JPH031516Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は刺しゆう機に関するものであり、更に
詳しくは移動体に刺しゆう枠を着脱する装置に関
する。

（従来技術） 刺しゆう機においては、縫われる布の状態によ
り、或いは縫い模様の大きさに対して適切な刺し
ゆう枠を選択して布を刺しゆう枠に張設してから
該刺しゆう枠を刺しゆう機の移動体に取りつけて
刺しゆう縫いを行い、又新たな布の張設に対して
は一旦刺しゆう枠を移動体から取り外してから行
い、刺しゆう縫いに対して再び取りつけるためそ
の都度の着脱を行う必要がある。

（考案が解決しようとする問題点） 刺しゆう枠を移動体に着脱する装置としては、
従来移動体に刺しゆう枠をネジ止めする等の方法
による装置が一般的に行われているが上述の如く
着脱の機会が多いため、煩雑なネジ止め等に代る
容易で確実な装置が望まれていた。

（問題点を解決する手段） 本考案では移動体に複数のガイドピンを固設
し、刺しゆう枠側にガイドピン係合部を設け、又
前記移動体に一部を固定されその弾性部で前記刺
しゆう枠を押圧して前記ガイドピン係合部を前記
ガイドピンに係合させる弾性体とにより構成す
る。

（作用） 刺しゆう枠の移動体への着装は刺しゆう枠を弾
性体の押圧力に抗してガイドピン係合部がガイド
ピンに係合可能な位置まで案内することにより、
弾性体によりガイドピン係合部がガイドピンに押
圧され保持される。

（実施例） 次に本考案の実施例を図面により詳細に説明す
る。第２図は本考案の刺しゆう枠着脱装置を含む
刺しゆうミシンの外観図であり、１はミシン本体
のベツドでその立上り部２から前記ベツド２に向
つて上下動する針３と協働する針糸捕捉機構（図
示せず）により縫い目を形成する。

前記ベツド１と同一テーブル上にベース４が固
定されており、該ベース内に格納されてＸ方向及
びＹ方向への駆動手段（図示せず）により前記針
３の縫目形成運動と同期して移動体５をＸ方向及
びＹ方向に移動することにより刺しゆう縫い目を
形成する。刺しゆう枠は布枠６と布枠支持体７と
で構成されており、前記布枠６を固着した布枠支
持体７を前記移動体５に着脱装置により着装す
る。

着脱装置を第１図及び第３図から第６図を加え
て説明する。布枠６は布をその間に張設して保持
するための内枠６ａと外枠６ｂとにより構成す
る。該外枠の一部が布枠支持体７にネジ手段によ
り固着されている。

前記移動体５には案内部８ａを有する一対のガ
イドピン８が配設されている。９は弾性体であつ
て前記移動体５の折り曲げ部５ａに固着されてい
る。前記刺しゆう枠支持体７には前記弾性体９に
係合するための突起７ｃ及び７ｄが設けられてお
り、又前記ガイドピン８に係合するため溝部７ａ
及び７ｂを備えており、前記移動体５の立上り部
５ａに突部５ｂを形成している。

次に着脱の動作について説明する。第４図の如
く前記刺しゆう枠支持体７を前記移動体５の上部
から案内し、前記刺しゆう枠支持体７の突起７ｃ
及び７ｄを前記移動体５の立上り部５ａに設けた
突部５ｂを通つて前記弾性体９に当接させ、更に
該弾性体９の押圧力に抗して前記刺しゆう枠支持
体７を押し込み、前記移動体５に配設したガイド
ピン８に溝部７ａ及び７ｂが対応する位置に案内
する。前記弾性体９の押圧力により第５図及び第
６図に示す如くの状態に保持される。本実施例で
は前記ガイドピン８に係合する前記刺しゆう枠支
持体７の２ケ所の係合溝のうち７ａ側はＶ溝に形
成している。このため前記弾性体９の押圧方向及
びこれと直角の方向への移動は、前記ガイドピン
８に対し前記係合溝７ａではＡ点及びＢ点で、前
記係合溝７ｂではＣ点で当接し、３点で支持され
ることにより制限されており、前記移動体５に対
する前記刺しゆう枠支持体７の位置決めを着脱時
に常に一定位置に設定する。

