JPS6235243Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は機関始動電動機の電磁スイツチ装置
の改良に関するものである。

従来、この種の装置として第１図に示すものが
あつた。図において、１は非磁性体からなる円筒
のブツシユ、２はこのブツシユの左側に挿入され
鉄材からなる固定鉄心で、後述する電磁コイルの
付勢時に磁化され、所定の磁路を形成する。３は
この固定鉄心と嵌合されたキヤツプ、４はこのキ
ヤツプと固着された筒状のケース５の一方の開口
部に取付けられたブツシユである筒体、６，７は
上記ケース５内に装着された電磁コイル、８はこ
れらの電磁コイル６，７が巻回された巻枠、９は
上記ブツシユ１，筒体４，巻枠８の内周部に摺動
可能に装着されたプランジヤで、上記電磁コイル
６，７の付勢時に左方へ吸引される。１０はこの
プランジヤ９を常に右方向へ押圧している圧縮ス
プリング、１１は上記固定鉄心２を貫通し、該固
定鉄心２に対し摺動可能に設けられた可動接点支
持棒で、その左端部には図示しない固定接点と接
合される可動接点（図示せず）が固着されてい
る。１２は上記キヤツプ３に取付けられ、上記ボ
ビン８を連接された筒状の接続金具、１３，１４
は外部接続端子、１５は上記ケース５の右側面に
固着され環状体からなるプランジヤ９保持用金具
で、その円周上の１ケ所には上記プランジヤ９の
右端部に当接して、上記プランジヤ９がケース５
外へ脱落するのを阻止する係止片１５ａが形成さ
れている。

次に上記従来装置の動作について説明する。先
ず、端子１３に図示しない電源より電流が供給さ
れると、上記電磁コイル６，７に電流が流れる。
すると、固定鉄心２とプランジヤ９磁化され、プ
ランジヤ９がスプリング１０の弾性力に抗して固
定鉄心２側に吸引される。プランジヤ９が吸引さ
れると、可動接点支持棒１１が図の左方に移動し
て図示しない可動接点と固定接点が接触し、図示
しない電源より始動電動機に電力が供給されて始
動電動機が回転する。

ところで、上述した従来の装置におけるプラン
ジヤ９はスプリング１０により外方向へ押されて
いて、始動電動機に組込まれるまで保持用金具１
５の係止片１５ａにて保持されている。従来の電
磁スイツチは以上のように構成されているので保
持用金具１５が必要で、同時に保持用金具１５の
係止片１５ａにてケース５に保持する必要があ
り、そのため構成部品数の増大並びに製作工数の
増加等、極めて生産性が悪くコスト高となつてい
た。

この考案は上記従来装置の欠点を解消する優れ
た電磁スイツチ装置を提供するものである。

以下第２図乃至第４図に示すこの考案の一実施
例について説明する。

図において、１６はプランジヤ９の係合部であ
る段付部、１６′は段付部１６の切欠部で、その
円周上の２ケ所に形成されている。１７はボビン
８の円周上の２ケ所に形成された被係合部である
凸部で、この凸部１７は上記切欠部１６′が挿入
可能な寸法に設定されている。１８は上記筒体４
の内周部にその円周上の２ケ所において形成され
た被係合部である凸部で、この凸部１８も上記プ
ランジヤ９の段付部１６の切欠部１６′が挿入可
能に形成されている。

このように構成されたものにあつては、プラン
ジヤ９をケース５内に装着させる場合、プランジ
ヤ９の段付部１６の切欠部１６′とボビン８の凸
部１７，筒体４の凸部１８とを各々対向させた状
態でプランジヤ９をスプリング１０に抗してケー
ス５内に押圧して挿入し、そのプランジヤ９の段
付部１６がボビン８の凸部１７を完全に通過する
まで挿入した後、プランジヤ９を回転させること
によりプランジヤ９の段付部１６がボビン８の凸
部１７で係止され、しかもプランジヤ９はスプリ
ング１０により右方へ押圧されているのでプラン
ジヤ９はケース５内で完全に位置保持されること
になる。

上述の説明では、ボビン８と筒体４に各々凸部
１７，１８を設けるものを例示したが、ボビン８
と筒体４の何れか一方にのみ凸部を設けてもよ
い。

以上のようにこの考案によれば、プランジヤの
外周部にそのプランジヤの円柱状表面を基準に凸
部とこの凸部に設けた切欠部からなる係合部を形
成すると共にブツシユと巻枠との少なくとも何れ
か一方の内周部に上記係合部と係合し得る切欠部
と凸部からなる被係合部とを形成し、係合部の凸
部又は切欠部と被係合部の切欠部又は凸部とを対
向させてプランジヤを弾性体に抗してケース内に
挿入可能でかつその挿入状態において係合部と被
係合部との相対位置を変化させ係合部の凸部と被
係合部の凸部とを係止させことによりプランジヤ
をケース内に位置保持するようにしているので、
何ら特別のプランジヤの脱落防止部材を設ける必
要がないため、軸方向寸法の短縮と部品点数の減
少に加え、製作工数も少なくでき、しかもプラン
ジヤのケース内への挿入あるいは位置保持が容易
にできるため、生産性の良いローコストの電磁ス
イツチ装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置を示す断面図、第２図はこの
考案の一実施例を示す断面図、第３図はこの考案
によるボビン８の正面図、第４図はこの考案によ
る筒体４の正面図、第５図はこの考案によるプラ
ンジヤ９の側面図である。 図において、１はブツシユ、２は固定鉄心、３
はキヤツプ、４は筒体、１８は筒体の凸部、５は
ケース、６，７は電磁コイル、８はボビン、１７
はボビンの凸部、９はプランジヤ、１６は段付
部、１６′は切欠部。なお、図中同一符号は同一
または相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 接点部の開閉を制御し得るプランジヤを駆動す
   る電磁コイル、この電磁コイルを巻回した筒状の
   巻枠、この巻枠の内周部に上記プランジヤと対向
   して設けられ、上記電磁コイルの磁路を構成する
   固定鉄心、この固定鉄心と上記電磁コイルと上記
   巻枠を内臓したケース、このケースの内周部と上
   記プランジヤの外周部との間に設けられ上記プラ
   ンジヤの摺動を円滑に行なうブツシユ、及び上記
   電磁コイルの付勢による上記プランジヤの吸引方
   向と逆方向に上記プランジヤを押圧する弾性体を
   備えたものにおいて、上記プランジヤの外周部に
   そのプランジヤの円柱状表面を基準に凸部とこの
   凸部に設けた切欠部からなる係合部を形成すると
   共に上記ブツシユと上記巻枠との少なくとも何れ
   か一方の内周部に上記係合部と係合し得る切欠部
   と凸部からなる被係合部とを形成し、上記係合部
   と上記被係合部とは、上記係合部の凸部又は切欠
   部と上記被係合部の切欠部又は凸部との対向によ
   り上記プランジヤを上記弾性体に抗して上記ケー
   ス内に挿入可能でかつその挿入状態において上記
   係合部と上記被係合部との相対位置の変化により
   上記係合部の凸部と上記被係合部の凸部とが係止
   され上記プランジヤを保持するように構成されて
   いる電磁スイツチ装置。