JPS6239620Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、育苗箱への条播装置に関する。

従来この種条播装置、詳しくは、繰出しロール
によつて繰り出される種子（種籾）を、育苗箱内
の床土上に条播する装置は、シユートに区画桟に
よつて区画した溝を案内として種子を誘導落下さ
せるか、更に床土に溝付き鎮圧ローラーを用いて
溝条を形成し、この中にシユートの溝を案内とし
た種子を収容させる手段が提案されていた。

しかるにこのような手段では、シユート上を種
子を確実に転動落下させるためには、かなりシユ
ートの角度を急にしないと、籾などは途中で滞留
することがあり、均一条播が望めない。またシユ
ートの床土面に対する角度を急にすると、床土上
に落下した種子が転動し、条播の目的が達せられ
ない欠点がある。

本考案は、このような問題点を解消するために
なされたもので、簡単な構成によつて従来の欠点
を解消せしめ、種子を櫛歯状及び樋状となした溝
杆によつて案内させること、シユート上に散水
し、この水流作用と併せて種子を流下させるこ
と、溝杆間にある間〓からの散水散布によつて床
土に変化を与えることなどにより、条播効率の向
上を計らんとするものである。

本考案の実施例を図面について説明すると、１
はベルトなどの搬送体２を横架した長尺の枠体で
あつて、該搬送体２の上手側上方には、特に図示
してないが育苗箱３の供給装置、床土４の供給装
置、均平装置などが順次並設してある。

５は枠体１ａにとりつけられた種子（種籾な
ど）６のホツパーで、該ホツパー５の下端開口に
は、ローレツト状の溝を備え、かつ、育苗箱３の
巾と略同長の繰出しロール７が軸架してあり、こ
の繰出しロール７の回転により種子６が定量づゝ
落下供給されるように構成されている。

８は種子の案内板、９は該案内板８の下側に臨
ませたシユートで、該シユート９は、第２図から
明らかなように、シユートの総面積の約1/2の範
囲にわたつて櫛歯状で、かつ、樋状の溝杆１０が
形成され、該溝杆１０同志間には、スリツト状の
間〓１１が構成されている。

そして、この溝杆１０が傾斜下端となるように
シユート９は枠体１ａに対し着脱自在にとりつけ
られる。そして、上記案内板８の傾斜下端から落
下する種子６は、溝杆１０でないシユート板面部
に落下されるものである。１２は散水管であつ
て、該散水管１２には、シユート９の板面に向つ
て水を散布する噴水孔１２ａと、溝杆１０に向つ
て水を散布する噴水孔１２ｂとが穿設されてい
る。

尚上記シユート９は、第１，３図から明らかな
ように、溝杆１０を搬送体２の移送方向下手側に
向けるか、あるいは、移送方向上手側に向けて任
意にとりつけることができる。

第１図のように、溝杆１０を下手側に向けてと
りつける場合には、床土４のさらつきがよい場合
に、上記溝部間の間〓１１を通つて散布される水
分によつて床土４表面を硬化させ、また第３図の
ように溝杆１０を上手側に向ける場合は、床土４
が湿気が多く、後述するように、床土表面に、溝
付き鎮圧ローラーによつて付設された溝条や畝が
しつかりしている場合であつて、播種のあとに水
が散布されるようにしたものである。

また上記シユート９は、これの約1/2面積にわ
たつて溝杆が形成され、他の残りが平面となつて
いるが、この平面部に、溝杆１０に連る溝をプレ
ス加工することにより、平面部に散布供給された
種子６が溝を通つて確実に溝杆１０に移行される
ので、むしろ平面部に、溝杆１０に連る溝を形成
することが望ましい。

上記ホツパー５をとりつけるための左右の枠体
１ａには、夫々アーム１３の一端が軸支してあ
り、該両アーム１３の他端間に、第４図で示すよ
うな溝付き鎮圧ローラー１４が回動自在に軸架さ
れている。

