い非晶
質金属薄帯になつてしまう。このような薄帯は中
央と両端の磁気特性が異なつたり、あるいは所定
の占積率が得られないなどの問題を有する。した
がつてノズルチツプに作用する圧縮応力を緩和し
てノズルチツプのたわみを極力抑制するようにし
なければならない。一方α1t1≦α2t2では逆にノ
ズルチツプの膨張よりノズルホルダーの膨張が大
きいかあるいは両者が等しいため、ノズルチツプ
に圧縮応力は作用しないが、ノズルチツプとノズ
ルホルダーの間の目地が開いてこの目地から湯洩
れする可能性がある。この問題を解消するために
はノズルチツプに圧縮応力が作用している状態
で、この圧縮応力によるノズルチツプのたわみが
原因となる板厚の不均一性を許容値以下に抑える
必要がある。 (発明の目的) 本発明はこのような条件を満足し均一性の極め
て高い板厚を有する非晶質金属薄帯の製造を可能
にするためになされたものである。 (発明の構成作用) 本発明は溶融金属を冷却体表面に噴出供給する
スリツトを有するノズルチツプとこのノズルチツ
プを保持するノズルホルダーの構造において、溶
融金属噴出時におけるノズルチツプのオイラー座
屈荷重PK、ノズルホルダーの熱膨張差に起因し
てノズルチツプに作用する圧縮荷重P、この圧縮
荷重Pが作用する前のノズルチツプの最大たわみ
aとの関係式 で求められる値とスリツト巾Cとの比が製品板厚
の許容変動値の2分の1以下になるように、ノズ
ルチツプ及びノズルホルダーの熱膨張係数、弾性
率、温度、形状因子、ノズルチツプとノズルホル
ダー間の目地厚、ノズルチツプ及び目地モルタル
の熱伝導率を設定することを特徴とする非晶質金
属製造用ノズルチツプの変形抑制方法に係わるも
のである。 以下本発明の詳細について説明する。 まず本発明において問題として取り上げたノズ
ルチツプの変形を近似的に第3図イに示すような
組合せ棒を用いて考察する。また第3図ロはノズ
ルチツプ及びノズルホルダーのノズルチツプスリ
ツトにおける正面図、第3図ハは第3図ロにおけ
る―X′線断面図を示す。第3図ロにおいて、
lはノズルチツプスリツト長さ、d1はノズルチツ
プのスリツト部厚さを示す。また第3図ハにおい
てA1はノズルチツプの断面積、A2はノズルホル
ダーとノズルチツプが重なつている部分における
ノズルホルダーの断面積を示す。更に第3図イに
おいて5及び5′はノズルチツプと同材質で断面
形状及び断面積も等しい長さlの棒であり、6及
び6′はノズルホルダーと同材質でノズルチツプ
と重なつている部分の断面形状も等しく断面積
A2長さlの棒である。5,6と5′,6′は中心
線8について対称であり、これら4本の棒は剛体
7,7′に固定されている。このような状態で棒
5,5′、6及び6′が加熱された場合5及び5′
の弾性率、熱膨張係数、温度をそれぞれE1、α
1、t1、また6及び6′の弾性率、熱膨張係数、
温度をそれぞれE2、α2、t2とすると5及び5′
の各々に作用する圧縮荷重Pは次式で表わされ
る。 第4図に示すように5及び5′は一端を原点と
し長手方向をx座標とする両端回転端の長柱であ
るとする。この時6及び6′により圧縮荷重Pが
作用する前の5及び5′のたわみV0(これを以下
で元たわみと呼ぶ)を次式で近似する。 V0=a sinπx/l ……(2) ここでaは圧縮荷重Pが作用する前の最大たわ
みである。また圧縮荷重Pが作用している時のた
わみvは次式で表される。 ここでPKは5及び5′のオイラー座屈荷重を示
す。(3)式で圧縮荷重Pが作用している時の最大た
わみVnaxは棒の中央で発生しその値は次式で表
わされる。 従つて(4)式よりノズルチツプのたわみを抑制す
るためには をできる限り小さくすればよいことがわかる。更
に以下においてノズルチツプ及びノズルホルダー
の熱膨張係数、弾性率、温度、形状因子、ノズル
チツプとノズルホルダー間の目地厚、ノズルチツ
プ及び目地モルタルの熱伝導率とVnaxの関連を
求める。 第4図のように5及び5′が両端回転端の長柱
である場合、そのオイラー座屈荷重PKは次式で
表される。 PK=π2E1I1/l2 ……(5) ここでI1は第3図ハにおけるノズルチツプの断
