JPS6236867Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案はフライヤに関するものである。

従来技術 紡機に使用されるフライヤには粗糸をボビンに
案内するためのプレツサが一方の脚部の下端に設
けられる。従来、第１図に示すようにプレツサ１
は脚部２に沿つて延びる支柱３がその上下両端部
に設けられた円弧状の取付部３ａによりフライヤ
の脚部２に回動可能に取り付けられ、粗糸Ｓが巻
き付けられる腕部４が支柱３の下端から円弧状に
延びた状態で取り付けられている。このようなフ
ライヤを使用した場合には、フライヤを高速で回
転させた場合、支柱３や取付部３ａにより空気の
乱流が生じ、風綿が発生し易くなるという不都合
があつた。

又、紡出する粗糸の種類によりプレツサ１を最
適重量のものに交換することが好ましいが、前記
従来のフライヤではプレツサ１の関連部材が脚部
２の上部まで至つているため、たとえそれを交換
可能に構成したとしてもプレツサ１の交換後にフ
ライヤの両脚部２の各部の移動バランスが狂うこ
とになり、それを調整することはほとんど不可能
であつた。そのため異なるプレツサ１を使用する
場合にはフライヤ全体を交換せざるを得ないとい
う不都合があつた。

前記の不都合を解消するため、フライヤの一方
の脚部の下端部に回動可能かつ着脱可能にプレツ
サの支持部を取り付ける構成のものが提案されて
いる。ところが、この構成のフライヤにおいては
脚部の下端部とプレツサの支持部の上端部との間
に風綿が入り込みプレツサの回動が円滑にいかな
くなるとともに、フライヤ脚部に付着した風綿の
清掃作業時に支障を来すという不都合があつた。

目 的 この考案は前記従来の問題点を解消するために
なされたものであつて、その目的はフライヤの脚
部下端部に回動可能に取り付けられたプレツサと
脚部下端部との間に風綿が入り込むことを防止す
ることができ、しかもフライヤ脚部に付着した風
綿の除去作業を簡単に行うことができるフライヤ
を提供することにある。

考案の構成 前記の目的を達成するためこの考案において
は、一方の脚部の下端部に回動可能かつ着脱可能
にプレツサの支持部を取り付けるとともに、前記
支持部の上端の少なくともプレツサの進行方向前
面を覆うカバーを設けた。

実施例 以下この考案を具体化した一実施例を第２〜６
図に従つて説明する。

フライヤ１０の一方の脚部１１には一端がアー
バー１２の中空部に嵌挿された粗糸案内用の導糸
管１３が脚部１１下端から延出した状態で鋳込ま
れるとともに、導糸管１３の下端には第３図に示
すように円筒状をなしストツパ部１４ａが突設さ
れたプレツサ取付部材１４が嵌挿され、その上端
部を導糸管１３とともに脚部１１中に鋳込まれて
いる。プレツサ１５は全体がステンレスにより一
体に形成され、前記プレツサ取付部材１４が嵌挿
される嵌挿孔１６が設けられた支持部１７と、支
持部１７の基端から円弧状に延びる腕部１８と、
脚部１８の先端に設けられた羽子板部１９とから
なつている。支持部１７の上部には嵌挿孔１６に
連通されるとともに、上方に開口された四角柱状
の収容部２０と、同収容部２０を嵌挿孔１６と反
対側へ開口する段差部を有するボルト孔２１とが
形成されている。そして、前記ストツパ部１４ａ
に係止される係合溝２２ａが上部に形成されたナ
ツト２２を介してボルト２３によりプレツサ取付
部材１４にプレツサ１５が回動可能に取り付けら
れている。

前記脚部１１の下端には第６図に示すように半
円弧状に折曲形成されるとともに、上部に抜け止
め部２４ａが突設された金属板製のカバー２４が
プレツサ１５の進行方向前面を覆うように脚部１
１の下端から下方に延出する状態で鋳込み形成さ
れている。

次に前記のように構成された装置の作用を説明
する。粗糸の巻取時にはプレツサ１５は第４図の
矢印方向に移動し、プレツサ１５の支持部１７上
端はその前側がカバー２４により覆われているの
で、空中に漂う風綿はプレツサ１５の移動に伴い
カバー２４の両側を通つてプレツサ１５の後方へ
流れていき、従来装置のように風綿がプレツサ支
持部１７上端と脚部１１の下端との間に入り込む
ことはないので、風綿によりプレツサ１５の回動
に支障を来すということはない。又、一部の風綿
はカバー２４の前面に付着するが、定期的なフラ
イヤの清掃時にフライヤ１０の脚部１１の上方か
ら下方に向かつて風綿を拭き取るようにすればカ
バー２４に付着した風綿も簡単に除去することが
できる。

なお、この考案は前記実施例に限定されるもの
ではなく、例えば、カバー２４をプレツサ１５の
後部側まで覆うような形状にする等この考案の趣
旨を逸脱しない範囲において各部の形状、構成等
を任意に変更することも可能である。

効 果 以上詳述したようにこの考案によればフライヤ
の脚部下端とプレツサの支持部上端との間に風綿
が入り込むことがないのでプレツサの回動に支障
を来すことはなく、又、カバーや脚部に付着した
風綿の除去を容易に行うことができるという優れ
た効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のフライヤのプレツサ取付状態を
示す要部斜視図、第２図はこの考案を具体化した
一実施例を示す正面図、第３図は一部破断要部側
面図、第４図は第３図におけるＡ−Ａ線断面図、
第５図は同じく第３図におけるＢ−Ｂ線断面図、
第６図はカバーを示す斜視図である。 フライヤ……１０、脚部……１１、プレツサ取
付部材……１４、プレツサ……１５、支持部……
１７、カバー……２４。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 一方の脚部の下端部に回動可能かつ着脱可能
   にプレツサの支持部を取り付けるとともに、前
   記支持部の上端の少なくともプレツサの進行方
   向前面を覆うカバーを設けたことを特徴とする
   フライヤ。 ２ 前記カバーは金属板を横断面半円弧状に折曲
   形成するとともに、前記脚部の下端から下方に
   延出する状態で脚部下端に鋳込み形成されてい
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項に記載のフライヤ。