JPS6236930Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ラツチ受け装置の改良に関するもの
で更に詳しくはラツチ受け固定プレートとラツチ
ストツパプレートならびにラツチ受けプレートを
各々重ね合わせて安定した状態でラツチを受けか
つ無段階調整が可能なラツチ受け装置を提案する
ものである。

あらかじめ工場などで建物開口枠体にドアを吊
り込み丁番やラツチ等で取付けて構成するものに
おいて、建物に付設した後のラツチ受け取付位置
を調整することを目的としたラツチ受け装置は従
来数多く提案されていた。

しかしながら、従来から提案されていたラツチ
受け装置には下記の様な種々の欠点がある。

(1) ラツチ受け固定プレート上に、ラツチストツ
パプレートを重ね合わせ、このラツチストツパ
プレート上にラツチ受けプレートを順次重ね合
わせる構造であるため、その重ね合わせるとき
に相互が相対的に位置ずれして、その調整作業
がやりにくいという点。

(2) あらまし凹状をしたラツチストツパプレート
の開口内側縁にラツチ受け片を切り起こして形
成し、このラツチ受けのみによつてラツチを受
ける構造であるため、ラツチ受け片が強度的に
弱く、すぐに変形したりあるいは損耗によりラ
ツチとの間に隙間を形成し、これがガタ付きの
原因を招来する点。

(3) ラツチストツパプレートの固定のために該プ
レートの両側片の端部に凹凸部を形成し、これ
をドア枠にくい込ませたり、あるいはラツチ受
け固定プレートに形成した凹部に一定間隔置き
にくい込ませて固定調整する構造であるため、
前者の場合はドア枠を損傷し、かつ後者の場合
には一定間隔置きにしか調整できない、という
点などが挙げられていた。

本考案は、上記の様な事情に鑑みて案出された
ものであり、その目的とするところは、安定した
状態でラツチを受けることができ、しかもラツチ
受け固定プレートとラツチストツパプレートなら
びにラツチ受けプレートとの重ね合わせ作業が容
易に行え、かつドア枠を損傷することなくラツチ
ストツパプレートの無段階調整が行える様にした
ラツチ受け装置を提供するにある。

以下図面に示した本考案の実施例について詳細
に説明すると、本考案によるラツチ受け装置は、
ラツチ受け固定プレート１とラツチストツパプレ
ート２とラツチ受けプレート（基盤）３との３つ
の部材から構成される。ラツチ受け固定プレート
１は第１図に示される様に全体が長方形状に形成
してあつて、その幅方向の一端縁が若干の角度だ
け屈曲させてある。この屈曲部４はラツチストツ
パプレート２をラツチ受けプレート（基盤）３の
端縁部を保護する役目を果たす。ラツチ受け固定
プレート１のほぼ中央部には正方形状をした開口
５が穿設されている。この開口５を連通して上記
の屈曲部４の方向に向かうよう調整溝５′が形成
してある。この調整溝５′の両側にはドアのラツ
チを摺接させる為屈曲部４の先端縁までにまたが
つて二条のリブ６，６が形成されており、その調
整溝５′の部分における強度をも増大させてい
る。上記の開口５の両側略中央部にはビス孔７，
７が穿設されている。

ラツチストツパプレート２は、全体が長方形状
でかつ中央部には切欠き部８を持つた凹状の道に
なつている。すなわち、切欠き部８の両側が側片
９，９を構成しており、これらの側片９，９を連
接する接続片１０によつて全体が凹状の一体構造
となつている。上記の切欠き部８には断面がほぼ
Ｌ字状をしたラツチ受け１１が形成してある。こ
のラツチ受け１１は、第３図から明らかなよう
に、中央付近を略垂直に折り曲げられ、さらにそ
の垂直部分を元の方向に折り曲げ返してあつて、
その垂直部１１ａはラツチ１２を安定した状態で
受納する。そして水平部１１ｂのほぼ中央には調
整孔１１ｄが穿設され、ラツチストツパプレート
２の位置を調整する際には、ビスを少しゆるめ、
この調整孔１１ｄにドライバーなどの先端を挿入
して微動させて調整できる。

又垂直部１１ａと水平部１１ｂとが為す折り曲
げ部１１ｃが、ラツチ受け１１を補強するリブの
役割をも果している。上記の接続片１０の中央部
には突条１３が一体的に形成してある。この突条
１３はラツチ受け固定プレート１の調整溝５′に
嵌め合わされ、該プレート１の位置決めの役をす
るとともに、ラツチ１２を摺接させるのでラツチ
受け固定プレート１とこのラツチストツパプレー
ト２とを重合わさせたとき、リブ６，６と同じ高
さになるよう配慮されている。前記の両側片９，
９には長円の調整孔１４，１４が穿設してある。

基盤３は、第１図から明白なように、全体が長
方形状に形成してある。基盤３の中央部にはほぼ
正方形状をなすラツチ挿入ボツクス１５が設けら
れている。基盤３の長手方向の両端部にはほぼア
ングル状をなすガイド片１６，１６が設けてあつ
て、該ガイド片１６，１６は基盤３の平面より若
干上方に張出させてある。基盤３の長手方向の両
端部にはビス孔１７，１７が設けてある。上記の
ガイド片１６，１６は基盤３上にラツチストツパ
プレート２を重ね合わせ、かつ可動させる時に該
プレート２の両端を案内する役目をする。