そして上記アーム１３の中途部と、枠体１ａと
の間に、鎮圧ローラー１４を床土４面に圧接する
ための発条１５が弾設してある。

また第４図から明らかなように、上記アーム１
３の一側に調整螺杆１６を垂直方向に螺合せし
め、この調整螺杆１６の下端を、上記搬送体２を
支架せる枠体１の上面に当接せしめ、この調整螺
杆１６の上下動調節により、鎮圧ローラー１４に
よる床土の鎮圧量を調整するようにしたものであ
る。尚上記アーム１３は、搬送体の移送方向上手
側に向け、枠体１ａに対しとりつけられている。
図中１２ｃは別の散水管で、シユート９を上手側
に向けてとりつけたときに使用するものである。
尚図中１７，１８はプーリー、１９はベルト、２
０，２１はスプロケツトホイール、２２はチエー
ンである。

また上記シユート９の両端縁には、下向きのフ
ランジ部９ａが一体に設けてあり、これに挿通し
た数本のボルト２３が、枠体１ａに螺合されるこ
とにより、シユート９は枠体１ａに止着される
が、この枠体１ａには、シユート９が第１図及び
第３図のように、下手側、上手側に向いてとりつ
けられるようなボルト２３の螺合孔が設けられて
いることは勿論である。

本考案は上述のように構成したので、次のよう
な効果が得られる。

(a) ホツパーの下部に設けた繰出しロールによつ
て繰り出される種子（種籾など）を、溝付きシ
ユートを介し床土上に条播しうることは勿論の
こと、 (b) 特に本考案においては、上記シユートに、櫛
歯状で、かつ、樋状の溝杆を設け、この溝杆を
案内として種子を条播するようになしたこと、
および、シユートの上方に散水管を配設し、シ
ユート面上に散水するようにしたので、シユー
ト上に供給された種子は自己落下作用と、水流
作用とによつて溝杆から床土上に条播せしめら
れる。従つて、シユートの床土面に対する角度
を比較的ゆるく形成しうることから、床土上に
おける種子の転動が殆どなく、整然とした条播
がなし得る。

(c) 各溝杆から放出される水流により床土面に凹
溝が自然に刻設されることと、種子が水に濡れ
ていることにより、種子の床土凹溝内への定着
がよく、一層条播効率の向上が計れる。

(d) 各溝杆の間にはスリツト状の間〓が形成され
ていることから、床土のさらつきがよい場合に
は、各溝杆を育苗箱の搬送下手側に向けてとり
つけることにより、上記スリツト状の間〓を通
つて散布される水によつて、播種前の床土表面
をあらかじめ硬化することができ、整然とした
条播がなしうるとともに、床土全面に均一な散
水がなしうる。

(e) また、床土の湿気が多い場合には、各溝杆を
育苗箱の搬送上手側に向けてとりつけることに
より、溝付き鎮圧ローラーで溝条を付設した床
土への播種のあとに、スリツト状の間〓を通し
て上記溝条間の床土に散水がなし得るととも
に、床土全面に均一な散水がなしうる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部切欠側面図、第２図は要部の一部
切欠正面図、第３図はシユートを上手側に向けた
一部切欠側面図、第４図は鎮圧ローラー部の一部
切欠正面図である。 １，１ａ……枠体、２……搬送体、３……育苗
箱、４……床土、５……ホツパー、６……種子、
７……繰出しロール、８……案内板、９……シユ
ート、９ａ……フランジ部、１０……溝杆、１１
……間〓、１２，１２ａ……散水管、１４……鎮
圧ローラー、２３……ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 搬送体によつて送られる育苗箱に床土を収容
   し、該床土を鎮圧均平し、この床土面上に、溝付
   きシユートを介し種子を条播するようにした育苗
   箱への条播装置において、種子ホツパーの下部に
   設けた繰出しロールの下方に、櫛歯状で断面形状
   が樋状の溝杆を下部に備えた斜めのシユートを、
   育苗箱の搬送上手側、または、下手側に向け変向
   可能にとりつけ、更に、上記シユートの上方で、
   かつ、上記繰出しロールの前後側部位に、２本の
   散水管を各別に配設したことを特徴とする育苗箱
   への条播装置。