JPS6237999B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、裁縫補助装置に関し、特に、部分的
に仕立てられた衣装にフアスナーの縫着を容易に
するための装置に関するものである。

衣装の仕立てで、特に大量生産による場合は、
フアスナーの縫着は、時間がかかり、それ故費用
がかさみ、それが、仕上がり装品の均一性及び質
に影響するという難点がある。例えば、部分的に
仕立てられた衣装にフアスナーを縫着するとき、
従来の方法では、フアスナーのテープ部分を必要
なところに、手で衣装にしつけ糸で仮り縫いを
し、その後にミシンで縫い付けねばならない。従
来の縫着作業は、時間がかかるだけでなく、均一
に縫い付けるには、縫製者が常時、ミシンの運針
に気を配り、時には再調整しなければならないな
ど、良質の製品を得るには、熟練した技能と経験
とを有する人が必要であつた。

本発明によれば、ミシンの押え金と係合する案
内装置であつて、ミシンの押え金を自動的に案内
し同時に衣装の部分とフアスナーテープとを一定
の相対位置に一緒に保持する事が可能な裁縫補助
装置が提供される。

本発明の装置は、一端中央部に設けられたフツ
クを他端に長手方向に突設されたバネ機構とから
成る中央に開口を有する長方形の基板と、該基板
の他端中央部に前記開口の中央を長さ方向に長さ
調節可能に延在すべく摺動可能に保持された調節
可能案内部材と、中央に該基板の開口に対応する
開口を有しその周囲を上面が平坦で且つ一定幅の
隆起した案内部により囲まれており、更に前記バ
ネ機構に嵌挿可能な舌部を端部に長手方向に突設
した上部カバーと、前記案内部の幅に依つて規定
される位置に調節可能に長穴に取付けられた案内
突起と、針糸導入孔を備え且つ固定された案内突
起とを有し、縫針を前記開口の周囲に沿つて運動
可能と成した押え金とから構成され、前記基板が
開口を挾んだ長手方向に沿つた各側表面上に前記
一端部分に各々枢軸に依つて取付けられた一対の
金属帯片と、前記各側の外側端縁から延び前記金
属帯片の上に横断方向に重ねられた一連の板バネ
クリツプと、前記他端に一端が蝶番結合され前記
各側上の金属帯片および板バネクリツプの上部に
重ねられる一対の保持部材とを有し、更に前記保
持部材の他方を係合すると同時に前記フツクと係
合するところの一方の保持部材他端に摺動可能に
取付けた鉤形の部材を有している事を特徴とする
裁縫補助装置であつて、一つの変形として、一端
中央部に設けられたフツクと他端に長手方向に突
設されたバネ機構とから成る中央に開口を有する
長方形の基板と、該基板の他端中央部に前記開口
の中央を長さ方向に長さ調節可能に延在すべく摺
動可能に保持された調節可能案内部材と、中央に
該基板の開口に対応する開口を有しその周囲を上
面が平坦で且つ一定幅の隆起した案内部と前記バ
ネ機構に嵌挿可能な舌部を端部に長手方向に突設
した上部カバーと、前記案内部の幅に依つて規定
される位置に調節可能に長穴に取付けられた案内
突起と、針糸導入孔を備え且つ固定された案内突
起とを有し、縫針を前記開口の周囲に沿つて運動
可能と成した押え金とから構成され、前記基板が
開口を挾んだ長手方向に沿つた各側表面上に位置
決め用帯布を配され、更に前記上部カバーが前記
フツクに係合可能なバネクリツプを有している事
を特徴とする裁縫補助装置により達成され、工業
用としても家庭用としても使用できるものであ
る。

本発明のいくつかの実施例が、添付図面に記載
されているが、本発明は、これらのみに限定され
るものではない。

図面において、第４図、第５図は、部分的に仕
上げられた衣装にフアスナーテープを縫着すると
きに使用される枠形式の裁縫補助装置の１例を示
している。枠形式の該装置は第４図、第５図にそ
れぞれ示されているように、下部と上部とから成
つている。

該下部は、基板１で、その下面が、ミシンの布
送り金（第３図参照）と係合するように、望まし
くは、ゴム等の軟物質でできており、その上面
は、その上に置かれた織物が滑らないように荒い
構造になつている。

