JP2688768B2 - 気化式石油燃焼器 - Google Patents

気化式石油燃焼器

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正彰 橋本
正治 荒巻
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株式会社日立ホームテック
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は灯油等の液体燃料を加熱気化して燃焼させる
気化式石油燃焼器に関するものである。
従来の技術 この種の気化式石油燃焼器の従来例を第3図によって
説明する。
図において、1はカートリッジタンク、2は油受け皿
である。3は灯油等の液体燃料(以下灯油という)を送
油する電磁ポンプで、送油パイプ4の途中に設けられて
いる。5は気化器で、全体は水平に設けられ、中心のヒ
ーター6、その外周の両端を閉塞した水平2重管7およ
びサーミスタよりなる気化部温度検出素子8とで構成さ
れている。給油パイプ4は気化器5の一端の最下部に接
続され、同他端の最上部には気化ガスパイプ9が接続さ
れている。10はノズルで、内部にノズル孔11を開閉する
ニードル12を有している。13はノズル10の内部を大気に
開放する弁14を有するソレノイドで、ニードル12と連結
され、スプリング15によりノズル孔11が常開にセットさ
れている。(同時に弁14は常閉となっている)19はノズ
ル10内の圧力を開放するための戻しパイプで、他端は由
受け皿2の上部に接続されている。16はノズル10から噴
出された気化ガスのエネルギーで空気を吸引し、燃焼す
るバーナである。20は制御手段で、電磁ポンプ3、ヒー
ター6、温度検出素子8およびソレノイド13等と電気的
に接続されている。
以下上記構成からなる従来例の作用について、第4図
のタイミングチャートにより説明する。同図は各構成の
動作時間との関係を斜線部分で示したものである。運転
スイッチ(図示せず)をONすると制御手段20はヒーター
6の通電を制御し、気化器5の予熱を開始する。この時
気化部温度検出素子8の温度が100℃以下の場合はヒー
ター6に通電され、気化器5は次第に温度上昇し、100
℃以上になるとソレノイドがONし、弁14を開くと同時に
ニードル12が第3図において左方に移動し、ノズル10を
掃除する。さらに温度上昇し、200℃以上になると電磁
ポンプ3が駆動され、灯油を油受け皿2より吸い上げ、
気化器5に給油する。同時に弁14を閉じると同時にノズ
ル孔11が開き、気化器5で気化された気化ガスは気化ガ
スパイプ9を通り、ノズル孔11よりバーナ16へ噴出され
る。この時空気を吸引し、点火器(図示せず)により点
火され、燃焼する。気化器5の温度は温度検出素子8と
制御手段20により200℃以下にならないようにヒーター
6の通電を制御して高温状態を保つようになっている。
運転制御のために運転スイッチをOFFすると電磁ポンプ
3、ヒーター6がOFFとなる。次に気化器5の温度が徐
々に下がり200℃以下になると温度検出素子8によりソ
レノイド13がONし、弁14が開き、給油パイプ4および気
化器5、戻しパイプ19が完全に大気開放となるので内部
の灯油は完全に油受け皿2に戻る。
以上説明したように従来例ではノズル10の掃除は運転
の前後2回、気化器5が100〜200℃の時に行なわれ、し
かも通常非通電時はノズル10は開放されているのでニー
ドル12が固着することが少ない。(例えば実開昭59−48
451号公報) 別の従来例として上記とほぼ同じ構成であるが、運転
スイッチをONすると、ノズル孔11を閉として、ヒーター
に通電し予熱し、気化器5が所定の温度になると、燃料
を供給し気化ガスとすると共に、ノズル孔11を開放し、
気化ガスをバーナー16へ噴出させ燃焼を開始する。運転
停止時は、燃料の供給を停止するが、気化器5やノズル
10内の気化ガスがノズル孔11から排出するよう一定時間
経過してからソレノイド13に通電し、ノズル孔11を閉
じ、戻しパイプ19から油受け皿2へ回収される燃料を少
なくしたものがある。(特開昭61−96325号公報) 発明が解決しようとする課題 前記従来例では、気化器5の予熱完了と同時に電磁ポ
