JPH0241464Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈技術分野〉 本考案は液体燃料を気化する気化器を有する液
体燃料気化式燃焼器に関するものである。

〈従来技術〉 従来の液体燃料気化式燃焼器では、タンク内の
液体燃料をポンプで気化器に圧送し、気化器をヒ
ーターで加熱して液体燃料を気化させて気化燃料
とし、ノズルよりバーナー中へ噴出してバーナー
炎孔上で燃焼させていた。このブンゼン形の燃焼
器は一般にノズルに付着するカーボンを除去する
ために掃除棒とこれを駆動する電磁弁が設けら
れ、また燃焼停止時（消火時）に液体燃料をタン
クに戻すために戻りパイプの途中又は末端に電磁
弁を具えていた。

さて、この燃焼器の消火時であるが、一般には
スイツチを押すと同時にポンプの運転が停止さ
れ、気化器への液体燃料の供給が断たれ、また戻
りパイプの電磁弁が開成されることにより液体燃
料がタンクへ戻り、消火していた。また消火をよ
り迅速にし、また消火時の臭気の低減を図るため
にポンプ停止及び戻りパイプ用電磁弁の開成と同
時に掃除棒を駆動してノズルを閉止するものもあ
る。この方法は、ノズルからの気化ガスの噴出を
瞬間的に停止させるので消火時間の短縮には大き
な効果が有り、またノズルを塞いでしまうため
に、未燃の気化ガスが出ることもなく消火時の臭
気を押さえていた。

しかしポンプの停止と同時にノズルを塞ぐため
に気化器中にガスが残りこれが冷却されてタール
化したり、また次回燃焼の予熱時に気化して白煙
として出てきたりしていた。ノズルを掃除棒によ
つて閉止する時間は掃除棒を駆動する電磁弁の連
続運転時間に限度があるため、即ち電磁弁の連続
通電時間は巻線の温度上昇のを考慮して約２分間
に限られるため、あまり長時間とすることはでき
ず、この間に液化せずまだガス状の燃料はノズル
の閉止が解除されたときに出てきて臭気の原因と
なることもあつた。

〈目的〉 本考案は、上記に鑑み、消火時の臭気の発生を
抑えると共に気化器４内のタール分の付着を防止
し、且つ安全性の高い液体燃料気化式燃焼器を提
供しようとするものである。

〈実施例〉 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

まず第１，２図に示す本考案の第一実施例につ
いて説明すると、本考案に係る気化式燃焼器は、
液体燃料タンク１の上部にポンプ２を介して送油
パイプ３が取付けられ、該送油パイプ３に気化器
４に取付けられている。気化器４は、気化器本体
４ａと、該本体４ａの上部に一体形成され先端が
バーナー８の上方に位置する熱回収体４ｂとから
成り、本体４ａの気化室４ｃには金属網、発泡金
属等よりなる気化素子４ｄが内装されている。気
化器４の外周壁には適当な感温素子５（サーミス
タ）によつて通電制御されるヒーター６が取付け
られている。７は気化器４の上部に形成された噴
射ノズルで、気化室４ｃ内で気化された気化燃料
をバーナ８のインレツト部側に噴出させるもので
ある。９Ａは消火時に気化器４内の残留液体燃料
をタンク内に戻す為の戻し路９としての戻しパイ
プで、該戻しパイプ９Ａは気化器４出入口部４ｅ
で前記送油パイプ３と共有しており、この戻しパ
イプ９Ａのタンク側に通常燃焼時には閉成し消火
時に開成される戻し弁１０としての電磁弁１０Ａ
が介挿されている。１１Ａは噴射ノズル７に付着
したカーボンを除去するための掃除棒１２を駆動
する駆動部１１としての電磁弁である。そしてポ
ンプ２、駆動部１１及び戻し弁１０を制御する制
御装置１４が設けられ、該制御装置１４は、一般
的なワンチツプマイクロコンピユータから成り、
内部にデータRAM、プログラムROM、ALU及
びタイマー１５を有するものである。

そして、この制御装置１４は、第２図の如く消
火スイツチ１７からの燃焼の運転停止信号を入力
する入力端子と、タイマー運転時の計時を行うタ
イマー１８からの燃焼の運転停止信号を入力する
入力端子と、対震スイツチ１９からの消火信号を
入力する端子と、過熱検知サーモ２０からの消火
信号を入力する端子と、酸欠センサ２１からの消
火信号を入力する端子と、 ポンプ２、戻し弁１０及び駆動部１１へ制御信
号を出力する出力端子とを有し、 前記燃焼停止信号の入力によりポンプ２へ停止
信号を出力しかつ戻し弁１０へ開信号を出力しそ
の後一定時間（１〜２秒程度）経過後に駆動部１
１に信号を出力し、 前記消火信号により前記ポンプ２へ停止信号、
戻し弁１０へ開信号、駆動部１１に信号を同時に
出力するよう構成されている。なお、対震スイツ
チ１９、過熱検知サーモ２０及び酸欠センサ２１
を合せて安全装置という。これは機器自体あるい
は周囲環境が異常状態になつた場合に働く装置だ
からである。

