JPS6238054Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、リツプ部をロツドに接触させてダ
ストの侵入を防止するワイパーシールに関する。

（従来の技術） 第４図に示した従来のワイパーシールは、保持
部１に袖部２を設け、この袖部２の先端をリツプ
部３とし、このリツプ部３をロツド４に接しさせ
ている。

（本考案が解決しようとする問題点） このようにしたワイパーシールの欠点は、ロツ
ド４の半径方向の振動に対して、リツプ部３の追
随性が劣ることである。

すなわち上記従来のワイパーシールは、ロツド
４が半径方向に振動すると、前記袖部の曲げ剛性
が高いために環状のリツプ部３が楕円形に変形
し、当該リツプ部とロツドとの間にすき間ができ
てしまう。このようにリツプ部とロツド間にすき
間ができると、そこからダストが侵入してしま
い、当該ワイパーシールはシール機能を果さなく
なる。

この考案は、ロツドの半径方向の振動に対し
て、当該リツプ部の追随性をよくしたワイパーシ
ールの提供を目的にする。

（問題点を解決する手段） 上記の目的を達成するために、この考案は、シ
ールリングのリツプ部を、ロツドに対して摺動自
在に圧接させるとともに、このシールリングをハ
ウジングに設けた環状溝に組み込み、前記リツプ
部とは反対周面である環状溝内におけるシールリ
ング外周面に柔軟なダイアフラム状のシール部を
設け、このシール部先端を前記環状溝内に液密に
固定し、しかも、シールリングと環状溝との摺動
面に合成樹脂層を設けてなり、前記シールリング
は当該ロツドの軸方向に対してはその移動が規制
される一方、半径方向に対してはロツドとともに
移動しうる構成にしている。

（本考案の作用） 上記のように構成したので、ロツドの半径方向
の振動に対しては、リツプ部が環状溝に沿つて移
動しながら、それに追随していく。

そして、シールリングと環状溝との摺動面に合
成樹脂層を設けたので、リツプ部の移動が円滑に
おこなわれる。しかも、この合成樹脂層がクツシ
ヨン機能を発揮するので、リツプ部が多少傾いた
としても、その位置が自動的に補正される。

（本考案の効果） この考案のワイパーシールによれば、ロツドが
半径方向に移動しても、当該シールリングは、上
記ロツドに追随して動くので、リツプ部とロツド
との間にすき間ができない。リツプ部とロツド間
にすき間ができないので、ダストの侵入を完全に
阻止しうる。

また、シールリングと環状溝との摺動面に設け
た合成樹脂層が、潤滑機能を向上させるととも
に、クツシヨン機能を発揮するので、当該リツプ
部の移動がスムーズになるとともに、それが多少
傾いたとしても、その傾きが自動的に補正され
る。

（本考案の実施例） 第１図に示した第１実施例のハウジング５に
は、ロツド６側に開口する環状溝７とともに、こ
の環状溝７の内面に合成樹脂層１３を形成してい
る。

そして、この環状溝７にはシールリング８を組
込むが、このシールリング８の内周にはその先端
を楔形したリツプ部９を設けている。

上記リツプ部９はロツド６に摺動自在でかつあ
る締代をもつて圧接させている。

このようにリツプ部９をロツド６にはめたシー
ルリング８は前記環状溝７に組込まれるが、その
組込み状態において、ロツド６の軸方向に対して
は、上記環状溝７によつてその移動を規制される
一方、ロツド６の半径方向に対しては、摺動自在
となる関係にしている。

そしてシールリング８であつてリツプ部９とは
反対周面、換言すれば環状溝７内におけるシール
リング８外周面に、柔軟なダイアフラム状のシー
ル部１０を設けている。

このシール部１０はその先端に細いピアノ線１
１をモールドしてあり、このピアノ線１１をモー
ルドした先端を前記環状溝７の角部１２に弾性固
定している。

上記のように環状溝７の角部１２にシール部１
０を弾性固定しているので、このシール部は当該
シールリング８を介して区画されるＡ側とＢ側と
の隔壁として機能する。

しかしていまロツド６がその半径方向に振動し
たとすると、シールリング８は環状溝７内の合成
樹脂層１３に沿つて移動する。つまりシールリン
グ８はロツド６の振動に追随して動くことになる
ので、リツプ部９とロツド６とは常にぴつたりと
圧接した状態を維持する。もちろんシールリング
８が前記合成樹脂層１３に沿つて移動するときに
は、シール部１０が当該シールリングの移動に応
じて撓むことになる。

そしてシールリング８と合成樹脂層１３との間
には、多少のすき間があつてもシール機能にはな
んらの影響もない。なぜなら前記シール部１０が
前記した隔壁として機能するからである。

したがつてシールリング８と合成樹脂層１３と
のすき間に関する寸法管理をさほど厳密にしなく
てもよいことになる。

また、上記合成樹脂層１３が潤滑機能とクツシ
ヨン機能とを発揮するので、当該リツプ部９がス
ムーズに移動するとともに、それが多少傾いたと
しても、その傾きは自動的に補正される。

なお、上記合成樹脂層１４は、四フツ化エチレ
ン樹脂（米国デユポン社の商標名テフロン）をコ
ーテイングしてなるものである。

第２図に示した第２実施例は、第１実施例と同
様の合成樹脂層１４をシールリング８側に形成
し、第３図に示した第３実施例は、シールリング
８と環状溝７の内面との両方に合成樹脂層１５，
１６を形成したものである。

【図面の簡単な説明】

図面第１〜３図はこの考案の第１〜３実施例を
示す要部断面図、第４図は従来のワイパーシール
を示す要部の断面図である。 ５……ハウジング、６……ロツド、７……環状
溝、８……シールリング、９……リツプ部、１０
……シール部、１３〜１６……合成樹脂層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シールリングのリツプ部を、ロツドに対して摺
   動自在に圧接させるとともに、このシールリング
   をハウジングに設けた環状溝に組み込み、前記リ
   ツプ部とは反対周面である環状溝内におけるシー
   ルリング外周面に柔軟なダイアフラム状のシール
   部を設け、このシール部先端を前記環状溝内に液
   密に固定し、しかも、シールリングと環状溝との
   摺動面に合成樹脂層を設けてなり、前記シールリ
   ングは当該ロツドの軸方向に対してはその移動が
   規制される一方、半径方向に対してはロツドとと
   もに移動しうる構成にしたワイパーシール。