該基板１は長方形であり、且つ中央に該基板と
相似形の開口を有しており、この開口に依つて出
来た一対の側（がわ）の外側端縁から前記開口に
向つて延びる複数個の一連の板バネクリツプ２
と、該板バネクリツプと直交する方向に板バネク
リツプの下側に前記各側に沿つて延びる１枚の薄
い金属帯片３とを有する。前記板バネクリツプ２
は前記金属帯片の上にその伸延方向に対して横断
方向に部分的に重ねられることゝなり、更に該金
属帯片は前記各側の一端部分に取付けられた枢軸
４により、該基板に対し枢動可能とされており、
該板バネクリツプ２の下に嵌入したり外れたりす
る事を可能にしている。該基板１の一端中央部に
は長さ方向に沿い外側に向つて折曲げられた棒状
のフツク５が取付けられており、後述する保持部
材８の一方に長手方向に沿つて摺動可能に取付け
られた鉤形の部材９が係合するようになつてい
る。該基板の他端には長手方向に突出し後述する
上部カバー（第５図、第７図参照）の舌部１２を
弾性的に収容する板バネ機構１０が設けられてい
る。該板バネ機構の取付部の裏側中央には前記開
口の中央を長さ方向に長さ調節可能に延びるフア
スナーエレメント列を載置するための平棒状の調
節可能案内部材６が摺動可能に取付けられてい
る。同じく該基板１の他端には軸７が基板の長さ
方向に対して直角に該基板に固定されており、後
述する一対の保持部材８の端部を蝶番結合してい
る。保持部材８は前記各側に対応する一対は長手
板部材から出来ており、該保持部材の一端は前記
基板１に対し横断方向に取付けられた軸７を介し
て蝶番結合されており、他方、反対側の端部は
夫々鉤形に曲つたのち、端面が向い合つて開放し
ている。更にこれら保持部材のいづれか一方には
上面に長さ方向に沿つて摺動可能に鉤形部材９が
取付けられている。該一対の保持部材の開放端部
を連結するために横断方向に伸びており、その中
央部分には下方にへこんだ中央部を有し、このへ
こんだ部分は前記フツク５に該鉤形部材の摺動運
動により係脱可能となつていると同時に該保持部
材の鉤形に曲つた端部を上から抑える事が可能と
なつている。この事に依り該保持部材８を該基板
１に前記板バネクリツプ２の上から重ねられ固定
される事を可能にしている。更に該保持部材８は
衣装縁部をしつかりと所定位置に固定するため裏
面を第４ａ図に示す如き荒い表面に成してある。

第５図において前述した上部カバーが示されて
いるが、該カバーは舌部１２が一端より長手方向
に突出しており、該カバーが前記基板１の上に前
記保持部材８を介して覆い被される際に該舌部１
２は前記バネ機構１０に嵌挿され前記基板１およ
び前記保持部材８と一体化される。更に、該上部
カバーは前記基板１の開口に対応する開口を中央
に有し、その周囲を上面が平担で且つ一定幅の隆
起した案内部１１により囲まれている。該上部カ
バーの下面は接触する材料が滑らないように第５
ａ図に示される如く荒い表面にて形成されること
が望ましい。更に該上部カバーはその下面に前記
保持部材８を確実に受容する溝１３を有し、前記
舌部１２をバネ機構１０内へ嵌挿し、次いで該上
部カバーを下方へ押しつけることによつて前記基
板１とは合体される。更に使用に際して前記案内
部１１は第１ａ図および第１ｂ図に示された如き
ミシンの押え金を第１ｃ図に示された状態で案内
する。

上記した本発明に依る裁縫補助装置の使用方法
を以下に説明する。

前以つて前記金属帯片３，３を互いに内側へ駆
動し前記基板１の開口をふさぐように移動してお
き、次いでフアスナーエレメントを閉じた状態で
該エレメントを取付けているテープ部分Ｐを第４
ｂ図に示された如く前記基板１の両側と前記板バ
ネクリツプ２との間に滑り込ませ、更に前記金属
帯片３，３を元の平行な位置に戻し、同時に前記
調節可能案内部材６の上に直線状にフアスナーエ
レメント列が載置されるように位置調節をし、該
フアスナーが基板１の長手軸に沿つて緊張された
状態で保持されるようにする。この際前記調節可
能案内部材６は前記エレメント列の位置調節を容
易にするために長手方向に沿つて該エレメント列
が嵌入されるように細長い溝を刻設すれば効果的
である。次いで、前記基板１に対し保持されたフ
アスナーのテープ部分Ｐの上に衣装Ｓの縫着部分
が持ち来たされ、更に該衣装Ｓの上から保持部材
８が覆いかぶさり前記鉤形部材９が基板の内方へ
向つて摺動され、同時にフツク５に係合され、該
保持部材８は一体化して該衣装Ｓおよびフアスナ
ーを基板１に対し押圧し固定する。前記衣装Ｓの
縫着部分は当然基板１の開口にかかるように配置
しなければならない。（第４ｂ図参照）上述の方
法によつて基板１に固定された衣装およびフアス
ナーは次に前記保持部材８の上から上部カバーが
前述した方法でかぶされ、最終段階として第１ａ
図および第１ｂ図に示された如きミシンの押え金
に前記案内部１１が係合される。