面二次モーメントを示す。(1)式と(5)式より またノズルチツプの元たわみはノズルチツプ内
外面の温度差による反りと考えられる。第5図に
ノズルチツプ内外面に温度差がある場合のノズル
チツプ1の反りの状態を示す。ここで近似的に ρω=l …(7) また内外面の温度差を△
θとすると (ρ+d1)ω=(1+α1△θ)l
…(8) (7)式と(8)式より ρ=d1/α1△θ ……(9) ノズルチツプの反りによる元たわみの最大値a
は △θは次のようにして求められる。すなわち第
6図において1,2,3をそれぞれノズルチツ
プ、ノズルホルダー、目地モルタルとし、d1,d3
をそれぞれノズルチツプのスリツト部厚さ及び目
地厚、更にノズルチツプ及び目地モルタルの熱伝
導率をそれぞれk1,k3とすると定常状態ではフー
リエの法則より次式が成立する。 従つて△θは次式で表される (4),(6),(10)及び(12)式より 従つて(13)式を基にしてノズルチツプ及びノズ
ルホルダーの熱膨張係数、弾性率、温度、形状因
子、ノズルチツプとノズルホルダー間の目地厚、
ノズルチツプ及び目地モルタルの熱伝導率を設定
することにより、ノズルチツプの変形を許容値以
下にすることが出来る。すなわちノズルチツプの
変形前のスリツト巾をC、変形物のスリツト中央
のスリツト巾、つまり最小スリツト巾をC′とす
る。また非晶質金属薄帯の端の板厚をD、中央の
板厚をD′とするとC―C′/C〓D―D′/Dと考え
られる。 D―D′/Dは板厚の変動割合であるが、ここで許容変 動値をβとするとC―C′/C≦βでなければならな い。ところでC―C′=2Vnaxより2Vnax/C≦β。
従 つてVnax/C≦β/2を満足するように(13)式にお
いてVnax の値を設定すればよい。 次に本発明の実施例を比較例とともに説明す
る。 (比較例) ノズルチツプ材質としてアルミナ、ノズルホル
ダー材質として黒鉛を用いて非晶質金属薄帯を製
造したところD―D′/Dが目標のβ=0.1を超えるも のがほとんどであつた。そこでVnax/Cを計算した
と ころVnax/C=0.27となり、β/2すなわち0.05よ
りはる かに大きな値であつた。 (実施例) 前記比較例における各条件の中、ノズルチツプ
およびノズルホルダーの材質因子のみを変更し
て、Vnax/C≦β/2を満足する条件を検討したと
ころ、 一例としてノズルチツプの材質を窒化ホウ素、ノ
ズルホルダーの材質をアルミナ―黒鉛とした場合
において、Vnax/C=0.043となり、Vnax/C
≦β/2を満足 することがわかつた。 そこで窒化ホウ素によるノズルチツプとアルミ
ナ―黒鉛によるノズルホルダーを用いて、比較例
と同様の操業条件により非晶質金属薄帯を製造し
たところ、D―D′/Dが目標のβ=0.1を超えるもの はほとんどなくなり、均一性の極めて高い板厚を
有する非晶質金属薄帯を得ることができた。 なお、比較例および実施例においてVnax値算
定のために用いたノズルチツプ、ノズルホルダ
ー、及び目地の材質、形状、温度等に関する各因
子の数値は次のとおりである。
【表】
本実施例においては、ノズルチツプおよびノズ
ルホルダーの材質を変えた場合にも、この材質自
体の因子以外の各因子の数値(※印)は変らない
ものとしてVnaxの計算を行なつた。 ただし、比較例と実施例の両方においてノズル
ホルダーに通電加熱装置を設け、1200℃になるよ
うに温度制御を行つた。 なお本実施例は非晶質金属の製造の通常操業条
件下における標準的なノズルチツプおよびノズル
ホルダーの形状因子、温度因子および目地因子を
固定因子として、ノズルチツプおよびノズルホル
ダーの材質因子を設定した例であるが、本発明は
この場合のみに限定されるものでないのは勿論で
ある。 (発明の効果) このように本発明はノズルチツプあるいはノズ
ルホルダー構造を複雑化することなく、(13)式を
基にして適正なノズルチツプ及びノズルホルダー
の熱膨張係数、弾性率、温度、形状因子、ノズル
チツプとノズルホルダー間の目地厚、ノズルチツ
プ及び目地モルタルの熱伝導率を設定することに
より、ノズルチツプの変形を許容値以下に抑え極
めて均一性の高い版厚を持つ非晶質金属薄帯の製
