JPH0355374Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はコンパクトケースに関し、特にケース
本体内に収容した化粧料を容易に交換できるよう
にした詰替式のコンパクトケースに関する。

〔従来技術〕

従来、コンパクトケースにはフアンデーシヨ
ン、白粉等の化粧料をケース本体内に１個或いは
複数個組合せて交換可能に収容したものが種々提
供されている。

ところで、この種のコンパクトケースにおける
各化粧料の収容方法としては、各化粧料を充填し
た金皿を両面テープ、粘着性接着剤或いは磁石等
を用いてケース本体に取着することが行われてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、これらの従来技術には、次のような欠
点がある。

即ち、両面テープ及び粘着性接着剤を用いる方
法は、粘着力が強過ぎる場合には金皿の取外しが
困難で金皿が変形してしまうという欠点があり、
また金皿を再三交換しているうち粘着力が劣化し
てコンパクト使用中に金皿がケース本体から脱落
してしまうという欠点がある。一方、磁石を用い
る方法は金皿枠に磁石片を固着し、ケース本体側
には鉄片を固着する構造になつているため、コン
パクトケースが重くなるという欠点や、部品点数
が増加してコストが嵩むという欠点がある。

本考案は上述した従来技術の欠点に鑑みなされ
たもので、構造が簡単で、樹脂成型手段のみで成
型できる結果、軽量化とコスト低減を図ることが
でき、しかも金皿枠とケース本体とを確実に係脱
できるようにしたコンパクトケースを提供するこ
とを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上述した問題点を解決するために構成された本
考案の手段は、金皿枠収容部が凹設されたケース
本体と、該ケース本体の金皿枠収容部内に収容さ
れた少なくとも１個の金皿枠とからなるコンパク
トケースにおいて、前記金皿枠収容部の底部内面
から所定間隔有して突設された少なくとも一対の
円形突起と、前記金皿枠の下面一側角隅で該各円
形突起と対応する位置に三角形状の凹窪として形
成され、該各円形突起と係合する一対の嵌合穴
と、前記金皿枠を押動して前記各円形突起と嵌合
穴との係合を解除するため、前記金皿枠の下面他
側に位置して形成された押動傾斜面とから構成し
たことを特徴とする。

〔作用〕

このように構成することにより、ケース本体の
金皿枠収容部に金皿枠を収容するときには円形突
起に対して三角状をした嵌合穴が係合し、当該金
皿枠は弾性的に保持されている。一方、金皿枠を
交換するときには、該金皿枠の押動傾斜面側を上
方から押圧すれば、円形突起と嵌合穴との係合が
解除され、簡単に化粧料の交換を行なうことがで
きる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づき詳述す
る。

第１図ないし第３図は本考案の第１の実施例を
示す。図において、１はコンパクトケース、２は
該コンパクトケース１のケース本体で、該ケース
本体２は横長矩形の底部３、前壁部４、後壁部５
及び左、右側壁部６，６を一体成型したものとか
らなつており、該ケース本体２の内側は金皿枠収
容部７になつている。８は前記ケース本体２の後
壁部５に回動可能に螺着された蓋体で、該蓋体８
の下面には鏡９が埋設されている。

１０，１０，……は内部に化粧料１１を充填し
た金属製円皿状の化粧料金皿、１２，１２，……
は前記各化粧料金皿１０をケース本体２内に収容
するための金皿枠で、該金皿枠１２は合成樹脂材
により平面略方形の厚肉板状に成型されており、
その上面側には前記化粧料金皿１０が嵌合する円
形の金皿嵌合部１３が凹設されている。