第１ａ図および第１ｂ図に示したように前記押
え金は前記上部カバーの案内部１１の横幅に対応
した間隔をおいて一対の案内突起ＡおよびＢと有
しており、通常一方の案内突起Ａは針糸導入孔Ｃ
を兼ねている為に固定されていなければならない
が他方の案内突起Ｂは回転可能なものであつても
よく、必要とあればバネで負荷されてもよい。ま
た該案内突起Ｂは一方の突起Ａに向う方向に穿け
られた長穴Ｆを貫通してナツトＥにより止着する
構造となつている為に前記案内部１１の横幅に応
じて間隔を調節する事も可能である。第１ｂ図に
示された押え金は回転可能な薄い円盤状の案内部
材Ｄを有している。この案内部材Ｄは押え金が前
記案内部１１の曲がり角に到達した時に案内部を
円滑に回転する事を容易にするための機能を有す
るものである。

第６図および第７図においてフアスナーテープ
の縫着に適する本発明のもう一つの実施例が示さ
れているが、この実施例は工業的大量生産よりむ
しろ家庭用のミシンを用いた場合に適するように
幾分簡単な設計になつており、前述した板バネク
リツプの代わりに布テープ表面に粘着物を塗布し
た如き位置決め用帯布１４を前記基板の開口を挾
んだ長手方向に沿つた各側表面上に設けてフアス
ナーテープおよび衣装を適当な場所に保持するも
のであり、該位置決め用帯布１４はいわゆるマジ
ツクフアスナーの細片にて代用することも可能で
ある。更にこの実施例によれば、一対の保持部材
８，８を用いない代りに第７図に示された上部カ
バーの案内部１１の裏側の基板に設けられた鉤形
のフツク５に対応する部分に第７ｂ図に示された
ところの前記フツク５と脱着可能なバネクリツプ
１６が設けられており、該バネクリツプはわん曲
した２枚の下方に向いて開放した一対の弾性片か
ら構成され、該弾性片の間隔が開放端部において
は該フツクの径より挾くなつたいわゆる「キヤツ
チ」形のものである。第７図に示された上部カバ
ーと第５図に示された上部カバーとの相違点は上
記バネクリツプ１６が配設されている点と案内部
１１の裏側が溝状になつていない点であり、従つ
て第７ａ図に示されているように上部カバーの裏
面は衣装がすべらないように全面的に荒い表面に
て形成されている。

また、第４図に示された調節可能案内部材６は
第６図および第６ａ図に示されているように本実
施例においてはフアスナー案内部１５として示さ
れ、該案内部１５の開口内における先端は断面が
Ｔ”字型の突起部分１７を具備しており、該案内
部１５の上にフアスナーエレメント列が載置され
た際に該エレメントの配設されていないフアスナ
ーテープ端部の対向縁を両脇に拘えるようにして
該エレメント列の安定した載置を補助している。

この実施例では、フアスナーエレメント列は先
述した様にフアスナー案内部１５の上に直線上に
載置されると同時にフアスナーテープは各側上の
位置決め用帯布１４の上に載置される。この時フ
アスナーテープに押圧力を加えると該帯布の表面
が適度の粘着性を有しているために該テープは軽
く固定される。しかしながら前記帯布は該テープ
の外側に若干はみ出す程度の横幅を必要とする。
即ち、このはみ出した部分に縫着されるべき衣装
の一部がフアスナーテープに沿つて固定される為
である。このようにフアスナーテープの上に衣装
の部分を載置し、次いで上部カバーの舌部１２の
バネ機構１０内に嵌挿し、該カバーを衣装および
フアスナーを載置した基板上にフツク５およびバ
ネクリツプ１６により固定し、次いでミシンの前
述した如き押さえ金の下へ持ち来たし、縫い付け
作業が開始される。