造を可能にするものであり、その実益は極めて大
なるものである。
ルホルダーの材質を変えた場合にも、この材質自
体の因子以外の各因子の数値(※印)は変らない
ものとしてVnaxの計算を行なつた。 ただし、比較例と実施例の両方においてノズル
ホルダーに通電加熱装置を設け、1200℃になるよ
うに温度制御を行つた。 なお本実施例は非晶質金属の製造の通常操業条
件下における標準的なノズルチツプおよびノズル
ホルダーの形状因子、温度因子および目地因子を
固定因子として、ノズルチツプおよびノズルホル
ダーの材質因子を設定した例であるが、本発明は
この場合のみに限定されるものでないのは勿論で
ある。 (発明の効果) このように本発明はノズルチツプあるいはノズ
ルホルダー構造を複雑化することなく、(13)式を
基にして適正なノズルチツプ及びノズルホルダー
の熱膨張係数、弾性率、温度、形状因子、ノズル
チツプとノズルホルダー間の目地厚、ノズルチツ
プ及び目地モルタルの熱伝導率を設定することに
より、ノズルチツプの変形を許容値以下に抑え極
めて均一性の高い版厚を持つ非晶質金属薄帯の製
造を可能にするものであり、その実益は極めて大
なるものである。
第1図はノズルチツプがノズルホルダーに挿入
され両者の間に目地モルタルを充填し、更に耐火
性のピンで固定されている状態を示す立面図であ
る。第2図はノズルチツプの変形前後の形状を示
す立面図であり、点線は変形前、実線は変形後の
ノズルチツプの形状である。第3図イはノズルチ
ツプに作用する圧縮荷重をシユミレートするため
の組合わせ棒を示す。第3図ロ,ハは圧縮荷重を
求める際に必要な寸法と面積の定義を示す。第4
図は第3図イの5及び5′が両端回転端の長柱で
あり一端を原点とし長手方向をx座標とした時
V0=a sinπx/lに従う変形を生じている状態を示 す。第5図はノズルチツプが内外に温度差のある
時反りを生じている状態を示し、ρは曲率半径、
ωはノズルチツプを扇形としたときの開き角度、
aは長さlに垂直な方向の反りによるノズルチツ
プの最大変位、すなわち元たわみの最大値を示
す。第6図はノズルチツプ、ノズルホルダー及び
目地モルタルの温度分布を示す説明図である。 1…ノズルチツプ、2…ノズルホルダー、3…
目地モルタル、4…耐火性のピン、5,5′…ノ
ズルチツプスリツトと同じ長さで、ノズルチツプ
と材質、断面形状及び断面積も等しい棒、6,
6′…ノズルチツプスリツトと同じ長さでノズル
ホルダーと同材質、更にノズルホルダーのノズル
チツプと重なつている部分の断面形状も等しく断
面積A2の棒、7,7′…5,5′,6及び6′を固
定している剛体、8…5,5′,6及び6′の中心
線。
され両者の間に目地モルタルを充填し、更に耐火
性のピンで固定されている状態を示す立面図であ
る。第2図はノズルチツプの変形前後の形状を示
す立面図であり、点線は変形前、実線は変形後の
ノズルチツプの形状である。第3図イはノズルチ
ツプに作用する圧縮荷重をシユミレートするため
の組合わせ棒を示す。第3図ロ,ハは圧縮荷重を
求める際に必要な寸法と面積の定義を示す。第4
図は第3図イの5及び5′が両端回転端の長柱で
あり一端を原点とし長手方向をx座標とした時
V0=a sinπx/lに従う変形を生じている状態を示 す。第5図はノズルチツプが内外に温度差のある
時反りを生じている状態を示し、ρは曲率半径、
ωはノズルチツプを扇形としたときの開き角度、
aは長さlに垂直な方向の反りによるノズルチツ
プの最大変位、すなわち元たわみの最大値を示
す。第6図はノズルチツプ、ノズルホルダー及び
目地モルタルの温度分布を示す説明図である。 1…ノズルチツプ、2…ノズルホルダー、3…
目地モルタル、4…耐火性のピン、5,5′…ノ
ズルチツプスリツトと同じ長さで、ノズルチツプ
と材質、断面形状及び断面積も等しい棒、6,
6′…ノズルチツプスリツトと同じ長さでノズル
ホルダーと同材質、更にノズルホルダーのノズル
チツプと重なつている部分の断面形状も等しく断
面積A2の棒、7,7′…5,5′,6及び6′を固
定している剛体、8…5,5′,6及び6′の中心
