JPS623279Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主として自動車ボデイーなどの大型
の被塗物を搬送用台車に載置した状態で塗装ブー
ス内を自動的、連続的に通過移動させることによ
り塗装製品を生産性良く製造することができるよ
うに構成された塗装設備に付随する部材、詳しく
は、前記の被塗物搬送用台車、及び、塗装時にブ
ース内に発生する塗料ミストをブース底部に設け
た捕集装置に効率良く集中吸引させるべくブース
内に取外し自在に架設されたグレーチング床構成
用の有孔床部材に付着した塗料を自動剥離するた
めの装置に関し、その目的は、低コストでかつ作
業環境を良好に保つた状態での確実な剥離が行な
えるようにする点にある。

詳述すると、前述した被塗物搬送用台車、及び
有孔床部材（以下両者を被処理物と総称する。）
に付着した塗料の剥離手段として従来から実施さ
れていた手段には、○イ被処理物を槽内に収容した
アルカリ性薬液に浸漬する手段、○ロ被処理物の付
着塗料をトーチなどを用いて燃焼除去する手段、
があるが、これら従来手段は被処理物の大きさ、
重量面から何れも手作業でかつバツチ作業になら
ざるを得ず、従つて非常に能率が悪いばかりでな
く多大な労力を要するといつた共通の欠点があ
り、その上に前者○イの場合は、比較的高価な薬液
を使用することと、その薬液の垂れ落ちなどによ
つてロスが多いこととにより作業コストが膨大な
ものとなると同時に作業環境が悪い欠点があり、
また後者○ロの場合は被処理物への熱的悪影響は避
けられない欠点があつた。

かかる実情に鑑みて案出された本考案による塗
装設備用の付着塗料自動剥離装置は、塗装ブース
内を通過移動自在な被塗物搬送用台車及びグレー
チング床構成用の有孔床部材を載置搬送可能なコ
ンベヤを設け、このコンベヤによる被処理物搬送
経路途中に、被処理物に向けて高圧水を噴射する
ノズル装置を備えた付着塗料剥離室を形成し、こ
の付着塗料剥離室での被処理物への高圧水噴射に
伴なつて剥離された塗料スラツジを複数段階に捕
集するフイルター装置を設けるとともに、それら
フイルター装置で過された水を貯留するタンク
とそのタンク内の貯留水を前記ノズル装置に送給
するポンプとを設けてあることを特徴構成とす
る。

このような特徴構成を有する本考案による作用
効果は次の通りである。

被処理物をコンベヤを介して連続搬送し乍
ら、その搬送被処理物に向けて高圧水を噴射す
ることにより、水のもつ大きな衝撃エネルギー
と、一部が剥れかかつた付着塗料片と被処理物
表面との間への水の侵入ならびに、剥離塗料の
速やかな洗い流しとの相乗作用をもつて、短時
間の噴射で非常に効率良く、かつ確実に付着塗
料を剥離することができるとともに、そのよう
な剥離を連続作業にて極めて能率良く行なえ
る。

使用流体が水であり、しかも複数のフイルタ
ーを通して塗料スラツヂが捕集された過水を
噴射高圧水として循環再使用するので、従来の
アルカリ性薬液を使つての浸漬手段に比べて作
業ランニングコストを大幅に低減できるととも
に、排水処理のための設備負坦も少なくて設備
経済面でも有利である。

アルカリ性薬液を用いないこと、及び、燃焼
加熱手段の場合のような雰囲気の悪化がないこ
ととにより、作業環境を良好に保てる。

で述べた如く作業能率が良いため、被処理
物の予備が少なくて良く、この面でも経済的で
ある。

以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。

第１図は付着塗料の剥離対象物（被処理物）を
備えた塗装設備全体の構造概要を示し、Ａはその
側壁がガラス壁から構成された塗装ブースで、そ
の内部には手動式、又はロボツト式のスプレー装
置（図外）が設けられている。前記塗装ブースＡ
の天井部には可変バツフルＤを介してブースＡ内
に均一な層流の下降気流ａをつくる給気プレナム
Ｅが構成されているとともに、前記塗装ブースＡ
の底部には、中心に向かつて緩い傾斜を有し、そ
の両端に設けた洗浄水ヘツダーＧ，Ｇから流出さ
れる洗浄水をもつて切れ目のない一様な水膜を作
る鋼板製の洗浄板Ｆが固着され、この洗浄板Ｆの
中心部には適当間隔を隔てて、ブース排気の全量
のオーバースプレー塗料ミストとを集中吸引して
気固分離を行なう洗浄チユーブＨが設けられ、更
にその下部に浅くて緩い傾斜の床下水槽Ｉが形成
され、かつ、前記床下水槽Ｉの水面上空間に開口
する条態でブースＡの下部から横外方上方に向け
て排気プレナムＪが立設されている。そして、前
記洗浄板Ｆに対して適当距離上方位置のブースＡ
内には、全面グレーチング床構成用の有孔床部材
Ｃが取外し自在に架設支持され、この有孔床部材
Ｃ上に被塗物を載置してブースＡ内を通過移動自
在な搬送用台車Ｂが設けられている。

