JPH0346997Y2

JPH0346997Y2 -

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Publication number: JPH0346997Y2
Application number: JP1986010742U
Authority: JP
Priority date: 1986-01-28
Filing date: 1986-01-28
Publication date: 1991-10-04
Also published as: JPS62122747U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）この考案は、例えば自動車の天井材、ドア内張
材、トランクルームマツトなどの自動車用内装材
の改良に関し、さらに詳しくは剛性、耐熱性、深
絞り成形性、ハンドリング性および断熱性、なら
びに内装材としての美感、ソフト感等を有すると
ともに、軽量かつ安価な自動車用内装材に関する
ものである。

（従来の技術）この種の内装材、例えば自動車の成形天井に
は、品質として、剛性、耐熱性、深絞り成形性、
ハンドリング性および断熱性、さらには内装材と
しての美感、ソフト感等が要求される。そして、
これらの要求品質を満たすため、従来は、基材と
して、レジンフエルト、プラスチツクハニカム、
ダンボール等の比較的硬い材料が使用されるとと
もに、表面材として、ポリウレタン発泡体、ポリ
エチレン発泡体等のパツド材と、ニツト、塩ビレ
ザー等の表皮が使用されるのが一般であつた。こ
の種の成形天井としては、例えば、非発泡のプロ
ピレン系重合体シート／ポリプロピレン発泡体／
非発泡のプロピレン系重合体シートが基材として
使用されるとともに、ポリウレタン発泡体／布、
塩ビレザー等が表面材として使用され、これらを
積層して、５層の積層体とされたものが考案され
ている（実開昭55−148926号公報参照）。

（考案が解決しようとする問題点）しかしながら、このような成形天井では、構造
が複雑で、製造工程も複雑となり、製造コストの
高騰を招いていた。

また、表面材として深絞り成形できないポリウ
レタン発泡体が使用されているので成形による深
くてシヤープな造形的美感を得ることができず、
所望の美感が得られないという問題もあつた。

（問題点を解決するための手段）本考案の内装材は、２層構造の積層発泡シート
の両面に、プロピレン系重合体からなる非発泡の
表皮層がそれぞれ積層されてなる構造とされ、積
層発泡シートは、プロピレン系重合体とエチレン
系重合体からなる２枚の架橋発泡シートが積層さ
れて形成されている。架橋発泡シートは互いに発
泡倍率を異にし、一方の架橋発泡シートの方が他
方の架橋発泡シートよりも発泡倍率が大きく設定
されている。また、一方の表皮層つまり発泡倍率
の高い架橋発泡シート側の表皮層の表面には、絞
模様等の凹凸模様が付されている。

表皮層は、厚み0.06〜0.6mmが好ましく、さら
に好ましくは0.09〜0.6mmとされる。表皮層を構
成するプロピレン系重合体としては、ポリプロピ
レンのホモポリマーのほか、ポリプロピレンと、
エチレン等のプロピレンと共重合可能なモノマー
とのブロツクコポリマー、ランダムコポリマーな
どがあげられ、これらのブレンド樹脂であつても
よい。また、必要に応じて、これらに、さらに顔
料、難燃剤、帯電防止剤、増量剤など無機物や有
機物を加えることもできる。

架橋発泡シートを構成するプロピレン系重合体
としては、例えば、エチレンとプロピレンのラン
ダム共重合体、ブロツク共重合体、あるいはラン
ダム・ブロツク共重合体、エチレン・ブテン・プ
ロピレン共重合体等のα−オレフイン・プロピレ
ン共重合体等があげられる。なお、この共重合さ
れるα−オレフインの種類および量は特に限定さ
れるものではなく、共重合体の融点が130〜170℃
の間になされるのが好ましい。また、プロピレン
系重合体のメルトフローレート（MFR）は0.1〜
50が好ましく、より好ましくは0.3〜30とされる。

架橋発泡シートを構成するエチレン系重合体と
しては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレ
ン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、無定型エチ
レン・プロピレン共重合体等があげられ、これら
は、単独あるいは二種以上混合して使用すること
ができる。また、これらのエチレン系重合体の
MFRは0.1〜50が好ましく、より好ましくは0.2〜
30とされる。

なお、架橋発泡シートはポリプロピレン系重合
体の量が増えると、耐熱性があり、腰も強くなる
が、反面割れ易くて、特に低温の衝撃強度が低
く、硬すぎてクツシヨン性が悪くなる。また、押
出機等での熱成形が困難になり、架橋剤および発
泡剤の分解が起こつて、良好な成形物、ひいては
良好な発泡体が得られない。逆に、上記ポリプロ
ピレン系重合体の量が減つてエチレン系重合体の
量が増えると、耐熱性および機械的強度等の物性
が低下する。したがつて、架橋発泡シート中のポ
リプロピレン系重合体の量は、10〜80重量％が好
ましく、より好ましくは20〜70重量％とされる。

上記発泡倍率の小さい架橋発泡シートの発泡倍
率は15〜35倍が好ましく、一方、発泡倍率の大き
い架橋発泡シートの発泡倍率は20〜50倍が好まし
く、より好ましくは25〜45倍とされる。

