JPS6235659Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、両側部に設けられた脚の先端をフー
トレストの先端に取付けるようにした自動車用キ
ヤリアに関する。

従来より、不整地走行用の自動三輪車や自動四
輪車等にはこの種のキヤリアが用いられている。
しかし従来では、キヤリアの両側部に設けられる
直線状の脚がフートレストの先端に取付けられる
ため、この脚がキヤリア保持用部材及びレツグガ
ード部材として役立つものの、運転者がフートレ
スト上に靴（足）を乗せ得る範囲が前記脚によつ
て規制されてしまうという不都合があつた。この
ため、前記脚は運転者にとつて非常に邪魔な存在
であつた。

本考案は上述の如き実状に鑑みて考案されたも
のであつて、本考案の目的は、既述の脚がキヤリ
ア保持部材及びレツグガード部材としての機能を
持つことは勿論、運転者が靴（足）を乗せる位置
の自由度を充分に確保し得るようにした自動車用
キヤリアを提供することにある。

本考案の特徴は、両側部に設けられた脚の先端
をフートレストの先端に取付けるようにした自動
車用キヤリアにおいて、前記フートレスト上に乗
せられるべき運転者の靴に対応する前記脚の一部
分に、前記フートレストから遠ざかる方向に突出
するふくらみ部を形成したことにある。

以下本考案を鞍乗型四輪車に用いられるキヤリ
アに適用した一実施例に付き図面を参照して説明
する。

第１図は鞍乗型四輪車１のフレーム２を示すも
のである。このフレーム２には前車輪３と後車輪
４が各二輪設けられ、これらの車輪３，４には内
部圧力が低く、地面との接触面が広いタイヤ、い
わゆるバルーンタイヤ５が配装されている。そし
て上述の車輪３，４を操舵する操舵機構としてリ
ンク機構６が設けられ、このリンク機構６はバー
ハンドル７によつて操作されるようになつてい
る。

また、フレーム２の左右一対のアツパーチユー
ブ２ａの後部は座席支持部となされており、その
支持部上に図外の座席が配設されている。そし
て、この座席の後方には、例えばスチール製パイ
プから成るキヤリア８が配設されている。即ち、
フレーム２のアツパーチユーブ２ａの後端にキヤ
リア取付板９が固設されており、この取付板９上
に前記キヤリア８が取付けられている。さらに、
前記キヤリア８の左右両側部には、第１図に示す
ように、脚１０，１１がそれぞれ一体的に設けら
れている。

一方、座席の下方両側部には、運転者の靴
（足）が乗せられる一対のフートレスト１２，１
３が設けられており、これら１対のフートレスト
１２，１３の先端にはキヤリア８の脚の先端１０
ａ，１１ａがそれぞれ固着されている。

なお、第１図及び第２図に示すように、キヤリ
ア８の脚１０，１１の先端部近傍には湾曲形状を
なすようにふくらみ部１０ｂ，１１ｂが形成され
ている。そして脚１０，１１の先端１０ａ，１１
ａがフートレスト１２，１３の先端に取付けられ
た状態の下では、上述のふくらみ部１０ｂ，１１
ｂは、フートレスト１２，１３上に乗せられるべ
き運転者の靴２９（第２図参照）に対応する箇所
に配置され、かつ前記ふくらみ部１０ｂ，１１ｂ
はフートレスト１２，１３から遠ざかる方向に突
出して靴２９が逃げ部となされている。

また、本実施例においては、前記脚１０，１１
がパイプ状部材から構成されると共に、キヤリア
８の近傍部分において脚１０，１１の一部がキヤ
リア８から分離されるようになつている。即ち、
第１図及び第３図に明示するように、各々の脚１
０，１１はキヤリア８の近傍において分割されて
いて、この分割された一対のパイプ部１４ａ，１
４ｂは連結手段１５によつて互いに一体的に結合
されて１つの脚１０，１１を構成している。

上述の連結手段１５は、前記パイプ部１４ａ，
１４ｂの中空部１９に挿入された芯棒１６と、こ
の芯棒１６とパイプ部１４ａ，１４ｂとをそれぞ
れ締付け結合するためのボルト１７及びナツト１
８とから構成されている。しかして、これら一対
のパイプ部１４ａ，１４ｂは次のようにして互い
に連結される。即ち、パイプ部１４ａ，１４ｂの
中空部１９内に１本の芯棒１６を挿入し、パイプ
部材１４ａ，１４ｂに形成された貫通孔２０及び
芯棒１６に形成された挿通孔２１にボルト１７を
それぞれ挿入して第３図に示す如くナツト１８に
ねじ込み、このボルト１７と芯棒１６との結合に
より一対のパイプ部材１４ａ，１４ｂが互いに一
体的に連結される。

