JPS6238564B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、フツク構造に関するものである。

従来、例えば電線等の修正・点検等を行う際に
は、梯子等を地上より電線等に掛渡して、同梯子
等に作業者が登つて所要の作業を行なつている
が、この際、突風等によつて電線等が振動し、同
電線等と梯子等の係止状態が解除されて事故につ
ながることがままあつた。

本発明では、梯子・竿体等の長尺物に取付可能
に構成した逆Ｕ字状フツク本体と、同フツク本体
に軸支した閉塞用開閉体により、電線等とに係止
部分の解除防止機能を保持せしめて、安全な作業
に供することのできるフツク構造を提供せんとす
るものである。

本発明の実施例を図面にもとづき詳説すれば、
Ａはフツク装置を示しており、同装置Ａはフツク
本体１、ストツパー機構２、閉塞用開閉体３より
成り、同フツク本体１は細長手状の円柱管を逆Ｕ
字状に屈曲形成して、左右側に脚柱４，５し、上
部に弯曲部６を設け、同時に、同フツク本体１の
下方には開口部７を設けており、左側の脚柱４下
部に閉塞用開閉体３の基部を左右回動自在に軸支
８すると共に、同閉塞用開閉体３の先端３−１
は、右側の脚柱５下部に横側方から当接すべく回
動付勢し、フツク本体１下方の開口部７を同閉塞
用開閉体３にて開閉自在とし、しかも、左側脚柱
４には長尺物に取付けるためのブラケツト９を回
動自在に設け、同ブラケツト９と脚柱４その間
に、フツク本体１の回動固定用のストツパー機構
２を介在せしめて構成している。

ブラケツト９は、縦長手板を断面コ字状に折曲
形成して、上下水平板１０，１１、及び、鉛直連
設板１２を設けて成り、上水平板１０には正方形
挿通孔１３を設け、下水平板１１には同挿通孔１
３と対向状態に円形挿通孔１４を設けて、同挿通
孔１３，１４中に左側脚柱４を摺動自在に挿通
し、しかも、同脚柱４の回動、及び、固定はスト
ツパー機構２を介して行うべく構成している。

ストツパー機構２は、ブラケツト９の正方形挿
通孔１３、断面Ｌ字状の支持ブラケツト１５、ス
プリング１６、そして、矩形状嵌合体１７より成
り、支持ブラケツト１５は鉛直部１５−１と水平
部１５−２とにより断面Ｌ字形状に形成し、同水
平部１５−２先端部には、左側脚柱４を摺動自在
に挿通すべく円形挿通孔を設けて、同挿通孔中に
同脚柱４を挿通せしめた状態で、鉛直部１５−１
をブラケツト９の鉛直連設板１２内側面に、ボル
ト２９を介して連設しており、また、矩形柱状嵌
合体１７は左側脚柱４に設けており、ブラケツト
９の上水平板１０に設けた正方形挿通孔１３中に
位置する同脚柱４の外側面を、同脚柱４の直径よ
り大きく、しかも、同挿通孔１３の正方形状に相
当する正方形状に形成して、同嵌合体１７が同挿
通孔１３に嵌合した状態ではフツク本体１の左右
回動が規制され、同脚柱４を下方へ摺動せしめて
同嵌合状態を解除すれば、同フツク本体１の左右
回動が自由に行なえるべく構成している。

しかも、矩形柱状嵌合体１７下端面と支持ブラ
ケツト１５の水平部１５−２上側面間に位置する
脚柱４には、スプリング１６を捲着しており、同
スプリング１６の付勢により矩形柱状嵌合体１７
と水平部１５−２との間隔は一定に保持されて、
同嵌合体１７は、常に、正方形挿通孔１３に嵌合
された状態となるべく構成している。

従つて、ストツパー機構２は、スプリング１６
の付勢により、矩形柱状嵌合体１７の正方形挿通
孔１３への嵌合状態を保持せしめ、同嵌合状態の
解除は、フツク本体１を下方へ押圧して、脚柱４
をスプリング１６の付勢に抗して下方へ摺動せし
めることにより行い、同状態にてフツク本体１を
左右側のいずれかに直角、ないしは、２直角に回
動せしめてそのまま上方へ摺動させることにより
嵌合状態にもどせば、フツク本体１の右側脚柱５
をブラケツト９に対して相対変位せしめることが
可能に構成しているのである。

