JPS6337718Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は電磁スイツチ装置、特に機関始動電
動機用電磁スイツチの改良に関するものである。

従来のこの種の装置としては第１図に示すもの
があつた。図において、１は筒状のケース、１ａ
はこのケース１を図示しない始動電動機に装着す
るためねじが螺合されるねじ孔、２はケース１の
右端部の内周面に固着されたブツシユ、３ａ，３
ｂはケース１内に装着された電磁コイル、４はこ
の電磁コイル３ａ，３ｂが巻回された筒状の巻
枠、５はこの巻枠４の内周面にブツシユ２の内径
と同一となるように固着された非磁性体からなる
ブツシユである円筒体、６はこの円筒体５の左側
に挿入された固定鉄心で、内周部に貫通孔６ａと
スプリング装着部６ｂを有し、電磁コイル３の磁
路を構成する。７はこの固定鉄心６の貫通孔６ａ
に摺動可能に挿通されると共に固定鉄心６のテー
パ面に当接されて右方向への移動を規制するテー
パ状の当接部が形成された接点棒で、その左端部
には図示しない固定接点を接合される可動接点
（図示せず）が固着され、これらの接点によつて
接点部が形成されている。８は内周部に凹部８ａ
を有し、ブツシユ２、巻枠４、円筒体５内にその
内周面に沿つて軸方向に摺動可能に装着されたプ
ランジヤで、電磁コイル３ａ，３ｂの付勢時に左
方向に吸引される。９はこのプランジヤ８の凹部
８ａ内に装着される可動体、１０はこの可動体９
と固定鉄心６のスプリング装着部６ｂとの間に装
着された圧縮スプリングで、プランジヤ８を常に
右方向へ押圧している。１１はケース１の右側面
に固着された環状体で、その円周上の１ケ所には
プランジヤ８の右端部に当接してプランジヤ８が
ケース１外へ脱落するのを阻止する係止片１１ａ
が形成されている。１２はケース１に固着され、
接点部を覆う樹脂性のキヤツプ、１２ａはこのキ
ヤツプ１２ａと接点棒７との間に装着され、接点
棒７を固定鉄心６側に押圧する圧縮スプリングで
ある。

上記のように構成された従来装置にあつては、
その組付けの際、プランジヤ８をスプリング１０
に抗して円筒体５、巻枠４、ブツシユ２内に可動
体９を介して挿入する場合には、スプリング１０
の先端部をプランジヤ８の凹部８ａと可動体９と
の間隙に完全に嵌合させた後、プランジヤ８を押
し込まなければならない。これは、もし、スプリ
ング１０の先端部がプランジヤ８の凹部８ａと可
動体９との間隙に嵌合しないで、プランジヤ８の
固定鉄心６との対向側面に当接した場合、スプリ
ング１０の抗力が設定値よりも大となるため、電
磁コイル３ａ，３ｂを付勢してもプランジヤ８の
吸引量が設定値に達しなくなり、電磁スイツチの
機能をなさなくなる不具合が生じ、又、プランジ
ヤ８の挿入時にはスプリング１０が径方向にず
れ、そのためスプリング１０が歪曲して装着され
る場合があり、この場合には、歪曲部の機械的強
度が著しく低下し、スプリング１０が破損に到る
恐れもあり、更にはプランジヤ８の吸引の毎にス
プリング１０の歪曲に伴なう異音が生じる等の不
具合が発生することになる。

一方、このような不具合が発生しないように考
慮すると、プランジヤ８の挿入に手間取ることに
なり、装置の組付性が極めて悪いものとならざる
を得ない。

又、スプリング１０がプランジヤ８、固定鉄心
６の内周部に装着されているために、プランジヤ
８の凹部８ａ、固定鉄心６のスプリング装着部６
ｂを形成しなければならず、さらに、可動体９を
必要とする等、構成も複雑で製作が煩雑となる欠
点があつた。

この考案は上述のような欠点に鑑みてなされた
もので、固定鉄心の外周部にプランジヤを押圧す
る圧縮スプリングを装着するように構成すること
により、部品点数の減少、プランジヤ並びに固定
鉄心の製作性の向上、更にはプランジヤのケース
内への挿入を容易化するようにした優れた電磁ス
イツチ装置を提供するものである。

以下、第２図に示すこの考案の一実施例につい
て説明する。

第２図において、１３は非磁性体からなる円筒
体５の左側内周に設けられた固定鉄心で、内周部
に接点棒７が挿通される貫通孔１３ａと外周部に
スプリング１０が装着される段部１３ｂとが形成
されている。１４はブツシユ２、巻枠４、円筒体
５内に固定鉄心１３と対向して軸方向に摺動可能
に装着されたプランジヤで、この左側面は平面状
に形成されて当接面を構成しており、この左側面
と固定鉄心１３の段部１３ｂとの間に圧縮スプリ
ング１０が装着されている。なお、その他の構成
は第１図とほぼ同一であるため、同一符号してそ
の説明は省略する。

