JPS589080Y2 - ガス器具用雰囲気監視口火装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はガス器具を取巻く雰囲気を監視する口火装置
、特に、排気手段を備えない家庭用のガス・ヒータ装置
に装備されるかかる形式の装置に関するものである。

多くの国々においては、ガス器具のほとんどのものに、
与えられた燃料の種類によって気中の酸素含有量の明確
な低減に相応した所定の割合の炭酸ガスが周囲の大気中
に感知された時にそれらガス器具の動作を停止させるこ
とのできる安全装置を備えつげるべきことを法的に定め
ている。

かかる形式の公知安全装置では触媒検知装置が代表的な
例である。

しかし、これらは構造が複雑でしかも製造費が高くつく
上、雰囲気監視手段としての働きしかもたず、従ってバ
ーナの点火あるいは再点火に用い得ない点で不都合であ
る。

これらの他にも、周囲の被監視雰囲気の酸素含有量が装
置の感度に相応した所定レベル以下になった時に起る、
１つまたはいくつかの炎の消滅、歪みあるいは移動に応
動する装置も提案されている。

炎は、装置へ到っているガス供給導管に挿置された電磁
弁を制御する熱電対等の感応素子と組合わされる。

周囲の雰囲気の組成が正常の時には、口火の炎に上り熱
電対の感応素子が熱せられ、従ってその熱電対は、電磁
弁に与えられると同時に電磁弁をその開位置に保持して
被制御装置のバーナへの燃料供給を一定に維持するに十
分な電流を出すに十分なだけの温度にまで熱せられる。

周囲雰囲気の酸素含有量が何らかの理由で所定限度以下
に下ると、炎は消される、あるいは歪められるか長くさ
れて、熱電対の感応素子はも早や十分な熱を与えられな
くなり、従ってこの熱電対の温度が低下し、そのため出
される電流が減少し、こうして電磁弁が閉じられ、装置
へのガス燃料の供給が打切られる。

あるいはこの装置は、ガス供給を停止するのではなくて
、被制御装置を自動的に「スロットル・ダウン」あるい
はスロー・ダウン状態に変え、その後、雰囲気の正常な
酸素含有量が復帰した時にその被制御装置の動作を自動
的にその定格ないしは正常な稼動状態へ復帰させるのに
用いることもできる。

この場合、熱電対の代りに、管球ないしはバイメタル条
板等の可逆感応素子を用いれば有利である。

この考案の根本目的は上記形式の、炎を消す働きをもっ
た装置を提供することにある。

上記に述べた炎を生じさせるのは口火装置である。

概略的に言って、口火装置は下端においてガス注入ノズ
ルを受容する実質上垂直な管体で構成される。

上記ノズルの取出オリフィスの高さのところには、上記
管体の壁に心間開口が貫設されてこれが取入口の働きを
なす。

可燃ガスのジェットによって管体内部に生じられた負圧
は上記の開口を通じて周囲の雰囲気から引入れた空気を
連行する。

この空気は通常、−次空気と称するものである。

こうして得られたガス混合物は、適当な燃焼を得るのに
必要な補足空気を周囲雰囲気から直接取込むことによっ
て管体の上部の取出端において燃焼する。

上記の補足空気は通常、２次空気に称する。

炎が消されるのは、低酸素空気中におけるその伝播速度
が口火装置から発出するガス・ジェットの放射速度を下
まわった時である。

このように、この−見単純な装置の動作は２つの基本的
なパラメータに従う。

そのパラメータの１つは装置組立の温度であり、他はガ
ス・ジェットの均質度であり、更にこれら２つのパラメ
ータは互いに多少の結びつきをもっている。

ガス燃料と１次空気混合物との割合は装置組立体の温度
と共に変化し、２．３分間の動作の後で多少安定する。

点火時間と上記安定の生ずる瞬間との間の温度不一致は
数十度（摂氏）にも達する。

これらの温度偏差の直接的結果として、１次空気取入口
を部分的に閉じ、装置組立体が十分な温度に達した時に
その１次空気取入口を完全に開放する何らかの手段を装
置に付設しなげれば装置を点火することがほぼ不可能に
なる。