次に、１４，１４は前記各金皿枠１２をケース
本体２の金皿枠収容部７内に係脱可能に係止する
ための係合部で、該各係合部１４は円形突起とし
ての一対の嵌入突起１５，１５と嵌合穴１６，１
６とから構成されている。ここで、該各嵌入突起
１５は小径の中空円筒に軸方向の割溝１５Ａを設
けた円形状突起からなつており、後述の嵌合穴１
６に対して弾性的に係合できるようになつてい
る。そして、該嵌入突起１後はケース本体２の後
壁部５寄りと縦方向中央寄りに位置して左，右側
壁部６，６方向に所定間隔を有して底壁３内面か
ら一体的に突出形成されており、本実施例では、
６組の嵌入突起１５，１５，……が列設されてい
る。一方、１６，１６は前記各一対の嵌入突起１
５，１５と嵌合する嵌合穴で、該各嵌合穴１６は
各嵌入突起１５が３点で内接する平面略三角形を
した凹窪からなつていおり、金皿枠１２下面上側
の左、右角隅に形成されている。

更に、１７は係合部１４によるケース本体２と
金皿枠１２との係合を解除する場合のために該金
皿枠１２に設けられた押動傾斜面で、該傾斜面１
７は金皿枠１２下面１２Ａの略前側半面に傾斜状
に形成されている。そして、金皿枠１２の上面１
２Ｂ前側を上方から押圧することにより、該金皿
枠１２はケース本体２の底壁３内面上で矢示Ａ方
向に傾動するようになつている。

本実施例は上述の如く構成されるが、次にその
使用方法について説明する。

各金皿枠１２の金皿嵌合部１３内にはフアンデ
ーシヨン、口紅等の各種化粧料１１を充填した金
皿１０が嵌着されている。

そこで、使用者はオフイス用、旅行用等の使用
目的に応じて各種化粧料１１を選定し、当該化粧
料１１の金皿枠１２をケース本体２の金皿枠収容
部７内に収容する。而して、このとき、ケース本
体２の各一対の嵌入突起１５，１５に金皿枠１２
の各嵌合穴１６を嵌合し、該金皿枠１２をケース
本体２に押付けて各嵌入突起１５と嵌合穴１６と
を堅固に係合することより、各金皿枠１２はケー
ス本体２に一体的に係止することができる。そし
て、上述の如くしてケース本体２の金皿枠収容部
７内には所望の化粧料１１を収容した金皿枠１２
を任意の配列状態で収容することができる。

一方、ケース本体２内の所望の化粧料１１を新
しい化粧料１１或いは他の化粧料１１と交換する
場合には、当該化粧料１１を収容している金皿枠
１２の上面１２Ｂ前側を軽く押圧する。すると、
該金皿枠１２は押動傾斜面１７に沿つて矢示Ａ方
向に傾動し、下面１２Ａ後側がケース本体２の底
部３から離間すると共に、てこ作用により各嵌入
穴１６は嵌入突起１５から容易に離脱させること
ができる。

次に、第４図ないし第７図は本考案の第２の実
施例を示す。なお、第１の実施例と同一の構成要
素には同一の符号を付し、その説明を省略する。

図において、２１はコンパクトケース、２２は
該コンパクトケース２１を構成するケース本体
で、該ケース本体２２は横長矩形の底壁２３、前
壁部２４、後壁部２５および左、側壁部２６，２
６を一体成型したものからなつている。そして、
該ケース本体２２の底部２３内面には前壁部２４
寄りに位置して長手方向に突堤部２７が立設され
ており、該ケース本体２２内は前壁部２４側が塗
布具等の収容部２８に、後壁部２５側が金皿枠収
容部２９に画成されている。

３０は化粧料金皿１０を前記ケース本体２２内
に収容するための金皿枠で、該金皿枠３０は合成
樹脂材により平面略正方形の厚肉板状に成型され
ており、上側には化粧料金皿１０が嵌合する金皿
嵌合部３１が凹設されている。

３２は金皿枠３０をケース本体２２の金皿枠収
容部２９内に係脱可能に係止するための係合部
で、該係合部３２は一対の嵌入突起３３，３３と
嵌合穴３４，３４とから構成されている。ここ
で、該各嵌入突起３３は小径の中空円筒状に形成
されており、前述した第１の実施例の嵌入突起１
５とは異なつて割溝は設けられていず、該突起３
３自体に弾性は付与されていない。そして、該各
嵌入突起３３はケース本体２２の後壁部２５寄り
に位置して左、右側壁部２６，２６方向に所定間
隔を有して底部２３内面から一体的に突出形成さ
れており、本実施例では、４組の嵌入突起３３，
３３，……が列設されている。一方、３４，３４
は前記各一対の嵌入突起３３，３３と嵌合する嵌
合穴で、該各嵌合穴３４は第１の実施例と同様に
各嵌入突起３３が３点で内接する平面略三角形を
した凹窪からなつており、該嵌合穴３４は金皿枠
３０の下面３０Ａ後側で左、右角隅に形成されて
いる。

