JPS6238137Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は石油を加熱により気化器内で予め気化
し、これをノズルを介してバーナーに供給して燃
焼させるようにした気化式石油燃焼器に係り、特
にタール分を除去するための空焼きに関する。

従来、気化式液体燃料燃焼装置に於いて、空焼
きスイツチの閉成時送油ポンプを作動させ、空と
なつた燃料タンク内の空気を気化室内に供給する
と共にヒーターに通電し気化室を一定温度（約
420℃）に加熱する空焼き装置なるものを備えた
ものが有るが（特願昭55−176001）、此の種のも
のに於いては燃料タンク内の燃料の有無にかかわ
らず空焼きスイツチを閉成すると上記空焼き装置
が動作する構成となつているため、使用者が燃料
タンク内に燃料が有るにもかかわらず誤まつて空
焼きスイツチを閉成した場合には送油ポンプの駆
動により燃料タンク内の燃料が気化器に送られ、
該気化器がヒーターによつて高温に加熱されてい
るために気化ガスがガス噴射ノズルより噴射し発
煙不快臭を発生するという欠点が有つた。

又、正常燃焼中に誤つて空焼きスイツチを閉成
した場合も、気化室の温度が高くなるため、燃焼
が異常になつたり、臭気が発生したりする欠点が
あつた。

本考案は上述欠点を除去すべく考案されたもの
で、以下図示の一実施例により詳細に説明する。

１は燃料タンクにして、その上部には電動式の
送油ポンプ２が取り付けられて居り、該送油ポン
プ２の駆動により送油ポンプ３を介して気化器４
に給油されるようになつている。該気化器４は気
化室５を有して居り、その外周壁には適当な温度
制御手段によつて通電制御されるヒーター６が取
り付けられて居り、該ヒーター６によつて通常燃
焼時には250℃程度に、又空焼き燃焼時には420℃
程度に加熱されるようになつている。

７は気化器４の上部に形成されたガス噴射ノズ
ルにして、気化室５内で気化された気化ガスをバ
ーナー（図示せず）のインレツト部側に噴射させ
るものである。８は消火時に気化器４内の残溜燃
料を燃料タンク１内に戻すための戻りパイプにし
て、該戻りパイプ８中には通常燃焼中は閉成し、
消火時に開成される電磁弁９が介挿されている。

１０は燃料タンク１の燃料の有無を検出するフ
ロートスイツチ（燃料検出手段）にして、スイツ
チ本体１２と、該スイツチ本体１２より下方に延
出し、且つその下端部にリードスイツチ１１を有
するガイド棒１３と、該ガイド棒１３を油面に合
わせて上下動するフロート１４と、燃料に含まれ
る水分を検出する電極棒１５とからなつて居り、
上記フロート１４の下面には前記ガイド棒１３の
下端部に設けられたリードスイツチ１１を開閉す
るための磁石１６が取り付けられている。

上記フロートスイツチ１０は燃料タンク１内の
油面の位置に応じてフロート１４が上下動し、こ
のフロート１４の上下動により磁石１６の磁力に
よりリードスイツチ１１を開閉する。

上記リードスイツチ１１はフロート１４が上方
にある時は開成し、油面が一定位置より下方に位
置した時に閉成されるようになつて居り、該リー
ドスイツチ１１の閉成時には空焼きスイツチ（図
示せず）を閉成した時に上記送油ポンプ２及びヒ
ーター６に通電されるようになつている。即ち、
空焼き装置が動作するものである。又、リードス
イツチ１１が開成している場合には、空焼スイツ
チを閉成した場合でも上記空焼き装置が動作しな
いような回路構成（手段）となつている。

ここで本考案の作用について説明する。先ず通
常の燃焼に際しては、燃料タンク１内に燃料が貯
溜されているので、フロート１４は上方に位置
し、磁石１６の磁石によつてリードスイツチ１１
は開成されている。

而して、燃焼運転を開始すると、送油ポンプ２
及び電磁弁９に通電され、送油ポンプ２が駆動す
ると共に電磁弁９が閉成される。このため、送油
ポンプ２からの燃料は送油パイプ３を介して気化
器４内に供給される。該気化器４はヒーター４に
よつて加熱され、約250℃の温度に保たれている
ので、気化器４内に供給された燃料は気化し、ガ
ス噴射ノズル７よりバーナー側に供給されて周知
の燃焼を行なう。

又、消火に際しては消火スイツチ（図示せず）
を閉成すると、上記送油ポンプ２、電磁弁９及び
ヒーター６への通電が遮断され、気化器４への燃
料の供給が停止されると共に、上記電磁弁９が開
成されるため気化器４に残溜する燃料は戻りパイ
プ８を介して燃料タンク１内に戻され、バーナー
の燃焼炎は瞬時に停止される。

今、空焼きを行ないたい場合には「空焼きスイ
ツチ」を閉成して空焼き装置の駆動回路を構成す
れば良く、この時燃料タンク１内に燃料が所定量
以上に貯溜されている場合にはフロート１４が上
方位置にあるためリードスイツチ１１は開となつ
ているので上記空焼き装置は駆動されない。そし
て、燃料タンク１内の燃料が所定量以下若しくは
全く無い場合にはリードスイツチ１１が閉成され
ているので、上記「空焼きスイツチ」の閉成と同
時に送油ポンプ２及びヒーター６に通電され、気
化器４内が約420℃に加熱されると共に、送油ポ
ンプ２からは気化器４内に空気が供給され、空焼
き動作が行なわれる。尚、電極棒１５は燃料中の
水分を検出し、所定量以上の水がある時には燃焼
を行わせないようにするためのものである。

本考案は、以上の如く空焼きスイツチの閉成に
伴つて、送油ポンプを駆動すると共にヒーターに
より気化室を加熱する空焼き装置を備えた気化式
液体燃料燃焼装置に於いて、燃料タンク内の燃料
の有無を検出する燃料検出手段を設け、該燃料検
出手段の燃料なしの検出時のみ上記空焼き装置を
動作させ得るようにしたものであるから、正常燃
焼中あるいは燃料タンク中に所定量以上の燃料が
有ることを知らないで、使用者が空焼きスイツチ
を閉成した場合でも上記空焼き装置が動作しない
ため従来のような異常燃焼や発煙による不快臭を
生じることがないという顕著な効果を奏し得るも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の要部概略構成図、第２図
は本考案装置に用いられるフロートスイツチの一
部拡大断面図を示す。 １……燃料タンク、２……送油ポンプ、４……
気化器、５……気化室、６……ヒーター、１０…
…フロートスイツチ、１１……リードスイツチ、
１４……フロート、１６……磁石。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 空焼きスイツチの閉成に伴つて、送油ポンプを
   駆動すると共にヒーターにより気化室を所定温度
   以上に加熱する空焼き装置を備えた気化式液体燃
   料燃焼装置に於いて、 燃料タンク内の燃料の有無を検出する燃料検出
   手段を設け、該燃料検出手段の燃料なしの検出時
   のみ上記空焼き装置を動作させる手段を設けた事
   を特徴としてなる気化式液体燃料燃焼装置。