JPS6227063Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、床土を入れた苗箱をコンベアにより
移送し、コンベア上に隣設した苗箱に、種子と水
とを一緒に播種する播種装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、苗箱コンベア上に床土入れ装置、播種装
置、覆土装置などを一連に隣設せしめて、各装置
による作業の間に潅水する手段が行われている
が、床土入れ装置と播種装置の間に潅水装置を設
けると、潅水された水が播種前に床土に浸透して
しまい、播種された種子が互いに重なり合つたま
ま覆土されたりすることがある。このため、播種
したのちに潅水することで、上記種子の重なり合
いを解いて均一な播種状態に修正する手段などが
行われているが、この場合、放水圧力が強すぎた
り、また、散水量が多すぎたりすると、播種され
た種子が逆に一方に偏るなど不都合な現象がみら
れたし、また、各散布装置の間に潅水装置を設け
ているために、装置全体が必要以上に大型化され
るなどの欠点があつた。

このような問題点を解決するために、特開昭53
−138816号公報でみられるような播種装置が提案
されている。この装置は、籾の繰出しロール内に
円筒構造の水容器を形成し、この水容器と繰出し
ロールに形成された籾受溝とを通水孔によつて連
結したものであるため、構造が複雑である。

〔考案の目的〕

本考案は、このような現状に対応すべくなされ
たもので、簡単な構成によつて従来の欠点を除去
せしめ、傾斜せる案内板上に供給された種子を、
潅水と一緒に床土上に播種することにより、均一
播種効率、および、装置全体のコンパクト化を計
るとともに、傾斜板を前後方向に設け、更に、こ
の傾斜板を前後方向に傾倒調節することにより、
播種前の潅水、播種と一緒の潅水、および、上記
両潅水が同時になしうる装置を提供せんとするも
のである。

〔考案の構成〕 従来技術の問題点を解決する本考案の構成は、
コンベアなどの移送体によつて、苗箱を移送しな
がらホツパー下部の種子送り出しロールにより定
量づつ傾斜した案内板上に流下させ、この案内板
の傾斜端から順次苗箱内の床土上に水と一緒に播
種するようにした播種装置において、上記送り出
しロールと苗箱の移送体との間に、種子の流下路
を遮り、かつ、苗箱の搬送下手側方向に下向き傾
斜した案内板１３ａを前後方向の角度が調節しう
るように配設するとともに、この案内板１３ａの
傾斜上端部に、給水ノズルパイプ１５をもつ樋状
の水溜り部１４を連設し、更に、この水溜り部１
４の上手側に、苗箱の搬送上手側方向に下向き傾
斜した案内板１３ｂの傾斜上端を連設したことを
特徴とするものである。

〔実施例〕

図面について実施例の詳細を説明すると、１は
脚２によつて支持され、かつ、平面形状が細長長
方形状の機枠であつて、該機枠１の長手方向にそ
つて２本の小巾のコンベア（移送体）３が軸架し
てある。そして、この各コンベア３の上辺部は、
機枠１に対し苗箱４の長さより短い間隔毎に軸架
した案内ロール５に乗接されている。

６は上記機枠１の上方に、側板７により跨架的
にとりつけた種子８のホツパーで、該ホツパー６
の供給口９には、一定の速度で回転する種子の送
り出しロール１０が、上記コンベア３の移送方向
と軸線が直交するよう配設してあり、この送り出
しロール１０と上記コンベア３の上面との間に
は、所要の間隔が保持してある。また、上記送り
出しロール１０には種子を定量的に流下させるた
めの溝１１が設けてあり、断面形状が歯車状に構
成されているとともに、軸１２により上記側板７
間に軸架してある。

１３ａは上記送り出しロール１０からの種子流
下路を遮るように、この送り出しロール１０とコ
ンベア３上面との間に、苗箱４の搬送下手側方向
に下向きに斜設された案内板で、該案内板１３ａ
の傾斜下端はコンベア上に乗載される苗箱４に近
接せしめられ、また、案内板１３ａの傾斜上端部
には樋状の水溜り部１４が連設してある。そし
て、この水溜り部１４には給水ノズルパイプ１５
が設けてある。

また、第１図に示す如く、上記水溜り部１４を
頂点としてこれの反対側、即ち、苗箱４の搬送上
手側方向に下向きで、かつ、比較的急傾斜な案内
板１３ｂの傾斜上端が上記水溜り部１４の上手側
に一対に設けてあり、播種前の苗箱４内床土に潅
水しうるようにしたものである。

