JPS6236729Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は包装箱、特に底部を開放した箱本体
と、この箱本体の底部を閉塞する箱本体とは別個
に形成された底板とを連結治具で連結して一体化
する形式の包装箱に関する。

この種の包装箱として従来種々の構造のものが
知られているが、代表的なものとして第５図に示
すものがある。

第５図のものについて説明すると、底部を開放
した箱本体Ａの対向する１対の側板１，１の下方
に治具差込み孔２が開設されると共に底板Ｂに連
設されて起曲する支持片３にも上記治具差込み孔
２に対応する治具差込み孔２′が開設されてお
り、上記箱本体Ａを底板Ｂ上に載せて底板Ｂの支
持片３を箱本体Ａの側板１の外面に沿わしめ、両
者の治具差込み孔２，２′を挿通して箱本体Ａの
側板１と底板Ｂの支持片３とに亘つて連結治具Ｃ
を取りつけ、箱本体Ａと底板Ｂとを連結してい
る。

そして、上記連結治具Ｃは雌雄二部材c₁c₂から
なり、箱本体Ａ及び底板Ｂの治具差込み孔２，
２′を挿通して箱本体Ａ内側に突出した雌部材c₁
内端に起伏自在に設けた掛止片４を、雄部材c₂を
雌部材c₁内に押し込み、掛止片４基部内側の爪片
５を押し上げることにより起立させ、この掛止片
４と雌部材c₁外端に設けたフランジ６で箱本体Ａ
の側板１と底板Ｂの支持片３とを縫着状に挟持し
て両者を連結するようになつている。

従つて、上記従来のものは箱本体と底板とを連
結するためには箱本体側板の治具差込み孔と、底
板の支持片の治具差込み孔とを一致させ、この孔
に手作業により連結治具を差込み装着しなければ
ならず、作業が面倒であるばかりでなく、連結治
具も二部材で構成され構造も複雑であるためコス
トも高い。

また、底板の支持片が箱本体の外側に表われる
ので外観上の見栄えも良くない。

本考案は上記問題を解消し、構造を簡単にして
コストの底減を計かると共に箱本体と底板との連
結作業を容易にし、併せて見栄えも向上させるこ
とを目的とするものである。

上記、目的を達成するための本考案の基本的な
構成は、連結治具を背板前面の上方に係合突部、
下方に箱受けフツクを突出させて設けた構造とし
てこれを底板の支持片外面に取りつけ、箱本体を
底板に被せ、その側板下端を連結治具の箱受けフ
ツクに受け止め掛止させることにより、底板上面
側に若干倒しておいた支持片を箱本体の重量と段
ボールの反発復元力により垂直状に起こして連結
治具の係合突部を箱本体側板に開穿した治具差込
み孔に自動的に係合させるものである。

以下、本考案の実施の一例を図に基づいて説明
する。

この包装箱は箱本体Ａと底板Ｂとの２つの箱部
材によつて構成されている。

箱本体Ａは段ボールで形成され底部が開口７に
よつて開放されており、底板Ｂに被せることで、
この底板Ｂにより開口７を塞ぐようになつてい
る。そして相対向する１対の側壁１，１、（図示
例においては左右の側壁）には夫々複数の治具差
込み孔２が開穿されている。

治具差込み孔２は、後述する底板Ｂの支持片３
に取りつけられる連結治具Ｃの係合突部８に対応
するように箱本体Ａの下端から一定の間隔をおい
て横に並んで複数個設けられており、孔の形状は
略横長の長方形を呈している。

底板Ｂは段ボールを裁断して箱本体Ａの開口７
と略同じ大きさ、若しくはそれより若干小さな大
きさの四角形に形成されて、木製パレツトＤ上面
に敷設固定されており、その四周縁のうち箱本体
Ａの治具差込み孔２を有する側壁１，１に対応す
る１対の縁部（図示例では左右の縁部）には夫々
支持片３が折目線９を介して連設起曲されてい
る。

支持片３は、その高さが箱本体Ａの側壁１，１
の下端から治具差込み孔２上端までの高さより若
干高く形成されており、外面側には箱本体Ａの治
具差込み孔２の数に対応する数の連結治具Ｃが取
りつけられている。

連結治具Ｃは、合成樹脂の引抜き成形により得
られた長尺の型材を所要の幅、詳しくは箱本体Ａ
の治具差込み孔２の横幅に相当する幅に切断して
形成されており、底板Ｂの支持片３への取付部と
なる背板１０の前面に箱本体Ａの治具差込み孔２
に係合させる係合突部８と箱本体Ａの側板１，１
下端を受け止め係止する箱受けフツク１１を一体
に備えた構造となつている。