線。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 溶融金属を冷却体表面に噴出供給するスリツ
トを有するノズルチツプとこのノズルチツプを保
持するノズルホルダーの構造において、溶融金属
噴出供給時におけるノズルチツプのオイラー座屈
荷重PK、ノズルホルダーの熱膨張差に起因して
ノズルチツプに作用する圧縮荷重P、圧縮荷重P
が作用する前のノズルチツプの最大たわみaとの
関係式 で求められる値とスリツト巾Cとの比が製品板厚
の許容変動値の2分の1以下になるようにノズル
チツプ及びノズルホルダーの熱膨張係数、弾性
率、温度、形状因子、ノズルチツプとノズルホル
ダー間の目地厚、ノズルチツプ及び目地モルタル
の熱伝導率を設定することを特徴とする非晶質金
属製造用ノズルチツプの変形抑制方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17635083A JPS6068140A (ja) | 1983-09-26 | 1983-09-26 | 非晶質金属製造用ノズルチップの変形抑制方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17635083A JPS6068140A (ja) | 1983-09-26 | 1983-09-26 | 非晶質金属製造用ノズルチップの変形抑制方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6068140A JPS6068140A (ja) | 1985-04-18 |
JPS6240106B2 true JPS6240106B2 (ja) | 1987-08-26 |
Family
ID=16012061
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17635083A Granted JPS6068140A (ja) | 1983-09-26 | 1983-09-26 | 非晶質金属製造用ノズルチップの変形抑制方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6068140A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6439442A (en) * | 1987-08-06 | 1989-02-09 | Riken Light Metal Ind Co | Apparatus for preventing falling of expansion joint cover |
JPH0366854A (ja) * | 1989-08-04 | 1991-03-22 | Toshiichi Daimatsu | 屋根用伸縮継手 |
JPH0594406U (ja) * | 1992-12-22 | 1993-12-24 | 敏一 大松 | 屋根用伸縮継手 |
-
1983
- 1983-09-26 JP JP17635083A patent/JPS6068140A/ja active Granted
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6439442A (en) * | 1987-08-06 | 1989-02-09 | Riken Light Metal Ind Co | Apparatus for preventing falling of expansion joint cover |
JPH0366854A (ja) * | 1989-08-04 | 1991-03-22 | Toshiichi Daimatsu | 屋根用伸縮継手 |
JPH0594406U (ja) * | 1992-12-22 | 1993-12-24 | 敏一 大松 | 屋根用伸縮継手 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6068140A (ja) | 1985-04-18 |
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