そして、本実施例による各嵌合穴３４は第１の
実施例の嵌合穴１６よりも金皿枠３０の角隅寄り
に形成され、該嵌合穴３４を形成する壁部３０
Ｃ，３０Ｄの肉厚Ｈは弾性を有するように薄肉に
なつている。この結果、嵌合穴３４に嵌入突起３
３を嵌脱するとき、該嵌合穴３４は僅かに拡開す
るようになつている。

更に、３５は係合部３２によるケース本体２２
と金皿枠３０との係合を解除する場合のための押
動傾斜面で、該押動傾斜面３５は金皿枠３０下面
３０Ａの略前側半面に形成されており、金皿枠３
０上面３０Ｂ前側を上方から押圧することによ
り、該金皿枠３０はケース本体２２の底部２３内
面上で矢示Ａ方向に傾動するようになつている。
（第６図参照）。

上述した第２の実施例によれば、各嵌入突起３
３には弾性を持たせる必要がないから、該嵌入突
起３３と一体に成型するケース本体２２には硬質
の合成樹脂材料を用いることができ、該ケース本
体２２の強度性、耐久性を向上させることができ
る。

なお、第２の実施例では、嵌入突起２３は中空
円筒状に形成するものとして述べたが、中実の円
柱状に形成してもよいものである。また、ケース
本体２２の底部２３には突堤部２７を立設するも
のとして述べたが、該突堤部２７は設けなくても
よいものである。

更に、第８図ないし第１１図は本考案の第３の
実施例として１個の金皿枠を収容するための小型
コンパクトケースを示す。なお、前述した第１、
第２の実施例による構成要素と同一の構成要素に
は同一の符号を付し、その説明を省略する。

図において、４１は小型コンパクトケース、４
２は該コンパクトケース４１のケース本体で、該
ケース本体４２は正方形の底部４３、前壁部４
４、該前壁部４４より背が低く形成された段付き
の後壁部４５及び左、右側壁部４６，４６を一体
成型したものからなつており、該ケース本体４２
の内側は金皿枠３０を１個だけ収容することがで
きる金皿枠収納容部４７になつている。４８は前
記ケース本体４２の後壁部４５に回動可能に設け
られた蓋体である。

更に、４９は金皿枠３０をケース本体４２の金
皿枠収容部４７内に係脱可能に係止するための係
合部で、該係合部４９は金皿枠３０に設けられた
嵌合穴３４，３４と該各嵌合穴３４に嵌脱する一
対の嵌入突起５０，５０とから構成されている。
ここで、該各嵌入突起５０は小径の中空筒状に形
成されており、前述した第２の実施例と同様に各
嵌入突起５０自体に弾性は付与されていない。そ
して、該一対の嵌入突起５０，５０はケース本体
４２の前壁部４４と左、右側壁部４６，４６との
各角隅に位置して底部４３内面から突出形成され
ている。

本実施例は上述の如く構成されており、１種類
の化粧料１０のみを携帯する場合には、当該化粧
料１０の金皿枠３０をケース本体４２の化粧料収
容部４７内に係合部４９を介して係止し、蓋体４
８でケース本体４２上面を施蓋しておく。一方、
当該化粧料１０を例えば色の異なる他の化粧料と
併せて使用したい場合には、当該化粧料１０の金
皿枠３０を第２の実施例と同様に傾動して係合部
４９の係合を解除し、ケース本体４２から取外し
て例えば第４図に示すような大型のコンパクトケ
ース２１に組込めばよい。

