JPS6239784Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は化粧料収納用の中皿が本体に取外し可能
に嵌装された化粧用コンパクト容器に関するもの
である。

従来、化粧用コンパクト容器において、化粧料
収納用の中皿を本体に固定する手段として接着剤
を使用するのが普通であつたが、接着剤の種類に
よつて硬化時間、使用適量が異なるので工場で組
付け製造するにあたつて管理が面倒であり、また
消費者の手に渡つた後において内容物を消費し新
しい中皿と交換するとき強固に接着していて取外
しが著しく困難乃至不可能なことがある。これに
対して、例えば実開昭57−81710号公報に開示さ
れているように、本体の内側周面と中皿の外側周
面とに互いに嵌脱可能なリブ、溝からなる固定手
段を設けたものはさほどの困難を伴なわずに中皿
を交換できるが、本体の内側周面にリブなどを形
成するのは著しく困難で製造上の難点がある。

また、一個の本体に複数個の中皿を各別に取外
し可能に装備した化粧用コンパクト容器が提供さ
れていて、中皿を機械的に固定する手段の一つが
例えば実開昭55−159007号公報に開示されてい
る。この公報記載のものは、中皿の外側周面に凹
部を突出形成し本体の底に設けた突起に凹部を嵌
めるようにしたものであり、凹部と突起との係合
は押え枠をかぶせ遮蔽して外から見えないように
し、且つ隣り合う中皿は互いに接して本体に嵌装
される。

従つて、部品点数が多いと共に押し枠を外して
中皿を交換しなければならないので取扱いが面倒
であり、また各部品の寸法精度が低いとがたつき
を生じ或いは嵌装不可能なことがある。

更に、磁力を利用して中皿を本体に固定するも
のもあるが、永久磁石、磁性材料を使用するので
必ずしも安価に提供できない。

本案はこのような欠点および問題点を除去し、
中皿をきわめて簡単に本体に安定よく固定し且つ
取外し交換できる取扱い容易な化粧用コンパクト
容器を提供することを目的として考案されたもの
である。

そして、この目的を達成するため本案の化粧用
コンパクト容器は、化粧料収納用の中皿の上端周
縁に外側方へ拡がり且つ裏面周縁部に切欠きを有
するフランジが設けられていると共にこのフラン
ジの裏側に弾性を有する突起が設けられており、
また本体の中枠に形成した中皿嵌装用の空所の周
囲に嵌め込み係止部が設けられており、前記突起
が前記嵌め込み係止部に差込まれその壁に圧接す
ることによつて前記空所に嵌装した中皿が取外し
可能に固定されていることを特徴としている。

以下本案の実施例を図面に就いて説明する。

第１，２図は第一実施例を示すものであつて、
本体１は底と四周の壁を形成する深皿状の外枠２
とその上面の開放面を覆つて外枠２に固定された
板状の中枠３とからなり、中枠３は塗布筆などの
化粧用具を収納するくぼみ４と周縁に支持壁５を
垂下形成した孔からなる空所６と空所６の周囲の
段部７と段部７に形成した丸孔からなる嵌め込み
係止部８とを有し、空所６は三個設けられてい
る。この本体１の外枠２の一側端縁にふた１０が
蝶番結合され、本体１の上面を覆うようになつて
いる。化粧料収納用の中皿１１は上端周縁に外側
方へ拡がるフランジ１２を有し、このフランジ１
２の裏面の四つの隅角部に二つ割り円柱形の突起
１３が突出形成されている。また、段部７に切欠
き７ａが形成されていると共にフランジ１２の裏
面周縁部の対応個所にくぼんだ切欠き１２ａが形
成されている。

そして、本実施例の化粧用コンパクト容器は、
中皿１１を空所６に嵌装しその周壁を支持壁５に
ほぼ密着させると共にフランジ１２を段部７に嵌
装し、突起１３をそれより少し小径の嵌め込み係
止部８に嵌め込むことによつて構成され、中皿１
１は外枠２と中枠３とに囲まれた空間９に吊下げ
状態で固定されている。フランジ１２の上面は中
枠３の上面３ａと同一平面上に揃えられ、二つ割
りの突起１３は中央の溝１４へ向つて二つの部片
１５が曲げられて嵌め込み係止部８に嵌め込まれ
弾性復元力で係止部８の壁に圧接している。