ンプ3を動作させて気化器5へ燃料を供給し、ノズル孔
11より気化ガスを噴出させ点火を開始するものである
が、気化器5内の空気と混合しながら噴出してくる。こ
のため最初に燃料の薄い混合気が出てくるために点火音
が発生したり、点火困難となったりと不安定になり易か
った。また予熱時や、消火時僅かの時間後に弁14が開
き、気化器5内やノズル10内の気化ガスが由受け皿2を
介して大気に開放されるので臭気の原因にもなってい
た。
課題を解決するための手段 本発明は上記課題を解決するためになされたものであ
り、 a)ノズルと油受け皿とを先端が油受け皿内の液中に埋
没している戻しパイプを介して接続し、気化器に設けた
温度検出素子とノズルを開閉するソレノイドと気化器に
燃料を供給する制御手段を接続し、点火操作後ノズルが
閉止した時に一定時間電磁ポンプを駆動させる。(請求
項1) b)点火操作後ノズルが閉止した時に一定時間電磁ポン
プを駆動させ、且つノズル開放時の電磁ポンプの燃料供
給量を定常燃焼量より少なくする。(請求項2) c)消火操作後気化器の温度が所定の温度まで低下した
時にノズルを開放させる。(請求項3) 作用 本発明は上記の如く構成したことによりノズルから油
受け皿内の液中に達するように設けた戻しパイプはノズ
ルが閉止している時に気化器やノズル内の気化ガスを大
気中に開放することなく油受け皿内の液中に戻して臭気
を軽減する作用をし、電磁ポンプと温度検出素子とソレ
ノイドに接続した制御手段は点火操作後ノズルが閉止し
た時に一定時間だけ気化器に燃料を供給し、ノズル開放
時に定常時より少ない量の燃料を供給し、点火時に噴出
する気化ガスを安定させる作用をすると共に、消火時に
気化器の温度が所定の温度に低下するまでノズルを閉止
して消火後ノズルより臭気が出るのを防止し、その時点
でノズルを開放し、負圧となり戻しパイプ内に残ってい
る油を由受け皿に戻す作用をする。
実施例 第1図は本発明の一実施例を施した気化式石油燃焼器
の構成図、第2図はその動作説明用タイミングチャート
である。
図において、17は気化器5内やノズル11内の気化ガス
を油受け皿2に戻す戻しパイプで、他方は由受け皿2の
上部に接続され、その先端は油受け皿2内の液体燃料中
に埋没している。18は制御手段で、電磁ポンプ3、ヒー
ター6、温度検出素子8およびソレノイド13等と電気的
に接続されている。上記以外の油タンク1乃至バーナ16
迄の部品は番号、部品名共従来例と同様であるので説明
を省略する。
次に上記構成からなる本実施例の作用について説明す
る。
運転スイッチ(図示せず)をONすると、制御手段18は
ヒーター6の通電を制御し、気化器5の予熱を開始す
る。温度検出素子8は気化器5が所定の温度(約160
℃)に達したことを検知すると、ソレノイド13に通電
し、弁14を開くと同時にニードル12がノズル孔11を掃除
しながら閉止させる。その時一定時間(T1)だけ電磁ポ
ンプ3を運転する。次に気化器5がt1(約225℃)にな
ると温度検出素子8がこれを検知検知し、点火プラグ
(図示せず)より放電(約20秒間)が開始されるととも
に、電磁ポンプ3に通電され、油受け皿3より気化器5
に通常燃焼量と同等または少ない量の灯油が供給され
る。これと同時にソレノイド13への通電が止められ、ニ
ードル12がスプリング15の力で戻り、弁14を閉じると同
時にノズル孔11を開放し、気化器5で気化された気化ガ
スは気化ガスパイプ9を通りノズル10よりバーナ16へ噴
出される。この時気化ガスは噴出する際のエジェクト効
果により一次空気を吸引し、バーナ16内で混合され、バ
ーナ16の炎孔にて点火器(図示せず)により点火され燃
焼する。気化器5の温度は温度検出素子8と制御手段18
によりヒーター6の通電を制御して所定の高温を保つよ
うになっている。
次に運転スイッチをOFFすると、電磁ポンプ3、ヒー
ター6がOFFとなると同時に、ソレノイド13に通電し、
ニードル12が作動し、ノズル孔11を開放し、弁14を開
き、気化器5内やノズル10内の残留気化ガスは戻しパイ
プ17を介し油受け皿2内の灯油内に戻る。徐冷されるに
つれ負圧となるので戻しパイプ17内の液面は上昇する。
続いて気化器5が所定の温度t2(約160℃)に下がった
のを温度検出素子8が検知すると、ソレノイド13への通