叙上の如く、本実施例によれば、１個の金皿枠
によつて１種類の化粧料１０を収容できる小型コ
ンパクトケース４１にもケース本体４２と金皿枠
３０を係合する係合部４９および当該係合を解除
するための押動傾斜面３５を設けたから、小型コ
ンパクトケース４１と大型コンパクトケース２１
との間で化粧料１０を交換使用することが容易に
でき、化粧料１０の使用方法にバラエテイを持た
せることができる。

なお、各実施例では金皿枠１２，３０は正方形
に正型したが、該各金皿枠１２，３０の倍以上の
大きさを有する縦長或いは横長の金皿枠にも本考
案は適用できるものであり、適宜の大きさの金皿
枠を組合せることが可能である。

〔考案の効果〕

本考案は以上詳述した如く、金皿枠をケース本
体に係合させるため、該ケース本体の金皿枠収容
部底部内面から所定間隔有して突設された少なく
とも一対の円形突起と、金皿枠の下面一側角隅で
該各円形突起と対応する位置に三角形状の凹窪と
して形成され、該各円形突起と係合する一対の嵌
合穴とを形成し、一方金皿枠を押動して各円形突
起と嵌合穴との係合を解除するため、金皿枠の下
面他側に位置して押動傾斜面を形成する構成とし
たから、金皿枠収容部に金皿枠を収容するときに
は円形突起に対して三角状をした嵌合穴が係合
し、該金皿枠を弾性的に保持することができ、金
皿枠を交換するときには、該金皿枠の押動傾斜面
側を上方から押圧すれば、円形突起と嵌合穴との
係合が解除され、簡単な操作で化粧料の交換を行
うことができる。

また、円形突起はケース本体側に、三角形状の
嵌合穴と押動傾斜は金皿枠側に、それぞれ樹脂成
型手段によつて一体成型することができるから、
コンパクトケース全体の軽量化と製造コストの低
減を図ることができる。

さらに、金皿枠は大、中、小の形状のものを用
意しておくことにより、これらを適宜組合わせて
使用することも可能であり、大量に使用する化粧
料は大型の金皿枠を用いる等、多様なニーズに対
処できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の第１の実施例を
示し、第１図は金皿枠収容部の一部に金皿枠を収
納したコンパクトケースの外観斜視図、第２図は
第１図の−矢示方向拡大断面図、第３図は金
皿枠の拡大底面図、第４図ないし第７図は本考案
の第２の実施例を示し、第４図は第１図と同様の
状態のコンパクトケースの外観斜視図、第５図は
ケース本体と金皿枠の収容状態を示す第４図中の
−矢示方向断面図、第６図は金皿枠を傾動さ
せた状態を示す第５図と同様位置の縦断面図、第
７図は金皿枠の底面斜視図、第８図ないし第１１
図は本考案の第３の実施例を示し、第８図は１個
の金皿枠を収容する小型コンパクトケースの外観
斜視図、第９図は蓋体を取外したケース本体の外
観斜視図、第１０図は金皿枠の外観斜視図、第１
１図はコンパクトケースの縦断面図である。 ２，２２，４２……ケース本体、７，２９，４
３……金皿枠収容部、１２，３０……金皿枠、１
４，３２，４９……係合部、１５，３３，５０…
…嵌入突起（円形突起）、１６，３４……嵌合穴、
１７，３５……押動傾斜面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金皿枠収容部が凹設されたケース本体と、該ケ
   ース本体の金皿枠収容部内に収容された少なくと
   も１個の金皿枠とからなるコンパクトケースにお
   いて、前記金皿枠収容部の底部内面から所定間隔
   有して突設された少なくとも一対の円形突起と、
   前記金皿枠の下面一側角隅で該各円形突起と対応
   する位置に三角形状の凹窪として形成され、該各
   円形突起と係合する一対の嵌合穴と、前記金皿枠
   を押動して前記各円形突起と嵌合穴との係合を解
   除するため、前記金皿枠の下面他側に位置して形
   成された押動傾斜面とから構成したことを特徴と
   するコンパクトケース。