JPH10250719A - 衣類運搬用包装箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吊下孔を透設したハンガー吊下片を箱体と一
体の蓋板に連設して組み立て易く、ハンガー吊下片を確
実に保持できる衣類運搬用包装箱を提供する。 【解決手段】 吊下孔９２を有するハンガー吊下片９
１を背面板８に連設した蓋片９に連設し、正面上半分板
１に連設した蓋片５に折込片５１を連設し、正面下半分
板２を開放側の側板３に連設した小幅な縦枠片３５に接
着し、縦枠片３５に正面裏片２１を介して補強板２を連
設し、補強板２の上端及びハンガー吊下片９１の下端に
係合溝２２，９４を欠設し、ハンガー吊下片９１と直角
に起立配置させた補強板２の上端にハンガー吊下片９１
を係合溝２２，９４で係止させることでハンガー吊下片
９１を補強板２で下から補強支持し、箱内側に折曲した
係止片６の係止溝部６１にハンガー吊下片９１の両側端
の係止溝部９３を係着させてハンガー吊下片９１を支持
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ハンガーに掛けた
状態で衣装を運搬できる衣類運搬用包装箱に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種段ボール製の衣類運搬用包
装箱は、中央上部にハンガー吊下用の棒体を取り付けて
ハンガー部としていたがその取り付けが面倒であると共
に、廃棄処分に問題があるため、最近、蓋板にハンガー
吊下孔を設けて箱体と一体に折曲形成できるものが使用
されている。しかしながら、この場合ハンガー吊下片は
単に蓋板の係止で保持された垂下状態のため、比較的軽
い衣類の運搬に適用でき、重い場合は破損し易くて耐久
性が劣るものである。この点、実公平５−９３０８号の
ように、ハンガー吊下片を補強支持するものもあるが、
その補強片の係合突起が外に突出することから外からの
当たりで外れ易く、補強片のロックの確実性が疑問視さ
れるのである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、ハン
ガー吊下孔を透設したハンガー吊下片を箱体と一体の蓋
板に連設して組み立て易く、ハンガー吊下片を確実に補
強支持できて重い衣類の運搬に耐え得る衣類運搬用包装
箱を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】このため本発明は、対向
する側板、正面板及び背面板で胴部を形成し、それらの
下に連設した底板で底部を形成すると共に、正面板及び
背面板の上端に夫々蓋開口部の半分の幅で連設した蓋片
で蓋部を形成し、吊下孔を透設したハンガー吊下片を背
面板に連設した蓋片に連設し、正面板の略上半分板を横
開き又は縦開き可能に切り込み形成すると共に、正面上
半分板に連設した蓋片に折込片を連設した箱体とするも
のにおいて、下端が底部に当接すると共に、上端が内側
に折曲して垂下したハンガー吊下片に当接する高さの補
強板を箱体構成片に連設し又は接着し、補強板の上端又
はハンガー吊下片の下端に係合溝を欠設して成り、ハン
ガー吊下片と直角に起立配置させた補強板の上端にハン
ガー吊下片を係合溝で係止させることでハンガー吊下片
を補強板で補強支持する構成の衣類運搬用包装箱であ
る。なお、正面下半分板の裏面に接着される正面裏片
を、側板又は側板に連設した小幅な正面縦枠片に連設し
又は接着し、該正面裏片に補強板を連設してもよい。ま
た、ハンガー吊下片の両側端部に係止溝部を開放側に向
けて欠設すると共に、両側板の夫々上端中央部に上下方
向の係合孔を透設した係止片を連設し、箱内側に折り返
した係止片の該係合孔端に、箱内側に折曲したハンガー
吊下片の両側端の係止溝部を係着させることで垂下状態
のハンガー吊下片を係止片で支持してもよい。さらに、
正面下半分板を開放側の側板に連設した小幅な正面縦枠
片５に接着するものにおいて、正面上半分板を横開き可
能に切り込み形成すると共に、正面上半分板の開放側の
下端に、正面下半分板への切り込みで形成されるストッ
パ片を下向きに突設し、正面下半分板の該ストッパ抜き
空部を閉塞した正面縦枠片の裏にストッパ片を屈曲配置
して正面上半分板を閉塞係止させてもよい。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図示した形
態例で説明する。図１は図２で示す段ボール製衣類運搬
用包装箱の展開状態図であり、正面板１を切り込み１０
により上下に略二分して正面上半分板１１と正面下半分
板１２とし、正面板１の横に側板３を折り目３０を介し
て連設し、正面下半分板１２、側板３の下端に折り目１
２０,３１を介して底片４１、底フラップ４２を連設し
ている。

