JPH0612350Y2 - 温風暖房器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は温風暖房器に係り、点火シーケンスの改善によ
って点火性能を高めるとともに安全性をも向上させたも
のである。

従来の技術 従来の構成の概略を第３図ないし第５図で説明する。

運転スイッチ１の投入が行われると、マイクロコンピュ
ータによって構成された制御装置８は気化器ヒータ３を
作動させ、ソレノイド４を作動させて気化器の気化ガス
噴出口を閉じ、気化器温度が所定値に達する等の点火準
備完了（点火指令）と同時にソレノイド４を作動させて
気化器の気化ガス噴出口を開き、次いで電磁ポンプ２を
作動開始させ、点火器５を作動開始させ、かつ温風ファ
ン６を作動開始させるとともにフレーム検出器７を通し
て燃焼フレームを検出しているか否かを判定していた。

そしてフレーム有りと判定したときには、気化器ヒータ
３、温風ファン６および電磁ポンプ２の作動を継続させ
たまま点火器５を停止させて暖房のための運転に移行さ
せる一方、フレーム無しと判定したときには、温風ファ
ン６を停止させ、ソレノイド４を作動させて気化器の気
化ガス噴出口を閉じ、温風暖房器の運転を全停止させる
ものであった。

考案が解決しようとする課題 しかし、この従来例の場合は、点火指令（点火準備完
了）と同時にソレノイド４を作動させて気化器の気化ガ
ス噴出口を開き、電磁ポンプ２を作動開始させるため、
噴出する気化ガスの濃度は最初が薄くその後徐々に濃く
なるので、瞬時に点火されないことがあり、室内に白煙
を出しながら点火することがあった。また、点火ミスの
ためにフレーム無しの判定に至るような場合には、電磁
ポンプ２が作動している間中白煙が室内に放出され続け
るという欠点もあった。このため、噴出する気化ガスの
濃度を一定にして噴出させることが重要であった。

課題を解決するための手段 本考案は上述の問題点を解決するためになされたもので
あり、暖房運転の開始信号を発生する運転スイッチと、
気化器に液体燃料を供給する電磁ポンプと、気化器を加
熱する気化器ヒータと、気化器の気化ガス噴出口を開閉
するソレノイドと、気化器から噴出する気化ガスに点火
する点火器と、気化ガスの燃焼によって発生した高温ガ
スを暖房室内空間に吐き出させる温風ファンと、燃焼フ
レームを検出するためのフレーム検出器と、そして運転
スイッチの投入があったときに気化器ヒータを作動開始
させ、ソレノイドを作動させて気化器の気化ガス噴出口
を閉じ、電磁ポンプを作動開始させ、点火器を作動開始
させ、ソレノイドを作動させて気化器の気化ガス噴出口
を開き、かつ温風ファンを作動開始させるとともに、フ
レーム検出器を通して燃焼フレームを検出しているか否
かを判定し、フレーム有りと判定したときには気化器ヒ
ータ、温風ファンおよび電磁ポンプの作動を継続させた
まま点火器を停止させて暖房のための運転に移行させる
一方、フレーム無しと判定したときには、気化器ヒータ
を継続作動させたまま温風ファン、電磁ポンプおよび点
火器を一旦停止させるとともにソレノイドを作動させて
気化器の気化ガス噴出口を閉じ、その後再び電磁ポンプ
を作動開始させ、点火器を作動開始させ、ソレノイドを
作動させて気化器の気化ガス噴出口を開き、温風ファン
を作動開始させ、かつフレーム検出器を通して燃焼フレ
ームを検出しているか否かを判定し、フレーム有りと判
定したときには気化器ヒータ、温風ファンおよび電磁ポ
ンプの作動を継続させたまま点火器を停止させて暖房の
ための運転に移行させ、フレーム有りと判定されること
なく連続してフレーム無しと判定したときには、ソレノ
イドを作動させて気化器の気化ガス噴出口を閉じ、温風
ファンを停止させ、かくしてフレーム無しを複数回連続
して判定した場合は温風暖房器の運転を全停止させるよ
う制御する制御装置とで温風暖房器を構成する。