以上述べたように本発明による裁縫補助装置は
フアスナー・テープと衣装部分との縫い付け操作
を熟練を要せずに短時間にて行なう事が出来、更
に同一の縫い付け状態が得られる為被服の量産シ
ステムに用いた場合は特に品質の均一性並びに時
間的能率化に寄与するところが極めて大きいもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１ａ図は、本発明と共に使用するのに適した
ミシンの押え金を示す。第１ｂ図は、第１図に示
された押え金の一つの変形を示す。第１ｃ図は、
ミシンの押え金と案内部が係合状態にある時の平
面図を示す。第２図は、本発明と共に使用するの
に適したミシンの針板を示す。第３図は、本発明
と共に使用するのに適したミシンの布送り金を示
す。第４図は、本発明の一つの実施例の枠形式の
裁縫補助装置の下部を示す。第４ａ図は、この補
助装置の一部についての断面図を示す。第４ｂ図
は、第４図中、線ｂ−ｂから見た使用状態の
断面図を示す。第５図は、第４図に示された部分
と協動する補助装置の上部を示す。第５ａ図は、
この上部カバーの一部についての断面図を示す。
第６図は、本発明のもう一つの実施例による枠形
式の裁縫補助装置の下部を示す。第６ａ図はフア
スナー案内部材の端部を示す。第７図は、第６図
に示された部分と協動するに適した補助装置の上
部カバーを示す。第７ａ図は上部カバーの横断面
を示す。第７ｂ図は上部カバーの端部横断面を示
す。 図中、符号、２……板バネクリツプ、３……金
属帯片、４……枢軸、５……フツク、６……調節
可能案内部材、７……軸、８……保持部材、１０
……板バネ機構、１１……案内部、１２……舌
部、１３……溝、１４……位置決め用帯布。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一端中央部に設けられたフツクと他端に長手
   方向に突設されたバネ機構とから成る中央に開口
   を有する長方形の基板と、該基板の他端中央部に
   前記開口の中央を長さ方向に長さ調節可能に延在
   すべく摺動可能に保持された調節可能案内部材
   と、中央に該基板の開口に対応する開口を有しそ
   の周囲を上面が平坦で且つ一定幅の隆起した案内
   部により囲まれており、更に前記バネ機構に嵌挿
   可能な舌部を端部に突設した上部カバーと、前記
   案内部の幅に依つて規定される位置に調節可能に
   長穴に取付けられた案内突起と針糸導入孔を備え
   且つ固定された案内突起とを有し、縫針を前記開
   口の周囲に沿つて運動可能と成した押え金とから
   構成され、前記基板が開口を挾んだ長手方向に沿
   つた各側表面上に前記一端部分に各々枢軸に依つ
   て取付けられた一対の金属帯片と、前記各側の外
   側端縁から延び前記金属帯片の上に横断方向に重
   ねられた一連の板バネクリツプと、前記他端に一
   端が蝶番結合され前記各側上の金属帯片および板
   バネクリツプの上部に重ねられる一対の保持部材
   とを有し、更に前記保持部材の他方を係止すると
   同時に前記フツクと係合するところの一方の保持
   部材他端に摺動可能に取付けた鉤形の部材を有し
   ている事を特徴とする裁縫補助装置。 ２ 一端中央部に設けられたフツクと他端に長手
   方向に突設されたバネ機構とから成る中央に開口
   を有する長方形の基板と、該基板の他端中央部に
   前記開口の中央を長さ方向に長さ調節可能に延在
   すべく摺動可能に保持された調節可能案内部材
   と、中央に該基板の開口に対応する開口を有しそ
   の周囲を上面が平坦で且つ一定幅の隆起した案内
   部により囲まれており、更に前記バネ機構に嵌挿
   可能な舌部を端部に長手方向に突設した上部カバ
   ーと、前記案内部の幅に依つて規定される位置に
   調節可能に長穴に取付けられた案内突起と針糸導
   入孔を備え且つ固定された案内突起とを有し、縫
   針を前記開口の周囲に沿つて運動可能と成した押
   え金とから構成され、前記基板が開口を挾んだ長
   手方向に沿つた各側表面上に位置決め用帯布を配
   され、更に前記上部カバーが前記フツクに係合可
   能なバネクリツプを有している事を特徴とする裁
   縫補助装置。