【０００６】また、正面上半分板１１の上端には折り目
１１０を介して蓋板５を連設し、蓋板５には折り目５０
を介して折込片５１を連設している。さらに、側板３の
上端にはその中央部に係止片６を折り目６０を介して上
向きに突設し、上下方向の係合孔６１を係止片６に透設
している。また、係止片６を連設していない側板３の上
端には折り目３２を介して一対の分離した蓋フラップ
７,７が連設してあり、該蓋フラップ７の開放端には噛
合片７１が突設してある。

【０００７】なお、正面上半分板１１の開放側の下端
に、正面下半分板２への切り込み１２１で形成されるス
トッパ片１３を下向きに突設し、その少し上の正面上半
分板１１の部位にストッパ片１３を屈曲できる切り込み
１１２及び折り目１１３を施している。また、側板３の
開放端部には接合片３３が連設してある。

【０００８】８は背面板であり、その横に側板３を折り
目３０を介して連設し、背面板８、側板３の下端に折り
目８１,３１を介して底片４１、底フラップ４２を連設
している。また、背面板８の上端には折り目８０を介し
て蓋板９を連設し、蓋板９には折り目９０を介してハン
ガー吊下片９１を連設している。ハンガー吊下片９１に
は多数のハンガー吊下孔９２が透設されると共に、開放
端中央部に係合溝９４が切欠されている。また、ハンガ
ー吊下片９１の両側端に係合溝部９３を欠設して開放側
に開口させている。なお、別に補強用としてハンガー吊
下片９１と同一構成の段ボール製のハンガー吊下板９５
を設けている。

【０００９】また、側板３の上端にはその中央部に係止
片６を折り目６０を介して上向きに突設し、上下方向の
係合孔６１を係止片６に透設している。さらに、係止片
６を連設していない側板３の上端には折り目３２を介し
て一対の分離した蓋フラップ７,７が連設してあり、該
蓋フラップ７の開放端には噛合片７１と噛み合う噛合孔
７２が突設してある。

【００１０】なお、側板３の開放側には折り目３４を介
して小幅な正面縦枠片３５が連設され、その上下の下半
分を上半分より少し大きな幅として切り込み１２１で形
成されるストッパ片１３の抜き空部を閉塞できるように
している。

【００１１】２は補強板であり、胴板である側板３や背
面板８等と同じ高さであり、その幅を側板３より短くす
ると共に、上半分前端を傾斜させている。補強板２はそ
の下半分の部位から折り目２０を介して接着片２１を横
に突設させると共に、上端中央部に係合溝２２を欠設し
ている。

【００１２】なお、夫々の蓋板５，９の幅は蓋部の開口
部の半分の幅であり、一対の蓋フラップ７,７の分離間
隔はハンガー吊下片９１と折込片５１の二枚の段ボール
板厚が挿通できる間隔であり、ハンガー吊下片９１にハ
ンガー吊下板９５を接着する場合は、三枚の段ボール板
厚が挿通できる間隔とする。

【００１３】次にその組み立てを説明すると、まず、接
合片３３と背面板８とをワイヤー止めすると共に、補強
板２の接着片２１を正面縦枠片３５又は正面下半分板１
２の裏面に接着する。そして、各折り目で折曲し、正面
縦枠片３５の下半分に正面下半分板１２を接着して四角
胴部を形成し、底片４１及び底フラップ４２で底部を形
成する。これにより、図３のように、補強板２が正面下
半分板１２と直角に箱体内の中央に仕切り配置される。

【００１４】ついで、対向する背面板側の蓋フラップ７
を折り曲げて噛合孔７２に噛合片７１を噛み合わせて補
強板２の上端後部に配置し、対向する係止片６を内側に
折り返し、蓋板９を折曲して蓋フラップ７上に接合させ
る。そして、ハンガー吊下片９１を箱内側に折曲するの
である。これにより、図４及び図６のように、ハンガー
吊下片９１の中央の係合溝９４が補強板２の上端の係合
溝２２に係合すると共に、図４及び図５のように、両側
の係合溝部９３が係合孔６１の下端に係着する。