また、上記案内板１３ａ，１３ｂ、および、水
溜り部１４の側面には起立縁１６が形成してあ
り、この起立縁１６の一部にネジ１７をとりつ
け、これを上記側板７に設けた案内長孔１８に挿
通止着せしめ、上記水溜り部１４の給水ノズルパ
イプ１５を中心として案内板１３ａ，１３ｂの床
土面に対する角度調整が緩急調整しうるようにし
たものである。尚案内板を含む水溜り部構造全体
を上記機枠１に軸着することは当然であるが、こ
れらの詳細表示は省略してある。図中１９はホツ
パーの供給口９と送り出しロール１０との間を遮
蔽するための閉塞板、２０はホツパーに螺合した
調整螺杆２１によつて種子の流出開口を調節する
ブラシである。また、特に図示してないが、上記
播種ホツパーの移送上手側には床土供給ホツパ
ー、床土均整装置などが臨設してあり、また移送
下手側に覆土装置などが配設してあることは勿論
で、これらの表示は省略してある。

〔作用〕

次に作用について説明すると、床土を入れた苗
箱４がコンベア３の移送上手側から送られてくる
と、案内板１３ｂに流下する水が床土上に供給さ
れつつ苗箱４は更に移送せしめられ、案内板１３
ａの流出部に送られる。そこでホツパー６の種子
８が送り出しロール１０によつて定量づつ送り出
し流下されて案内板１３ａ上に落下するととも
に、種子８は水溜り部１４から溢流する水ととも
に、案内板１３ａ端より床土上に流下播種せしめ
られる。

尚、案内板１３ａ，１３ｂの角度をネジ１７と
案内長孔１８とによつて緩、急に調節することに
より、溢流水量の調節や案内板１３ａ，１３ｂの
何れか一方、または、双方への同時流水がなし得
られる。そして播種、潅水の完了した苗箱を更に
移送しつつ覆土することにより播種作業は完了す
る。

〔効果〕

このように本考案によれば、次のような効果が
得られる。

(a) 種子は苗箱の床土上面に水と一緒に播種され
るため、瞬間的に水の上に浮く状態となること
から、種子同志が重なり合うことがなく、床土
上に均一に播種しうることは勿論のこと、 (b) 潅水のための装置が機枠上の余分な空白部が
利用できるとともに、潅水作用部が播種装置と
コンベアとの間の空間に設置しうることから装
置全体の小型化が計りうる。

(c) 案内板１３ａの傾斜上端部に給水ノズルパイ
プ１５をもつ樋状水溜り部１４を連設するとと
もに、この水溜り部１４の上手側に、案内板１
３ｂの傾斜上端部を連設し、上記案内板１３ａ
を前後方向の角度が調節しうるようにしたの
で、この案内板１３ａの角度調節により上記水
溜り部１４、案内板１３ｂがこれに連動し、水
溜り部１４からの溢流水量の調節、案内板１３
ａ，１３ｂの何れか一方、または、双方への同
時流水が選択的になし得られ、きめの細かい潅
水がなしうる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部切欠正面図、第２図は同上一部切
欠側面図である。 １……機枠、２……脚、３……コンベア、５…
…案内ロール、６……ホツパー、７……側板、８
……種子、９……供給口、１０……送り出しロー
ル、１３ａ，１３ｂ……案内板、１４……水溜り
部、１５……給水ノズルパイプ、１６……起立
縁、１７……ネジ、１８……案内長孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (a) コンベアなどの移送体によつて、苗箱を移送
   しながらホツパー下部の種子送り出しロールに
   より定量づつ傾斜した案内板上に流下させ、こ
   の案内板の傾斜端から順次苗箱内の床土上に水
   と一緒に播種するようにした播種装置におい
   て、 (b) 上記送り出しロールと苗箱の移送体との間
   に、種子の流下路を遮り、かつ、苗箱の搬送下
   手側方向に下向き傾斜した案内板１３ａを前後
   方向の角度が調節しうるように配設するととも
   に、この案内板１３ａの傾斜上端部に、給水ノ
   ズルパイプ１５をもつ樋状の水溜り部１４を連
   設し、更に、この水溜り部１４の上手側に、苗
   箱の搬送上手側方向に下向き傾斜した案内板１
   ３ｂの傾斜上端を連設したことを特徴とする播
   種装置。