作用 このように構成することにより、運転スイッチの投入が
あったときに制御装置は気化器ヒータを作動開始させ、
ソレノイドを作動させて気化器の気化ガス噴出口を閉
じ、電磁ポンプを作動開始させ、点火器を作動開始さ
せ、ソレノイドを作動させて気化器の気化ガス噴出口を
開き、かつ温風ファンを作動開始させるとともに、フレ
ーム検出器を通して燃焼フレームを検出しているか否か
を判定し、燃焼フレームが検出されていれば点火器を止
めて暖房運転に移行する。

しかし、フレーム無しと判定したときには気化器ヒータ
を継続作動させたまま、ソレノイドを作動させて気化器
の気化ガス噴出口を閉じ、温風ファンを停止させ、電磁
ポンプを停止させる。

本考案においては、その後再び電磁ポンプと点火器を作
動開始させ、ソレノイドを作動させて気化器の気化ガス
噴出口を開き、温風ファンを作動開始させ、かつフレー
ム検出器を通して燃焼フレームを検出しているか否かを
判定する。

そこでフレームが検出されていれば前述同様点火器を止
めて暖房運転に移行する。しかし、フレーム有りと判定
されることなく連続してフレーム無しと判定したときに
は、ソレノイドを作動させて気化器の気化ガス噴出口を
閉じ、温風ファンを停止させ、電磁ポンプを停止させ、
かくしてフレーム無しを複数回連続して判定した場合は
温風暖房器の運転を全停止させるよう制御する。

実施例 以下、本考案の一実施例を第１図、第２図および第３図
に従って説明する。なお第３図は従来例の説明にも用い
たものであり、運転シーケンスを異にするだけで、その
他は共通である。

各図において、１は暖房運転の開始信号を発生する運転
スイッチ、２は気化器に液体燃料を供給する電磁ポン
プ、３は気化器を加熱する気化器ヒータ、４は気化器の
気化ガス噴出口を開閉するソレノイド、５は気化器から
噴出する気化ガスに点火する点火器、６は燃焼によって
発生した高温ガスを暖房室内空間に吐き出させる温風フ
ァン、７は燃焼フレームを検出するためのフレーム検出
器、８は温風暖房器の運転を制御する制御装置であり、
そして９は電源である。

この構成において、運転スイッチ１の投入があると、制
御装置８は気化器ヒータ３を作動開始させ、続けてソレ
ノイド４を作動させて気化器の気化ガス噴出口を閉じ
る。その状態で電磁ポンプ２を作動開始させて気化器内
圧力を高めると同時に点火器５を作動開始させ、この圧
力上昇および点火器動作が行われているところへソレノ
イド４を作動させて気化器の気化ガス噴出口を開き、か
つしばらく後に温風ファン６を作動開始させる。そして
フレーム検出器７を通して燃焼フレームを検出している
か否かを判定し、フレーム有りと判定したときには気化
器ヒータ３、温風ファン６および電磁ポンプ２の作動を
継続させたまま点火器５を停止させて暖房のための運転
に移行させる。その一方で、フレーム無しと判定したと
きには、気化器ヒータ３を継続作動させたまま、温風フ
ァン６、電磁ポンプ２および点火器５を一旦停止させ
る。その後やや時間をおいてソレノイド４を作動させ、
気化器の気化ガス噴出口を閉じる。そして、しばらく後
ソレノイド４を作動させて気化器の気化ガス噴出口を開
き、それと同時に再び電磁ポンプ２と点火器を作動開始
させ、ソレノイド４を作動させて気化器の気化ガス噴出
口を開き、少しした時点で温風ファン６を作動開始させ
る。

この時点では、先の第１回目の点火動作時と違って、気
化ガス噴出口から噴出される気化ガスは均一な濃度にな
るので、噴出開始と電磁ポンプ２および点火器５の作動
開始が同時でも、良好な燃焼開始が可能である。

そしてその後、温風ファン６を作動開始させる。かつフ
レーム検出器を通して燃焼フレームを検出しているか否
かを再び判定し、そこでフレーム有りと判定したときに
は、気化器ヒータ３、送風手段６、電磁ポンプ２および
温風ファン６の作動を継続させたまま点火器５を停止さ
せて暖房のための運転に移行させる。第一回目のフレー
ム判定時と同様である。