なお、本考案は種々設計変形することができ
る。例えば、凹凸模様は高発泡倍率の架橋発泡シ
ートだけでなく他方の表皮層にも凹凸模様を付
し、両面に凹凸模様が施された構成としてもよ
い。

次に、本考案に係る自動車用内装材の製造方法
を説明する。

あらかじめ製造されたプロピレン系重合体と
エチレン系重合体からなる架橋発泡シートに、
プロピレン系重合体からなる非発泡の表皮層を
押出ラミネートする。この時に、表皮層に絞模
様等の凹凸模様をつける。

一方、架橋発泡シートと発泡倍率を異にした
架橋発泡シートに、非発泡の表皮層を押出ラミ
ネートする。

続いて、架橋発泡シートの表面を互いに相対
させて配置した後、ガスによる火災もしくは強
力赤外線ヒータなどによつて、架橋発泡シート
の面を熔融しながら圧着して自動車用内装材を
得る。

なお、車室内側になる凹凸模様の付される表
皮層の面は、あらかじめ所望の色に顔料で着色
しておくのが好ましい。

（作用）基材としての積層発泡シートは、プロピレン系
重合体とエチレン系重合体からなる２枚の架橋発
泡シートを積層してなり、自動車用内装材自体の
軽量化を図るとともに、充分な耐衝撃性、剛性、
耐熱性、深絞り成形性、ハンドリング性、断熱
性、防音性等を備えている。また、構造が簡単
で、製造工程の単純化ひいては製造コストの低減
化を図る。

積層発泡シートの両面に積層されているプロピ
レン系重合体からなる非発泡の表皮層は、成形性
がよく、深くシヤープな造形的美感など所望の美
感を熱成形により得て、内装材としての充分な美
感、ソフト感等を得る。

また、少なくとも高発泡倍率の架橋発泡シート
側の表皮層に付した絞模様等の凹凸模様は、上記
内装材としての美感、ソフト感等をさらに際立た
せる。

さらに、積層発泡シートを発泡倍率の異なる２
層として、高発泡倍率の側を室内側に配するよう
にすることにより、自動車用内装材全体として充
分な剛性、耐熱性などを保ちつつ、車室内側から
の感触的なソフト感をさらに増す。

（実施例）次に本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図は本考案の一例を示す断面図である。図
中１は積層発泡シートであり、積層発泡シート１
は発泡倍率の異なる架橋発泡シート４，５が積層
されて形成されている。

架橋発泡シート４は高密度ポリエチレン（密度
0.955、MFR6.0）40部、エチレン・ブデン・ポリ
プロピレン共重合体（密度0.90、MFR8.0）40部
及びエチレン・プロピレンブロツク共重合体（密
度0.90、MFR5.0）20部よりなる独立気泡のもの
であり、その発泡倍率が20倍とされるとともに、
厚さが2.5mmとされている。また、他方の架橋発
泡シート５は、架橋発泡シート４と同じ組成の独
立気泡のものであり、発泡倍率が35倍とされると
ともに、厚さが2.5mmとされている。

架橋発泡シート４，５にはそれぞれ非発泡の表
皮層２，３が積層されており、上側の非発泡の表
皮層２は、エチレン・プロピレンブロツクコポリ
マーに難燃剤、帯電防止剤、抗酸化剤を配合して
シート化されたものであり、厚みが0.2mmとされ
ている。一方、下側の非発泡の表皮層３は、表皮
層２と同じエチレン・プロピレンブロツクコポリ
マーに難燃剤、帯電防止剤、抗酸化剤を配合し、
さらに顔料も加えてグレー、ブルーなどに着色し
てシート化されたものであり、シート化の際にシ
ボ模様６が付され、厚みが0.2mmとされている。

（考案の効果）以上詳述したように、本考案によれば、プロピ
レン系重合体とエチレン系重合体からなりかつ発
泡倍率を異にする２枚の架橋発泡シートを積層し
て積層発泡シートが形成され、該積層発泡シート
の両面にプロピレン系重合体からなる非発泡の表
皮層が積層されているから、構造が簡単で、製造
工程も単純となり、これにより製造コストの低減
化が図れて、安価な自動車用内装材を提供するこ
とができる。

また、軽量であつて、耐衝撃性、剛性、耐熱
性、深絞り成形性、ハンドリング性、断熱性、防
音性等にも優れる。しかも、成形性がよいので、
深くシヤープな造形的美感を熱成形によつて容易
に得ることができ、これにより所望の美感が得ら
れて、内装材としての美感、ソフト感等を充分に
満足させることができる。

また、少なくとも高発泡倍率の架橋発泡シート
側に凹凸模様を付した非発泡の表皮層が積層され
ているので、自動車用内装材全体として充分な剛
性、耐熱性などを保ちつつ、車室内側からの触感
的なソフト感を確保することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例である自動車用内装材
の構造を示す断面図である。１……積層発泡シート、２，３……表皮層、
４，５……架橋発泡シート、６……凹凸模様。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

プロピレン系重合体とエチレン系重合体からな
りかつ発泡倍率を異にする２枚の架橋発泡シート
が積層された積層発泡シートの両面にプロピレン
系重合体からなる非発泡の表皮層がそれぞれ積層
され、少なくとも高発泡倍率の架橋発泡シート側
の表皮層に、凹凸模様が付されていることを特徴
とする自動車用内装材。