左側の脚柱４下部に基部を左右回動自在に軸支
８した閉塞用開閉体３は、基部を上下二又状に形
成して内部空間１８を設け、上下二又状の基部間
には、ブラケツト９の下水平板１１、そして、後
述する発条装置１９、及び、支持環２０を介在せ
しめており、同開閉体３の上側面３−２は下方へ
弯曲形成し、また、下側面３−３は、下端より右
上方に位置する先端３−１にかけて上方凹状に弯
曲形成すると共に、先端３−１が横側方から右側
の脚柱５下部に当接する方向へ螺旋状にテーパを
形成して構成している。

すなわち、閉塞用開閉体３がフツク本体１下方
の開口部７を閉塞状態にしている際に、螺旋状に
形成した下側面３−３に添つて電線等が上方へ押
圧状態で摺動すれば、同電線等の押圧力は下側面
３−３の形状に添つて作用し、回動付勢されて右
側脚柱５に当接している先端３−１を、同脚柱５
より押圧開放して、同電線等は上方の閉塞空間内
に移動すべく構成されているものである。

発条装置１９は、発条体２１と同発条体２１を
収納するケース２２より成り、発条体２１は、ブ
ラケツト９の下水平板１１下方にて左側脚柱４に
巻回し、先端２１−１を内部空間１８中に突設す
ると共に、同先端２１−１を閉塞用開閉体３に螺
着し、同開閉体３の先端３−１が右側脚柱５下部
に圧接すべく付勢せしめて構成している。

また、ケース２２は、巻回状態にある発条体２
１をケーシングすべく円柱板状に形成し、側面に
は発条突出孔２３を設けて同孔２３より発条体先
端２１−１を突出可能とし、同ケース２２自体は
ブラケツト９の下水平板１１に垂設している。

支持環２０は、環状に形成して発条装置１９下
方の左側脚柱４に嵌挿すると共に、ボルト２４を
横断状態に螺着して固設しているものであり、同
支持環２０により左側脚柱４に装設したストツパ
ー機構２、閉塞用開閉体３、及び、ブラケツト９
が下方へ抜去するのを防止せしめるべく構成して
いる。

２５は紐体であり、同紐体２５は長手状に形成
して基端を閉塞用開閉体３の基部上側にボルト２
６を介して着脱自在に連結しており、同紐体２５
は基端より水平横方向に配し、中途部より支持ブ
ラケツト１５の水平部１５−２裏面に垂設したガ
イドリール体２７を介して下方へ垂下せしめ、下
方より同紐体２５により同開閉体３の開閉作動を
遠隔操作すべく構成している。

２８は、フツク本体１の弯曲部６を被覆してい
る弾性樹脂体である。

Ｂは梯子を、そして、Ｃは電線を示している。

本発明は実施例は上記のように構成されている
ものであり、例えば、高所に架線された電線Ｃの
修正・点検等を行う際には、所要の長さを有する
梯子Ｂの先端にフツク装置Ａを、同装置Ａに設け
たブラケツト９の鉛直連設板１２を介して取付
け、フツク本体１を電線Ｃに係止せしめて同梯子
を立掛けるべく、同フツク本体１下方の開口部７
を閉塞状態にしている閉塞用開閉体３を、下側面
３−３に添つて電線Ｃに押圧摺動せしめれば、同
電線Ｃの押圧反力は螺旋状に形成された下側面３
−３に添つて作用し、電線Ｃは、発条体２１の付
勢により右側脚柱５下部に圧接している先端３−
１を同脚柱５より押圧開放して、上方の閉塞空間
内に移動すると共に、フツク本体１の弯曲部６に
当接して、フツク本体１は電線Ｃに係止された状
態となるものであり、同状態にて所要の作業を行
なえば、突風等によつて電線Ｃが振動しても、フ
ツク本体１の下方の開口部７は閉塞用開閉体３に
より閉塞されているために、フツク本体１の係止
状態は確実に保持されているものである。

そして、作業終了時後は、作業者はフツク本体
１を係止状態としたまま梯子Ｂより地上に降り、
紐体２５を地上より引張することにより閉塞用開
閉体３を開放状態とし、開口部７を介して、フツ
ク本体１の係止状態を解除して、梯子Ｂを収納す
ればよいものである。

