JPS6321981Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は点溶接機、特に定置式点溶接機で用
いる溶接ヘツドに関するものである。

周知の定置式点溶接機においては、溶接ヘツド
は一対の電極が上下の対向状態（姿勢）以外は取
り得ない構成になつているため、溶接は被溶接物
の溶接部を水平な状態にして行わなければなら
ず、被溶接物の形状等によつては、溶接作業がス
ムースにできないという問題があつた。

この考案に係る溶接ヘツドは、上記のような周
知の定置式点溶接機に認められる溶接の作業性の
問題を、可能な限りコンパクトな構成によつて解
消することを主要な目的として案出したもので、
先端に電極を保持する可動と不動の電極アーム、
両電極アームの軸方向の中間部に連結した電極開
閉支軸ユニツトおよび両電極アームの後端部に連
結した電極加圧シリンダユニツトを有する溶接ガ
ンの不動の電極アームに、不動の電極アームの径
方向にのびるシヤンクを取付け、該シヤンクを、
軸周りに回転可能な定置クランプ手段に、直接ま
たは間接的にクランプした構成からなつている。

このような構成からなるこの考案の溶接ヘツド
によれば、定置クランプ手段の軸周りの回転によ
つて、両電極アームの先端の両電極の対向状態を
変えることができる。したがつて被溶接物の形状
等に応じて両電極の対向状態を適当に選択するこ
とにより、溶接作業のスムース化をはかることが
できる。

この考案の溶接ヘツドにおける溶接ガンは、可
搬式点溶接機の溶接ガン類で構成することができ
る。一方定置クランプ手段は、一般には、溶接ガ
ンに取付けるシヤンクを把持（締着）可能な半径
方向にのびるクランプ穴を有する可回動軸で構成
することができる。なおこの定置クランプ手段
は、場合によつては、軸方向に移動可能な形にも
構成することができる。

次に第１図と第２図を参照して、この考案に係
る溶接ヘツドの二つの実施例を説明する。

まず第１図に示した実施例は最も基本的なもの
と言うことができるもので、不動の電極アーム１
２、可動の電極アーム１４、電極開閉支軸ユニツ
ト１６および電極加圧シリンダユニツト１８を有
する溶接ガン１０の不動の電極アーム１２に、ク
ランプねじ２４を介して締付け可能なクランプ穴
２２を有する連結部材２０を介して、不動の電極
アーム１２に直交してのびるシヤンク２６を取付
け、このシヤンク２６を、クランプねじ３４を介
して締付け可能なラジアルクランプ穴３２を有す
る可回動軸３０のラジアルクランプ穴３２にクラ
ンプした構成からなつている。

この第１の実施例においては、本質的には、可
回動軸３０の軸周りの回転によつて、電極１３，
１５の対向状態を可回動軸３０周りにおいて任意
に変えることができ、これによりスムースな溶接
作業を進めるのに適した電極姿勢を得ることがで
きる。

またこの実施例では、その構成上、溶接ガン１
０の不動の電極アーム１２の連結部材２０のクラ
ンプ穴２２における軸周りの回転によつても、同
じように電極１３，１５の対向状態の調節が可能
である一方、不動の電極アーム１２を、連結部材
２０のクランプ穴２２において軸方向に移動させ
たり、シヤンク２６を、可回動軸３０のクランプ
穴３２において軸周りに回転させたり、軸方向に
移動させたりすることにより、電極１３，１５の
可回動軸３０に対する位置、すなわち溶接位置を
所望どおりに選定することができる。したがつて
相当広汎な溶接作業をスムースに行うことができ
る。

次に第２図に示した実施例は、第１図の場合と
同じように、溶接ガン１０の不動の電極アーム１
２に連結部材２０を介してシヤンク２６を取付け
る一方において、このシヤンク２６を、シヤンク
２６にクランプ係合可能な第１のクランプ穴４２
および第１のクランプ穴４２と直交する方向にの
びる第２のクランプ穴４４を有する中間連結部材
４０と、中間連結部材４０の第２のクランプ穴４
４と可回動軸３０のラジアルクランプ穴３２にク
ランプ係合可能な連結バー４６とを介して、可回
動軸３０に間接的にクランプした構成を備えてい
る。

この第２の実施例でも、基本的には、可回動軸
３０の軸周りの回転によつて、電極１３，１５の
対向姿勢を任意に調節することができる。

またこの実施例では、この電極１３，１５の対
向姿勢は、溶接ガン１０の不動の電極アーム１２
の連結部材２０のクランプ穴２２における軸周り
の回転、中間連結部材４０の連結バー４６周りの
回転、連結バー４５の可回動軸３０のクランプ穴
３２における軸周りの回転等によつても変えるこ
とができる一方、不動の電極アーム１２の連結部
材２０のクランプ穴２２における軸方向の移動、
シヤンク２６の中間連結部材４０の第１のクラン
プ穴４２における軸周りの回転および軸方向の移
動、中間連結部材４０の連結バー４６に沿う移動
等によつて、所望の方向において対向する電極１
３，１５を適宜の位置まで移動させることができ
る。したがつてスムースに行うことができる溶接
作業の範囲がきわめて広い。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案に係る溶接ヘツドの実施例を示
したもので、第１図は第１の実施例の斜視図、第
２図は第２の実施例の要部斜視図である。 １０……溶接ガン、１２……不動の電極アー
ム、１４……可動の電極アーム、１３，１５……
電極、１６……電極開閉支軸ユニツト、１８……
電極加圧シリンダユニツト、２６……シヤンク、
３０……可回動軸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 先端に電極を保持する可動と不動の電極アー
   ム、両電極アームの軸方向の中間部に連結した
   電極開閉支軸ユニツトおよび両電極アームの後
   端部に連結した電極加圧シリンダユニツトを有
   する溶接ガンの不動の電極アームに、不動の電
   極アームの径方向にのびるシヤンクを取付け、
   該シヤンクを、軸周りに回転可能な定置クラン
   プ手段に直接または間接的にクランプしてな
   る、点溶接機用溶接ヘツド。 (2) 定置クランプ手段が、シヤンクを把持可能な
   半径方向にのびるクランプ穴を有する可回動軸
   からなる、実用新案登録請求の範囲第(1)項記載
   の点溶接機用溶接ヘツド。