電が停止され、ニードル12が解除されノズル孔11が開放
されると同時に戻しパイプ17内の液面は油受け皿2内の
液面まで下がる。
以上の如く、点火前に一定時間T1送油するので点火開
始時は毎回ほぼ同じ気化ガス濃度から放電されるので点
火音も少なく確実な点火が出来、戻しパイプ17の端部が
油受け皿2の液中に埋没しているから気化ガスが大気中
に開放されないので臭気が少ない。又一回使用するとニ
ードル12はノズル孔11を二回掃除する。
発明の効果 以上により本発明では、ノズルと油受け皿とを端部が
液中に埋没した戻しパイプを介して接続したから、ノズ
ル閉止時に気化ガスを大気中に出さずに臭気を少なくす
る効果がある。また予熱時に一定時間だけ電磁ポンプを
運転するから、点火開始時の気化ガス濃度の適正化がな
され点火音が軽減され、点火性能が向上する効果があ
り、更に点火開始時の送油量を定常燃焼量より少なくす
るとより効果がある。一方消火時に気化器の温度が所定
の温度まで下がった時にノズルを開放させるものとした
から、戻しパイプを液中に埋没していても気化器やノズ
ルに燃料を逆流したり残るのを防ぐ効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例による気化式石油燃焼器の構
成説明図、第2図はその動作説明用タイミングチャー
ト、第3図は従来の気化式石油燃焼器の構成説明図、第
4図はその動作説明用タイミングチャートである。 2……油受け皿、3……電磁ポンプ、 5……気化器、6……ヒーター、 8……温度検出素子、10……ノズル、 11……ノズル孔、12……ニードル、 13……ソレノイド、16……バーナ、 17……戻しパイプ、18……制御手段。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノズル孔(11)を開閉するためのニードル
    (12)を内蔵するノズル(10)に、ヒーター(6)を具
    備する気化器(5)と、ニードル(12)を駆動し、ノズ
    ル孔(11)を開閉させるソレノイド(13)を接続し、気
    化器(5)と油受け皿(2)とを電磁ポンプ(3)を介
    して接続し、気化器(5)内に電磁ポンプ(3)により
    液体燃料を供給し、ここで気化した気化ガスをノズル
    (10)に導き、バーナ(16)で燃焼させるようにした気
    化式石油燃焼器において、前記ノズル(10)と油受け皿
    (2)とを先端が油受け皿(2)内の液体燃料中に埋没
    している戻しパイプ(17)を介して接続し、前記気化器
    (5)に温度検出素子(8)を設け、この温度検出素子
    (8)と前記ソレノイド(13)に気化器(5)の温度を
    検出してニードル(12)にてノズル孔(11)を開閉し、
    点火操作後ノズル孔(11)が閉止した時に一定時間
    (T1)電磁ポンプ(3)を駆動させる制御手段(18)を
    接続したことを特徴とする気化式石油燃焼器。
  2. 【請求項2】気化器(5)の温度を検出してニードル
    (12)にてノズル孔(11)を開閉し、点火操作後ノズル
    孔(11)が閉止した時に一定時間(T1)電磁ポンプ
    (3)を駆動させ、且つ気化器(5)が所定の温度
    (t1)に達してノズル孔(11)を開放した時の電磁ポン
    プ(3)の燃料供給量を定常燃焼時よりも少なくさせる
    制御手段(18)とした請求項1記載の気化式石油燃焼
    器。
  3. 【請求項3】気化器(5)の温度を検出してニードル
    (12)にてノズル孔(11)を開閉し、消火操作後気化器
    (5)の温度が所定の温度(t2)まで下がった時にノズ
    ル孔(11)を開放させる制御手段(18)とした請求項1
    又は請求項2記載の気化式石油燃焼器。
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US5617995A (en) * 1994-04-22 1997-04-08 Nippon Soken Inc Combustion heater
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