【００１５】これにより、垂下状態となっているハンガ
ー吊下片９１が補強板２及び係止片６で強く支持される
のである。なお、必要があればハンガー吊下片９１を補
強するためにハンガー吊下板９５を接着してもよい。

【００１６】そして、正面板側の対向する蓋フラップ７
を折り曲げて噛合孔７２に噛合片７１を噛み合わせて補
強板２の上端前部に配置し、正面上半分板１１の蓋板９
を折曲して蓋フラップ７上に接合させると共に、折込片
５１を折曲して図６のように、ハンガー吊下片９１に接
合させて補強板２の係合溝２２に係止して蓋開口部を閉
塞形成するのである。この際、折込片５１の両側端が係
止片６の係止孔６１に係合されてその閉塞状態が安定す
るが、折込片５１の両側端が係止片６の係止孔６１に係
合されない構成としてもよい。

【００１７】また、正面上半分板１１はその開放側下端
に設けたストッパ片１１を図２のように、正面に折曲し
た正面縦枠片３５の裏に折曲して押し込むことで正面上
半分板１１で正面上半分の衣類出し入れ口が閉塞される
のである。

【００１８】したがって、折込片５１を上に抜き外すと
共に、指を正面縦枠片３５の裏に入れてストッパ片１３
を引き出すことで正面上半分板１１が横開きし、この状
態で、図７のように、衣類を掛けたハンガーをハンガー
吊下片９１の吊下孔９２に係止し、再び折込片５１を蓋
フラップ７の間に折曲すると共に、ストッパ片１３を正
面縦枠片３５の裏に押し込み係止して正面上半分板１１
を閉じ、この状態で運搬するのである。

【００１９】本例によると、ハンガー吊下片９１が胴板
と一体の蓋板９に連設されているため折曲だけで組み立
てることができ、しかもハンガー吊下片９１が補強板２
で中央部が下から支持されると共に、折曲した係止片６
の係止孔６１でハンガー吊下片９１の両端の係止溝９３
がロック状に係着されるためハンガー吊下片９１が確実
に補強保持されるのである。

【００２０】また、図４及び図６のように、蓋フラップ
７が補強板２の上で支持され、その上に蓋９が被着され
ることから、蓋９も補強されて安定するため一層ハンガ
ー吊下片９１が強く保持されることになる。蓋フラップ
７がない場合でも蓋板９が補強板２の上で支持されて補
強されるのである。さらに、係止片６が弾性により上に
回動復位しようとすることから両者の係着が強くなって
外れることがない。

【００２１】また、正面上半分板１１の開閉も簡単でそ
の閉塞状態をストッパ片１３でロックできることから運
搬時に開いたりすることがないのである。

【００２２】本例は上記の構成としたが、本発明におい
てはこれに限定されない。例えば、胴部及び底部の構成
は問わず、図８のように、一枚の展開状態に連設しても
よく、底部はアメリカンロック方式としてもよい。ま
た、ハンガー吊下片の形状及び吊下孔も適宜である。さ
らに補強板の形状や連接位置も任意であって、底板等の
箱体構成板に連接又は接着してもよく、補強板を備える
数も限定されず、図９のように複数枚備えてもよい。補
強板の上端とハンガー吊下片の下端との係合は、本例で
はその両方に係合溝を欠設して係合させているが、いず
れか一方に係合溝を欠設することでもよい。

【００２３】なお、ハンガー吊下片両端の係合溝部を係
止片で係着さて保持を併用する場合は、その係止片の形
状も任意であり、その係止孔もハンガー吊下片の両側端
部に形成する係合溝部を係着できればよい。また、正面
板の略下半分を開放側の側板の端部に接着してもよく、
正面上半分板を上から下に縦開きできるようにしてもよ
い。さらに、素材は問わず、段ボールの他、プラスチッ
ク段ボール等でもよく、焼失できるものが最適である。