なお、第５図において、１８はドア枠であり、
１９は戸当り、２０はドアであつて、２１はドア
開閉の為の操作ノブあるいはドアノブである。２
２はドア枠１８に切り込み形成した切り込み凹所
であつて該凹所２２内に基盤３のラツチ挿入ボツ
クス１５がはめ込まれる。

さて、ドアー枠１８の切り込み凹所２２内に基
盤３のラツチ挿入ボツクス１５の外壁部を嵌め込
み、基盤３をドアー枠１８に仮り固定する。次い
でこの基盤３上にラツチストツパプレート２を重
ね合わせる。この場合基盤３のガイド片１６，１
６にラツチストツパプレート２の両側片９，９の
外端縁を沿わせて重ね合わせ、ラツチストツパプ
レート２のラツチ受け１１を基盤３のラツチ挿入
ボツクス１５内に落し込めば、ラツチストツパプ
レート２はその長手方向に関して位置ずれを起こ
すことなく確実にしかも安定した状態でスムーズ
に重ね合わせることが出来る。

次にラツチストツパプレート２上にラツチ受け
固定プレート１を重ね合わせる。この場合ラツチ
ストツパプレート２の突条１３にラツチ受け固定
プレート１の調整溝５′を嵌め合わせて重ねれ
ば、ラツチ受け固定プレート１の長手方向の位置
ずれが防止される。そこでビス孔７，１７と調整
孔１４とにビスを挿通してドア枠１８に三者を一
体に固定すればよい。

ラツチストツパプレート２の微調整は上記のビ
スを緩めることによつて、ラツチ受け固定プレー
ト１と基盤３との間でラツチストツパプレート２
を適宜に可動させラツチ１２との接触具合が最も
円滑な状態において再びビスを締めつけ、ラツチ
ストツパプレートを本固定すればよい。

以上説明したように本考案の装置によれば、下
記に列挙するような種々の効果が得られる。

(1) 基盤に対しては、ガイド片でラツチストツパ
プレートを案内し、ラツチストツパプレートに
対しては、突条でラツチ受け固定プレートを
夫々案内し位置決めするようになつている為、
各プレートの重ね合わせ時及びラツチストツパ
プレートの調整時に各プレートの長手方向に対
する位置ずれが規制される。従つてその調整作
業が容易になると共に迅速に行える。

(2) ラツチ受け固定プレートにある二条のリブと
ラツチストツパプレートの突条は同一面高さに
してあるので、ラツチストツパプレートが可動
して突条の位置が変つても、ラツチは二条リブ
と突条の上を円滑に摺接しドアの開閉時には異
常音を発することなく快適な開閉が行える。

(3) ラツチ受けは断面がほぼアングル状に形成さ
れていて、その垂直部と水平部との交叉部にお
いてラツチ受けるため、ラツチを安定した状態
で保持でき、しかもラツチ受けの変形も防止す
るよう断面がＬ字形状であるから、ラツチとの
間には不快な隙間も生じさせない。

(4) ラツチ受け固定プレートとラツチストツパプ
レートとの相対的な位置調整は、調整溝と突条
とにより行うため、無段階の微調整が可能とな
り、従来のように一定間隔置きの調整による接
触具合の不調を解消できる。

以上のように本考案に係るラツチ受け装置は現
代の技術的要請に応えるべくして案出された頗る
技術的効果の高いものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであつて、第
１図はラツチ受け装置の分解斜視図、第２図はそ
の組立て状態の平面図、第３図は第１図の−
線に沿つて切断した断面図、第４図は第１図の
−線に沿つて切断した断面図、第５図は使用状
態の部分断面図である。 １……ラツチ受け固定プレート、２……ラツチ
ストツパプレート、３……基盤、４……屈曲部、
５……開口、５′……調整溝、１１……ラツチ受
け、１３……突条、１５……ラツチ挿入ボツク
ス、１６……ガイド片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端に屈曲部４を持ち中央部に開口５を有しこ
   の開口５に連通して上記の屈曲部４方向に指向す
   る調整溝５′を持つたラツチ受け固定プレート１
   と、このラツチ受け固定プレート１の下側に重ね
   られて上記の調整溝５′に摺動可能に嵌め合わさ
   れる突条１３を持ちかつ中央部に断面Ｌ字状のラ
   ツチ受け１１を有する凹状のラツチストツパプレ
   ート２と、このラツチストツパプレート２の両端
   を案内して重ね合わせられるガイド片１６，１６
   を持ちかつ上記のラツチ受け１１を収容するラツ
   チ挿入ボツクス１５を持つた基盤３とからなり、
   この基盤３とラツチ受け固定プレート１との間で
   ラツチストツパプレート２を可動させて微調整す
   る様に構成したことを特徴とするラツチ受け装
   置。