この際、紐体２５は、フツク本体１の係止解除
後、解放すれば発条体２１の付勢により閉塞用開
閉体３を閉塞状態にもどすことができるものであ
る。

また、フツク本体１を電線等に係止する際に
は、地上より紐体２５を遠隔操作して、閉塞用開
閉体３を解放せしめた状態で同係止作業を行なえ
ば、より一層迅速、かつ、簡便に作業が行なえる
ものであり、また、同開閉体３が閉塞状態でも、
同開閉体３の下側面３−３を、電線等に対して斜
め横方向により同開閉体３の開放方向に圧接すれ
ば、容易に同開閉体３は開放されるものである。

なお、フツク本体１の左側脚柱４に設けたスト
ツパー機構２は、スプリング１６の付勢により、
矩形柱状嵌合体１７の正方形挿通孔１３への嵌合
状態を保持せしめているものであるが、作業条件
によつては、フツク本体１を下方へ押圧して脚柱
４をスプリング１６の付勢に抗して下方へ摺動せ
しめることにより同嵌合状態を解除し、同状態に
フツク本体１を所要の方向へ直角、ないしは、２
直角に回動させてそのまま上方へ摺動させること
により嵌合状態にもどせば、フツク本体１の右側
脚柱５をブラケツト９に対して相対変位せしめれ
ばよいものである。

本発明によれば、梯子・竿体等の長尺物に取付
可能に構成した逆Ｕ字状フツク本体と、同フツク
本体に軸支した閉塞用開閉体により、電線等との
係止部分の解除防止機構を保持せしめると共に、
同係止部分の解除を紐体を介して操作可能に構成
しているために、作業者が梯子等に登つている
際、すなわち、作業中、及び、梯子の登り降りの
際には、確実にフツク本体の係止状態が保持され
て、作業者に生命の危機感を与えることなく、そ
のため作業者の作業能率が向上するという効果が
ある。

また、フツク本体は、ストツパー機構を介し
て、梯子等に対して相対変位せしめることができ
るために、作業条件に対する適合度を増すことが
できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案によるフツク装置の斜視図。
第２図は、同装置の正面図。第３図は、同装置の
使用状態を示す斜視図。 Ａ：フツク装置、１：フツク本体、２：ストツ
パー機構、３：閉塞用開閉体、４，５：脚柱、
７：開口部、９：ブラケツト、２５：紐体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 梯子・竿体等の長尺物に取付可能に構成し
   た、逆Ｕ字状フツク本体１の一方の脚柱下部に、
   閉塞用開閉体３の基部を左右回動自在に軸支８す
   ると共に、同閉塞用開閉体３の先端は、フツク本
   体１の他方の脚柱下部に横側方から当接すべく回
   動付勢し、逆Ｕ字状フツク本体１の下方開口部７
   を閉塞用開閉体３にて開閉自在にし、しかも、同
   閉塞用開閉体３の下縁部を凹状弯曲面に形成して
   なるフツク構造。 ２ 梯子・竿体等の長尺物に取付可能に構成し
   た、逆Ｕ字状フツク本体１の一方の脚柱下部に、
   閉塞用開閉体３の基部を左右回動自在に軸支８す
   ると共に、同閉塞用開閉体３の先端は、フツク本
   体１の他方の脚柱下部に横側方から当接すべく回
   動付勢し、逆Ｕ字状フツク本体１の下方開口部７
   を閉塞用開閉体３にて開閉自在にし、しかも、同
   閉塞用開閉体３の下縁部を凹状弯曲面に形成し、
   更に、同閉塞用開閉体３には回動操作用の紐体２
   ５を連結し、同紐体２５の下方引張り操作によつ
   て、フツク本体１の下方開口部７の開閉操作がで
   きるべく構成してなるフツク構造。 ３ 梯子・竿体等の長尺物に取付可能に構成し
   た、逆Ｕ字状フツク本体１の一方の脚柱下部に、
   閉塞用開閉体３の基部を左右回動自在に軸支８す
   ると共に、同閉塞用開閉体３の先端は、フツク本
   体１の他方の脚柱下部に横側方から当接すべく回
   動付勢し、逆Ｕ字状フツク本体１の下方開口部７
   を閉塞用開閉体３にて開閉自在にし、しかも、同
   閉塞用開閉体３の下縁部を凹状弯曲面に形成し、
   同フツク本体１の一方の脚柱には、長尺物に取付
   けるためのブラケツト９を回動自在に設け、同ブ
   ラケツト９と脚柱との間に、フツク本体１の回動
   固定用のストツパー機構２を介在せしめてなるフ
   ツク構造。