上記の機能を果す手段は極めて簡単なものでよいが、多
くの場合には、口火装置の点で熱せられるバイメタル条
板で構成されるから、伝熱性のために装置組立体を過熱
させてしまう傾向が著しい。

上記弁装置によってもたらされる乱流は明らかなように
、周囲の雰囲気中の酸素含有量の低偏差に対する高感度
が安全装置に要求される時に特に無視できない。

安全装置にある忠実性を与える別の必要条件はガス流が
完全に均質であることであり、この問題は上記の均質性
が装置組立体の動作温度に従って決まるので解決が困難
であり、その理由は、上記の温度に直結する、上記ガス
・ジェットを構成するガスの物理的性質がこの場合に同
様の変化を示さないことにある。

更に、流体の力学を支配する特定の規則に固執するには
口火装置の理論上の長さが極めて重要であるが、装置の
全体的寸法を制限するにはそれらの特定規則は厳密には
守られず、信頼のできる適正動作が犠牲になってしまう
。

ところで、上記パラメータの全部に、十分な程度にまで
習熟できなければ、安全装置の動作はゆらぎを伴ない、
従って安全装置の時宜を失った釈放等の変態を避けるに
は感度を相当低下させねばならない。

従って、上記概述した形式の雰囲気監視口火装置を提供
せんとする、この考案の主目的は上記の不都合を克服す
ることにある。

上記目的で、この考案による口火装置はその上端近（に
、管体内部にしかも同管体の縦軸に垂直に配設された金
網挿入体と、１次空気取入量を変えることによって口火
装置の感度を調整する手段とを備える。

上記金網挿入体はその対比的設置位置および網目の大き
さが適当に選ばれているのでガス混合物をその燃焼の前
に均質化させ、このため口火本体の長さを著しく短縮し
、従って装置組立の全体的寸法を小さくすることができ
る。

炎の均質化により炎自身の安定性が向上し、そのため対
流その他の原因等の空気移動に対する炎自身の感応性が
低くされる。

また金網挿入体を使用することでガス・ジェットの速度
が低くされ、このことが、ガス・ジェットの適正均質化
と相俟って、空気取入口を部分的に閉じる伺らかの装置
を用いずとも口火装置の点火を容易にし、従ってかかる
弁装置の使用から生じる不都合が全て除去される。

この考案の好ましい実施例では、金網挿入体は管体の上
端に係止し、管体の上部ねじ端に螺着された円筒状のき
ざみ付ナツトの上部内側フランジの内輪縁によって定位
置に保持される。

上記ナツトの上部内側フランジの厚みは、挿入体がいか
なる状況でも炎に接触し得ない程度とするのが好ましい
。

実際、炎がこの金網挿入体に接触するようなことがあれ
ば、この挿入体は過熱され、口火組立体全体が熱伝導で
過度の温度に熱せられてしまう。

口火感度調整手段は雌ねじ付リングからなり、このリン
グは実質的にはガス注入ノズルの高さのところで管体の
雄ねじ部分に係合して、１次空気取入口の流路横断面積
を多少減少する。

上記構成で、口火感度を単純かつ容易な操作で極めて微
細に調整でき、その感度に影響するパラメータ、特に燃
料ガス排出量やガス・ジェットの形等を除くことができ
る。

上記調整リングは比較的大きな空気取入口と組合わさっ
て、広範囲の口火感度をもたらす。

上記の口火感度極微調整は、周囲雰囲気中ｑ浚素含有量
の極めて適度の減少に相応した調整の場合にも、金網挿
入体を設けたことによる炎の忠実度のため、極めて重要
である。

上記調整を行なうのは、平衡温度の得られた後口火装置
の作動時とするのが好ましい。

上記感度を調整できるので、各種のガス、特に、従来家
庭用および工業用に用いられているあらゆる圧力の天然
ガス（メタン・ガス）、プロパン・ガス）ブタンガスあ
るいは都市ガスに使用でき、適当な注入ノズルを取付け
ることで適当なガス排出量が得られる口火を製作するこ
とが可能である。

次に図面に従い、この考案を更に詳述する。

この考案の口火装置を含む安全装置は公知形式のもので
ある。

この装置は特にガス・タンク２を含んでおり、このタン
クはその排出導管に電磁弁３が挿置されており、この電
磁弁３は一方では主バーナ４へ、他方では監視パイロッ
ト・ランプ５ヘガスを供給される。