尚、本実施例では押圧する弾性体９の作用位置
は前記ガイドピン８と前記係合溝７ａの係合位置
を基準として、他の係合位置である前記ガイドピ
ン８と前記係合溝７ｂとの当接部Ｃ点に前記弾性
体９の押圧力が回転モーメント大となる如く充分
距離を有した作用位置としているため、前記弾体
９の押圧力を位置決め保持力として有効化してい
る。尚第６図中矢印Ｄで示す前記移動体５から上
方向への離脱防については前記ガイドピン８の軸
部にテーパー部８ａを設けることにより軸方向の
位置決めを行つている。

以上の如く着装した前記刺しゆう枠支持体の取
り外しは、前記刺しゆう枠支持体７を前記弾性体
９の押圧力に抗して押し上げて前記ガイドピン８
と前記係合溝７ａ，７ｂとの係合が解除される位
置として矢印Ｄ方向へ取り外す。

尚、本実施例においては刺しゆう枠と刺しゆう
枠支持体とを別部品にて構成したものを示したが
一体で形成してガイドピン係合位部を備えたもの
でも良い。

（考案の効果） 以上の如く本考案によれば刺しゆう枠の可動体
への着脱が刺しゆう枠を弾性体に抗して押し込む
動作のみで容易に行うことが出来、又ガイドピン
との複数の係合部のうちの１カ所を位置決め側と
したことにより、着脱による取付け位置のズレを
防止し、位置決め精度を高める効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は刺しゆう枠着脱装置の外観図、第２図
は刺しゆう枠着脱装置を組込んだ刺しゆうミシン
の外観図、第３図は該着脱装置の離脱時の上面
図、第４図はその側面図、第５図は着脱装置の着
装時の上面図、第６図はその側面図であり、３は
縫い針、５は移動体、６ａは内枠、６ｂは外枠、
８はガイドピン、７ａ及び７ｂはガイドピン係合
部、９は弾性部材である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 縫い針に対して相対移動可能に設けられた移
   動体と、加工布を保持するために内枠及び外枠
   を備え、前記移動体に対して着脱可能な刺しゆ
   う枠とを有する刺しゆうミシンにおいて、前記
   移動体に固設の一組のガイドピンと、前記外枠
   に設けたガイドピン係合部と、前記移動体に一
   部を固定されその作用部において前記外枠の着
   脱部に係合して前記ガイドピン係合部を前記ガ
   イドピンに押圧固定する如く配設された弾性体
   とを備える刺しゆう枠の着脱装置。 (2) 前記ガイドピンに係合する前記ガイドピン係
   合部のうち少くともいずれか一方の係合部が前
   記ガイドピンに対し前記弾性体による押圧方向
   と、該押圧方向と直角の方向との２方向への移
   動を制限する形状で形成されていることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の刺
   しゆう枠の着脱装置。 (3) 前記弾性体に係合する前記外枠の着脱部は前
   記複数のガイドピンに夫々対応しており、該ガ
   イドピンと前記ガイドピン係合部とによる係合
   位置に対し前記弾性体への作用位置は前記係合
   位置と前記弾性体の固定位置との間のキヨリよ
   りも大なる位置に設定されることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第２項に記載の刺しゆ
   う枠の着脱装置。 (4) 前記刺しゆう枠は布を張設するための布保持
   部と、前記ガイドピンと係合するためのガイド
   ピン係合部と前記弾性体と当接するための係合
   部とを備える布枠支持体とで構成されており、
   前記布保持部が前記布枠支持体に固着されてい
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項から第３項のうちいずれか１項に記載の刺
   しゆう枠の着脱装置。