JPS623313Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は天井材に関し、非常に耐熱性、断熱
性に優れると共に成形も可能な作業性に優れたも
のを得ようとしている。

従来の天井材例えば自動車用天井内張材等とな
る天井材としては、種々のものが提案されてお
り、その一例としてポリエチレンによる発泡体を
主材として用いたものもあるが、ポリエチレンの
発泡体のみでは剛性および自己支持性の点で劣る
ため、形状の安定化が悪く、予め自動車の天井に
沿う形状へ大略的に成形しておくことも困難なも
のであつた。そのためポリエチレンによる発泡体
に形状保持の目的でメタルラスを貼り合わせたも
のも提案されたが、内張材としての一体性が欠け
易いと共にそれ自体の製造が面倒なほか、作業性
の点でも良好なものではなかつた。さらに自動車
用天井内張材としては、80℃以上の耐熱テストに
合格することが要求されるもので、しかも軽量化
を阻害しないことおよび天井内張材として安全で
且つ適度のこしの強さを失わないことなどが必要
とされるものであつた。

そこで、この考案においては、上記諸点に鑑み
自動車用天井内張材としても好適な天井材を提供
しようとしており、その構成としては、スチレン
−無水マレイン酸共重合体またはこれとその他の
熱可塑性樹脂とのブレンド品よりなる発泡体の片
面には、スチレン−無水マレイン酸共重合体また
はこれとその他の熱可塑性樹脂とのブレンド品よ
りなるフイルムを積層し、上記発泡体の他面には
防水紙を積層してなることを特徴としている。

次いで、この考案の実施態様について図を参照
しながら以下に例示する。

第１図および第２図において、１は中心材とな
る発泡体であり、スチレン−無水マレイン酸共重
合体またはこれとその他の熱可塑性樹脂（例えば
ポリブタジエンなど）とのブレンド品による発泡
体にて形成されている。２は上記発泡体１の片面
に積層したフイルムであり、スチレン−無水マレ
イン酸共重合体またはこれとその他の熱可塑性樹
脂とのブレンド品により形成されている。３は上
記発泡体１の他面に積層した防水紙であり、例え
ば普通紙にパラフイン加工等の防水処理が施され
たものである。

なお、上記発泡体１およびフイルム２を構成す
るスチレン−無水マレイン酸共重合体は無水マレ
イン酸２〜25重量％、スチレン98〜75重量％にて
形成されるもので、また、その他の熱可塑性樹脂
をブレンドさせる場合にも無水マレイン酸は上記
同様２〜25重量％を含んだものを用いる。特に上
記の発泡体１の一例としては、マレイン酸8.5重
量％、トルエン3.5重量％、プロパンとブタンが
１：４で８重量％をスチレンと重合した発泡性熱
可塑性樹脂粒子を95℃、20分加熱で50倍発泡して
一次発泡後、これを使用して成形するには過充填
して45倍発泡に調整し、1.2Kg／cm²の蒸気圧で75
秒加熱を行ない、冷却せしめればよいものであ
る。

上記のごとき天井材に対する成形についてはヒ
ーター加熱によらず、スチームで防水紙３を加熱
させ膨潤状態で伸びを与えながら、加熱成形すれ
ばよく、深絞りまでは出来ないが、例えば自動車
用の天井材（天井内張材）程度の大略的な成形で
あれば充分可能である。そして自動車用天井材の
場合、例えば第３図のごとく防水紙３にポリウレ
タンによる発泡体４を装着するもので、発泡体４
には布、塩ビシート、塩ビレザー、その他による
表皮材５が積層されている。そして、この場合一
切金属部分を有していないので、自動車用天井材
としては廃車後の処理も行ない易くなる。

さらに、この考案の天井材は一般建築用の天井
材としても天井形状に応じた成形を行なつて、使
用できる。

上記の構成による、この考案の天井材は、発泡
体１の片面に防水紙３を積層しているので、天井
材としての使用時には接着がし易く、強力な接着
による取付けが可能で、例えばポリウレタンによ
る発泡体との接着組合せの場合などでは接着剤６
としての選択が酢酸ビニル系からゴム系まで比較
的自由となる点でも至便であり、防水紙３の紙層
を通して接着剤６が滲み込むので、接着強度が大
きく、しかも防水性能を兼ね備えていて好都合と
なる。

また、この考案の天井材は発泡体１の両面共に
ラミネートされた巻取り不可能なものでなく、片
面にフイルム２、他面に防水紙３を有したものゆ
え充分巻取りが可能となり、取扱いが良好となる
ほか、フイルム２も発泡体１もスチレン−無水マ
レイン酸共重合体またはこれとその他の熱可塑性
樹脂とのブレンド品によるため、単なる発泡スチ
ロールの場合のような皮膜がなくなり吸音性がは
るかに向上するものである。

さらに、上記発泡体１およびフイルム２共にス
チレン−無水マレイン酸共重合体またはこれとそ
の他の熱可塑性樹脂とのブレンド品により形成さ
れているので、高倍率の発泡体であつても自己支
持性に優れていて成形がし易いほか、通常のポリ
スチレンに比べ20゜〜25℃程度の耐熱アツプをは
かり、天井材として充分な耐熱性と高い断熱効果
をも発揮できる。そのほか適度にこしの強さがあ
り、軽量で且つ緩衝効果にも優れており、しかも
その構成上、先に述べたごとく成形も可能で作業
性が良好な天井材を安価に提供することが可能と
なる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施態様を例示するものであ
り、第１図は一部の切欠斜視図、第２図は断面
図、第３図は使用の一例を示す断面図である。 １……発泡体、２……フイルム、３……防水
紙、４……ポリウレタンによる発泡体、５……表
皮材、６……接着剤。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ スチレン−無水マレイン酸共重合体またはこ
   れとその他の熱可塑性樹脂とのブレンド品より
   なる発泡体の片面には、スチレン−無水マレイ
   ン酸共重合体またはこれとその他の熱可塑性樹
   脂とのブレンド品よりなるフイルムを積層し、
   上記発泡体の他面には防水紙を積層してなるこ
   とを特徴とする天井材。 ２ 発泡体およびフイルムを構成するスチレン−
   無水マレイン酸共重合体は無水マレイン酸２〜
   25重量％、スチレン98〜75重量％にて形成され
   たものからなる上記実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の天井材。 ３ 発泡体およびフイルムを構成するスチレン−
   無水マレイン酸共重合体とその他の熱可塑性樹
   脂とのブレンド品において、無水マレイン酸を
   ２〜25重量％を含んだものからなる上記実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の天井材。