上述の如く構成された実施例装置において、そ
の組付けの際、プランジヤ１４をスプリング１０
に抗して円筒体５、巻枠４、ブツシユ２内に挿入
する場合には、プランジヤ１４のスプリング装着
面は平面を呈しており、しかも、スプリング１０
は固定鉄心１３の外周部１３ｂに装着され、か
つ、円筒体５の内周面に沿つて配設されているの
で、スプリング１０の装着位置のずれを生ずるこ
とがなく、このため、プランジヤ１４を円筒体
５、巻枠４、ブツシユ２の各内周面に沿つて押圧
すれば容易に挿入でき、しかも、スプリング１０
のずれによるスプリング１０の破損、或いは異音
の発生を生ずることがなくなる。又、この実施例
のものにあつては、従来の如くプランジヤ８に凹
部８ａを形成しなくてもよいので、プランジヤ１
４の成形が容易となるうえ、電磁コイル３ａの付
勢による磁路面積が増大するので、プランジヤ１
４の吸引力も増大し、電磁コイル３ａ，３ｂの小
形化に寄与し得る。更に、従来の如く可動体９を
必要としないので、部品点数が減少し、製作コス
トを低減することができる。

以上のように、この考案はプランジヤにおける
接点棒との当接面を平面状に形成すると共に、固
定鉄心のプランジヤ側外周部に段部を形成し、電
磁コイルの付勢によるプランジヤの移動方向と逆
方向にプランジヤを押圧する圧縮スプリングを、
その一端がプランジヤの平面状当接面に、他端が
段部と固定鉄心の外周に設けられた非磁性体から
なる円筒体との間に位置するように構成している
ので、電磁コイルの巻枠を損傷させることなくス
プリングのスムーズな動きが得られ、確実な動作
と耐久性に優れた電磁スイツチ装置を構成するこ
とができる。また、プランジヤ並びに固定鉄心の
製作性の向上に寄与し、更に、組付時におけるプ
ランジヤのケース内への挿入作業が容易となり、
しかも、接点棒と固定鉄心との摺動部分が大きく
設定できるため接点棒の軸心に対する倒れを確実
に防止することができる等、実用的効果大なる電
磁スイツチ装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置を示す断面図、第２図はこの
考案の一実施例を示す断面図である。 図中、１はケース、２はブツシユ、３ａ，３ｂ
は電磁コイル、４は巻枠、５は円筒体、７は接点
棒、９は可動体、１０は圧縮スプリング、１１は
環状体、１２はキヤツプ、１２ａは圧縮スプリン
グ、１３は固定鉄心、１３ａは貫通孔、１３ｂは
段部、１４はプランジヤである。尚、図中同一符
号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒状のケース１、このケース１内に装着された
   電磁コイル３ａ，３ｂ、この電磁コイル３ａ，３
   ｂが巻回された筒状の巻枠４、この巻枠４の内周
   部に設けられた非磁性体からなる円筒体５、一端
   に平面状の当接面を有し、上記電磁コイル３ａ，
   ３ｂの付勢により吸引されて上記円筒体５の内周
   面に沿つて軸方向に駆動されるプランジヤ１４、
   上記円筒体５の内部に上記プランジヤ１４の当接
   面と対向して設けられ、上記電磁コイル３ａ，３
   ｂの磁路を構成すると共に、軸方向に形成された
   貫通孔１３ａと上記プランジヤ１４側の外周部に
   形成された段部１３ｂとを有してなる固定鉄心１
   ３、上記プランジヤ１４の当接面に一端が配置さ
   れると共に他端が上記円筒体５の内周面と上記固
   定鉄心１３の段部１３ｂとの間に配置され、上記
   電磁コイル３ａ，３ｂの付勢による上記プランジ
   ヤ１４の移動方向と逆方向に上記プランジヤ１４
   を押圧する圧縮スプリング１０、上記固定鉄心１
   ３の貫通孔１３ａに挿通され、上記固定鉄心１３
   に当接されて上記プランジヤ１４側への移動が規
   制されると共に上記電磁コイル３ａ，３ｂの付勢
   に伴なう上記プランジヤ１４の当接面の移動によ
   り上記プランジヤ１４側と反対方向に押圧駆動さ
   れ、かつ、この移動により上記プランジヤ１４側
   と反対方向に設けられた接点部を開閉制御する接
   点棒１３、この接点棒１３を上記固定鉄心１３側
   に押圧する圧縮スプリング１２ａ、上記ケース１
   に固着され、上記接点部を覆うキツプ１２を備え
   たことを特徴とする電磁スイツチ装置。