また本実施例においては、必要に応じて、キヤ
リア８上にパンチングメタル２３を配設し得るよ
うに構成されている。このパンチングメタル２３
は一枚の金属板に多数の小孔２４を打抜き加工に
て設けて成るものであつて、第１図及び第４図に
示す如く、キヤリア８に一体成形された４つの取
付片２６に溶接ナツト２７が固設されており、パ
ンチングメタル２３の小孔２４を介して溶接接ナ
ツト２７にボルト２８をねじ込むことにより、パ
ンチングメタル２３をキヤリア８上に固定配置し
得るようになつている。

以上の如く構成されたキヤリア８によれば、キ
ヤリア８の脚１０，１１のうち、フートレスト１
２，１３上に乗せられるべき運転者の靴２９（第
２図において二点鎖線で示されている）に対応す
る部分に、フートレスト１２，１３から遠ざかる
方向に突出するふくらみ部１０ｂ，１１ｂを形成
したので、脚１０，１１の存在によつて靴２９を
乗せる位置が狭く規制されてしまうことがなく、
靴２９をフートレスト１２，１３上で第２図の矢
印Ａ方向に比較的広い範囲にわたつて自由に動か
すことができる。従つて、脚１０，１１がキヤリ
ア保持部材及びレツグガード部材としての機能を
持つことは勿論、運転者がフートレスト上に靴２
９を乗せる位置の自由度を充分に確保することが
できる。

また本実施例においては、パイプ部材１４ａ，
１４ｂを連結手段１５にて連結することにより脚
１０，１１を構成するようにしているので、キヤ
リア８の梱包をコンパクトにしかも容易かつ安価
に行なうことでき、船積み作業や輸送作業等を効
率良く行なうことができる。即ち、従来ではキヤ
リア８の脚１０，１１が長い一体成形部材から成
るため、梱包費がかさみ、船積み等の際にもその
作業が非常に面倒であつたが、脚１０，１１を上
述の如く分割し得るように構成すればこのような
不都合を解消できる。その上、フレーム２へのキ
ヤリア８の取付け作業も容易となる。

また従来では、使用者の必要に応じて、キヤリ
ア８上にベニヤ板や鉄板等を敷いていたが、この
板がたわんで水がその板上に溜ることにより耐久
性の低下が問題であり、その板をしつかり固定す
ることも難しかつた。しかし、本実施例のように
キヤリア８上にパンチングメタル２３を敷くよう
にすれば、農業用車として家畜、農作物を積んだ
りしても下に落ちるおそれがない上に、水等がキ
ヤリア８内に溜ることがないため耐久性を向上さ
せることができる。しかも、ボルト締めによりパ
ンチングメタル２３をキヤリア８にしつかりと固
定することができると共に、その取外しも簡単で
ある。

以上本考案を一実施例に付き述べたが、本考案
は既述の実施例に限定されるものではなく、本考
案の技術的思想に基いて各種の変形及び変更が可
能である。

以上の如く本考案は、キヤリアの脚のうちフー
トレスト上に乗せられるべき運転者の靴に対応す
る部分に、フートレストから遠ざかる方向に突出
するふくらみ部を形成するようにしたものであ
る。従つて、本考案の自動車用キヤリアによれ
ば、前記脚をキヤリア支持部材として役立たせ得
ることは勿論、前記ふくらみ部の存在によつて、
フートレスト上における靴の位置の自由度を充分
に確保することができる。なお、前記脚を上述の
如く構成したとしても、従来の場合と同様に、こ
の脚をレツグガード用部材として機能させ得て、
安全性の点でも問題はない。

【図面の簡単な説明】

第１図は鞍乗型四輪車のフレーム構造を概略的
に示す斜視図、第２図はフートレストとキヤリア
の脚との関係を示す要部拡大正面図、第３図はキ
ヤリアの脚に用いられる連結手段を示す拡大側面
図、第４図は第１図におけ−線拡大断面図で
ある。 ２……フレーム、８……キヤリア、１０，１１
…脚、１０ａ，１１ａ……先端部、１０ｂ，１１
ｂ……ふくらみ部、１２，１３……フートレス
ト、１５……連結手段、２３……パンチングメタ
ル、２９……靴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両側部に設けられた脚の先端をフートレストの
   先端に取付けるようにした自動車用キヤリアにお
   いて、前記フートレスト上に乗せられるべき運転
   者の靴に対応する前記脚の一部分に、前記フート
   レストから遠ざかる方向に突出するふくらみ部を
   形成したことを特徴とする自動車用キヤリア。