上記の塗装設備においてオーバースプレー塗料
が付着する前記の台車Ｂ及び有孔床部材Ｃを被処
理物とするオフライン型式の付着塗料自動剥離装
置は、第２図乃至第４図のように構成されてい
る。

即ち、第２図乃至第４図中１は装置架台１８を
介して水平又はほぼ水平面に沿つて駆動移動自在
に掛架された二連一組の被処理物Ｂ，Ｃ載置搬送
用の無端コンベヤであつて、その搬送始端部及び
搬送終端部には夫々、被処理物搬入用及び搬出用
のローラコンベヤ１９及び１９′と、被処理物を
ローラコンベヤ１９から無端コンベヤ１上に自動
積載するため、及び無端コンベヤ１上の処理済み
被処理物をローラコンベヤ１９′上に自動荷卸し
するためのテーブルリフター１０及び１０′が設
けられている。２は前記無端コンベヤ１による被
処理物搬送経路途中に設けた二連一組の回転式ノ
ズル装置であつて、モータ２Ａにて駆動回転さ
れ、ポンプ９を介して送給される高圧水を被処理
物に向けて噴射するように構成され、かつ、チエ
ーンブロツクや流体圧シリンダ等の昇降用アクチ
ユエータ（図外）を介して前記無端コンベヤ１の
搬送面に対して各別に遠近移動固定自在に構成さ
れている。このノズル装置２を備えた付着塗料剥
離室３の入口部及び出口部には夫々、吸音材料製
の壁をもつて構成した消音室１１、１１′が連設
されているとともに、前記付着塗料剥離室３の直
下部には、塗料スラツジ捕集用の第１フイルター
装置４として、網目状受部４Ａを備えた台車４Ｂ
が移動走行自在に設けられている。５は前記第１
フイルター装置４を構成する台車４Ｂの網目状受
部４Ａを通過し勾配排水溝１２を経て流下してく
る塗料スラツジ含有水を過して塗料スラツジを
捕集する金網利用の第２フイルター装置であり、
これを通過した過水は水中ポンプ１３を介して
塗料スラツジ分離装置６に送られてその中に含有
されている細かい塗料スラツジを分離捕集する。
この塗料スラツジ分離装置６は、前述した塗装設
備における塗装ブースＡ下部の床下水槽Ｉに集め
られた塗料ミスト洗浄水から塗料スラツジを分離
するための塗料スラツジ分離装置を兼用するもの
である。７は前記第３フイルター装置６で過さ
れポンプ１４を介して強制圧送されてくる水を最
終的に過して含有塗料スラツジを捕集する精密
フイルター装置であり、ここで過された水はタ
ンク８に貯留された上で前記ポンプ９を介して前
記ノズル装置２に循環送給されるように構成して
ある。

尚、上記実施例では前記コンベヤ１、ノズル装
置２等が二連一組設けられていて、二重の被処理
物Ｂ及びＣを同時併行的に処理できるように構成
したが、一連のみ設けて二種の被処理物Ｂ，Ｃの
処理に応じてノズル装置２の位置を調整して使用
するように構成しても良い。

また、フイルター装置としては各種形態のもの
を選択使用すれば良く、かつその設置数も実施例
のような４つに限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は塗装設備全体の概略縦断正面図、第２
図〜第４図は実施例の平面図、側面図、縦断正面
図である。 １……コンベヤ、２……ノズル装置、３……付
着塗料剥離室、４，５，６，７……フイルター装
置、８……タンク、９……ポンプ、Ａ……塗装ブ
ース、Ｂ……被塗物搬送台車、Ｃ……有孔床部
材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 塗装ブースＡ内を通過移動自在な被塗物搬送
   用台車Ｂ及びグレーチング床構成用の有孔床部
   材Ｃを載置搬送可能なコンベヤ１を設け、この
   コンベヤ１による被処理物搬送経路途中に、被
   処理物に向けて高圧水を噴射するノズル装置２
   を備えた付着塗装剥離室３を形成し、この付着
   塗装剥離室３での被処理物への高圧水噴射に伴
   なつて剥離された塗料スラツヂを複数段階に捕
   集するフイルター装置４，５，６，７を設ける
   とともに、それらフイルター装置４，５，６，
   ７で過された水を貯留するタンク８とそのタ
   ンク８内の貯留水を前記ノズル装置２に送給す
   るポンプ９とを設けてあることを特徴とする塗
   装設備用の付着塗料自動剥離装置。 前記ノズル装置２が前記コンベヤ１の搬送面
   に対して遠近移動固定自在に構成されている実
   用新案登録請求の範囲第項に記載の塗装設備
   用の付着塗料自動剥離装置。 前記フイルター装置４，５，６，７のうち、
   １つのフイルター装置６が塗装ブースＡの塗料
   ミスト洗浄水の固形分分離装置を兼用するもの
   である実用新案登録請求の範囲第項に記載の
   塗装設備用の付着塗料自動剥離装置。