また、段部７の切欠き７ａからフランジ１２の
切欠き１２ａに爪、ナイフ等を差し込んでこじる
ことによつて中皿１１を空所６から取外すことが
できる。

第３，４，５図は第二実施例を示すものであつ
て、本体２１は前記同様の外枠２２とその上面の
開放面を覆つて外枠２２に固定した板状の中枠２
３とからなり、中枠２３は化粧用具収納用のくぼ
み２４と空所２６と空所２６の周囲の段部２７と
空所２６の周壁２５に竪に形成した端面角形の溝
からなる嵌め込み係止部２８とを存し、空所２６
は同じく三個設けられている。この本体２１の外
枠２２の一側端縁にふた３０が蝶番結合され、本
体２１の上面を覆うようになつている。化粧料収
納用の中皿３１は上端周縁に外側方へ拡がるフラ
ンジ３２を有し、中皿３１の側壁外面に中央の溝
３４を挾んだ二つの部片３５からなる二つ割り突
出条で形成した突起３３が形成されている。ま
た、段部２７に切欠き２７ａが形成されていると
共にフランジ３２の裏面周縁部の対応個所にくぼ
んだ切欠き３２ａが形成されている。

そして、本実施例の化粧用コンパクト容器は、
中皿３１を空所２６に嵌装しその側壁を周壁２５
にほぼ密着させると共にフランジ３２を段部２７
に嵌装し、突起３３をそれより少し幅の狭い嵌め
込み係止部２８に嵌め込むことによつて構成さ
れ、フランジ３２の上面は中枠２３の上面２３ａ
と同一平面上に揃えられ、また二つ割りの突起３
３は中央の溝３４へ向つて二つの部片２５が曲げ
られて嵌め込み係止部２８に嵌め込まれ弾性復元
力で係止部２８の壁に圧接している。更に、段部
２７の切欠き２７ａからフランジ３２の切欠き３
２ａに爪、ナイフ等を差し込んでこじることによ
つて中皿３１を空所２６から取外すことができ
る。

尚、本体１，２１の空所６，２６およびこれに
嵌装する中皿１１，３１は一個以上任意であり且
つその形状も角形に限らず任意であることは言う
までもない。更に、突起１３，３３は安定よく固
定するために対称位置に設けるのが好ましいがそ
の個数は任意であり、更にまた段部７，２７をな
くしてフランジ１２，３２を本体１，２１の上面
３ａ，２３ａから突出させてもよい。

以上のように本案によると、化粧料収納用の中
皿にフランジを設けこのフランジの裏側に弾性を
有する突起を設けて本体の中枠に形成した空所の
周囲の嵌め込み係止部に差込み壁へ圧接させたも
のであるから、突起のもつ弾性力で中皿を空所に
一定の力で安定よく固定保持するのである。ま
た、本体および中皿は嵌め込み係止部、フラン
ジ、突起を同時一体成形できるので簡単に且つ部
品点数を増すことなく製作し安価に提供できるの
であつて、突起の弾性力を利用して中皿を固定し
またフランジ裏面の切欠きを利用して取外せるた
め簡便に着脱できると共に寸法精度が低くても確
実に固定でき、更に突起はフランジの裏側に設け
たので遮蔽部材を用いなくても外部から本体との
結合状態を見ることができず体裁を損わないもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１，２図は本案の第一実施例を示し、第１図
は分解斜視図、第２図は一部拡大した縦断面部分
図、第３，４，５図は本案の第二実施例を示し、
第３図は分解斜視部分図、第４図は縦断面部分
図、第５図は第４図Ｘ−Ｘ線に沿う拡大断面図で
ある。 １，２１……本体、３，２３……中枠、６，２
６……空所、７，２７……段部、８，２８……嵌
め込み係止部、１１，３１……中皿、１２，３２
……フランジ、１３，３３……突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化粧料収納用の中皿１１，３１の上端周縁に外
   側方へ拡がり且つ裏面周縁部に切欠き１２ａ，３
   ２ａを有するフランジ１２，３２が設けられてい
   ると共にこのフランジ１２，３２の裏側に弾性を
   有する突起１３，３３が設けられており、また本
   体１，２１の中枠３，２３に形成した中皿嵌装用
   の空所６，２６の周囲に嵌め込み係止部８，２８
   が設けられており、前記突起１３，３３が前記嵌
   め込み係止部８，２８に差込まれその壁に圧接す
   ることによつて前記空所６，２６に嵌装した中皿
   １１，３１が取外し可能に固定されている化粧用
   コンパクト容器。