JPS6232704Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、チツプの送り調整が極めて簡易且つ
迅速にでき、ひいてはスポツト溶接作業を能率的
にできる手動用スポツト溶接機における電極チツ
プ取付装置に関する。

近時、構造物の内，外表面に被覆ステンレス材
の両立上り部（継手部）をシーム溶接（抵抗溶
接）して水密且つ気密に施工する被覆金属外囲体
が盛んに研究、開発されている。その長尺の直線
状の両立上り部をシーム溶接するのに、主にその
前作業工程としてその両立上り部を仮止めするの
にスポツト溶接を行つている。また、そのシーム
溶接の不完全箇所が生じた場合に、その補修用等
としても使用している。その手動用スポツト溶接
機はコンパクトに製作され、重量も最小限にして
取扱性を勝れたものにしている。ところで、その
電極チツプａは、溶接時に一定圧で加圧しつゝ行
うため（抵抗溶接）、高発熱を伴い、相当に摩滅
の激しいものであり、一定圧に保つためには、電
極チツプａをその都度送り調整する必要があつ
た。ところが、第４図に示すように従来では、電
極チツプａの固定は確実であるが、送りはハンマ
ー打設等で行つており、その送り調整が著しく面
倒であり、ひいてはスポツト溶接作業が非能率と
なる欠点があつた。また、ハンマー打設等で行う
電極チツプａの送り調整では、電極チツプａを傷
つける欠点があり、これによつてスポツト溶接が
不良溶接になる等の欠点もあつた。

そこで本考案は、手動用スポツト溶接機の左右
の固定チツプホルダー、揺動チツプホルダー夫々
の先端寄りに棒状の電極チツプを挿入し、該軸方
向と略直交するようにして歯状車を中央に設けた
チツプ調整軸杆を電極チツプの近接した位置の固
定チツプホルダー、可動チツプホルダー夫々に軸
支し、その歯状車を電極チツプの周縁に圧接さ
せ、そのチツプ調整軸杆の回動にて電極チツプを
摺動できるようにしたことにより、電極チツプの
送り調整が極めて簡易且つ迅速にでき、ひいては
スポツト溶接作業を能率的にでき前記の欠点等を
解消したものである。

その構造を図面にて説明する。

Ａは手動用スポツト溶接機、１は本体、２はト
ランス、３は固定チツプホルダー、４は揺動チツ
プホルダーである。５はクロム鋼製等の棒状の電
極チツプで、その先端は先鋭状部として形成され
ている。その電極チツプ５が固定チツプホルダー
３及び揺動チツプホルダー４夫々の貫孔６，６に
挿入されている。また、該貫孔６より固定チツプ
ホルダー３及び揺動チツプホルダー４の下端まで
スリ割溝７が形成され、該スリ割溝７に直交して
螺合した締付ボルト８にてその電極チツプ５を適
宜締付固定できるように構成されている。該電極
チツプ５の軸方向と直交して（略直交も含む）前
後側からネジ孔９がその電極チツプ５の近接した
位置の固定チツプホルダー３及び揺動チツプホル
ダー４夫々に穿設されている。１０はチツプ調整
軸杆で、その中央に歯状車１１が固着され、該歯
状車１１は実際には、ロール外周をローレツト仕
上げしているのみである。その歯状車１１付のチ
ツプ調整軸杆１０がそのネジ孔９に挿入され、歯
状車１１を前後から支持するカラー１２，１２の
外ネジ部１２ａ，１２ａがネジ孔９，９に螺合さ
れている（第３図参照）。このとき、その歯状車
１１が電極チツプ５の周縁に圧接されて係止状態
をなし、そのチツプ調整軸杆１０の回動にて電極
チツプ５が前後に適宜摺動できるように構成され
ている。図中１３はＬ形リンクで、前記本体１に
軸支され、その下端が揺動チツプホルダー４の上
端に固着されている。１４は連結杆、１５は揺動
ハンドル、１６は固定ハンドル、１７は加圧調整
バネ、１８は取手である。

次に作用効果について説明する。

本考案においては、手動用スポツト溶接機Ａの
左右の固定チツプホルダー３揺動チツプホルダー
４夫々の先端寄りに棒状の電極チツプ５を挿入
し、該軸方向と略直交するようにして歯状車１１
を中央に設けたチツプ調整軸杆１０を電極チツプ
５の近接した位置の固定チツプホルダー３揺動チ
ツプホルダー４夫々に軸支し、その歯状車１１に
電極チツプ５の周縁に圧接させ、そのチツプ調整
軸杆１０の回動にて電極チツプ５を摺動できるよ
うにしたことにより、第１に電極チツプの送り調
整が極めて簡易且つ迅速にでき、ひいてはスポツ
ト溶接作業を能率的にできる等の作用効果を奏す
る。

該作用効果を詳述すると、従来のようにハンマ
ー等で打設しなければ、調整できないものとは異
なり、そのチツプ調整軸杆１０を適宜回動するこ
とのみで、極めて簡単に電極チツプ５を前後に摺
動させることができ、これによつて作業中に簡単
に調整でき、スポツト溶接作業を能率的にでき
る。特に、本考案では、そのチツプ調整軸杆１０
の回動で歯状車１１を回動させるため、該歯状車
１１の周速が送り速度となり、極めて迅速に電極
チツプ５の送りを与えることができる所に大きな
特長がある。さらに、従来のようにハンマー等で
打設して電極チツプ５を傷つけることがないた
め、スポツト溶接の強度を常に一定した良好なも
のにできる。また、本考案は構成が簡易であり、
安価に製作できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
その第１図は本考案を設けた手動用スポツト溶接
機の正面図、第２図は本考案の斜視図、第３図は
第２図−矢視断面図、第４図は従来公知の電
極チツプ取付部の縦断面図である。 Ａ……手動用スポツト溶接機、３……固定チツ
プホルダー、４……可動チツプホルダー、５……
電極チツプ、１０……チツプ調整軸杆、１１……
歯状車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 手動用スポツト溶接機の左右の固定チツプホル
   ダー、揺動チツプホルダー夫々の先端寄りに棒状
   の電極チツプを挿入し、該軸方向と略直交するよ
   うにして歯状車を中央に設けたチツプ調整軸杆を
   電極チツプの近接した位置の固定チツプホルダ
   ー、可動チツプホルダー夫々に軸支し、その歯状
   車を電極チツプの周縁に圧接させ、そのチツプ調
   整軸杆の回動にて電極チツプを摺動できるように
   したことを特徴とした手動用スポツト溶接機にお
   ける電極チツプ取付装置。