しかし、フレーム有りと判定されることなく連続してフ
レーム無しと判定したときには、ソレノイド４を作動さ
せて気化器の気化ガス噴出口を閉じ、温風ファン６を停
止させ、つまり、フレーム無しを連続して判定した場合
は、温風暖房器の運転を全停止させるよう制御する。

実施例の構成は以上の通りであり、ソレノイド４を作動
させて気化器の気化ガス噴出口を開く前に、電磁ポンプ
２を作動開始させて、噴出される気化ガスの濃度が一様
になる条件を整え、また点火器を予め作動開始させてい
るところへソレノイド４を作動させて噴出開始させるの
で、点火の確実性を大幅に改善することができた。

また、１回目の点火に失敗しても、再度続けて２回目の
点火動作が実行されるので、単純な原因で点火が失敗し
たような場合には、この２回目の点火動作により確実に
暖房運転に入ることができて、快適性が損なわれること
がない。

考案の効果 以上本考案によると、気化器から気化ガスが噴出すると
きには、それにさきがけて電磁ポンプと点火器が作動し
ているために点火の確実性が高まり、点火の失敗による
白煙の発生を抑えるのに極めて有効である。また、一回
目の点火動作が失敗しても、それに続く点火動作で確実
に点火できるようにしているので、暖房器としての使い
勝手が損なわれることなく安全性および確実性を高める
ことができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例の点火シーケンスのフローチャ
ート、第２図は本考案一実施例の点火動作タイミングチ
ャート図、第３図は従来例のみならず本考案の説明に用
いる温風暖房器の構成概略図である。第４図は従来例の
点火シーケンスのフローチャート、そして第５図は従来
例の点火動作のタイミングチャートである。 １……運転スイッチ、２……電磁ポンプ、 ３……気化器ヒータ、４……ソレノイド、 ５……点火器、６……温風ファン、 ７……フレーム検出器、８……制御装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】暖房運転の開始信号を発生する運転スイッ
   チ（１）と、気化器に液体燃料を供給する電磁ポンプ
   （２）と、気化器を加熱する気化器ヒータ（３）と、気
   化器の気化ガス噴出口を開閉するソレノイド（４）と、
   気化器から噴出する気化ガスに点火する点火器（５）
   と、気化ガスの燃焼によって発生した高温ガスを暖房室
   内空間に吐き出させる温風ファン（６）と、燃焼フレー
   ムを検出するためのフレーム検出器（７）と、そして前
   記運転スイッチの投入があったときに前記気化器ヒータ
   を作動開始させ、前記ソレノイドを作動させて気化器の
   気化ガス噴出口を閉じ、前記電磁ポンプを作動開始さ
   せ、前記点火器を作動開始させ、前記ソレノイドを作動
   させて気化器の気化ガス噴出口を開き、かつ前記温風フ
   ァンを作動開始させるとともに、前記フレーム検出器を
   通して燃焼フレームを検出しているか否かを判定し、フ
   レーム有りと判定したときには前記気化器ヒータ、前記
   温風ファンおよび前記電磁ポンプの作動を継続させたま
   ま前記点火器を停止させて暖房のための運転に移行させ
   る一方、フレーム無しと判定したときには、前記気化器
   ヒータを継続作動させたまま前記温風ファン、前記電磁
   ポンプおよび前記点火器を一旦停止させるとともに前記
   ソレノイドを作動させて気化器の気化ガス噴出口を閉
   じ、その後再び前記電磁ポンプを作動開始させ、前記点
   火器を作動開始させ、前記ソレノイドを作動させて気化
   器の気化ガス噴出口を開き、前記温風ファンを作動開始
   させ、かつ前記フレーム検出器を通して燃焼フレームを
   検出しているか否かを判定し、フレーム有りと判定した
   ときには前記気化器ヒータ、前記温風ファンおよび前記
   電磁ポンプの作動を継続させたまま前記点火器を停止さ
   せて暖房のための運転に移行させ、フレーム有りと判定
   されることなく連続してフレーム無しと判定したときに
   は、前記ソレノイドを作動させて気化器の気化ガス噴出
   口を閉じ、前記温風ファンを停止させ、かくしてフレー
   ム無しを複数回連続して判定した場合は温風暖房器の運
   転を全停止させるよう制御する制御装置（８）とで構成
   されていることを特徴とする温風暖房器。