JPH0237496Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は溶接用トーチとそれを回転自在に保持
するホルダとを有する溶接用トーチ組立体に関す
る。

溶接すべき一対のパイプ外周に回転自在に取付
けることができるホルダ付き溶接用トーチは公知
である。トーチは両パイプの接合面周囲を回転し
ながらこれらを溶着するのであるが、従来のトー
チにおいては両パイプの軸心がずれたりあるいは
パイプ外周面に凹凸があつたりあるいは均一な円
断面となつていないような場合にはトーチの火口
からパイプ外周までのギヤツプが円周回りで不均
一になり均一な肉厚の溶接が行えなくなるという
問題があつた。また、特にTIG溶接等においては
上記のギヤツプに応じて電極電流値等を設定する
のでこれは看過し得ない欠点となる。

本考案は斯かる欠点を解消した簡易構造の溶接
用トーチ組立体を提供せんとするものである。

以下、図面に従つて説明する。

尚、本考案においてはトーチ自体はガス溶接用
でもアーク溶接用でもあるいはTIG溶接用でもよ
く溶接の種類には何ら限定されない。

本考案に係るトーチ組立体は基本的には枢着部
３で２つ割り可能な半円弧プレート５Ａ，５Ｂを
夫々のフランジ部７，９においてボルト１３及び
ナツト１１により結合した略環状の支持体１を有
する。支持体１の周囲には少くとも円周方向の３
点で被溶接材１００Ａ，１００Ｂ（パイプ、中空
中実を問わず）の一方の外周を支持体するクラン
プジヨー１５が設けられる。クランプジヨー１５
はねじ棒として形成されローレツト付つまみ１７
を回すことによりパイプ１００Ａ，１００Ｂの半
径方向に動かすことができる。支持体１はこれら
クランプジヨー１５によりパイプ１００Ａ周囲に
確実に不動支持される。

支持体１上にはブラケツト２１を介してモータ
２３等の動動源が取付けられる。モータ２３の出
力軸２５にはギヤケース２２内に配置される小歯
車２７が固着される。この小歯車２７にはリング
ホルダ２９の外周に形成した歯３４が噛合せしめ
られる。リングホルダ２９はその外周部に形成し
た略コ字状の肩部３２をプレート５Ａ，５Ｂの周
囲に形成した突起６に嵌合することにより支持体
１に対して回転自在に支承される。斯くしてモー
タ２３を駆動することによりリングホルダ２９は
パイプ外周囲を回転することができる。

リングホルダ２９には、ローラーホルダ３１が
設けられる。ローラホルダ３１は内部に例えば角
棒状のスライダ３７を有し、さらにその内部にロ
ーラ軸３５があり、つまみ３９を回すことにより
ローラ３３は、半径方向に前後動可能となつてい
る。

スライダ３７は、孔４３を有し該孔４３内にば
ね４５があり常にスライダを押圧している。つま
み３９を回してゆくとローラ３３はパイプ１００
Ａに当りさらに回してゆくことによりスライダ３
７が後退しパイプ１００Ａの外周上を弾撥的にそ
の周面にならつて転動することができる。

故にスライダ３７に固着されるブラケツト５９
上に載置されたトーチ５１とパイプ１００Ａとの
間隔は、つまみ３９を回すことで簡単に調整が出
来る。

ローラホルダ３１にはトーチ５１を支承したト
ーチ台５０が揺動可能に取付けられる。トーチ台
５０はトーチ５１の輪郭（図示の例では円形）に
対応した形の凹所を形成する一対のプレート５４
Ａ，５４Ｂを有し、これら両プレート間にトーチ
５１の先端を挾み込むものである。即ち、図示の
実施例の場合には両プレート５４Ａ，５４Ｂは半
円弧状の凹所を有し、ボルト５３により組み合わ
せられてトーチ５１に嵌合する円形の孔を形成す
る。トーチ台５０はボルト６０によりスライダ３
７に固着されるブラケツト５９上に載置される。
トーチ台５０とブラケツト５９とはこれら両者間
に延びるピン６３により相対すべり回転自在に連
結される。ブラケツト５９にはボルト５５が固着
され、該ボルト５５はトーチ台５０に形成される
弧状長孔６５を貫通して突出する。従つてトーチ
台５０はボルト５５を緩めることにより長孔６５
の弧長分だけピン６３を中心として所定角度回動
することができる。トーチ５１の火口が両パイプ
１００Ａ，１００Ｂの接合面Ｓに対し所要の角度
に設定されたらボルト５５を締め付けることによ
りトーチ台５０、従つてトーチ５１は不動に固定
される。

本考案によればリングホルダ２９には複数個の
好ましくは120゜間隔に３個の位置決めローラ７３
が取り付けられる。各位置決めローラ７３は軸受
７５により回転自在に軸支される。軸受７５はハ
ウジング７４内に摺動自在に嵌入されるスライダ
７９を有し、このスライダ７９は送りねじ軸７８
を有しつまみ７２を回転せしめることによりスラ
イダ７９、従つてローラ７３を半径方向に前進後
退させることができる。尚、スライダ７９には凹
溝８１が形成され、ハウジング７４に突出形成し
た突起８３の作用によりスライダ７９を半径方向
の移動ストロークを規制する。位置決めローラ７
３はパイプ１００Ａ，１００Ｂの溶接接合面Ｓを
またいで両パイプの外周上に位置する軸方向長さ
を有し、好ましくは第２図に示す如くくびれ部な
いしは小径部７３ａを有する。勿論これとは別に
ローラ７３は均一断面の円筒ローラでもよい。く
びれ部７３ａは接合面Ｓの上部に位置せしめられ
る。

以上の如く構成することにより本考案によれば
溶接すべき一対のパイプの接合面をまたぐように
して位置決めローラ７３が両パイプの外周面を好
ましくは120゜間隔で３方から押圧するので溶接作
業中に両パイプの心ずれが生じることはない。ま
たトーチは一旦その向きを設定すれば不動に保持
されるのでパイプとのギヤツプも一定に保持され
る。何故なら、このトーチ組立体を取り付ける方
のパイプ外周にたとえ凹凸があつてもその凹凸は
弾撥的に保持される転動ローラ３３により有効に
吸収されるからである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る溶接用トーチ組立体の一
部破断正面図、第２図は第１図の一部断面側面
図。 １……支持体、１５……クランプジヨー、２３
……モータ、２９……リングホルダ、５１……ト
ーチ、７３……位置決めローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円柱状外周を有する被溶接材の外周囲にトーチ
   を取付けて一対の被溶接材を溶接する溶接用トー
   チ組立体であつて、被溶接材の外周囲を包囲して
   その少くとも３点を支持するクランプジヨーを具
   えた支持体と、該支持体に対して被溶接材の軸線
   を中心として回転自在に連結されるリングホルダ
   と、上記支持体上に支承され上記リングホルダを
   回転せしめる駆動源と、上記リングホルダに枢着
   されるトーチ、及び上記リングホルダに回転自在
   に軸支され両被溶接材の接合面をまたがつて延び
   て両被溶接材外周上を転動する複数個の位置決め
   ローラを有して構成される溶接用トーチ組立体。