この装置は更に、上記主バーナ４に到る導管に挿置され
たコツクロと、上記パイロット・ランプ５の炎によって
加熱されるようになした感応素子を備えた熱電対７とを
有している。

タンク２の中に含まれるガスが解放されると、ガス流は
部分的に閉じられた弁３で停止される。

電磁弁３の押ボタン３ａを押すと、ガスは口火５へ供給
され、主バーナ４へのガス供給は閉じたコツクロによっ
て阻止される。

口火５が点火すると、熱電対７の感応素子が、電磁弁３
のコイルを付勢することによって電磁弁をその開放位置
に保持する電流を出すのに十分な温度にまで加熱される
。

すると、コツクロが開放されて主バーナ４ヘガスを供給
し、このバーナは口火５によって点火される。

周囲雰囲気の酸素含有量が何らかの理由で所定ｆ直獣下
に下ると、口火５の炎が移されるか小さくされて、熱電
対７の感応素子が冷却し、電磁弁３のコイルに供給され
る電流が減少すると、その電磁弁は閉じられ、主バーナ
４へのガス供給もしゃ断される。

第２図、第３図から判るように、口火５は内外横断面積
が可変である管体からなる。

この管体８の下部において、加圧ガスを供給するノズル
ないしはジェット９が口火の内部空間の中へ軸方向に開
く。

実質上ノズル９と同じ高さのところに心向開口１０が設
けられていて、この開口が、ノズル９から発出するガス
に加えられてノズル９と口火本体の上端との間で上記管
体８の中に形成された上室１２の中にガス混合物を生じ
させる１次空気に対する取入口となっている。

室１２への加圧ガスの発出により負圧が生じ、この負圧
により取入口１０を通じて１次空気が引入れられる。

管体８の上部には金網挿入体１３が置かれて、管体８の
上部雄ねじ部分に螺合された円筒状きざみ付ナツト１５
の内部に形成されたフランジ１４の上部心向部が、上記
挿入体の上方余部と係合することにより定位置に保持さ
れる。

上記フランジ１４の厚みは口火の炎１６が金網挿入体１
３と接触しない程度に選ばれている。

管体８のうち、実質上１次空気の心向取入口１０の高さ
にある部分にはねじが施され、雌ねじ付リング１７が係
合している。

このように、１次空気取入口を形成する開口は上記リン
グ１７を内または外に向って螺進することにより、多少
閉じることができ、口火の感度を相応に変更できる。

勿論、当業者には明白のように、この考案を実施する際
にはこの考案の基本原理から逸脱することなく、様々に
変更、変化を加えることが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による安全装置の基本原理と構造の説
明図、第２図は口火装置の縦断面図、第３図は第２図の
口火装置の側面図である。 ２・・・・・・ガス・タンク、３・・・・・・電磁弁、
４・・・・・・主バーナ、５・・・・・・監視口火、６
・・・・・・コック、７・・・・・・熱電対、８・・・
・・・管体、９・・・・・ツズル、１０・・・・・・取
入口、１２・・・・・・室、１３・・・・・・金網挿入
体、１４・・・・・・フランジ、１５・・・・・・ナツ
ト、１６・・・・・・炎、１７・・・・・・リング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加圧されたガスがノズルを介して下部へ送込まれる管体
   を有し、この管体には上記ノズルに隣接して心向開口を
   設け、その心向開口が１次空気取入口を横取して管体内
   部の上記ノズルと管体上部との間にガス混合物を生威し
   、更に単一の金網挿入体を上記管体の上端近くにかつ上
   部開口を横切って設け、炎が上記金網挿入体に接触しな
   いで熱伝導による挿入体の過熱を避けるようにし、この
   金網挿入体がその位置と網目の大きさとを適当に選ぶこ
   とによりガス混合物のジェットを均質化させる働きをも
   ち、更に、口火の感度を調整する手段が設けられ、この
   調整手段が上記の１次空気取入口を多少閉じるようにさ
   れていることを特徴とする特にガス器具用の炎消効果を
   用いた形式の雰囲気監視口火装置。