背板１０は箱本体Ａの側板１の下端から治具差
込み孔２の上端までの高さに大略相当する高さを
有し、上半部に対して下半部が前面側に若干屈曲
している。

係合突部８は背板１０の上端から前面上部にか
けて斜め下向きに突出する三角形の嘴状に形成さ
れており、その上下方向の幅寸法は治具差込み孔
２の上下方向の幅寸法より大きく、下面は前方に
向かつて若干斜め下向きの傾斜面となつており、
基部における上下方向幅寸法が略治具差込み孔２
の上下方向幅寸法に一致する。

箱受けフツク１１は、背板１０下端に連続して
背板１０の前面側へ略Ｌ型に突出し、背板１０と
共に上向き凹の状態の受溝１２を形成する。

而して、斯る連結治具Ｃは底板Ｂに被せた状態
における箱本体Ａの治具差込み孔２に、係合突部
８が対応する位置において、背板１０上半部背面
を支持片３外面に当接せしめて該支持片３にステ
ツチ止め、あるいは接着剤による接着固定等適当
な固定手段により取付け固定し、箱受けフツク１
１により箱本体Ａの下端を受け止め支持すると共
に係合突部８を箱本体Ａの治具差込み孔２に内側
から係合させて箱本体Ａと底板Ｂとを連結々合す
る。

即ち、第３図に示すように、底板Ｂに起曲した
支持片３を若干内方へ傾むけた状態で、上方より
箱本体Ａを被せれば、支持片３は箱本体Ａの側壁
１，１下端により連結治具Ｃの係合突部８を介し
て更に内方へ倒され箱本体Ａの開口７から箱本体
Ａ内へ入り込むが、箱本体Ａが更に下降し、側板
１，１の治具差込み孔２が治具Ｃの係合突部８に
対応し、支持片３に対する外方からの押圧力が除
かれると、第４図に示すように支持片３は、段ボ
ールの弾性復元力により、自然に起き上がつて連
結治具Ｃの係合突部８が箱本体Ａの治具差込み孔
２に嵌入係合する。

また、同時に箱本体Ａの下端が連結治具Ｃの受
溝１２に嵌まり込んで箱受けフツク１１に受け止
め支持される。

そして、この箱本体Ａの重量により、支持片３
は外方へ引かれる状態となり、係合突部８の治具
差込み孔２への係合は確実強固にる。

従つて、箱本体Ａと底板Ｂとは確実に連結固定
される。

尚、この実施例において連結治具Ｃの背板１０
の下半部を前方へ屈曲させたのは、箱本体Ａを被
せるときにおける側板１，１下端の受け止めを行
い易くするためと、支持片３を外方へ引き寄せて
係合突部８の治具差込み孔２への係合を確実にす
るためであるが、敢えてこのような構造とせず、
背板１０全体を平らに形成しても連結治具Ｃは十
分にその機能を果たすことができる。

本考案は上記の構成であるから以下の利点を有
する。

(1) 箱本体を底板に被せるだけで、底板の支持片
に設けた連結治具の係合突部が箱本体の側板に
設けた治具差込み孔に自動的に係合して箱本体
と底板とが連結固定されるので、両者の連結作
業が非常に簡単に出来る。

(2) 底板に連設起曲される支持片が、箱本体と底
板との連結状態において箱本体内に挿入され、
外面に表われないので、外観を損なうことがな
く、見栄えが良い。

(3) 連結治具の構造が非常に簡単であるので、合
成樹脂の引抜き成形で容易に製造することがで
き、コストが低減できる。

(3) 連結治具は合成樹脂の引抜き成形により形成
する場合、引抜き成形で得られる長尺の型材を
所要の長さに切断すれば良いので、被包装物の
重量に応じて切断する大きさを自由に選択する
ことにより種々の大きさのものを容易に製造す
ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す包装箱の斜視
図、第２図は本考案の主要な構成要素である連結
治具の斜視図、第３図は箱本体と底板との連結状
態をその工程の中途において示す要部の拡大断面
図、第４図は第１図の−線に沿える拡大断面
図、第５図は従来の包装箱の一例を示す要部の断
面図である。 図中、Ａ……箱本体、Ｂ……底板、Ｃ……連結
治具、Ｄ……パレツト、１……側板、２……治具
差込み孔、３……支持片、８……係合突部、９…
…折目線、１０……背板、１１……箱受けフツ
ク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底板の少なくとも１対の側端縁に折目線を介し
   て支持片を起曲連設し、該支持片外面に背板前面
   の上方に係合突部、下方に箱受けフツクを夫々突
   出せしめた連結治具を取付けると共に、底部を開
   放した段ボール製箱本体を上記底板上に被せて箱
   本体の側板下端を連結治具のフツクに受け止め係
   合させ、連結治具の係合突部を該治具に対応せし
   めて側板下方に開穿した治具差込み孔に箱本体内
   方より差込み係合する包装箱。