【００２４】

【発明の効果】本発明の請求項１によると、ハンガー吊
下片が胴板と一体の蓋板に連設されているため折曲だけ
で組み立てることができ、ハンガー吊下片が起立した補
強板で下から支持され、且つ蓋板も補強板の上面に当接
して支持されるため、ハンガー吊下片が確実に保持さ
れ、重い強度に耐え得て使用できるのである。また請求
項２では、補強板の形成が簡単であり、正面裏片の接着
によって正面下半分板が補強されるのである。請求項３
では、折曲した係止片の係止孔でハンガー吊下片の両端
の係止溝部がロック状に係着されるためハンガー吊下片
が確実に保持され、重い衣類の吊り下げ煮も耐え得るの
である。請求項４では衣類の出し入れが簡単にでき、開
閉する正面上半分板の係脱が簡単にできるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の形態例の展開状態図である。

【図２】その組み立て状態の一部切欠した斜視図であ
る。

【図３】その箱体と底部を組み立てた状態の斜視図であ
る。

【図４】そのハンガー吊下片を折曲した要部の一部切欠
した斜視図である。

【図５】そのハンガー吊下片の両端の係着を示す要部の
拡大斜視図である。

【図６】そのハンガー吊下片の補強板との係着を示す要
部の拡大縦断側面図である。

【図７】そのハンガー吊下片の両端の係着を示す要部の
拡大縦断正面図である。

【図８】別例の展開状態図である。

【図９】補強板を等間隔で二枚配置したさらに別例の組
み立て途中の斜視図である。

【符号の説明】

１１ 正面上半分板 １２ 正面下半分板 １３ ストッパ片 ２ 補強板 ２１ 正面裏片 １２１ 切り込み ３ 側板 ３５ 正面縦枠片 ４１ 底板 ４２ 底フラップ ８ 背面板 ５，９ 蓋片 ６ 係止片 ６１ 係止孔 ７ 蓋フラップ ９１ ハンガー吊下片 ９２ 吊下孔 ９３ 係合溝部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 対向する側板、正面板及び背面板で胴部
   を形成し、それらの下に連設した底板で底部を形成する
   と共に、正面板及び背面板の上端に夫々蓋開口部の半分
   の幅で連設した蓋片９，５で蓋部を形成し、吊下孔９２
   を透設したハンガー吊下片９１を背面板８に連設した蓋
   片９に連設し、正面板の略上半分板１１を横開き又は縦
   開き可能に切り込み形成すると共に、正面上半分板１１
   に連設した蓋片５に折込片５１を連設した箱体とするも
   のにおいて、下端が底部に当接すると共に、上端が内側
   に折曲して垂下したハンガー吊下片９１に当接する高さ
   の補強板２を箱体構成片に連設し又は接着し、補強板２
   の上端又はハンガー吊下片９１の下端に係合溝２２，９
   ４を欠設して成り、ハンガー吊下片９１と直角に起立配
   置させた補強板２の上端にハンガー吊下片９１を係合溝
   ２２，９４で係止させることでハンガー吊下片９１を補
   強板２で下から補強支持することを特徴とする衣類運搬
   用包装箱。
2. 【請求項２】 正面下半分板１２の裏面に接着される正
   面裏片２１を、側板３又は側板３に連設した小幅な正面
   縦枠片３５に連設し又は接着し、該正面裏片２１に折り
   目２０を介して補強板２を連設した請求項１の衣類運搬
   用包装箱。
3. 【請求項３】 ハンガー吊下片９１の両側端部に係止溝
   部９３を開放側に向けて欠設すると共に、両側板３，３
   の夫々上端中央部に上下方向の係合孔６１を透設した係
   止片６を連設し、箱内側に折り返した係止片６の該係合
   孔端に、箱内側に折曲したハンガー吊下片９１の両側端
   の係止溝部９３を係着させることで垂下状態のハンガー
   吊下片９１を係止片６で支持する請求項１又は請求項２
   の衣類運搬用包装箱。
4. 【請求項４】 正面下半分板１２を開放側の側板３に連
   設した小幅な正面縦枠片３５に接着するものにおいて、
   正面上半分板１１を横開き可能に切り込み形成すると共
   に、正面上半分板１１の開放側の下端に、正面下半分板
   １２への切り込み１２１で形成されるストッパ片１３を
   下向きに突設し、正面下半分板１２の該ストッパ抜き空
   部を閉塞した正面縦枠片３５の裏にストッパ片１３を屈
   曲配置して正面上半分板１１を閉塞係止させる請求項１
   又は請求項２又は請求項３の衣類運搬用包装箱。