上記構成において、燃焼運転を開始すると、ポ
ンプ２及び電磁弁１０Ａに通電され、ポンプ２が
駆動するとともに電磁弁１０が閉成される。この
ためポンプ２からの液体燃料はタンク１から送油
パイプ３を介して気化器４内に供給される。気化
器４はヒーター６によつて加熱され、高温に保た
れているので気化器４内に供給された液体燃料は
気化室４ｃで気化し、噴射ノズル７によりバーナ
ー８に供給されて周知の燃焼を行なう。

また消火に際しては、第３図のフローチヤート
に示すように消火スイツチ（図示せず）を閉成す
ると、その信号により制御装置１４からポンプ２
への通電停止信号と電磁弁１０Ａの開成信号が同
時に出力され、ポンプ２が停止し、戻し路１０は
開状態となる。そして制御装置１４ではその後遅
延タイマー１５からの信号により一定時間（１〜
２秒程度）遅らせて、掃除棒１２を駆動する電磁
弁１１Ａへの通電信号が出力され、掃除棒１２が
噴射ノズル７を閉止する。こうすれば気化器４内
の残留液体燃料のうち、ガス化してしまつている
ため、電磁弁１０Ａの開成によつてもタンク１へ
戻らない気化燃料は、一定時間（１〜２秒程度）、
噴射ノズル７よりバーナー８へ入り燃焼する。な
お、このときポンプ２を停止し電磁弁１０Ａを開
成しているため、その燃焼時間は短く、しかもタ
ンク１に戻らない気化燃料のほとんどを燃焼させ
てしまう。そしてその後噴射ノズルを閉止するた
め、気化器中にガスが残りこれが冷却されてター
ル化したり、また次回燃焼の予熱時に気化して白
煙として出てきたりすることを防止できる。従つ
て気化器４内の残留液体燃料は大幅に減少する。

なお、タイマー運転終了時においてタイマー１
８から、運転停止信号が出た場合の動作も同様で
ある。

次に対震スイツチ１９、過熱検知サーモ２０、
酸欠センサ２１の何れかから消火信号が出た場合
は、制御装置１４からポンプ２への通電停止信号
と、電磁弁１０Ａの開成信号と電磁弁１１Ａの通
電信号が同時に出力される。こうすればノズルか
らの気化ガスの噴出が瞬間的に停止されるので消
火はほとんど瞬時に行なわれる。

このような消火方法は気化器内にタール分が発
生したり、臭気を発したりするが、前記の消火信
号が出るのは、通常の運転停止信号の発生に比し
てまれであるから、瞬時消火が優先される緊急時
において、このような消火方法を用いても実使用
上、ほとんど問題がない。

〈効果〉 以上の説明から明らかな通り、本考案は通常消
火時と緊急消火時とで消火動作を変え、通常消火
時は臭気、タール分の発生を抑えると共に緊急時
には瞬間消火を達成することができる。従つて、
使い勝手がよく且つ安全面での信頼度も高まる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案第一実施例を示す液体燃料気化
式燃焼器の構成図、第２図は同じく制御ブロツク
図、第３図は本考案の動作を示すフローチヤート
である。 ２：ポンプ、４：気化器、７：噴射ノズル、
８：バーナー、９：戻し路、１０：戻し弁、１
１：駆動部、１２：掃除棒、１４：制御装置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 液体燃料を圧送するためのポンプと、該ポンプ
   により圧送された液体燃料を気化させて気化燃料
   とするための気化器と、該気化燃料をバーナーへ
   噴出させるための噴射ノズルと、該噴射ノズルを
   開閉するための掃除棒と、該掃除棒を開閉駆動す
   るための駆動部と、前記気化器内の液体燃料を排
   出するための戻し路と、該戻し路を開閉する戻し
   弁と、前記ポンプ、駆動部及び戻し弁を駆動制御
   する制御装置とを具えた気化式燃焼器において、 異常状態を検知する安全装置と、消火スイツチ
   とを設け、 且つ前記制御装置は前記消火スイツチからの信
   号によりポンプの運転を停止させると同時に前記
   戻し弁を開とすると共に一定時間経過後に前記掃
   除棒を閉駆動し、 前記安全装置からの信号により、前記ポンプの
   運転停止と、前記戻し弁の開と、前記掃除棒の閉
   駆動とをほぼ同時に行うよう構成されたことを特
   徴とする液体燃料気化式燃焼器。